後遺障害が非該当|異議申立ての判断材料と確認点 |神戸市(須磨・垂水・西神・北神)の弁護士|初回相談無料|弁護士法人ひょうご支所神戸みらい法律会計事務所

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後遺障害が非該当|異議申立ての判断材料と確認点

交通事故の後遺障害等級認定を申請したところ、結果が「非該当」となり、これからどうすればよいのか迷っておられるかもしれません。異議申立てをすべきか、保険会社から届いた示談案に応じてよいのか、弁護士に相談すべきか、判断に必要な情報をまず整理することが大切です。

結論から申し上げると、後遺障害が非該当になったからといって、直ちに異議申立てをすべきとも、直ちに諦めるべきともいえません。最初に確認していただきたいのは、後遺障害等級認定票(通知)、非該当の理由、後遺障害診断書、診療記録、画像資料、検査結果、そして新たに提出できる資料があるかどうかです。異議申立てでは、「納得できない」と記載するだけでは結果が変わりにくく、非該当の理由に対応した新たな資料や具体的な反論を検討する必要があります。そして、保険会社から示談案や免責証書が届いている場合は、署名・押印の前に、後遺障害に関する損害がどう扱われているかを確認することをおすすめします。資料を整理したうえで、必要に応じて交通事故を取り扱う弁護士に相談することで、今後の対応方針を検討しやすくなります。

ただし、後遺障害の認定や異議申立ての結果、最終的な賠償の内容は、事故態様、傷病名、症状経過、検査結果、診療記録、非該当の理由、提出済み資料、過失割合、保険内容などの個別事情によって変わります。この記事は一般的な判断材料を整理するものであり、結果を保証するものではありません。

後遺障害が非該当になり、異議申立てを迷っている方へ

異議申立てをすべきか、示談に進んでよいかは、非該当の理由、提出済み資料、後遺障害診断書、診療記録、画像資料、新たに提出できる資料の有無によって変わります。保険会社から示談案や免責証書が届いている場合は、署名・押印の前に、後遺障害に関する損害の扱いをご確認ください。神戸みらい法律会計事務所では、交通事故の後遺障害申請、異議申立て、保険会社対応、示談交渉について、資料を確認したうえで今後の対応方針を整理します。

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後遺障害が非該当になったとき、まず確認したいこと

非該当の通知を受け取ると、不安や納得のいかない思いから、すぐに異議申立てを出したくなることがあります。一方で、「もう何をしても無理だ」と諦めてしまう方もおられます。しかし、いずれも資料を確認する前に決めてしまうのは避けたほうがよいといえます。

後遺障害が非該当になったときに、まず確認していただきたい点を整理します。

  • 非該当通知を見て、すぐに諦めたり、感情的に異議申立てを出したりしない
  • 後遺障害等級認定票(通知)と、非該当の理由が書かれた書面を確認する
  • 初回申請で提出した後遺障害診断書、診療記録、画像資料、検査結果の控えを確認する
  • 非該当の理由が「資料不足」なのか、「等級に該当する程度ではない」とされたのか、「事故との因果関係」が問題とされたのかを整理する
  • 異議申立てで補える新たな資料があるかどうかを確認する
  • 保険会社から示談案、免責証書、承諾書が届いていないかを確認し、署名・押印を急がない
  • 自賠責保険への請求期限や時効、示談の時期に問題がないかを確認する
  • ご自身やご家族の自動車保険に弁護士費用特約が付いていないかを確認する

これらを整理することで、異議申立てを検討すべきか、示談に進むか、紛争処理申請や訴訟を視野に入れるかといった方針を考えやすくなります。判断に迷う場合は、資料を確認したうえで弁護士に相談する方法があります。

後遺障害の「非該当」とは何か

後遺症と後遺障害の違い

「後遺症」とは、ケガの治療を続けても、医学的にこれ以上の回復が見込めないと判断された状態(症状固定)で残った症状を指す、一般的な言葉です。これに対して「後遺障害」とは、自賠責保険・共済の制度上、自動車損害賠償保障法施行令の別表第一または別表第二に定める等級に該当すると認められた状態をいいます。つまり、後遺症があっても、自賠責の後遺障害等級として認定されるとは限りません。

