電車内の痴漢で検挙されたら|迷惑防止条例と不同意わいせつの違い |神戸市(須磨・垂水・西神・北神)の弁護士|初回相談無料|弁護士法人ひょうご支所神戸みらい法律会計事務所

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電車内の痴漢で検挙されたら|迷惑防止条例と不同意わいせつの違い

通勤で利用するJR神戸線や神戸市営地下鉄西神・山手線、阪急神戸線、阪神本線などの電車内で、痴漢を疑われて駅事務室に連れて行かれた、現行犯として警察に引き渡された、あるいは後日、警察から呼び出しの連絡を受けた——。御本人にとっても御家族にとっても、突然のことで強い不安を感じる場面だと思います。

この記事では、電車内の痴漢事案で検挙された場合に、まず何を整理すべきか、兵庫県の迷惑防止条例違反と刑法の不同意わいせつ罪はどこが違うのか、逮捕・呼び出しの後はどのような流れになるのか、示談にはどのような意味があるのか、身に覚えがない場合に注意すべきことは何かを、できる限り正確に整理します。

結論の方向性として、痴漢事案では、まず「どの罪名が問題になっているか」「身柄拘束されているか(逮捕か、呼び出しか、在宅か)」「どのような供述をしているか(供述調書に署名押印する前か)」「被害者対応をどう進めるか」を早い段階で整理することが重要です。個別事情によって結論は大きく変わり、弁護士が資料を確認したうえで判断する必要があります。

なお、痴漢は被害者の性的自由を侵害する行為であり、被害者の心情や処罰感情に十分配慮する必要があります。この記事は加害行為を軽視する趣旨ではなく、疑いをかけられた御本人・御家族が、適切な手続対応と被害者への誠実な対応を検討するための情報を整理するものです。

取調べを受ける前や、供述調書に署名押印する前の段階で、対応方針を整理しておくことができます。神戸みらい法律会計事務所では、刑事事件・少年事件のご相談をお受けしています。

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電車内の痴漢で検挙された直後に、まず整理すべきこと

痴漢事案では、次の事項を早い段階で整理しておくと、その後の対応方針を検討しやすくなります。

整理すべき事項 確認のポイント
罪名 兵庫県迷惑防止条例違反(卑わいな言動)か、刑法の不同意わいせつ罪か。行為態様や証拠関係で変わり、最終的には捜査機関・検察官・裁判所が判断します。
身柄の状況 現行犯逮捕されたのか、後日呼び出しか、在宅捜査か。逮捕には法律上の時間制限があります。
供述の状況 すでに何を話したか。供述調書に署名押印したか。署名押印する前に弁護士へ相談する意義があります。
被害者対応 謝罪・被害弁償・示談を検討するか。被害者への直接接触は避け、弁護士を通じて進めるのが安全です。
会社・学校対応 連絡経路や身柄拘束の有無で影響が変わります。説明の範囲を整理する必要があります。

最初に確認したい4つのポイント

  • 逮捕されたのか、それとも任意の呼び出し・在宅捜査なのか
  • どの罪名で捜査されているのか
  • どのような供述をし、供述調書に署名押印したか
  • 被害者への対応(謝罪・示談)をどう進めるか

してはいけないこと:被害者への直接連絡・接触、関係者との口裏合わせ、証拠の削除・隠匿、事実と異なる供述。これらは二次被害や証拠隠滅と評価され、状況を悪化させるおそれがあります。

痴漢で問題となる罪名|迷惑防止条例違反と不同意わいせつ罪

兵庫県の迷惑防止条例(卑わいな言動)とは

兵庫県では、痴漢行為は「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」(昭和38年兵庫県条例第66号。いわゆる迷惑防止条例)で規律されています。同条例第3条の2第1項第1号は、公共の場所又は公共の乗物において、人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動をしてはならないと定めています。電車内で衣服の上から身体に触れるような痴漢は、この「卑わいな言動」に当たるものとして扱われるのが一般的です。

罰則は、同条例第15条第1項により、6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金です。常習として行った場合は、同条第2項により、1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金と定められています(令和7年6月1日施行の改正で、従来の「懲役」が「拘禁刑」に改められています)。

不同意わいせつ罪(刑法第176条)とは

より侵害度の高い行為態様の場合には、刑法の不同意わいせつ罪(刑法第176条)が問題になります。令和5年7月13日に施行された刑法改正で、従来の強制わいせつ罪・準強制わいせつ罪が統合され、不同意わいせつ罪となりました。

