高速道路の二次事故の過失割合|事故・故障後の追突と退避 |神戸市(須磨・垂水・西神・北神)の弁護士|初回相談無料|

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高速道路の二次事故の過失割合|事故・故障後の追突と退避

高速道路で事故や故障のために止まっていた車が後続車に追突される二次事故では、追突された側にも過失があるとして、保険会社から過失割合を示されることがあります。追突された側の過失は常に0になるわけではありませんが、止まっていたというだけで過失が付くわけでもありません。過失割合は、なぜ止まったのか(停止原因)、止まった後に車を移したり後続車に知らせたりできたのか(停止後の対応)、後続車が停止車を見つけて避けられたのか(回避の可能性)を分けて判断します。

いま高速道路の現場にいる方へ

過失割合の確認や写真の撮影は後回しにして、この記事は安全を確保してからお読みください。車を動かせる場合は無理のない範囲で路肩など安全な場所へ移し、ハザードランプで後続車に知らせます。停止表示器材(三角表示板など)は、車線から離れた安全な経路を使い、無理のない範囲で置いてください。運転者も同乗者も、通行する車と足元に注意しながら、防護柵の外側など、その場所で安全を確保できる位置へ避難してください。橋や高架の上では、転落にも注意が必要です。

そのうえで警察(110番)へ事故を連絡し、けが人がいれば救急(119番)を要請します。避難できない負傷者がいるときは、その状況を通報の際に伝え、救護は自分の安全を確保できる範囲で行ってください。現場では、警察や道路管理者の指示に従ってください。

この記事では、安全を確保した後に保険会社の提示を検討している運転者とご家族に向けて、判断の枠組みと確認したい資料を説明します。割合は運転者同士の関係を前提としており、同乗していた方の請求には別の検討が必要です。結論は、事故の状況と資料によって異なります。

高速道路の二次事故は何によって過失割合が変わるか

本線車道に止まっている車は、高い速度で走る後続車にとって大きな危険になります。道路交通法第75条の11は、故障などで運転できなくなった自動車の運転者に対し、本線車道等やこれに接する路肩・路側帯では停止していることを表示するよう求め(第1項)、本線車道等では車を速やかに本線車道等以外の場所へ移すために必要な措置をとるよう求めています(第2項)。本線車道等には、本線車道に接する加速車線・減速車線・登坂車線も含まれます。この記事は、危険を冒して車を押したり、その場で修理したりすることを勧めるものではありません。

もっとも、交通法規上の義務と、民事の損害賠償で過失をどう評価するかは別の問題です。過失割合は、民法第722条第2項の過失相殺(被害者に過失があったときに、裁判所がこれを考慮して損害賠償の額を定めることができるとする規定)を検討する際の参考基準で、法律で決まった固定の値でも、保険会社が決める値でもありません。まず、事故の態様と、どの類型の条件を満たすかを確かめます。

この記事では、車を本線車道等の外へ移すことを「退避」、人が安全な場所へ移ることを「避難」と呼び分けます。過失割合で主に問題になるのは車の退避と停止表示ですが、人の避難は、割合の検討より先に、命を守るために優先すべき行動です。

停止原因と停止後の対応を分けて確認する

止まっていた車(停止車)の過失は、二つの段階に分けて確認します。

  • 第1段階(停止原因):止まった原因に落ち度があったか。事前の整備不良による燃料切れやエンジントラブル、自分にも過失がある先行事故などは、この段階の落ち度として評価されます。
  • 第2段階(停止後の対応):止まった後、車の退避や停止表示器材(三角表示板など)の設置ができたのに、しなかったか。この段階の落ち度は、最初の事故に自分の過失がなくても問われることがあります。

「故障した」という事実だけでは、整備不良とも、落ち度がないとも決まらず、点検・整備の状況や故障の内容から判断します。「もらい事故だから、その後の対応は関係ない」「故障で止まった以上、停止車にも過失がある」という説明は、いずれもそれだけでは正確ではありません。

本線・路肩・降車後では適用する基準が異なる

故障などのやむを得ない理由で路肩等に止めていた車への追突は、本線車道等に止まっていた場合とは別の類型で検討します。車から降りた人がはねられた事故は、車同士の事故ではなく歩行者と自動車の事故として別の類型で扱われ、本線車道等にいた人か、止まっている車の近くにいた人かによっても分かれます。歩行者の事故に、この記事で紹介する車同士の割合をそのまま当てはめることはできません。

