離婚の財産分与で自社株・事業をどう評価し分けるか |神戸市(須磨・垂水・西神・北神)の弁護士|初回相談無料|弁護士法人ひょうご支所神戸みらい法律会計事務所

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離婚の財産分与で自社株・事業をどう評価し分けるか

配偶者が会社を経営している、あるいはご自身が会社を経営しているという場合、離婚の話し合いで「会社の株式や事業の価値は財産分与に含まれるのか」「含まれるとして、いくらと考えればよいのか」が大きな不安になります。非上場の会社の株式や個人事業の価値は、上場株式のように market(市場)で値段がつくわけではなく、決算書や確定申告書を見ても、財産分与の金額がそのまま書いてあるわけではありません。相手方から高い評価額を主張されて戸惑っている方も少なくありません。

この記事では、自社株(経営する会社の株式)や事業用資産が財産分与でどのように扱われるのかを、「対象になるか」「どう評価するか」「どう分けるか」の三つに分けて整理します。法律・会計・税務がからむ分野ですので、結論は事案により異なり、資料を確認したうえで判断する必要がある点を、あらかじめお断りしておきます。読み終えたときに、ご自身のケースで次に何を準備し、いつ専門家に相談すればよいかが見える状態を目指します。

自社株や事業用資産の財産分与は、資料を確認したうえで対象・評価・分け方の見通しを整理することが出発点になります。手元の決算書や申告書の見方を含めてご相談いただけます。

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結論|「対象になるか」「評価」「分け方」を分けて検討する

自社株・事業用資産の財産分与は、次の順序で考えると整理しやすくなります。いきなり「いくらか」を考えるのではなく、まず対象かどうか、次に評価、最後に分け方という順番です。

検討の順序

  1. その株式・事業用資産が財産分与の対象になるか(婚姻中に夫婦の協力で取得・維持したものか)を確認する。
  2. 法人と個人事業、株式と会社の資産、経営者個人と会社の間の債権債務を分けて整理する。
  3. 評価方法は一つではなく、会社の実態や資料、評価の時点によって金額が変わることを前提に検討する。
  4. 分け方は株式の移転だけでなく、代償金や他の財産との調整も含めて検討する。
  5. 合意前・調停申立て前・署名前に、資料をそろえて見通しを確認する。
段階 確認すること 注意点
対象になるか 取得時期、取得原因、婚姻中の寄与の有無 婚姻前取得や相続・贈与で得た株式は特有財産の可能性。ただし事案により異なります。
誰の何を分けるか 株式・持分、役員貸付金・借入金、退職金見込み、個人名義資産 会社の資産そのものは原則として会社のもの。経営者個人の財産と区別します。
評価 評価方法、評価の基準となる時点、資料の範囲 税務評価額や決算書の純資産額だけで一律に決まるわけではありません。
分け方 株式移転か代償金か、分割払い・担保、経営権への影響 譲渡制限株式は会社法上の手続が関係する可能性があります。

会社が保有する預金や不動産などの資産は、原則として「会社の資産」であって、当然に夫婦の共有財産になるわけではありません。財産分与で問題になるのは、多くの場合、経営者が保有する株式や持分の価値、および経営者個人と会社の間の貸付金・借入金・退職金見込みなどです。

自社株・事業が財産分与でもめやすい理由

自社株や事業の価値は、現金や上場株式に比べて争いになりやすい性質があります。背景を知っておくと、相手方の主張の意図や、自分が準備すべきことが見えてきます。

  • 市場価格が分かりにくい:非上場株式には取引相場がなく、評価方法の選び方で金額が変わります。
  • 会社資産と個人財産が混同されやすい:会社の資産を「夫婦の財産」と誤解したり、逆に個人資産を会社のものとして扱ったりしがちです。
  • 経営権・事業継続への影響:株式を移転すると経営権や事業の継続に影響することがあり、単純に分けられません。
  • 配偶者の関与の評価:配偶者が経理や事業を手伝っていた場合、その寄与や受け取っていた報酬の有無が問題になります。
  • 資料が相手方に偏る:決算書や帳簿は会社側にあり、請求する側が情報を得にくいことがあります。
  • 税務評価・会計上の純資産・実際の売買価格が一致しない:目的が違えば価格も異なります。

財産分与の基礎知識|共有財産・特有財産と評価の考え方

財産分与とは(民法の枠組みと請求期間)

財産分与は、離婚に伴い、婚姻中に夫婦が協力して築いた財産を清算する手続です(民法768条)。名義がどちらであっても、婚姻中に夫婦の協力で取得・維持した財産(共有財産)が対象となり、寄与の程度が明らかでないときは原則として相等しい(いわゆる2分の1)ものとして扱われます(改正後民法768条3項)。