「非該当」が意味すること

後遺障害の「非該当」とは、提出された資料からは、自賠責保険・共済の後遺障害等級に該当すると判断されなかったという結果です。これは「症状が存在しない」と断定するものではなく、「自賠責の後遺障害等級としては認定されなかった」という意味で理解することが大切です。

後遺障害等級が認定されると、等級に応じて、後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益(労働能力の喪失による将来の減収に対する賠償)などが問題になります。反対に、非該当のまま示談すると、これらの後遺障害に関する損害を前提としない示談になる可能性があります。もっとも、示談書の文言や個別事情によって結論は変わり得るため、「非該当だと一切請求できない」と断定はできません。裁判で後遺障害や損害を争う余地があるかどうかも、事案によって異なります。

非該当通知を受け取った直後のチェックリスト

異議申立てを検討するかどうかを考える前に、手元の資料を確認します。次の項目を点検してみてください。

  • 後遺障害等級認定票(結果通知)を受け取っているか
  • 非該当の理由が記載された書面があるか
  • どの傷病名、どの症状について判断されたのかが分かるか
  • 初回申請は、事前認定(加害者側の任意保険会社を通じた手続)か、被害者請求(被害者が加害者の自賠責保険へ直接請求する手続)か
  • 提出した後遺障害診断書のコピーが手元にあるか
  • 提出した診断書、診療報酬明細書、画像資料、検査結果の控えがあるか
  • 認定の判断で、提出したはずの資料が考慮されていない可能性がないか
  • 主治医に伝えていた症状と、診療録・診断書の記載が一致しているか
  • 画像、神経学的検査、可動域測定、診療録の記載に不足がないか
  • 事故態様、車両の損傷状況、受傷の仕組みを説明できる資料があるか
  • 保険会社から示談案、免責証書、承諾書が届いていないか
  • 自賠責への請求期限や時効、示談の時期に問題がないか
  • 弁護士費用特約を利用できる可能性があるか

これらの点検は、後の異議申立てや示談交渉、弁護士相談の出発点になります。すべてがそろっていなくても、確認できた範囲から整理を始めることができます。

後遺障害等級認定票・非該当理由の読み方

結果通知には、認定された等級(非該当の場合はその旨)と、その判断理由が記載されています。重要なのは、「結論」だけでなく「判断の理由」を読むことです。理由を読まずに、感情的に「納得できない」と反論しても、結果が変わりにくいためです。

非該当の理由では、次のような点が問題にされることがあります。

  • 事故態様や受傷の内容(事故の衝撃の程度、受傷の仕組み)
  • 症状の経過、治療の状況(通院の頻度や間隔、症状の推移)
  • 画像所見(レントゲン、CT、MRIなどに、症状を説明する所見があるか)
  • 神経学的所見(神経学的検査の結果が記載されているか)
  • 症状の一貫性・連続性(事故直後から症状が継続して記録されているか)
  • 後遺障害診断書の記載内容(自覚症状、他覚所見、検査結果の記載)
  • 既往症や加齢に伴う変性(事故前からの要因との関係)

非該当の理由を読み、「どの点が、どの資料で不足していると判断されたのか」を整理することが、次の対応の検討につながります。理由書の文言の意味が分かりにくい場合や、提出資料の不足が疑われる場合は、弁護士に資料の確認を依頼する方法があります。なお、ここで挙げた項目は確認の視点であり、具体的な認定の文言や評価は、提出資料と事案によって異なります。

異議申立てを検討しやすいケース

異議申立ては、自賠責保険会社・共済組合に対して、後遺障害の認定結果の再審査を求める手続です。回数の制限はありませんが、初回と同じ資料を出し直すだけでは、結果が変わらない可能性があります。次のような場合は、新たな資料で補える余地があり、異議申立てを検討しやすいといえます。ただし、いずれも資料の内容と事案によって判断は異なります。