渋滞や信号などで通常どおり止まっていた車への追突、一般道での追突、不要な急ブレーキが原因の追突、合流や進路変更の際の事故も、前提が異なるため扱いません。

停止車両への追突で参照される基本割合

過失割合の検討では、『民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準〔全訂6版〕』(別冊判例タイムズ39号。以下「認定基準」)が裁判実務上参照されています。その第7章「高速道路上の事故」は、止まっていた車への追突を停止原因と停止後の対応で分けており、四輪車同士の主な4類型は次のとおりです。割合は「追突車A:停止していた車B」の順で示します。

停止していた車への追突の基本割合(追突車A:停止していた車B)
事故の前提 追突車A
の割合
停止車B
の割合
注意点
停止原因に
落ち度あり
(本線車道等)
【Ⅶ-10】
60 40 整備不良による燃料切れ・エンジントラブル、自分にも過失がある先行事故などで本線車道等に止まった場合です。退避か停止表示の一方を怠った事情を含む割合です。
過失のない
先行事故で停止・
停止後の措置を
怠った
【Ⅶ-13】
80 20 自分に過失のない先行事故で本線車道等に止まった後、退避できたのにしなかった場合、又は退避できなくても停止表示器材を置けたのに置かなかった場合です。両方を怠った場合は別に修正を検討します。
過失のない
先行事故で停止・
停止後の対応にも
過失なし
【Ⅶ-16】
100 0 本線車道等で退避できず停止表示器材を置いた場合や、死傷・時間的余裕の欠如で置けなかった場合などです。整備上の落ち度のない故障で止まった場合は、個別に判断します。
やむを得ず
路肩等に停止
【Ⅶ-17】
100 0 本線への車体のはみ出し、停止の必要性、後続車からの見えやすさなどにより修正を検討します。

表は修正前の基本割合で、実際の割合は修正要素や個別の事情で変わります(認定基準554~563頁を基に当事務所が整理)。【Ⅶ-16】は四輪車・二輪車の別を問いませんが、二輪車が関係するその他の類型は扱っていません。

停止原因に落ち度がある本線車道等での停止

事前の整備不良による燃料切れやエンジントラブル、自分にも過失がある先行事故などで本線車道等に止まった車への追突は、追突車A60:停止していた車B40が基本割合です(【Ⅶ-10】)。この割合は、止まった後に可能だった退避か停止表示の一方を怠った事情を含んでいます。両方を怠った場合は停止車の著しい過失などとして停止車に不利な修正が、停止後の対応に落ち度がない場合は「退避不能かつ停止表示器材設置等」の修正(後で説明します)が検討されます。「高速道路で止まったら停止車に4割の過失」という理解は正確ではありません。

停止原因には過失がなくても退避等を怠った場合

自分に過失のない先行事故で本線車道等に止まった後、退避できたのに退避しなかった場合、又は退避はできなくても停止表示器材を置けたのに置かなかった場合は、追突車A80:停止していた車B20が基本割合です(【Ⅶ-13】)。最初の事故では被害を受けた立場でも、その後の対応によっては過失が認められるため、「もらい事故なら追突されても過失は0」とは限りません。退避と停止表示の両方を怠った場合は、この基本割合とは区別して修正が検討されます。

停止原因にも停止後の対応にも過失がない場合

自分に過失のない先行事故で本線車道等に止まり、退避できず、停止表示器材を置いた場合や、死傷や時間的余裕がないために置けなかった場合など、停止原因にも停止後の対応にも過失がないときは、追突車A100:停止していた車B0が基本割合です(【Ⅶ-16】)。四輪車・二輪車の別を問いません。

この類型にあたると認められた後は、見えにくさや車線をふさいでいたことを理由に、停止車へ機械的に過失を加えません。停止車の止まり方が追突を避けにくくした事情は、最初の事故の責任を負う第三者と追突車との責任分担として検討されます。

なお、認定基準がこの類型で想定するのは先行事故で止まった場面です。整備上の落ち度のない故障で止まった場合に同じ扱いになるかは、故障の内容、予見できたかどうか、停止後の対応を踏まえた個別の判断になります。

やむを得ず路肩等に停止していた場合

故障などのやむを得ない理由で路肩等に止めていた車への追突は、追突車A100:停止していた車B0が基本割合です(【Ⅶ-17】)。ただし、本線への車体のはみ出し、止まる必要があったか、後続車からの見えやすさなどで修正が検討されます。はみ出しの修正は追突車Aの割合から20ポイントを差し引くものですが、追突車Aが路肩等を走っていた場合には適用されません。

