ひき逃げ・当て逃げで出頭を迷う方へ|自首との違い・罰則・時効を解説 |神戸市(須磨・垂水・西神・北神)の弁護士|初回相談無料|弁護士法人ひょうご支所神戸みらい法律会計事務所

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ひき逃げ・当て逃げで出頭を迷う方へ|自首との違い・罰則・時効を解説

「相手が『大丈夫』と言ったので、そのまま立ち去ってしまった」「何かにぶつかった気がしたが、確認せずに走り去ってしまった」「駐車場で隣の車に当ててしまったかもしれない」——事故のあとに現場を離れてしまい、時間が経ってから不安になって調べている方は少なくありません。ご本人だけでなく、ご家族から打ち明けられて対応を探している方もいらっしゃいます。

結論から述べます。事故を起こした(あるいは起こしたかもしれない)にもかかわらず現場を離れてしまった場合でも、警察への連絡・出頭を先延ばしにしないことが重要です。時間の経過は、一般に本人にとって不利に働きやすいためです。そのうえで、出頭の前に弁護士へ相談できる場合には、事実関係の整理、持参すべき資料、供述の際の注意点、被害者対応、保険会社対応を検討しやすくなります。弁護士への相談は、出頭や警察への連絡を遅らせるためのものではありません。

この記事では、いわゆる「ひき逃げ」「当て逃げ」が法律上どのような義務違反・犯罪にあたるのか、刑罰・運転免許の行政処分・損害賠償という3つの責任の全体像、「自首」と「出頭」の違い、公訴時効の考え方、そして出頭前に整理しておきたい事項を、神戸市須磨区の弁護士法人ひょうご支所 神戸みらい法律会計事務所が整理します。

事故後に現場を離れてしまい、出頭すべきか迷っている方へ。当事務所では刑事事件についても初回のご相談を無料でお受けしています(事前のご予約をお願いしています)。状況の整理と今後の見通しの検討にご利用いただけます。

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事故現場を離れてしまったとき、まず確認したいこと

はじめに、現場を離れてしまった後に検討すべき行動の全体像を整理します。個別の事情によって優先順位は変わりますが、基本的な考え方は次のとおりです。

場面 検討したい対応
負傷者がいる可能性がある 救護が可能な状況であれば救護し、必要に応じて119番へ通報します。すでに時間が経っている場合でも、被害者の容態確認や謝罪・弁償の方針を検討します。
警察への連絡・出頭 先延ばしにせず、警察署への連絡・出頭を検討します。基本的には事故発生地を管轄する警察署が捜査を担当します。
証拠の保存 ドライブレコーダー映像、車両の写真、日時・場所のメモなどをそのまま保存します(削除・改変はしません)。車両は修理に出さず保全します。
保険会社への連絡 事故の発生を速やかに報告します。報告が遅れると保険の対応に支障が生じることがあります。弁護士費用に関する特約の有無も確認します。
弁護士への相談 出頭前・取調べ前に、事実関係・持参資料・供述の注意点・被害者対応・保険対応の方針を整理します。

「自首」と「出頭」は同じとは限りません。警察へ出向くこと(出頭)と、法律上の「自首」(刑法第42条)は、要件が異なります。すでに警察が事故と運転者を把握している場合、法律上の自首と評価されないことがあります。詳しくは後述します。

「ひき逃げ」「当て逃げ」は法律上どのような行為か

「ひき逃げ」「当て逃げ」は、報道や日常会話で使われる俗称であり、法律上の罪名ではありません。法律上は、①道路交通法が交通事故の当事者に課している義務への違反と、②事故そのものについての犯罪(人身事故の場合)とが、それぞれ別個に問題となります。

道路交通法第72条第1項が定める義務(救護義務・危険防止措置義務・報告義務)

道路交通法第72条第1項は、交通事故があったとき、その事故に関係する車両等の運転者その他の乗務員に対して、次の義務を定めています。

  • 直ちに車両等の運転を停止すること(停止義務)
  • 負傷者を救護すること(救護義務)
  • 道路における危険を防止する等、必要な措置を講じること(危険防止措置義務。ここまでが前段の緊急措置義務です)
  • 警察官が現場にいないときは、直ちに最寄りの警察署等の警察官へ、事故が発生した日時・場所、死傷者の数と負傷の程度、損壊した物とその程度、車両等の積載物、事故について講じた措置を報告すること(後段の報告義務)