状況 検討のポイント
重要な画像資料が初回に提出されていなかった レントゲン、CT、MRIなどの画像を追加で提出できるか
後遺障害診断書の記載が不十分だった 自覚症状、他覚所見、検査結果の記載を補えるか主治医に確認する
神経学的検査が未実施または記載漏れだった 神経学的検査の実施・記載で症状を説明できるか
症状の部位・左右・程度が、診療録と診断書で整理されていなかった 記載の整合を確認し、必要に応じて補足を検討する
主治医の追加意見書で説明できる医学的事項がある 医師に医学的な評価を書面化してもらえるか確認する
事故態様、車両損傷、受傷機転に関する資料が不足していた 交通事故証明書、事故状況報告書、車両損傷写真などを補えるか
通院経過や症状の一貫性を補う資料がある 通院記録、症状メモ、勤務先資料などで一貫性を示せるか
高次脳機能障害、脊髄損傷、神経損傷、可動域制限などで専門的な資料整理が必要 神経心理学的検査、専門医の所見、可動域測定などの整理を検討する
初回が事前認定で、被害者側が主体的に資料を補充していなかった 提出資料を確認し、不足を補う方法を検討する

異議申立てを慎重に検討すべきケース

反対に、次のような場合は、異議申立てによって結果が変わる見込みを慎重に検討する必要があります。もっとも、これらに当てはまるからといって「絶対に認められない」と断定できるものではありません。資料の確認と弁護士への相談を経て判断することをおすすめします。

状況 慎重に検討する理由
新たに提出できる資料がほとんどない 同じ内容では結果が変わりにくい可能性がある
非該当の理由に対する具体的な反論資料がない 理由に対応した補強ができるかを確認する必要がある
症状が事故直後から継続して記録されていない 症状の一貫性・連続性の説明が難しい場合がある
通院の中断が長く、その理由を説明できる資料がない 治療経過の評価に影響する可能性がある
医師が後遺障害との関係に否定的な見解を示している 医学的な裏付けの確保が課題になる
画像や検査結果から、等級該当性を基礎づける資料が乏しい 他覚的な裏付けの有無を確認する必要がある
症状固定後から長期間が経過している 請求期限や時効との関係を確認する必要がある
時効や示談の時期が迫っている 手続の選択と期限管理を急いで検討する必要がある
費用・時間と、見込まれる損害額とのバランスを検討する必要がある 手続の負担と効果を比較する必要がある
異議申立てよりも、紛争処理申請や訴訟が適する可能性がある どの手続が適切かを資料に基づいて検討する

異議申立てで重要になる新たな資料

異議申立てでは、非該当の理由に対応して、どの資料からどのように後遺障害の該当性を検討できるかが重要になります。新たな追加資料の例としては、画像、診断書、意見書、照会回答書、検査結果、事故態様に関する資料などが挙げられます。代表的な資料を整理します。

資料の種類
医療に関する資料 後遺障害診断書の控え、追加の診断書、医師の意見書、診療録(カルテ)、診療報酬明細書、リハビリ記録、主治医への照会回答
画像・検査に関する資料 画像資料、画像CD-R、レントゲン、CT、MRI、神経学的検査結果、可動域測定結果、検査報告書
事故状況に関する資料 交通事故証明書、事故発生状況報告書、ドライブレコーダー映像、事故現場写真、車両損傷写真、修理見積書
生活・就労への支障に関する資料 事故直後からの症状メモ、仕事・家事・日常生活への支障メモ、勤務先資料、休業損害に関する資料、第三者の陳述書
既往症に関する資料 事故前の症状や既往症に関する資料(事故との関係を整理するため)

資料を準備する際の注意点として、医師に虚偽の記載や誇張を求めることは適切ではありません。患者ご本人のメモは補助的な資料であり、医療記録そのものに代わるものではありません。また、新たな資料があれば必ず認定されるわけではなく、同じ資料を出し直すだけでは足りないことがあります。医学的な判断は、主治医に確認することが基本です。

非該当の理由と、提出済みの資料を確認しましょう

異議申立てを検討する際は、後遺障害等級認定票や理由書だけでなく、初回申請で提出した診療記録、後遺障害診断書、画像資料、検査結果を確認する必要があります。新たな資料で何を補えるかを整理することで、異議申立て、紛争処理申請、示談交渉のいずれを選ぶかを検討しやすくなります。資料の確認や見通しの整理について、弁護士への相談をご検討ください。