止まる原因に落ち度があっても、本線にはみ出さずに路肩へ移したことは危険を防ぐ措置として評価され得るため、直ちに本線車道等での停止と同じには扱われません。「路肩なら常に過失0」とも、「原因が自分にあれば路肩でも本線車道等での停止と同じ」ともいえません。

停止表示・退避の可能性・視認性をどう評価するか

三角表示板を置かなかった、夜間だったという一つの事情だけで、割合は決まりません。退避や停止表示が実際にできたか、警告がどの程度効いたか、時間的余裕があったか、後続車が停止車を見つけて避けられたかを、資料で確認します。

退避できず停止表示をする時間もなかった場合

故障や負傷、後続車の接近などで車を動かせず、停止表示器材を置く時間もないまま追突された場合は、止まってから追突されるまでの時間(先行事故があれば二つの衝突の間隔)、負傷の状況、車が動く状態だったかを確かめます。停止原因に過失のない先行事故の場面で、退避できず、時間的余裕もなく置けなかったと認められれば、【Ⅶ-16】(追突車A100:停止していた車B0)にあたる可能性があります。

停止原因に落ち度がある【Ⅶ-10】の場面にも、「退避不能かつ停止表示器材設置等」という修正要素があります。故障・負傷・後続車の接近などで車を物理的に又は事実上退避させられず、そのうえで停止表示器材を置いた場合、置く時間的余裕がなかった場合、見えやすい代わりの警告をした場合などに、追突車Aの割合に20ポイントを加える修正です。退避が「できなかった」ことに加えて、これらの事情があることが必要です。

例えば、【Ⅶ-10】の場面でこの修正だけが認められ、ほかの修正要素がないと仮定すると、追突車Aは60+20=80、停止していた車Bは40-20=20です。数字は【Ⅶ-13】の基本割合(80:20)と同じですが、【Ⅶ-13】は過失のない先行事故で止まった後に措置を怠った場合の基本割合です。この例は、停止原因に落ち度がある場面で、停止後の対応に落ち度がないことを修正で評価した結果であり、導かれる過程が異なります。

ハザード点灯と停止表示器材の設置は同じではない

停止表示の方法は、道路交通法施行令第27条の6が定めています。昼夜に応じた基準に適合する停止表示器材を、後方から来る車の運転者から見やすい位置に置くこととされ、昼間でも、トンネルの中その他視界が200メートル以下の場所では夜間用を使います。法令上、「50メートル後方」といった距離は定められていません。

ハザードランプの点灯や発炎筒の使用だけで、この表示義務を当然に果たしたことにはなりません。他方、民事の過失割合では、器材を置くことが実際にできたか、代わりにどのような警告をしたかも考慮されます。ただし、ハザードランプの点灯だけ、又は退避できなかったことだけでは、原則として「退避不能かつ停止表示器材設置等」の修正にはあたりません。また、【Ⅶ-10】の基本割合に含まれる「一方の措置を怠った」事情を、停止車に不利な修正として機械的に重ねて数えることはしませんが、別の事情に基づいて条件を満たす修正要素まで一律に除かれるわけではありません。

停止表示器材を置く作業には、後続車にはねられる危険が伴います。無理のない範囲にとどめ、車線から離れた安全な経路を使ってください。

夜間・雨・見通しと後続車の運転

後続車の運転者にも、道路や交通の状況に応じて、他人に危害を及ぼさない速度と方法で運転する義務があります(道路交通法第70条)。追突車の速度や著しい前方不注視、停止車の著しい過失なども、類型ごとの条件に従って修正要素として検討されます。

夜間や雨、カーブなどで停止車が見えにくかったことは、「視認不良」として、追突車Aの割合から10~30ポイントを差し引く修正の対象になり得ます。全訂6版で幅のある扱いに改められたため、保険会社の説明がどの版によるかも確認しておきましょう。ただし、夜間でも照明などで停止車が見えにくくなければ適用されず、停止表示器材などで停止を知らせていた場合は、豪雨や濃霧などで器材自体が見えにくかった場合に限られます。【Ⅶ-16】には適用されません。