負傷者の救護や危険防止の措置をとらずに現場を離れると、いわゆる「ひき逃げ」として救護義務違反等が問題となります。物を損壊するなどしたのに必要な措置をとらずに立ち去ると、「当て逃げ」として措置義務違反が問題となります。さらに、警察への報告を怠れば、これらとは別に報告義務違反も問題となります。

事故の類型によって問題となる義務・罪は異なる

類型 主に問題となる点
人身事故(相手が負傷・死亡) 救護義務・危険防止措置義務・報告義務の違反。事故自体について過失運転致死傷罪等も別に問題となり得ます。
物損事故(物の損壊のみ) 危険防止措置義務・報告義務の違反。物損のみでは原則として過失運転致死傷罪は成立しませんが、当て逃げ(措置義務違反)や報告義務違反が問題となり得ます。
非接触事故 直接の接触がなくても、自車を避けようとした相手が転倒して負傷するなどした場合、救護義務違反等が問題となり得ます。
駐車場・私有地 道路交通法の「道路」にあたるかが問題となりますが、不特定多数の人や車が自由に通行できる駐車場等は「道路」と扱われることがあります。道路にあたらない場合でも、民事責任などは別に問題となり得ます。判断は状況によります。

「相手が大丈夫と言った」場合の注意点

相手が「大丈夫」と述べた場合や、外見上の負傷がない場合でも、その場を離れると救護義務違反や報告義務違反が問題となることがあります。特に相手が子どもや高齢者の場合、動揺や遠慮から「大丈夫」と答えることがあり、後日受診して診断書が警察に提出されると、人身事故として扱われることがあります。相手の言葉のみを理由に立ち去ることは避け、警察への報告を検討すべきです。

ひき逃げ・当て逃げの罰則——刑事・行政・民事の3つの責任

現場を離れてしまった場合に生じ得る責任は、①刑事責任(刑罰)、②行政処分(運転免許の点数・取消し等)、③民事責任(損害賠償)の3つに分かれ、それぞれ別の手続で進みます。刑事処分の結果がどうであれ、免許の処分や賠償の問題は別に残り得るという関係にあります。

令和7年(2025年)6月1日から、刑法等の改正により「懲役」と「禁錮」が「拘禁刑」に一本化されました。以下では現行の表記に沿って「拘禁刑」と記載します。古い記事等では「懲役」と記載されていることがあります。

刑事責任①:道路交通法違反の法定刑

違反の内容 法定刑
救護義務違反(人身事故で、死傷が自己の運転に起因する場合) 10年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金(道路交通法第117条第2項)
救護義務違反(人身事故で、上記以外の場合) 5年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金(同条第1項)
物損事故での措置義務違反(いわゆる当て逃げ) 1年以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金(同法第117条の5)
報告義務違反 3月以下の拘禁刑又は5万円以下の罰金(同法第119条)

これらは、事故を起こしたこと自体についての刑とは別に、救護や報告をしなかったこと自体について科され得る刑です。

刑事責任②:事故そのものについての罪

人身事故の場合、事故自体について、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(自動車運転死傷処罰法)上の罪が問題となることがあります。

罪名 法定刑
過失運転致死傷罪(第5条) 7年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金(傷害が軽いときは、情状により刑の免除もあり得ます)
危険運転致死傷罪(第2条) 負傷は15年以下の拘禁刑、死亡は1年以上の有期拘禁刑
過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪(第4条) 12年以下の拘禁刑

どの罪が問題となるかは、事故の状況、飲酒・無免許の有無等の個別事情によって異なります。危険運転致死傷罪や発覚免脱罪などの重い類型の詳細は、本記事の範囲を超えるため、必要に応じて別途ご確認ください。過失運転致死傷罪の刑の重さの考え方については、過失運転致死傷罪の量刑相場の解説を読むをご参照ください。

なお、事故後に現場を離れた行為(救護義務違反等)と、事故自体の罪とは、別個に成立し得るものであり、あわせて処罰の対象となり得ます。

行政処分:違反点数・免許取消し・欠格期間

刑事処分とは別に、運転免許について行政処分が行われます。交通違反や交通事故には点数が付けられ、累積点数に応じて免許の停止・取消しが行われる仕組みです(点数制度)。