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むちうち・神経症状で非該当になった場合の注意点

むちうち(頸椎捻挫)、腰椎捻挫、外傷性頸部症候群などでは、レントゲンやMRIなどの画像上、明らかな異常が乏しい場合があります。そのため、痛みやしびれといった症状の一貫性・連続性、通院経過、神経学的検査の結果、後遺障害診断書の記載が問題になりやすい類型です。

神経症状の後遺障害等級としては、自動車損害賠償保障法施行令別表第二の12級13号「局部に頑固な神経症状を残すもの」と、14級9号「局部に神経症状を残すもの」が問題になることがあります。一般に、12級13号は画像所見や神経学的検査などにより症状を医学的に証明できる場合、14級9号は画像で証明できなくても受傷態様や治療経過から症状を医学的に説明できる場合に関係するとされます【公開前に弁護士確認】。

注意点として、「6か月通えば認定される」「MRIを撮れば認定される」「痛みがあれば必ず14級になる」といった見方は正確ではありません。症状、検査結果、症状固定の時期、後遺障害診断書の記載内容などを主治医に確認することが大切です。不必要な通院や過剰な受診、症状の誇張は避けてください。

初回が事前認定だった場合の注意点

事前認定は、加害者側の任意保険会社を通じて後遺障害の認定手続が進む方法です。被害者側で提出資料を主体的に確認・補充しにくい場合があります。なお、事前認定でも被害者請求でも、損害調査自体は損害保険料率算出機構(自賠責損害調査事務所)で行われます。

異議申立ての段階では、被害者請求に切り替えて被害者側で資料を整えるか、どの資料を追加するかが問題になることがあります。もっとも、事前認定・被害者請求・異議申立ての手続の切り替えは、事案や保険会社の案内によって異なるため、公的資料を確認し、弁護士に相談しながら進めることをおすすめします。「被害者請求にすれば必ず認定される」といったことではありません。

異議申立て・紛争処理申請・訴訟の違い

後遺障害の認定結果に納得できない場合の主な選択肢として、自賠責への異議申立て、自賠責保険・共済紛争処理機構への紛争処理申請、訴訟があります。それぞれの位置づけを整理します。なお、具体的な手続や期限は、公的資料・各保険会社の案内・弁護士の確認を前提にご検討ください。

項目 異議申立て 紛争処理申請 訴訟
申立て・請求の相手方 自賠責保険会社・共済組合 自賠責保険・共済紛争処理機構 裁判所(加害者・保険会社が相手方)
判断する主体 損害保険料率算出機構(自賠責損害調査事務所、異議事案は審査会で審査) 国が指定した第三者機関の紛争処理委員(弁護士・医師・学識経験者の合議) 裁判所
主な場面 非該当や等級に納得できず、再審査を求める場合 自賠責の判断に不服があり、裁判外で第三者の判断を求める場合 後遺障害だけでなく、過失割合・慰謝料・逸失利益・休業損害など賠償全体を争う場合
新たな資料の重要性 非該当の理由に対応した新資料が重要 提出済み資料等をもとに審査(申請後の新医証は異議申立てを案内) 主張・立証を尽くす必要がある
回数 回数制限なし 同一の紛争で原則1回
費用 自賠責の手続自体に費用負担はない 申請自体に費用負担はない 裁判費用・期間がかかる
示談との関係 当事者間の紛争が解決している事案は原則対象外
注意点 同じ資料の出し直しでは結果が変わりにくい 申請対象・除外事由の確認が必要 立証の負担・時間・費用を検討する必要がある

一般には、まず自賠責への異議申立てを行い、その結果にも不服がある場合に紛争処理申請や訴訟を検討することが多いとされます。どの手続を選ぶべきかは、資料、新たな証拠、争点、時効、費用、見込まれる損害額、保険内容によって異なります。判断に迷う場合は、弁護士に相談する方法があります。

異議申立ての大まかな流れ

異議申立ての一般的な流れは次のとおりです。提出先、用紙、添付資料、審査体制、期間は、公的資料・各保険会社の案内・弁護士の確認を前提にご検討ください。なお、審査には一定の期間を要し、「何日で結果が出る」と一概にはいえません。

