交通事故で膝を強く打ったりひねったりして半月板を損傷し、治療が終わった後も、膝の痛み、しゃがんだときの引っかかり、階段の昇り降りのつらさ、ときに膝が動かせなくなるロッキングや、曲げ伸ばしのしにくさが残っている方は少なくありません。手術を受けたのに症状が残っている、MRIで断裂を指摘されたのに保険会社からは「加齢による変性ではないか」と言われた、そろそろ症状固定だと打診されたが後遺障害の見通しが分からない——医学的な判断と賠償上の判断が同時に押し寄せ、何から確認すればよいのか分かりにくい場面です。
この記事では、交通事故による半月板損傷に絞って、痛みなどの神経症状として検討される第12級13号・第14級9号と、膝の曲げ伸ばしの制限(可動域制限)という機能障害が、そもそも別の評価軸であることを整理したうえで、MRI・関節鏡などの画像・手術所見と自覚症状の対応、外傷性の損傷と加齢に伴う変性所見をめぐる因果関係、後遺障害の申請前・示談前に確認しておきたい資料を解説します。半月板損傷という診断名やMRIの断裂所見だけで等級が決まるわけではなく、結論は症状の内容、事故態様、通院経過、画像と症状の対応などの個別事情により異なります。示談書に署名すると、原則としてやり直しがききません。署名の前に、ご自身の膝の状態と資料を一度確認しておくことをおすすめします。
膝の痛みや引っかかりが残っているのに提示額に納得できない、症状固定や示談を打診されて判断に迷っている——そのような場合は、診断書やMRI画像などの資料を確認したうえで、後遺障害申請の要否や対応の方針を整理することができます。
半月板損傷の後遺障害で最初に確認したい結論
- 診断名やMRI所見だけで等級は決まりません。半月板損傷と診断され、MRIに断裂が写っていても、それだけで第12級13号や第14級9号になると決まるわけではありません。
- 痛みなどの「神経症状」と、曲げ伸ばしの「可動域制限(機能障害)」は、別の評価軸です。第12級13号・第14級9号は局部の神経症状の等級で、可動域制限は第12級7号・第10級11号・第8級7号といった機能障害の等級で検討されます。両者は同じ基準ではありません。
- 「引っかかり」「ロッキング」それ自体が特定の等級になるわけではありません。これらは、症状・可動域・医学的所見・生活への支障を整理するための重要な情報です。
- 画像所見と自覚症状の対応が確認されます。外傷性の損傷か、加齢に伴う変性所見かをめぐって、事故態様、受傷直後からの訴え、通院経過、画像が総合的に確認されます。
- 先に確保したいのは、時系列のMRI・診療録・手術記録・可動域の測定記録です。症状固定後にさかのぼって整えようとすると、記載の補充が難しくなることがあります。
半月板損傷とは
半月板の役割
半月板は、大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)の間にある、C字型(三日月型)をした軟骨に似た組織で、膝の内側と外側にそれぞれ一つずつあります。荷重を分散させて関節にかかる負担をやわらげ、関節の安定性を保ち、動きをなめらかにする役割を担っているとされています。生まれつき半月板が大きく分厚く、関節の中で引っかかりやすい円板状半月という形態の方もいます。
交通事故で想定される受傷
半月板の損傷は、ジャンプの着地や急な方向転換、膝を強くひねる動作などのスポーツ外傷で生じることが多いとされますが、交通事故によっても起こります。自動車との接触、二輪車や自転車での転倒などで膝に強い衝撃やひねりが加わる場面です。前十字靭帯損傷などの靭帯損傷や、軟骨損傷を合併していることもあります。一方で、半月板は加齢によって傷つきやすくなり、中高年では日常生活上のわずかな動作でも断裂すること(変性断裂)があるとされ、この点が交通事故との因果関係で問題になりやすいところです。
主な症状