行為 点数 処分の目安(前歴がない場合)
救護義務違反(ひき逃げ) 基礎点数35点(特定違反行為) 救護義務違反のみでも免許取消しに該当し、欠格期間(再取得できない期間)は3年とされています。
人身事故の付加点数 死亡事故は20点又は13点、傷害事故は負傷の程度等により2点〜13点 救護義務違反の点数に加算され、累積点数によって欠格期間は最長10年まで延びることがあります。
当て逃げ(物損事故の措置義務違反) 付加点数5点 事故の原因となった違反(安全運転義務違反2点など)の点数と合算され、前歴がない場合でも合計6点以上で免許停止となり得ます。

具体的な点数や処分は、前歴の有無や事故の内容によって変わります。免許の取消し等の処分の前には、意見の聴取(言い分を述べる機会)が設けられています。

民事責任:損害賠償と保険対応

被害者に対する損害賠償義務は、刑事処分・行政処分とは別に負います。人身事故では治療費・休業損害・慰謝料など、物損事故では修理費などが賠償の対象となり得ます。

事故そのものが過失による場合、現場を離れてしまったことのみを理由に、任意保険の対人・対物賠償が当然に使えなくなるわけではないと一般に説明されています。もっとも、保険契約では事故発生を遅滞なく保険会社へ通知することが求められているのが通常であり、報告の遅れは保険金の支払いや示談代行に支障を生じさせることがあります。契約内容により扱いは異なるため、速やかに保険会社へ事故を報告し、対応の可否を確認してください。

また、民事の損害賠償請求権には、刑事の公訴時効とは別の消滅時効があります(民法第724条・第724条の2)。被害者が加害者を知った時から物損は3年間・人身は5年間などとされており、加害者が特定されていない間はこの時効は進行しません。刑事の時効とは別に、賠償の問題は長く残り得ます。

逮捕されるのか——刑事手続の流れ

「逮捕されるのか」は多くの方が不安に感じる点ですが、逮捕されるかどうかは事案により異なり、一律に決まるものではありません。身柄を拘束されずに在宅のまま捜査が進む場合もあれば、逮捕・勾留される場合もあります。一般的な流れは次のとおりです。

  • 警察による捜査(実況見分、取調べ等)
  • 逮捕された場合、警察で最大48時間以内に検察官へ送致され、検察官は送致から24時間以内(逮捕から通算72時間以内)に勾留請求するかどうかを判断
  • 勾留が認められると原則10日間(延長によりさらに最大10日間)
  • 検察官が起訴・不起訴を判断
  • 起訴の場合、略式命令(罰金)または公判(正式裁判)

逃走のおそれや証拠隠滅のおそれがあると評価される事情があると、身柄拘束につながりやすくなります。自ら早期に警察へ連絡・出頭し、事実関係を整理して対応することは、こうした評価との関係でも意味を持ち得ます。

後日、警察から連絡が来ることはあるのか

「その場では何も起こらなかったから、このまま連絡は来ないのではないか」と考える方もいますが、交通事故では、目撃者の通報、防犯カメラやドライブレコーダーの映像、現場に残された部品・塗膜の痕跡などから、後日、車両や運転者の特定に至ることがあります。警察からの連絡を待って対応を始めるよりも、自ら連絡・出頭して事実関係を説明する方が、その後の対応方針を整理しやすいのが通常です。

公訴時効はあるが、「時効まで待つ」対応はおすすめできない

刑事の公訴時効は、罪ごとに期間が定められています(刑事訴訟法第250条)。本記事に関係する主なものは次のとおりです。

対象となる罪 法定刑の上限 公訴時効
救護義務違反(死傷が自己の運転に起因する場合) 10年以下の拘禁刑 7年
救護義務違反(上記以外) 5年以下の拘禁刑 5年
当て逃げ(措置義務違反)・報告義務違反 1年以下/3月以下の拘禁刑 3年
過失運転致傷罪 7年以下の拘禁刑 5年
過失運転致死罪 7年以下の拘禁刑 10年

時効は原則として犯罪行為が終わった時から進行しますが(同法第253条)、犯人が国外にいる間は進行が停止する(同法第255条)などの例外があります。また、ひとつの事故で複数の罪が成立する場合、時効は罪ごとに別々に計算されます。さらに、刑事の時効が完成しても、民事の損害賠償の問題が当然に消えるわけではありません。