  1. 非該当通知、後遺障害等級認定票、理由書を確認する
  2. 初回に提出した資料を取り寄せて内容を確認する
  3. 非該当の理由を整理する
  4. 不足している資料や新たに提出できる資料の有無を確認する
  5. 主治医に医学的な事項を確認する
  6. 異議申立書の方針を決める
  7. 必要な資料を添えて、自賠責保険会社・共済組合へ提出する
  8. 追加の照会があれば対応する
  9. 結果を確認する
  10. 結果に納得できない場合、紛争処理申請や訴訟を検討する

異議申立書に記載することの考え方

異議申立書では、「納得できません」と述べるだけでなく、非該当の理由に対応して、事故態様、受傷内容、症状経過、治療経過、症状固定時の状態、画像・検査結果、後遺障害診断書の記載、日常生活・仕事・家事への支障を整理することが大切です。医学的な判断や検査結果について、弁護士が医師に代わって診断するわけではありません。主治医に確認すべき事項を質問リストとして整理し、虚偽や誇張、後から作った不自然な説明は避けてください。

主治医に確認したい事項

異議申立てや今後の対応を検討する際、主治医に確認しておきたい事項を整理します。医師に特定の結論を迫ったり、虚偽・誇張した意見書を求めたりすることは避けてください。検査や治療の必要性は、医師が判断する事項です。

  • 症状固定の時期は妥当か
  • 後遺障害診断書の傷病名、自覚症状、他覚所見、検査結果に記載漏れがないか
  • 画像所見、神経学的検査、可動域測定の結果はどのように評価されるか
  • 症状が事故後から継続しているといえるか
  • 既往症、加齢変性、事故前の症状との関係をどう説明できるか
  • 追加の検査が必要かどうか
  • 医師の意見書を作成してもらえるか
  • 生活・仕事・家事への支障を医学的にどう説明できるか
  • 非該当の理由に対して、医学的に補足できる点があるか

示談前に確認すべきこと

非該当のまま示談に応じてよいかは、慎重に検討する必要があります。示談書、免責証書、承諾書に署名・押印すると、原則として、その後の追加請求が難しくなる可能性があります。もっとも、示談書の文言や個別事情によって結論は変わり得るため、「一切追加請求できない」と断定はできません。

示談前には、次の点を確認することをおすすめします。

  • 後遺障害に関する損害を留保する文言があるか
  • 清算条項(これ以外に債権債務がないことを確認する条項)の有無と範囲
  • 後遺障害慰謝料、後遺障害逸失利益が、示談案にどう扱われているか
  • 非該当の結果を前提に示談するのか、異議申立てを検討するのか

示談案に後遺障害に関する損害が含まれていない場合は、非該当の結果を踏まえて示談に進むのか、異議申立てを検討するのかを整理する必要があります。示談案の確認項目については、関連する解説もあわせてご確認ください。

期限・時効に関する注意点

後遺障害に関する手続では、期限や時効に注意が必要です。自賠責保険への被害者請求権は、自動車損害賠償保障法第16条第1項に基づく権利で、同法第19条により、損害および保有者を知った時から3年で時効によって消滅するとされています。後遺障害による損害については、症状固定日の翌日から3年が一つの目安とされます【公開前に弁護士確認】。

これとは別に、加害者本人に対する損害賠償請求権(民法上の権利)の消滅時効にも注意が必要です。人の生命または身体を害する不法行為による損害賠償請求権は、損害および加害者を知った時から5年とされています(民法第724条の2)【公開前に弁護士確認】。自賠責への請求権(3年)と、加害者本人への請求権(人身で5年)は別の期間であり、混同しないことが大切です。

注意していただきたいのは、異議申立てや紛争処理申請をすれば、当然に時効が止まる・更新される・延長されるとはいえない点です。時効が近い場合は、自賠責保険会社・共済組合または弁護士に確認し、必要な手続(時効更新の手続など)を検討してください。具体的な期限の計算は、事故日、症状固定日、請求の履歴、保険会社とのやり取り、時効更新の手続の有無などによって変わるため、個別の確認が必要です。なお、過去の一定時期以前の事故には旧基準が適用される場合があるなど、例外もあります【公開前に弁護士確認】。