膝の曲げ伸ばしのときの痛みや引っかかり感(キャッチング)、関節のすき間(関節裂隙部)の痛み、膝に水がたまる(関節水腫)、断裂した部分が関節にはさまって膝を動かせなくなるロッキングなどが生じることがあります。ロッキングが起きると歩行が難しくなることもあります。
検査と手術所見の役割と限界
診察では、膝のすき間の圧痛や、痛みを誘発する徒手検査が行われます。半月板はレントゲンやCTには写らないため、MRIが診断に重要とされ、損傷の部位や形を確認できます。もっとも、MRIにも診断上の限界があり、画像所見と実際の症状が必ずしも一致しないことがあります。関節鏡による手術では、関節内を直接観察して損傷の状態を確認でき、手術記録や術中の画像が重要な資料になります。レントゲンは半月板そのものを写せませんが、骨折の有無、関節のすき間の狭まり、変形性の変化などの確認には意味があり得ます。
検査を受けるかどうか、手術やリハビリの方針は、主治医が医学的な必要性に基づいて判断する事項です。この記事は一般的な情報提供であり、診断や治療の指示を行うものではありません。後遺障害の立証だけを目的として、医学的な必要性の確認がないまま検査や手術を受けるよう促すものではありません。膝の状態については必ず主治医・医療機関にご確認ください。
半月板損傷で検討される後遺障害の種類
膝に症状が残った場合、大きく分けて「痛みなどの神経症状」と「曲げ伸ばしの可動域制限(機能障害)」という別々の観点から後遺障害が検討されます。この二つは同じ基準ではありません。次の表で、評価の対象、自賠責の等級表(自動車損害賠償保障法施行令別表第二)の文言、主に確認される資料、誤解しやすい点を整理します。
| 評価の対象 | 検討され得る等級と別表第二の文言 | 主に確認される資料 | 誤解しやすい点 |
|---|---|---|---|
| 膝の痛みなどの局部の神経症状 | 第12級13号「局部に頑固な神経症状を残すもの」/第14級9号「局部に神経症状を残すもの」 | MRI・診療録・手術記録、症状の一貫性・連続性の記録、事故態様 | ここでいう「神経症状」は自賠責の障害分類上の用語で、神経そのものの断裂だけを指すものではありません |
| 膝の曲げ伸ばしの可動域制限(機能障害) | 第12級7号「一下肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの」/第10級11号「同・機能に著しい障害を残すもの」/第8級7号「同・関節の用を廃したもの」 | 可動域の測定値(患側と健側)、器質的損傷を示す画像・手術所見 | 神経症状の等級とは別の基準です。可動域制限があれば第12級13号になる、という関係ではありません |
| 引っかかり・ロッキング・水腫など | それ自体が特定の等級になるわけではなく、症状・可動域・医学的所見・生活への支障を整理するための情報として確認されます | 急性期の一時的な動かしにくさと、症状固定時に残る恒常的な制限は区別されます | |
等級表の号数や文言は、自動車損害賠償保障法施行令別表第二によります。上位の等級(第8級・第10級)ほど障害の程度が重く、確認される資料も多くなります。半月板損傷だからといって、第12級13号か第14級9号のどちらかに必ず当てはまる、というものでもありません。
自賠責保険の後遺障害等級の認定は、支払基準上、原則として労災保険(労働者災害補償保険)の障害等級認定の基準に準じて行うとされています。ただし、労災の認定基準に記載された号数と、自賠責の別表第二の号数は項目によって一致しません。たとえば局部の神経症状は、労災の認定基準では「第12級の12」「第14級の9」と記載されますが、自賠責の別表第二では第12級13号・第14級9号です。号数をそのまま読み替えることはできないため、個別の事案では等級表と認定基準の双方を確認する必要があります。
第12級13号と第14級9号を分ける際に確認される資料