不同意わいせつ罪は、暴行・脅迫、アルコールや薬物の影響、睡眠等の意識が明瞭でない状態、同意しない意思を形成・表明・全うするいとまがないこと、予想と異なる事態による恐怖・驚愕(いわゆるフリーズ)など、刑法第176条第1項各号に挙げられた行為・事由により、「同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態」にさせ、又はその状態に乗じてわいせつな行為をした場合に成立します。

法定刑は、6月以上10年以下の拘禁刑です。罰金刑が定められていないため、示談の成立などにより不起訴とならなければ、初犯であっても正式な裁判(公判請求)となる可能性があります。

両者の分かれ目

比較項目 兵庫県迷惑防止条例違反 不同意わいせつ罪(刑法第176条)
根拠 迷惑防止条例第3条の2 刑法第176条
想定される行為の例 衣服の上から身体に触れる等の卑わいな言動 被害者を動けない状態にする等して、より侵害度の高いわいせつ行為に及ぶ場合
法定刑 6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金(常習は加重) 6月以上10年以下の拘禁刑(罰金刑なし)
公訴時効 3年 12年

罪名は行為態様と証拠関係で変わる

一般論として、衣服の上から触れる行為は迷惑防止条例違反、衣服や下着の中に手を入れて直接触れる行為はより重い不同意わいせつ罪が問題になりやすい、と説明されることがあります。もっとも、これは機械的な基準ではありません。実際には、身体のどの部位に、どのような方法で、どの程度の時間触れたか、被害者を押さえつけたり進路を妨害したりして逃げられない状況を作ったか、混雑の状況、被害者の反応、目撃者や防犯カメラの有無、御本人の供述などの証拠関係を総合して判断されます。衣服の上からであっても、被害者を動けない状態にして性的な部位に触れるような場合には、不同意わいせつ罪が問題になり得ます。御本人や御家族が自己判断で「軽いはずだ」と決めつけるのは危険です。

検挙後の手続の流れ|逮捕・呼び出し・在宅捜査

現行犯逮捕された場合

現行犯逮捕された場合、警察は逮捕の時から48時間以内に、被疑者を釈放するか、検察官に送致する手続をとります(刑事訴訟法第203条)。送致を受けた検察官は、被疑者を受け取った時から24時間以内、かつ逮捕の時から72時間以内に、勾留を請求するか、起訴するか、釈放するかを判断します(刑事訴訟法第205条)。

裁判官が勾留を認めた場合、勾留期間は原則として勾留請求の日から10日間で、やむを得ない事由があるときはさらに最大10日間延長され、合計で最大20日間の身柄拘束となり得ます(刑事訴訟法第208条)。ただし、これはあくまで法律上の上限であり、個別事情によって、早期に釈放されることも、身柄拘束のない在宅捜査に切り替わることも、勾留やその延長がされることもあります。

後日呼び出し・在宅捜査の場合

痴漢事案では、その場で逮捕されず、後日、警察から連絡や呼び出しを受けて任意で取調べを受けることもあります。逮捕されなかったからといって捜査が終わったわけではなく、在宅のまま捜査が進み、書類送検や起訴に至る可能性があります。呼び出しを受けた場合も、取調べでどのように対応するか、供述調書にどう向き合うかは、その後の見通しに影響し得ます。

会社・学校・家族への影響

会社や学校、家族に知られるかどうかは、連絡経路、身柄拘束の有無や期間、勤務先の就業規則、報道の有無などによって変わります。一律に「必ず知られる」「絶対に知られない」と言えるものではありません。勤務先や学校への説明が必要になる場合に、どの範囲でどのように説明するかについては、弁護士に相談して方針を整理することができます。