弁護士に相談を検討したいタイミング

次のような場面では、弁護士への相談を検討する価値があります。

  • 後遺障害非該当の通知が届いた
  • 非該当の理由の意味が分からない
  • 後遺障害等級認定票や理由書の読み方が分からない
  • 提出済み資料の不足が疑われる
  • 後遺障害診断書に記載漏れがある可能性がある
  • 画像資料、検査結果、診療録の読み方が分からない
  • むちうち、神経症状、しびれ、痛みで非該当になった
  • 骨折、可動域制限、神経損傷、高次脳機能障害などで判断に迷う
  • 事前認定で非該当になり、被害者請求や異議申立てを検討したい
  • 保険会社から示談案、免責証書、承諾書が届いた
  • 後遺障害慰謝料や逸失利益が示談案に含まれていない
  • 時効や期限が近い可能性がある
  • 紛争処理申請や訴訟も含めて検討したい
  • 弁護士費用特約が使える可能性がある

弁護士に相談することで、資料を確認したうえで、非該当の理由、追加資料の有無、異議申立ての方針、示談前の確認事項を整理できる場合があります。なお、相談によって等級認定や増額を保証するものではありません。見通しは、事故状況、治療経過、症状、検査結果、診療記録、非該当の理由、提出資料、過失割合、保険会社対応などによって異なります。

相談前に準備したい資料

相談の際にあると検討が進みやすい資料を整理します。すべてがそろっていなくても相談は可能です。手元にあるものから持参いただければ、確認できる範囲で対応の整理を始められます。

分類 資料の例
認定・通知関係 後遺障害等級認定票、非該当通知、理由書
申請時の提出資料 初回申請で提出した資料一式、後遺障害診断書、診断書、診療報酬明細書
医療・検査関係 診療録(カルテ)、画像資料、画像CD-R、レントゲン、CT、MRI、検査結果、神経学的検査結果、可動域測定結果、リハビリ記録、お薬手帳
事故状況関係 交通事故証明書、事故発生状況報告書、ドライブレコーダー映像、事故現場写真、車両損傷写真、修理見積書
通院・損害関係 通院日が分かる資料、通院交通費明細、領収書、症状メモ、仕事・家事・育児・介護・日常生活への支障メモ、休業損害証明書、源泉徴収票、給与明細、確定申告書
保険・示談関係 保険会社から届いた書面、治療費打ち切りの連絡内容、示談金提示書、免責証書、承諾書、任意保険証券、弁護士費用特約が分かる資料

神戸市須磨区・垂水区・西区・北区周辺で、後遺障害非該当にお悩みの方へ

後遺障害が非該当になった場合、異議申立てをするか、紛争処理申請や訴訟を検討するか、非該当を前提に示談交渉を進めるかは、資料と個別事情によって異なります。示談書や免責証書に署名すると、後から追加請求が難しくなることがあります。非該当の理由、提出済み資料、新たに提出できる資料、時効、弁護士費用特約を整理したうえで、示談前のご相談をご検討ください。

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よくある質問

後遺障害が非該当になったら、もう何も請求できないのですか。

非該当は「後遺障害等級として認定されなかった」という意味であり、治療費や休業損害、傷害慰謝料など、後遺障害以外の損害の請求まで当然になくなるものではありません。後遺障害に関する損害(後遺障害慰謝料・逸失利益)を請求できるかは、異議申立ての結果や個別事情によって変わります。示談前に資料を確認することをおすすめします。

非該当になった理由は、どこを見れば分かりますか。

後遺障害等級認定票(結果通知)に添えられた理由の記載を確認します。結論だけでなく、事故態様、症状経過、画像所見、神経学的所見、症状の一貫性、後遺障害診断書の記載など、どの点が問題とされたかを読むことが大切です。読み方が分かりにくい場合は、弁護士に資料の確認を依頼する方法があります。

異議申立てをすれば、後遺障害は認定されますか。

異議申立てをすれば必ず認定されるわけではありません。非該当の理由に対応した新たな資料や具体的な反論があるかどうかが重要です。同じ資料を出し直すだけでは、結果が変わらない可能性があります。資料の有無を整理したうえで判断することをおすすめします。

異議申立てには、新しい資料が必要ですか。同じ資料を出し直すだけでも意味はありますか。

非該当の理由に対応した新たな資料(画像、検査結果、医師の意見書、事故状況資料など)を検討することが基本です。同じ資料を出し直すだけでは、結果が変わりにくいことがあります。何を補えるかを整理することが重要です。