痛みなどの神経症状について、第12級13号と第14級9号のどちらとして検討されるかは、診断名や手術歴だけで機械的に決まるものではありません。「認定される条件」の断定的なチェックリストではなく、評価に際して確認される資料・事情として、次のようなものが挙げられます。
- 事故態様と、膝に加わった外力の大きさ・方向
- 事故直後からの膝の痛み、腫れ、引っかかりなどの記録と、初診時の訴え・診断名
- 症状が現れた時期と、その後の推移・通院の継続性
- MRIの断裂所見と、その部位・形が症状の部位・内容と対応しているか
- 関節鏡・手術の所見、術中の画像
- 症状固定時に残っている症状の内容と程度
- 外傷性の損傷か、加齢に伴う変性所見かという点についての医学的な評価
実務上、他覚的な所見によって神経症状が医学的に証明できると評価される場合と、証明まではできないが症状の経過などから医学的に説明できると評価される場合とで、検討される等級の傾向が異なるとされています。もっとも、これは認定実務上の傾向であり、法令上明記された必要十分条件ではありません。「MRI所見があれば第12級」「症状に一貫性があれば第14級」といった条件式のように理解することはできません。
膝の可動域制限はどのように評価されるか
膝の曲げ伸ばしの制限(可動域制限)は、痛みなどの神経症状とは別の「機能障害」として評価されます。可動域の測定と評価の方法は、労災の「関節の機能障害の評価方法及び関節可動域の測定要領」で定められており、自賠責でもこれに準じて確認されます。ポイントは次のとおりです。
| 確認事項 | 内容 |
|---|---|
| 主要運動 | 膝関節の主要運動は屈曲・伸展です。屈曲と伸展のように同一面にある運動は、両者の可動域の角度を合計した値で制限の程度を評価します。 |
| 患側と健側の比較 | 原則として、けがをした側(患側)と、けがをしていない側(健側)の可動域を比較します。 |
| 測定の原則 | 原則として他動運動(検者が動かす)による測定値を用います。弛緩性の麻痺で自動では動かせない場合や、痛みで自動運動ができないと医学的に判断される場合など、他動値が適切でないときは自動運動の測定値を参考にします。 |
| 程度の区分 | 関節の可動域が健側のおおむね4分の3以下に制限されると「機能障害」、2分の1以下だと「著しい機能障害」、完全強直またはこれに近い状態(おおむね健側の10%程度以下)だと「関節の用を廃したもの」として検討されます。膝ではこれらが第12級7号・第10級11号・第8級7号に対応します。 |
| 測定値の整合性 | 測定の時期・姿勢、疼痛や筋緊張の影響、器質的な損傷との対応、複数回の測定値の整合性が確認されます。 |
軽く曲げにくいというだけで機能障害の等級に該当するわけではありません。また、可動域制限は、それを裏づける器質的な損傷(画像や手術所見で確認できる関節の破壊など)との対応が確認されます。痛みのために動かしにくいという訴えは、可動域制限そのものというより、神経症状として別に検討される場面もあります。同じ膝の機能障害に通常伴う痛みは、上位の機能障害の等級に含めて評価されることがあり得るため、「可動域制限の第12級7号と神経症状の第12級13号を当然に併合して第11級になる」といった理解はできません。
後遺障害診断書や画像、可動域の測定記録が、神経症状と機能障害のどちらの検討に必要な情報を含んでいるかは、資料を確認しなければ判断できません。申請前に確認しておくことで、不足している記録を早い段階で把握できます。
画像所見と自覚症状が一致しないとき
半月板損傷では、画像所見と自覚症状の対応が争点になりやすく、次のような場面で判断に迷う方が多く見られます。いずれも結論は個別事情により変わります。
- MRIでは断裂があるのに、症状との対応を争われる。断裂の部位・形が症状の部位と対応しているか、事故態様と整合するかが確認されます。
- 症状は強いのに、画像所見が明瞭でない。症状の一貫性・連続性の記録や、診察所見が確認の材料になります。