見えにくさは、停止表示の有無や停止位置の評価と重なりやすい事情です。同じ事情が基本割合と修正要素の両方で数えられていないかも確認します。

最初の事故と二度目の追突は時系列と損害を分ける

二次事故では、最初の衝突(第一事故)と二度目の追突(第二事故)が続くため、誰にどの損害を請求するのかが分かりにくくなります。衝突の順番だけで責任を負う人は決まりません。停止車自身の過失(過失相殺の問題)と、最初の事故を起こした第三者や追突車がどの範囲で責任を負うか(加害者側の責任の問題)も分けて考えます。

衝突の間隔と車両の位置・状態を整理する

まず、事実を次の順番で並べます。

  • 最初の衝突:いつ、どこで、どの車と、どのように衝突したか
  • 停止:車がどこに、どの向きで、どのような状態で止まったか(本線車道等か路肩等か、動かせたか)
  • 措置の可能性:退避や停止表示をする時間と手段があったか(負傷の状況、後続車の接近、通報や受付の時刻)
  • 二度目の衝突:最初の衝突からどれだけ後に、どの車がどのように追突したか

二つの衝突の間隔が短ければ、退避や停止表示をする余裕がなかったことを裏付ける事情になり得ます。相手方から「措置をとる時間は十分にあった」と主張されることもあるため、時刻の分かる資料が重要です。損害も、最初の衝突によるものか、二度目の追突によるものか、二度目の追突で悪化したものかを区別できるかを確認します。

複数の車が関係しても一律に共同責任とはならない

複数の車が関係する事故では、それぞれの運転者の行為と、それぞれの損害との因果関係を検討します(民法第709条)。複数の行為が同じ損害に関わり、共同不法行為(同法第719条)の要件を満たす場合は、その損害に関わった加害者の連帯責任が問題になりますが、事故が続いたというだけで当然に成立するわけではありません。最初の車又は最後の車に全損害を当然に負担させることも、類型ごとの割合を掛け合わせて三者の負担を機械的に計算することもできません。同じ損害について、重ねて賠償を受けられるわけでもありません。

設例(説明のための架空の例です)

C車がB車に衝突し、B車が本線車道上で動けなくなった後、A車がB車に追突したとします。この場合は、次の点を分けて検討します。

  • B車に、最初の事故についての過失があるか(停止原因の問題)
  • B車が止まった後、退避や停止表示ができたか、したか(停止後の対応の問題)
  • A車とC車それぞれの行為が、B車の損傷やけがのどの部分と結び付いているか(因果関係と責任分担の問題)

B車に停止原因にも停止後の対応にも過失がなく【Ⅶ-16】にあたる場合、B車の止まり方が追突を避けにくくした事情は、B車の過失ではなく、C車とA車との責任分担の中で検討されます。この設例だけでは三者の割合は算出できず、衝突の順序と間隔、各衝突による損傷、停止後の状況を資料で確認したうえで判断します。

保険会社の提示を確認する資料と相談前の整理

資料の確認は、安全な場所へ移り、救護と通報を終えてから始めます。そのうえで、争点ごとに資料を対応させ、保険会社の提示がどの事実を前提にしているかを確かめます。

安全な場所へ移ってから証拠を保存する

証拠写真のために車道へ戻ったり、路上で示談の話をしたり、その場で車を修理したりすることは避けてください。安全な避難場所は道路の構造や現場の状況によって異なるため、防護柵の外側など、その場所で安全を確保できる位置へ避難し、橋や高架の上では転落の危険にも注意して、警察や道路管理者の指示に従ってください。

事故に関係した車の運転者などには負傷者の救護と道路における危険の防止が、運転者には警察官への事故の報告が求められています(道路交通法第72条第1項)。救護は自分の安全を確保できる範囲で行い、避難できない負傷者がいるときはその状況を警察や消防に伝えてください。落下物など道路の危険は非常電話や#9910でも知らせることができますが、#9910への連絡で警察への事故の報告が済むとは限りません。対処の方法は、警察庁の高速道路の緊急時案内やNEXCO中日本の事故・故障時の対処方法でも確認できます。

阪神高速では、キロポストや橋脚番号が位置を伝える手掛かりになると案内されていますが、確認のために危険な場所へ移動しないでください。詳しくは阪神高速の事故・故障時の案内をご覧ください。明石海峡大橋など淡路島方面の初動と管轄は、明石海峡大橋・高速道路事故の通報先と管轄の記事で解説しています。

ドライブレコーダーの映像は上書きされる前に元のデータのまま保存し、編集した映像だけを残すことは避けます。機器の時刻のずれや撮影範囲の限界も確認します。他の車の映像や道路管理者の記録は、存在、保存、提供の可否がそれぞれ別の問題で、当然に入手できるとは限りません。実況見分調書などの刑事記録も手続の段階により取得の可否が異なり、方法と限界は実況見分調書など刑事記録の取得方法で説明しています。