むちうちで非該当になった場合、異議申立てはできますか。

むちうちなどの神経症状でも、異議申立て自体は可能です。画像所見が乏しい場合があるため、症状の一貫性・連続性、通院経過、神経学的検査、後遺障害診断書の記載が問題になりやすい類型です。新たに補える資料があるかを、主治医への確認も含めて検討することをおすすめします。

事前認定で非該当になった後、被害者請求で異議申立てはできますか。

事前認定の後でも、被害者請求に切り替えて資料を整え、異議申立てを行う方法を検討できる場合があります。手続の切り替えや必要な資料は、事案や保険会社の案内によって異なるため、公的資料を確認し、弁護士に相談しながら進めることをおすすめします。

自賠責保険・共済紛争処理機構とは何ですか。

国が指定した公正・中立な第三者機関で、自賠責保険・共済の支払いに関する紛争について、弁護士・医師・学識経験者などの紛争処理委員が審査・調停を行います。後遺障害が非該当とされた事案も対象になり得ます。同一の紛争では原則1回の申請とされ、当事者間で紛争が解決している事案は原則として対象外です。詳細は同機構の案内をご確認ください。

非該当のまま示談してもよいですか。期限や時効はありますか。

非該当のまま示談すると、後遺障害に関する損害を前提としない示談になる可能性があり、署名・押印後は追加請求が難しくなることがあります。示談前に、後遺障害の留保文言や清算条項を確認することをおすすめします。また、自賠責への被害者請求権は症状固定日の翌日から3年が一つの目安とされ、加害者本人への請求権(人身)は別に5年とされています。期限が近い場合は早めに確認してください。具体的な期限は事案によって異なります【公開前に弁護士確認】。

弁護士に相談するときは、何を準備すればよいですか。弁護士費用特約は使えますか。

後遺障害等級認定票、非該当の理由書、後遺障害診断書、診療記録、画像資料、保険会社からの書面などがあると検討が進みやすいですが、すべてそろっていなくても相談は可能です。弁護士費用特約は、ご自身やご家族の自動車保険などに付いている場合があり、利用できると費用負担を抑えられることがあります。適用の可否は保険内容や事案によって異なるため、保険証券をご確認ください。

まとめ

後遺障害が非該当になったときは、結果に一喜一憂する前に、資料を確認して対応を判断することが大切です。要点を整理します。

  • 非該当は「後遺障害等級として認定されなかった」という意味であり、症状の存在を否定するものではない
  • まず確認すべきは、後遺障害等級認定票、非該当の理由、後遺障害診断書、診療記録、画像資料、検査結果と、新たに提出できる資料の有無
  • 異議申立てでは、非該当の理由に対応した新資料や具体的な反論が重要で、同じ資料の出し直しでは結果が変わりにくい
  • 異議申立て・紛争処理申請・訴訟は位置づけが異なり、資料・争点・時効・費用・見込まれる損害額をもとに選ぶ
  • 示談書・免責証書・承諾書への署名・押印は急がず、後遺障害の留保や清算条項を確認する
  • 自賠責への請求権(3年)と加害者本人への請求権(人身で5年)は別の期間で、時効に注意する
  • 判断に迷う場合は、資料を確認したうえで、交通事故を取り扱う弁護士に相談する

非該当の理由、提出済み資料、新たに提出できる資料、時効、弁護士費用特約を整理することで、示談前に今後の対応方針を検討しやすくなります。お困りの際は、神戸みらい法律会計事務所の交通事故の取扱業務もあわせてご確認のうえ、相談予約フォームからお問い合わせください。

監修者・執筆者

弁護士法人ひょうご支所 神戸みらい法律会計事務所

代表弁護士 藤井 貴之(弁護士・公認会計士)
所属:兵庫県弁護士会
取扱分野:交通事故、相続、企業法務 ほか
所在地:兵庫県神戸市須磨区中落合2丁目2-5 名谷センタービル7階

弁護士の経歴・取扱分野の詳細は、弁護士紹介ページをご覧ください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事案に対する法的助言ではありません。後遺障害の認定や異議申立ての結果は、個別事情によって異なります。具体的なご相談は、資料をご用意のうえお問い合わせください。

参考資料(公的機関・公式情報)

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