- 保険会社から加齢による変性所見や既往症を指摘される。事故前の膝の状態、受傷直後からの症状、通院経過を確認したうえで、事故との因果関係が検討されます。
- 初診時は膝の打撲や捻挫とされ、後から半月板損傷が判明した。初診からの症状の連続性と、判明までの経過が確認されます。
- 手術で可動域は改善したが、痛みや引っかかりが残る。症状固定時に残っている症状の内容に応じて、神経症状として検討される場面があります。
画像に変性所見があることや、既往症があること自体で、直ちに自賠責上の既存障害・加重障害となったり、民事上の素因減額がされたりするわけではありません。事故前の症状や機能障害の有無、事故後の増悪、因果関係、適用される基準は、それぞれ別の概念であり、資料により区別して検討されます。中高年の半月板所見がすべて加齢性である、逆に事故前に無症状であれば画像上のすべての所見が事故で生じた、といった一律の断定はいずれもできません。
後遺障害の申請までに確保したい記録と資料
資料は、それが「何を証明する資料なのか」と結び付けて整理すると、不足が見えやすくなります。事故直後から示談前までの時系列で、確保しておきたい資料を挙げます。
| 時期 | 資料 | 確認できる事項 |
|---|---|---|
| 事故直後 | 交通事故証明書、事故状況の資料、車両・自転車等の損傷写真、ドライブレコーダー映像 | 事故態様、膝に加わった外力 |
| 治療中 | 診断書、診療録、診療報酬明細書、初診時からの症状の記録 | 傷病名、初診時の訴え、症状の連続性、通院経過 |
| 検査・手術時 | MRI等の画像データと画像診断報告書、関節鏡・手術記録、術中所見・画像、退院時要約 | 損傷の部位・形、画像と症状の対応、術中に確認された損傷の状態 |
| 症状固定前 | リハビリ記録、可動域の測定記録、筋力・脚長差の記録 | 機能障害の程度と経過 |
| 後遺障害診断書の作成時 | 後遺障害診断書、痛み・引っかかり・ロッキング・生活上の支障の具体的な記録 | 症状固定時に残る症状の内容と程度 |
| 申請前・示談前 | 休業損害証明書・源泉徴収票・確定申告書等の収入資料、認定票・理由書、示談提示書・示談書案 | 就労・収入への影響、認定結果の理由、提示内容 |
記録は、実際に生じた症状を正確に残すことが基本です。虚偽や誇張した症状を訴えるべきではなく、痛みや引っかかりの部位・頻度・場面、日常生活や仕事での具体的な支障を、通院のたびに医師へ伝えて記録してもらうことが大切です。医師に特定の診断名や等級の要件を書いてもらうよう求めるのではなく、実際の診察結果と医学的な判断が正確に記載されているかを確認するという姿勢が基本になります。症状の記録(症状日誌など)は補助的な資料になり得ますが、診療録・診察所見・画像などの医療資料に当然に代わるものではありません。資料の整え方は後遺障害診断書の作成前に確認したい資料と画像検査の注意点を見る、後遺障害の証拠の集め方を確認するもあわせてご覧ください。
よく問題になるケース
成功事例としてではなく、判断が分かれやすい場面として整理します。いずれも、結論は資料に基づく個別の検討によります。
- 部分切除術を受けた後も、関節のすき間の痛みや引っかかりが残っている。手術を受けたかどうかだけで等級が決まるわけではなく、残っている症状の内容が問題になります。
- 縫合術の後、可動域は戻ったが痛みが残る。可動域制限として現れなくても、神経症状として検討される場面があります。
- 前十字靭帯損傷や軟骨損傷を合併している。合併している損傷の内容は、後遺障害の評価だけでなく、膝の不安定性や将来のリスクの検討にも関わります。
- 中高年で、保険会社から「もともとの変性では」と言われている。事故前の状態と受傷後の経過を資料で確認する必要があります。
- 症状固定を打診されているが、まだ痛みや引っかかりが続いている。症状固定の時期は医師の医学的判断が基礎になります。
申請の結果と示談の前に確認したいこと