二次事故で確認する事情と対応する資料(安全を確保した後に整理するもの)
確認する事情 対応する資料 確認できることと限界
停止原因 整備・点検の記録、警告灯の表示履歴、修理業者の所見、先行事故の記録 故障を予見できたか、整備上の落ち度や先行事故での過失があったかの判断材料になります。故障したという事実だけでは、落ち度の有無は決まりません。
退避・停止表示の
可能性
停止から追突まで(先行事故があれば最初の衝突から二度目の衝突まで)の映像・音声、警察やロードサービスへの通報・受付の時刻、負傷の状況、車が動いたかどうかの記録 措置をとる時間と手段があったかの判断材料になります。機器によって時刻がずれていることがあります。
見えやすさ・
回避の可能性
元のドライブレコーダーのデータ、照明・天候・道路の線形、停止位置、停止表示器材の有無 後続車から停止車を見つけて避けられたかの判断材料になります。映像だけで速度を断定することはできません。
各衝突と損害 各衝突の前後の損傷写真、修理見積り、診断書、診療録など 最初の事故と二度目の追突の損害を区別する材料になります。区別が難しい損傷やけがもあります。

この表は争点と資料を対応させる実務上の整理で、事故現場で集めるための一覧ではありません。

提示された割合の根拠と修正理由を確認する

保険会社から割合の提示を受けたら、示談に応じる前に、次の点を説明してもらいましょう。

  • どの書籍のどの版の、どの類型を当てはめたか
  • 停止原因と停止後の対応について、どのような事実を、どの資料に基づいて認定したか
  • どの修正要素を、どの資料を根拠に適用したか(同じ事情を重ねて評価していないか)
  • 最初の事故と二度目の追突の損害を、どのように区別しているか

あわせて、示談の条件が、ほかの関係者への請求や損害の範囲にどのような影響を及ぼすかも、示談に応じる前に確認しておきましょう。

反論は、「追突されたのだから過失は0のはず」と主張するだけでは組み立てられません。停止原因、退避や停止表示が実際にできたか、時間的余裕、見えやすさを資料で示すことが中心になります。相手方からは、「時間は十分にあった」「この損傷は最初の事故によるものだ」「停止の原因に整備上の落ち度がある」といった反論が出ることも想定しておきます。

よくある質問

三角表示板を置けなかったら、停止していた側に過失が付きますか。

置けなかった理由によって異なります。退避できず、死傷や時間的余裕がないために置けなかった場合は、停止後の対応に落ち度がないと評価される余地があります。反対に、置くことができたのに置かなかった場合は、停止車の過失として考慮されることがあります。ただし、止まった原因に整備不良などの落ち度がある場合は、その点が別に評価されます。法律上の表示義務(道路交通法第75条の11第1項)と、民事の過失割合での評価は、分けて検討します。

故障で止まった場合、停止していた側に過失はありませんか。

故障したという事実だけでは決まりません。整備不良による燃料切れやエンジントラブルなど、停止の原因に落ち度がある場合は、停止車にも過失がある類型で検討されます。整備上の落ち度のない故障をどう扱うかは、故障の内容や予見できたかどうか、停止後の対応を踏まえた個別の判断になります。路肩等に止めていた場合は、別の類型で検討します。

車から降りた後にはねられた場合も、同じ割合ですか。

車同士の事故の割合を、そのまま当てはめることはできません。降車した人がはねられた事故は、車同士の事故ではなく、歩行者と自動車の事故として別の類型で検討され、本線車道等にいたか、止まっている車の近くにいたかによっても枠組みが分かれます。

高速道路の二次事故の過失割合について相談する

保険会社から示された割合に疑問があるときは、示談に応じる前に、その前提となった事実と資料を確認しておくことをおすすめします。ご相談では、保険会社の提示書面、最初の衝突から二度目の追突までの経過、保存しているドライブレコーダーの映像や写真、修理や診療の資料などをもとに、停止原因と停止後の対応、損害の区別について見通しを整理します。

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参考資料と情報基準日

情報基準日:令和8年(2026年)10月10日。この記事は、同日時点で施行されている法令と、同日に内容を確認した資料に基づく一般的な説明です。個別の事故では、事故当時の法令と事実関係を確認する必要があり、結論は事故の状況と資料によって異なります。

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