離婚後に財産分与を求める場合の期間にも注意が必要です。2026年(令和8年)4月1日に施行された改正民法により、財産分与を家庭裁判所に求めることができる期間は、離婚のときから5年に伸長されました(改正後民法768条2項ただし書)。ただし経過措置があり、施行日より前(2026年3月31日まで)に離婚が成立した場合は、従来どおり2年です(民法附則4条)。期間や経過措置の適用は個別の事情で変わり得るため、ご自身のケースでの確認が必要です。

共有財産と特有財産の区別

財産分与の対象は共有財産です。これに対し、婚姻前から持っていた財産や、婚姻中であっても相続・贈与によって得た財産は、原則として「特有財産」とされ、対象から外れることがあります(民法762条)。自社株でいえば、婚姻前から保有していた株式や、親から相続・贈与で受け継いだ株式は、特有財産にあたる可能性があります。もっとも、婚姻中の配偶者の協力や資金、労務が事業価値の維持・増加にどの程度寄与したかによって、増加分の扱いが問題になることがあり、結論は事案により異なります。

用語の整理(自社株・非上場株式・事業用資産・法人資産・個人事業)

用語 意味
自社株 経営者などが保有する、自分(やその一族)が経営する会社の株式。
非上場株式 証券取引所に上場していない株式。取引相場がなく、評価方法の検討が必要。
法人資産 会社(法人)が保有する資産。原則として会社のものであり、株主個人の財産とは区別される。
事業用資産 事業に使う資産(設備、車両、在庫、売掛金など)。法人か個人事業かで扱いが異なる。
個人事業 法人を設立せず個人として営む事業。事業用資産・負債が個人に帰属する。
共有財産 婚姻中に夫婦の協力で取得・維持した財産。財産分与の対象。
特有財産 婚姻前からの財産や相続・贈与で得た財産。原則として対象外。

自社株・事業用資産は財産分与の対象になるか

「株式」と「会社の資産」は別物

会社は法律上、経営者個人とは別の人格(法人)として扱われます。したがって、会社名義の預金や不動産は原則として会社のものであり、これを直接「夫婦で分ける」ことはできません。財産分与で対象になり得るのは、多くの場合、経営者が保有する株式や持分の価値です。会社の資産状況は、その株式の価値を評価するときに考慮されますが、会社資産そのものを請求するという形にはならない点を押さえておく必要があります。

婚姻前・相続贈与で得た株式の扱い

婚姻前から保有していた株式や、婚姻中に親などから相続・贈与で取得した株式は、特有財産として対象から外れる可能性があります。ただし、婚姻期間中に配偶者の協力(家計の支え、事業への関与、資金提供など)によって株式の価値が維持・増加したと評価できる場合には、その増加分の扱いが問題になることがあります。どこまでが特有財産で、どこからが分与の対象かは、取得の経緯や寄与の内容を資料で確認したうえで判断する必要があります。

配偶者の寄与をどう見るか

配偶者が会社の経理や営業を手伝っていた、無報酬または低い報酬で事業を支えていたといった事情は、寄与の程度を検討するうえで意味を持つことがあります。一方で、配偶者が役員報酬や給与を受け取っていた場合には、その点も併せて整理する必要があります。寄与の評価は画一的ではなく、個別事情により結論は異なります。

個人事業の事業用資産・売掛金・在庫・借入金

個人事業の場合は法人格がないため、事業用の資産(設備、車両、在庫、売掛金など)や負債(買掛金、借入金など)が個人に帰属します。財産分与では、これらの事業用資産・負債のうち、婚姻中に夫婦の協力で形成された部分をどう見るかが問題になります。事業の継続に必要な資産まで分けてしまうと事業が立ち行かなくなることもあるため、分け方の工夫が必要になる場面があります。

役員報酬・配当・役員貸付金・役員借入金・退職金見込み

法人経営の場合、株式の価値とは別に、経営者個人と会社との間の経済的な関係も整理が必要です。たとえば、会社が経営者に貸している役員貸付金、経営者が会社に貸している役員借入金、将来支給が見込まれる退職金、これまでの配当役員報酬などです。これらは株式評価に影響することもあれば、個人の財産・債務として別に考慮されることもあり、整理の仕方は事案により異なります。

「会社の資産」「経営者個人が持つ株式」「役員貸付金・退職金見込み」などが入り混じり、何が分与の対象か分かりにくいケースは少なくありません。決算書や申告書を踏まえて、対象財産を整理するところからご相談いただけます。

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評価の基本|税務評価額がそのまま分与額になるわけではない

上場株式と非上場株式の違い

区分 価格のつき方 財産分与での扱い
上場株式 取引所の株価で時価が分かる 基準とする時点の株価を用いて評価しやすい
非上場株式 取引相場がなく、評価方法の検討が必要 会社の実態・資料・評価の時点で金額が変わり得る
個人事業 事業用資産・負債の積み上げで考える 事業継続への影響を踏まえた分け方の検討が必要
法人の資産 会社の資産であり個人とは別 株式評価の前提として考慮されるが直接は分けられない