時効の完成を待つ間、捜査がいつ及ぶか分からない状態が続き、日常生活上・心理上の負担も小さくありません。本記事は、時効を当てにした対応を勧めるものではありません。早期の連絡・出頭と、その前提としての状況整理をおすすめします。

「自首」と「出頭」はどう違うのか

「ひき逃げ 自首」と調べる方が多いため、ここで整理します。日常的には「警察に行くこと」を広く「自首」と呼ぶことがありますが、法律上の「自首」(刑法第42条第1項)は、これと一致しないことがあります。

刑法第42条第1項は、「罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる」と定めています。自首は、警察官などの捜査機関に対して、自ら犯罪事実を申告し、処分を委ねることによって行います。ポイントは次のとおりです。

  • 「捜査機関に発覚する前」とは、犯罪事実と犯人が誰であるかが捜査機関に判明していないことをいうと解されています(最高裁昭和24年5月14日判決)。すでに警察が事故と運転者を把握している場合に出向いても、法律上の自首にはあたらないことがあります(この場合は「任意出頭」と区別されます)。
  • 条文は「減軽することができる」という任意的減軽であり、自首が成立しても必ず刑が減軽されるとは限りません。減軽するかどうかは裁判所が判断します。
  • 自首が成立するかどうかは、捜査の進捗などによって変わるため、事前に確定的な判断をすることは容易ではありません。

もっとも、法律上の自首にあたらない場合でも、自ら警察へ連絡・出頭したことが、処分や量刑の判断で有利な事情として考慮されることはあります。反対に、隠れ続けることは、身体的・精神的な負担が大きいうえ、一般に本人にとって不利に働きやすいといえます。自首にあたるかどうかの見通しを含めて整理したい場合は、出頭前に弁護士へ相談する方法があります。

早期の対応・被害者対応が処分に与える影響

処分の重さは個別事情により異なりますが、一般に、次のような事情が考慮され得ます。

有利に考慮され得る事情

  • 早期に自ら警察へ連絡・出頭したこと
  • 被害者への謝罪、被害弁償、示談(保険による対応を含む)
  • 反省の状況、再発防止に向けた具体的な取組み(運転を控える環境づくりなど)

不利に評価され得る事情

  • 現場を離れていた時間が長いこと
  • 負傷の程度が重いこと、死亡の結果が生じたこと
  • 飲酒・無免許・大幅な速度超過など、別の違反があること
  • 同種の前歴があること、証拠を隠すような行為があったこと

被害者対応は重要ですが、示談が成立すれば必ず不起訴になる、必ず逮捕を避けられる、必ず免許の処分を避けられる、というものではありません。結論は事案により異なります。また、証拠の削除や虚偽の説明、被害者への口止めや不当な働きかけは、かえって不利に働き、別の問題を生じさせます。行ってはいけません。

被害者への連絡は慎重に

謝罪や被害弁償のために被害者へ直接連絡したいと考える方は多いですが、直接の連絡が常に適切とは限りません。相手方の心情や状況、接触を控えるべき事情がある場合もあり、保険会社や弁護士を通じて対応する方が適切なことがあります。連絡の可否や方法を含めて、対応方針を整理することをおすすめします。

よく問題になるケース

以下は、解決を保証するものではなく、判断に迷いやすい場面の一般的な注意点です。

  • 相手が「大丈夫」と言ったので立ち去った:後日の受診・通報により、人身事故として扱われることがあります。
  • 接触した認識がなかったが、相手が転倒した:非接触でも救護義務違反等が問題となり得ます。「ぶつかったかもしれない」と感じた時点で停止して確認すべきとされた裁判例もあります。
  • 駐車場で車に当てたかもしれない:物損でも措置義務・報告義務が問題となり得ます。相手が不在でも、警察への連絡や、相手方・施設管理者への連絡方法を検討すべきです。
  • 物損だと思ったが、後から人身事故になった:当初物損として処理していても、負傷が判明すると評価が変わることがあります。切替えの手続については、物損事故から人身事故への切替えの解説を読むもご参照ください。
  • 翌日になって怖くなり、出頭を考えている:出頭を先延ばしにせず、状況を整理したうえで早めの連絡・相談を検討してください。
  • 警察から電話や呼出しが来た:呼出しの後でも弁護士へ相談できます。取調べでの受け答えや持参資料の整理に役立ちます。
  • 飲酒・無免許など別の問題がある:処分が重くなりやすい類型です。飲酒・薬物の影響の発覚を免れる行為は、発覚免脱罪など別のより重い評価につながります。行ってはいけません。事実関係を前提に、対応方針を整理する必要があります。
  • 家族が本人から相談を受けた:本人に警察への連絡・出頭を促し、資料を一緒に整理し、証拠の削除や虚偽の説明をさせないことが大切です。ご家族からのご相談も可能です。