逮捕されているかどうか、罪名、供述の状況によって、取り得る対応が変わります。まずは事実関係と身柄の状況を整理することが出発点になります。

よく問題になるケース

次のような場面は、いずれも結論が個別事情で変わる相談場面です。

  • 衣服の上から触れたと説明する場合:軽い扱いになると即断はできません。部位や態様、証拠関係により評価が変わります。
  • 混雑で偶然接触しただけと考えている場合:故意の有無が問題になります。乗車位置や手の位置、被害者の供述との関係を整理する必要があります。
  • 被害者の供述と御本人の供述が食い違う場合:防犯カメラ、ICカードの利用履歴、目撃者など客観証拠の有無が重要になります。
  • 現行犯ではなく後日呼び出された場合:在宅捜査でも起訴の可能性があり、取調べ対応の準備が必要です。
  • 酔って記憶が曖昧な場合:不確かなまま認める供述をするリスクがあり、慎重な対応が必要です。
  • 会社や家族に知られるか不安な場合:連絡経路や身柄状況を確認し、説明の範囲を整理します。
  • 初犯で示談を検討する場合:示談は考慮される可能性がある事情の一つですが、必ず不起訴になるわけではありません。
  • 身に覚えがない場合:安易に認めず、早期に弁護士へ相談する必要があります。

示談の意味と進め方

示談とは、被害者への謝罪や被害弁償、今後の接触を避けることなどを内容とする合意です。示談の成立や被害者の宥恕(許すという意思)は、検察官の処分判断や裁判で考慮される可能性がある重要な事情の一つです。

もっとも、示談が成立したからといって、必ず不起訴になるとは限りません。処分は、行為態様、証拠関係、前科の有無、被害者の意向など様々な事情を踏まえて判断されます。また、被害者が示談を望まない場合や、連絡先が分からない場合、そもそも直接のやり取りが適切でない場合もあります。

重要なのは、御本人や御家族が被害者へ直接連絡・接触しないことです。直接の接触は、被害者への二次被害となるおそれがあるほか、証拠隠滅や口裏合わせを疑われ、かえって不利に働くおそれがあります。謝罪や示談は、被害者の意向や捜査機関の運用を踏まえ、弁護士を通じて進めるのが安全です。示談金の額は、事案によって大きく異なり、相場を一律に示すことはできません。具体的な金額は、資料を確認したうえで検討する必要があります。

示談は「考慮される可能性がある事情の一つ」です。「示談すれば必ず不起訴」「初犯なら大丈夫」といった保証はできません。

身に覚えがない場合(否認・冤罪を主張するとき)の注意点

本当に痴漢をしていないのに疑いをかけられた場合、対応を誤ると不利益が大きくなるおそれがあります。次の点に注意してください。

  • 早く解放されたいという理由だけで、事実と異なる内容を安易に認めないこと。一度署名押印した供述調書は、後から覆すことが容易ではありません。
  • できる限り早い段階で弁護士に相談すること。
  • 記憶が新しいうちに、その日の移動経路、乗車した駅と時刻、乗車位置や車両、手やかばんの位置、周囲の混雑状況、ICカードの利用履歴、防犯カメラがありそうな場所、同行者や目撃者の有無などを、自分の記憶として整理しておくこと。

ただし、これは事実を整理するためのものであり、証拠を隠したり、他人と口裏を合わせたり、事実と異なる供述をしたり、被害者を非難したりすることは、絶対に避けてください。否認する事案では、早い段階での対応が特に重要になります。ただし、結果を保証できるものではありません。

手続前チェックリスト(御本人・御家族)

  • 取調べ前:問題になっている罪名と、逮捕・呼び出し・在宅の別を確認したか。黙秘権や署名押印を拒む権利があることを理解しているか。
  • 供述調書への署名押印前:調書の内容が自分の記憶・認識と一致しているか確認したか。曖昧な点を曖昧なまま認めていないか。
  • 被害者対応前:被害者へ直接連絡・接触していないか。謝罪・示談を弁護士を通じて進める方針を確認したか。
  • 示談交渉前:被害者の意向や連絡先の有無を確認したか。示談金や条項について弁護士に相談したか。
  • 会社・学校への説明前:就業規則や学校の規程を確認したか。説明する範囲・タイミングを整理したか。
  • 弁護士相談前(御家族):本人の身柄場所、警察署名、担当部署を確認したか。逮捕・任意同行・呼び出しのいずれかを確認したか。

弁護士に相談するタイミング

弁護士への相談は、結果を保証するためのものではなく、判断材料を整理し、取り得る対応方針を確認するためのものです。次のような場面では、早めの相談を検討してください。

  • 現行犯逮捕された、または家族が逮捕されたと連絡を受けたとき
  • 警察から呼び出しの連絡を受けたとき
  • 取調べを受ける前
  • 供述調書への署名押印を求められたとき
  • 被害者への謝罪・示談を検討するとき
  • 身に覚えがなく、否認の方針を検討するとき
  • 会社・学校への対応が必要になったとき

早い段階で相談することで、取調べ対応の方針を確認でき、身柄解放に向けた事情を整理でき、示談の進め方を弁護士を通じて検討できる可能性があります。

逮捕直後や呼び出しを受けた段階、供述調書に署名押印する前、示談を検討する前など、御本人や御家族だけで判断しにくい点を整理できます。

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よくある質問

痴漢で逮捕されたら、その後はどうなりますか?