評価目的で価格が変わる

同じ非上場株式でも、相続税・贈与税の申告のための評価、M&Aでの売買価格、財産分与での評価では、目的が異なるため金額が一致しないことがあります。とくに、相続税・贈与税の課税のための評価(国税庁の財産評価基本通達に基づく評価)は、課税の公平のために定められた方法であり、離婚の財産分与でその金額がそのまま用いられるとは限りません。

決算書上の純資産額や、相続税の計算で使う評価額が、そのまま財産分与の金額になるわけではありません。税務上の評価や課税の有無については、税理士などの税務の専門家に確認する必要があります。

いつの時点で確定・評価するか

株式や事業の価値は時期によって変動するため、「いつの時点を基準に対象財産を確定するか」「いつの時点の価値で評価するか」が重要になります。実務では、対象財産を確定する基準となる時点と、価値を評価する時点が分けて考えられることがあり、いずれも事案により争いになり得ます。別居の時期、離婚の時期、評価の時点を示す資料を確保しておくことが、後の整理に役立ちます。

非上場株式・事業価値の主な評価方法(概要)

非上場株式や事業価値の評価には複数の方法があり、会社の実態に応じて使い分けられます。ここでは概要にとどめます。具体的な計算の考え方や手法ごとの違いは、別の記事で詳しく扱っています。

主な方法 考え方 向きやすい場面・注意点
純資産方式(時価純資産法) 会社の資産から負債を差し引いた純資産をもとに評価 資産保有型の会社などで用いられやすい。資産の評価次第で金額が変わる。
収益還元法・DCF法 将来見込まれる利益やキャッシュフローをもとに評価 将来予測の前提により金額が大きく変わる。
類似会社比較法(マルチプル法) 類似する上場会社の指標に比準して評価 比較対象の選び方で結果が変わる。
配当還元方式 受け取る配当をもとに評価 少数株主の株式などで用いられることがある。
税務上の評価(類似業種比準・純資産価額・併用) 相続税・贈与税の課税のための通達上の評価 課税目的の評価であり、財産分与でそのまま使われるとは限らない。

評価方法ごとの考え方や違いは、別記事で詳しく整理しています。財産分与で「どの方法が自分のケースに合うか」を検討する前提として、あわせてご確認ください。

非上場株式の評価方法を詳しく確認する

分け方|株式移転・代償金・他財産での調整

株式そのものを移転する

株式そのものを配偶者に移す方法です。もっとも、経営する会社の株式を経営者の配偶者に渡すと、経営権や事業の運営に影響することがあります。後述の譲渡制限の問題もあり、実際には移転以外の方法が検討されることも多くあります。

代償金で調整する

株式は移転せず、評価額を前提に、株式を保有する側が相手方に金銭(代償金)を支払う方法です。経営権を維持しながら清算できる一方、評価額をいくらと考えるかで対立しやすく、支払う側の資金繰りも問題になります。

他の財産で調整する/分割払い・期限・担保

株式の価値を、預貯金や不動産など他の財産の分け方で調整する方法もあります。代償金を一括で用意できない場合には、分割払い、支払期限、担保、期限の利益喪失条項(支払が滞った場合の取扱い)などを取り決める場面もあります。資金繰りや税務への影響は別途確認が必要です。

譲渡制限株式と会社法上の手続

非上場会社の多くは、定款で株式の譲渡に会社の承認を必要とする「譲渡制限株式」を採用しています。この場合、株式を移転するには会社の承認手続が関係します(会社法136条以下)。会社が承認しないときは、会社または会社が指定する買取人による買取りの手続に進むことがあり、売買価格について当事者の協議が調わなければ、裁判所に価格決定を求めることもあります(会社法140条、144条ほか)。株式を分け方の選択肢に入れる際は、こうした制約を踏まえる必要があります。

経営権を維持する必要がある場合

事業を続けるために経営権を維持したい場合は、株式を渡さずに代償金や他の財産で調整する方向が検討されることが多くあります。どの方法が適しているかは、保有割合、会社の資金、相手方の希望、税務・資金繰りへの影響などを踏まえて検討する必要があり、結論は事案により異なります。

よく問題になるケース

  • 配偶者が会社の経理を手伝っていた:寄与や受け取っていた報酬の有無が問題になります。事実関係を資料で整理することが出発点です。
  • 会社の資金と家計が混在している:会社のお金と個人のお金の出入りが区別しにくく、何が分与の対象かの整理に手間がかかります。
  • 相手方が決算書を出してくれない:資料が会社側に偏るケースです。改正法では、財産分与等の裁判手続で、裁判所が当事者に財産状況の情報開示を命じることができる規定が整備されており、手続の中で開示を求める方法が考えられます。
  • 譲渡制限株式で株式移転が難しい:会社の承認手続が関係し、移転以外の分け方(代償金など)が検討されます。
  • 個人事業の設備や在庫がある:事業継続に必要な資産まで分けると事業が立ち行かなくなることがあり、分け方の工夫が必要です。