警察へ連絡・出頭する前に整理しておきたいこと

以下は、警察への連絡・出頭を遅らせるためのものではありません。連絡・出頭や弁護士への相談の前に整理しておくと、話が正確に伝わりやすくなります。

  • 事故(の可能性がある出来事)の日時・場所・走行方向
  • 相手方の有無、負傷の有無・程度、車両や物の損傷
  • 現場を離れた経緯(気づいた時期・理由)
  • 警察・保険会社への連絡状況
  • ドライブレコーダー映像、車両やその場の写真
  • 運転免許証、車検証、保険証券
  • 同乗者の有無、勤務先の車両かどうか
  • 飲酒・服薬・無免許等の有無

ドライブレコーダー映像や車両の状態は、そのまま保存してください。映像やデータの削除、車両の損傷を隠す行為、事実と異なる説明は、証拠隠滅や別の犯罪の問題を生じさせ、かえって不利になります。身代わりでの出頭も同様です。ここでいう整理とは、事実をありのままに把握することであり、事実を作り替えることではありません。

出頭・連絡の際の実務的なポイント

  • 基本的には、事故が発生した場所を管轄する警察署が捜査を担当します。遠方などの事情で直ちに出向くことが難しい場合は、最寄りの警察署に事情を伝えて相談する方法もあります。
  • 出頭の前に警察署へ電話を入れ、事故の日時・場所を伝えて、出頭の日時や担当部署を確認しておくと、当日の対応が円滑になります。
  • 当日は、事情聴取や実況見分などで時間がかかることがあります。仕事や家庭の予定の調整と、家族への連絡方法をあらかじめ決めておくことをおすすめします。
  • 取調べで作成される供述調書は、内容を確認したうえで署名するものです。事実と異なる記載があれば、訂正を申し出ることができます。

弁護士に相談するタイミング

次のような場面では、弁護士への相談を検討する意味があります。いずれの場合も、相談は警察への連絡・出頭を遅らせるためのものではなく、事実関係・持参資料・供述の注意点・被害者対応・保険対応の方針を整理するためのものです。

  • 事故現場を離れてしまった直後
  • 警察へ連絡・出頭する前に、短時間で状況を整理したいとき
  • 警察から呼出しを受けたとき
  • 被害者対応や保険会社対応に迷うとき
  • 家族として、本人の出頭や取調べ対応を支えたいとき

神戸みらい法律会計事務所では、刑事事件を取り扱う弁護士が、出頭前の状況整理、警察対応、被害者対応、保険対応の方針の検討をお手伝いします。見通しは事案により異なりますが、早い段階で整理しておくことで、取り得る選択肢を検討しやすくなります。

出頭前・呼出し後のいずれの段階でも、状況の整理と今後の見通しの検討にご相談いただけます。刑事事件についても初回のご相談は無料でお受けしています(事前のご予約をお願いしています)。

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まとめ

  • 事故後に現場を離れてしまっても、警察への連絡・出頭を先延ばしにしないことが重要です。
  • 「ひき逃げ」「当て逃げ」は俗称で、法律上は救護義務・危険防止措置義務・報告義務の違反や、事故自体の罪(過失運転致死傷罪等)が別個に問題となります。
  • 責任は刑事(刑罰)・行政(免許)・民事(賠償)の3つに分かれ、それぞれ別に進みます。法定刑は現行の「拘禁刑」で理解します。
  • 救護義務違反は基礎点数35点で、それのみでも免許取消し・欠格期間3年に該当します。当て逃げは付加点数5点です。
  • 公訴時効は罪ごとに異なりますが、時効を当てにした対応はおすすめできません。民事の賠償の問題は別に残り得ます。
  • 「自首」(刑法第42条)は出頭と同じとは限らず、成立しても減軽は任意的です。ただし、自ら出頭したことは有利な事情として考慮され得ます。
  • 証拠削除・虚偽説明・身代わり出頭・被害者への不当な接触は行ってはいけません。
  • 出頭前・呼出し後に弁護士へ相談することで、事実関係・持参資料・供述対応・被害者対応の方針を整理しやすくなります。