現行犯逮捕された場合、逮捕から48時間以内に検察官への送致、その後24時間以内かつ逮捕から72時間以内に勾留請求・起訴・釈放のいずれかが判断されます。勾留されると原則10日、延長で最大20日の身柄拘束となり得ます。ただし、早期釈放や在宅捜査となる場合もあり、個別事情により異なります。

迷惑防止条例違反と不同意わいせつ罪はどう違いますか?

兵庫県では、衣服の上から身体に触れる痴漢などは迷惑防止条例(卑わいな言動)で、被害者を動けない状態にする等してより侵害度の高い行為に及ぶ場合は刑法の不同意わいせつ罪で問題になり得ます。機械的に決まるものではなく、行為態様と証拠関係により判断されます。

後日、警察から呼び出された場合も逮捕されますか?

必ず逮捕されるわけではありません。在宅のまま捜査が進むこともあります。ただし、逮捕されなくても捜査は続き、起訴される可能性はあります。呼び出しを受けた場合の対応方針は、事前に弁護士へ相談して整理できます。

痴漢事件で示談すると不起訴になりますか?

必ず不起訴になるとは限りません。示談の成立や被害者の宥恕は処分判断で考慮される可能性がある重要な事情ですが、行為態様や証拠関係など他の事情も踏まえて判断されます。

痴漢で会社や家族に知られることはありますか?

連絡経路、身柄拘束の有無や期間、就業規則、報道の有無などにより変わります。一律に「必ず知られる」「絶対に知られない」とは言えません。説明の範囲は弁護士に相談して整理できます。

初犯なら前科を避けられますか?

初犯であることは有利に考慮され得る事情の一つですが、前科を避けられると保証することはできません。不同意わいせつ罪には罰金刑がないため、不起訴とならなければ公判となる可能性があります。個別事情により結論は異なります。

やっていない場合、取調べでどう対応すべきですか?

早く解放されたいという理由だけで事実と異なる内容を認めないことが重要です。供述調書に署名押印する前に、内容が自分の認識と一致しているか確認してください。できる限り早く弁護士へ相談することをおすすめします。

家族は何を準備すればよいですか?

まず、本人の身柄場所、警察署名、担当部署、逮捕・任意同行・呼び出しのいずれかを確認してください。そのうえで、弁護士への相談、身元引受や生活状況の整理を検討します。被害者への直接連絡は避けてください。

まとめ

  • 痴漢事案では、まず「逮捕されたか(呼び出し・在宅か)」「罪名」「供述の状況(署名押印前か)」「被害者対応」「会社・学校対応」を整理する。
  • 兵庫県では、痴漢は迷惑防止条例(卑わいな言動)か、より重い不同意わいせつ罪が問題になり、行為態様と証拠関係で変わる。
  • 逮捕には時間制限があり、勾留されると最大20日の身柄拘束となり得るが、個別事情により異なる。
  • 示談は考慮される可能性がある重要な事情の一つだが、必ず不起訴になるわけではない。
  • 被害者への直接接触は避け、謝罪・示談は弁護士を通じて進めるのが安全。
  • 身に覚えがない場合は、安易に認めず、早期に弁護士へ相談する。

痴漢事案では、時間の経過とともに取り得る選択肢が変わることがあります。取調べ前、供述調書への署名押印前、示談交渉前に、対応方針を整理しておくことができます。神戸みらい法律会計事務所は、御本人・御家族のご相談をお受けしています。

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監修・執筆者

藤井貴之(ふじい たかゆき)/弁護士・公認会計士

兵庫県弁護士会 所属/日本公認会計士協会兵庫会 所属

神戸みらい法律会計事務所(弁護士法人ひょうご支所)代表。神戸市須磨区を拠点に、刑事事件・少年事件のほか、相続・交通事故・企業法務などに対応しています。

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