後遺障害の申請には、加害者側の任意保険会社を通じて行う方法(いわゆる事前認定)と、被害者が自ら資料を整えて行う被害者請求があります。被害者請求では立証資料を能動的に整えられるため、どちらの方法をとるかを含めて、後遺障害診断書の作成前に検討しておくと準備を整理しやすくなります。手続の一般的な内容は本記事の中心ではないため、詳細は関連記事に譲ります。
非該当となった場合や、想定より低い等級となった場合には、認定の理由書、画像、診療録、後遺障害診断書、手術記録などを確認し、新たな資料や医学的・法的な争点があるかを検討したうえで、異議申立てなどの手続を選ぶ必要があります。異議申立てをすれば必ず結果が変わるわけではなく、何度でも出せばよいというものでもありません。手続の選び方は後遺障害が非該当となった場合の異議申立ての判断材料を確認する、症状固定の考え方は症状固定と言われたときに確認したいことを見るで整理しています。
後遺障害の等級が認定された場合には、後遺障害慰謝料や逸失利益が検討の対象になり得ます。もっとも、等級が認定されれば労働能力の喪失率や喪失期間が機械的に決まるわけではなく、立ち仕事、階段の昇降、しゃがむ動作、正座、運搬、長距離歩行、運転など、具体的な職務への影響と収入資料を確認する必要があります。金額を検討する際は、自賠責保険の等級別の限度額、自賠責の支払基準に定められた慰謝料等の額、裁判実務上参照される基準による損害を混同しないことが大切です。考え方は後遺障害慰謝料の基準を確認する、後遺障害逸失利益の計算方法を確認するをご覧ください。
示談が成立すると、示談書の清算条項により、原則として後から追加請求をすることが難しくなります。将来の手術(抜釘など)や治療が見込まれる場合の扱い、逸失利益や慰謝料の計上漏れがないかを、署名の前に確認しておくことが大切です。示談成立後の考え方は示談後に症状が悪化・判明した場合の考え方を確認するで解説しています。なお、ご自身やご家族の自動車保険などに弁護士費用特約が付いている場合、相談料や弁護士費用の一部または全部が保険でまかなわれることがあります。利用条件は契約により異なるため、保険証券などでご確認ください。
前十字靭帯損傷による膝の不安定性・膝くずれや、将来の変形性膝関節症のリスクが中心的に問題となる場合は、前十字靭帯損傷による膝の不安定性と将来リスクを確認するもあわせてご覧ください。むちうちなどの神経症状で第12級と第14級の考え方を確認したい場合は、神経症状で第12級と第14級を分ける確認ポイントを見るで整理しています。
弁護士に相談するタイミング
半月板損傷の後遺障害では、次のような時点が相談を検討しやすいタイミングです。ご相談によって等級が保証されるわけではありませんが、資料を確認することで、争点や不足している資料、手続の選択肢を整理できます。
- 後遺障害診断書を作成する前
- 症状固定を打診されたとき
- 後遺障害の申請方法(事前認定か被害者請求か)を選ぶ前
- 非該当となったとき、または想定より低い等級となったとき
- 保険会社から示談案を受け、署名する前
手術の要否や術式、治療方針は主治医が判断する事項であり、弁護士が医療上の判断に立ち入ることはありません。相談では、医学的な判断を前提として、賠償上の手続と資料を整理します。
MRI画像、後遺障害診断書、可動域の測定記録、認定の理由書、保険会社からの示談案をご用意いただければ、現時点で確認できる点と、これから確保しておきたい記録を整理することができます。当事務所では、交通事故に関する初回のご相談を無料でお受けしています(事前予約制)。
よくあるご質問
半月板損傷なら必ず後遺障害になりますか。
必ず認定されるとは限りません。半月板損傷という診断名だけで決まるものではなく、症状の内容、事故態様、通院経過、画像所見と症状の対応、症状固定時に残る症状などを総合的に確認して評価されます。個別事情により結論は異なります。
MRIに断裂が写っていれば第12級13号になりますか。