よくある質問(FAQ)

当て逃げでも警察へ連絡した方がよいですか。

物損事故でも、危険防止措置義務と警察への報告義務があります(道路交通法第72条第1項)。必要な措置や報告をせずに立ち去ると、措置義務違反(1年以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金)や報告義務違反が問題となり得ます。早めの連絡を検討し、対応に迷う場合は弁護士へ相談する方法があります。

自首すれば、必ず逮捕されずに済みますか。

そうとは限りません。自ら連絡・出頭したことは有利に考慮され得ますが、逮捕の有無は、負傷の程度、経過した時間、飲酒・無免許の有無、証拠関係などにより判断されます。必ず逮捕を避けられるという保証はありません。

相手が「大丈夫」と言った場合でも、救護義務違反になりますか。

なり得ます。外見上の負傷がなくても、後日受診して診断書が警察に提出されると、人身事故として扱われることがあります。相手の言葉のみを理由に立ち去らず、警察へ報告しておくことが望ましいといえます。

翌日に警察へ行っても、自首になりますか。

警察がまだ事故と運転者を把握していない段階であれば、法律上の自首(刑法第42条)にあたる余地があります。すでに把握されている場合は任意出頭として扱われますが、その場合でも、自ら出頭した事実が考慮されることはあります。いずれにしても、出頭を先延ばしにしないことが重要です。

ひき逃げ・当て逃げに時効はありますか。

公訴時効はあります。救護義務違反は最長7年、当て逃げや報告義務違反は3年などとされ、事故自体の罪(過失運転致死傷罪等)は別に計算されます(刑事訴訟法第250条)。もっとも、起算点や停止の制度があるほか、民事の損害賠償の問題は別に残るため、時効を前提とした対応はおすすめできません。

警察から連絡が来た後でも、弁護士に相談できますか。

相談できます。呼出しの後であっても、取調べでの受け答え、持参資料、被害者対応や保険対応の方針を整理するうえで、早い段階での相談に意味があります。

示談ができれば、不起訴になりますか。

示談や被害弁償は処分の判断で考慮され得る重要な事情ですが、示談が成立すれば必ず不起訴になるというものではありません。結論は、事故の内容、負傷の程度、経緯などにより異なります。

家族は、本人に何をさせるべきですか。

本人に警察への連絡・出頭を促すこと、事故の日時・場所・車両・保険・ドライブレコーダーなどの資料を一緒に整理することが考えられます。証拠の削除や事実と異なる説明、身代わりの出頭はさせてはいけません。対応に迷う場合は、ご家族から弁護士へ相談する方法もあります。

ご本人・ご家族のいずれからでもご相談いただけます。出頭前の状況整理、警察対応、被害者対応、保険対応の方針を、刑事事件を取り扱う弁護士と一緒に検討できます。費用の目安や弁護士の経歴は、あわせて次のページをご確認ください。

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監修者・執筆者

藤井 貴之(ふじい たかゆき)
弁護士・公認会計士/兵庫県弁護士会所属・日本公認会計士協会兵庫会所属
弁護士法人ひょうご支所 神戸みらい法律会計事務所 代表弁護士

刑事事件・少年事件、交通事故、相続、離婚、債務整理、企業法務等に対応しています。法律と会計・税務の双方の視点から、事実関係と資料の整理を踏まえた対応方針の検討をお手伝いします。

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参考資料(本文で参照した公的資料)

本記事は、一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事案に対する法的助言を行うものではありません。処分の見通しや対応方針は、事故の態様、負傷の程度、現場を離れた経緯、前歴その他の個別事情により異なります。実際のご対応にあたっては、最新の法令・公式情報をご確認のうえ、弁護士にご相談ください。記載の内容は作成時点(2026年7月)の情報に基づくものであり、その後の法改正等により変更される場合があります。

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