画像所見だけで等級は決まりません。断裂の部位や形が症状の部位・内容と対応しているか、事故態様と整合するか、症状の一貫性・連続性があるかなどが確認されます。MRI所見があること自体が第12級13号を意味するわけではありません。
第12級13号と第14級9号は何が違いますか。
どちらも局部の神経症状の等級ですが、他覚的な所見によって神経症状が医学的に証明できると評価されるか、証明まではできないが経過などから説明できると評価されるかで、検討される等級の傾向が異なるとされています。これは認定実務上の傾向であり、資料を確認したうえでの個別の検討が必要です。
膝の可動域制限は第12級13号ですか。
いいえ。可動域制限は機能障害として、第12級7号・第10級11号・第8級7号といった別の等級で検討されます。第12級13号・第14級9号は痛みなどの神経症状の等級であり、可動域制限とは評価軸が異なります。
手術後も痛みが残る場合は申請できますか。
後遺障害は、症状固定の時点で残っている症状を対象に検討されます。縫合術や部分切除術の後に痛みや引っかかりが残っている場合、その内容に応じて神経症状などとして検討される場面があります。残っている症状と生活への支障を記録し、資料を確認したうえで検討する必要があります。
保険会社から加齢による変性と言われた場合はどう確認しますか。
変性所見があること自体で、事故との因果関係が当然に否定されるわけではありません。事故前の膝の状態、受傷直後からの症状、通院経過、画像所見と症状の対応を資料で確認したうえで検討します。結論は個別事情により変わります。
引っかかりやロッキングは後遺障害になりますか。
引っかかりやロッキングそれ自体が特定の等級になるわけではありません。これらは、症状・可動域・医学的所見・生活への支障を整理するための情報として確認されます。急性期の一時的なものか、症状固定時に残る恒常的なものかも区別されます。
非該当となった場合、何を確認すべきですか。
まず認定の理由書を確認し、画像、診療録、後遺障害診断書、手術記録などをもとに、新たな資料や医学的・法的な争点があるかを検討します。そのうえで異議申立てなどの手続を選ぶことになります。異議申立てをすれば必ず結果が変わるわけではありません。
まとめ
- 半月板損傷という診断名やMRIの断裂所見だけで後遺障害の等級は決まりません。
- 痛みなどの神経症状(第12級13号・第14級9号)と、曲げ伸ばしの可動域制限という機能障害(第12級7号・第10級11号・第8級7号)は、別の評価軸です。
- 引っかかりやロッキングは、それ自体が等級になるのではなく、症状・可動域・医学的所見・生活への支障を整理するための情報です。
- 外傷性の損傷か加齢に伴う変性所見かは、事故態様・受傷直後からの症状・通院経過・画像を総合して検討され、個別事情により結論が変わります。
- 時系列のMRI・診療録・手術記録・可動域の測定記録は、早い段階で確保しておくことをおすすめします。
- 示談書へ署名する前に、後遺障害の結果、慰謝料・逸失利益、清算条項を確認してください。
監修者・執筆者
弁護士法人ひょうご支所 神戸みらい法律会計事務所 代表弁護士・公認会計士 藤井 貴之(ふじい たかゆき)
兵庫県弁護士会所属/日本公認会計士協会兵庫会所属
交通事故の後遺障害について、診断書、画像、手術記録、可動域の測定記録、保険会社からの書面を確認したうえで、等級の検討、症状固定と申請の時期、示談条項の確認に対応しています。休業損害や逸失利益で収入資料の分析が必要な場合には、公認会計士としての実務も踏まえて検討します。
参考資料
この記事は一般的な解説です。実際の結論は、受傷した部位、損傷の内容、治療経過、画像所見、症状固定の時期、事故の状況、既往症、そろえられた資料によって異なります。治療に関する判断は主治医とご相談ください。

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