相談前に準備・確認したい資料

離婚協議書・公正証書・財産分与案への署名前、調停の申立て前、株式譲渡や代償金の合意前に、次のような資料をそろえておくと、対象財産・評価・分け方の検討がスムーズになります。手元にそろわない資料がある場合の対応も含めて、早めに確認することをおすすめします。

  • 登記事項証明書(会社)、定款、株主名簿
  • 株式の譲渡制限の有無が分かる資料
  • 決算書(貸借対照表・損益計算書)
  • 法人税申告書、勘定科目内訳明細書
  • 確定申告書、青色申告決算書、収支内訳書(個人事業の場合)
  • 総勘定元帳、試算表
  • 預金通帳、入出金明細
  • 借入契約書、保証関係の資料
  • 不動産の登記事項証明書、固定資産評価証明書
  • 事業用不動産・車両・設備・在庫・売掛金・買掛金の資料
  • 役員報酬・配当・退職金規程・保険・社宅・会社との貸借に関する資料
  • 別居時点・離婚時点・評価の時点が分かる資料
  • 相手方とのやり取り(メール、LINE、調停資料など)

弁護士に相談するタイミング

自社株や事業がからむ財産分与は、早い段階で相談しておくと、対応の方針や準備すべき資料を整理しやすくなります。結果を保証するものではありませんが、次のような場面では、資料を確認したうえで見通しを検討できます。

  • 別居の前、または別居の直後
  • 相手方から財産資料の開示を拒まれているとき
  • 会社の決算書や税務申告書の見方が分からないとき
  • 自社株や事業用資産の評価額で大きく対立しているとき
  • 相手方から株式の移転や高額な代償金を求められているとき
  • 調停を申し立てる前
  • 財産分与案・合意書・離婚協議書・公正証書に署名する前
  • 税務・会計・資金繰りも含めて検討が必要なとき

当事務所は弁護士と公認会計士の視点から、決算書や税務資料を踏まえて、対象財産・評価・分け方の見通しを整理するお手伝いをします。署名や合意の前に、一度資料を確認してみませんか。

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よくある質問(FAQ)

離婚で相手(配偶者)の会社の株式は財産分与の対象になりますか?

婚姻中に夫婦の協力によって取得・維持された株式であれば、対象になる可能性があります。一方、婚姻前から保有していた株式や、相続・贈与で得た株式は特有財産として対象から外れることがあります。取得の経緯や寄与の内容によって結論は異なるため、資料を確認したうえで判断する必要があります。

会社の資産そのものを半分請求できますか?

会社の資産は原則として会社のものであり、これを直接「半分もらう」という形にはなりません。財産分与で問題になるのは、多くの場合、経営者が保有する株式や持分の価値です。会社の資産状況は、その株式を評価するときに考慮されます。

非上場株式はどのように評価しますか?

非上場株式には取引相場がないため、純資産をもとにする方法、将来の利益をもとにする方法、類似する会社と比較する方法など、複数の評価方法が検討されます。会社の実態や資料、評価の時点によって金額が変わります。方法ごとの違いは別記事でも整理しています。

税務上の株価(相続税の評価額)をそのまま使えばよいですか?

相続税・贈与税の課税のための評価は、課税の公平のために定められた方法であり、離婚の財産分与でそのまま用いられるとは限りません。税務上の評価や課税の有無については、税理士などの税務の専門家に確認する必要があります。

株式を渡さずに代償金で調整できますか?

株式を移転せず、評価額を前提に金銭(代償金)で調整する方法は、実務でよく検討されます。経営権を維持しながら清算できる一方、評価額や支払う側の資金繰りが問題になります。分割払いや担保などを取り決める場合もあります。

個人事業の設備や在庫は財産分与の対象になりますか?

個人事業では事業用の資産や負債が個人に帰属するため、婚姻中に夫婦の協力で形成された部分をどう見るかが問題になります。ただし、事業継続に必要な資産まで分けると事業が立ち行かなくなることもあり、分け方の工夫が必要です。結論は事案により異なります。

相手が決算書を出してくれない場合はどうすればよいですか?

資料が会社側に偏ることはよくあります。改正法では、財産分与等の裁判手続で、裁判所が当事者に財産状況の情報開示を命じることができる規定が整備されています。手続の中で開示を求める方法が考えられますので、早めに相談することをおすすめします。

弁護士に相談するとき、どの資料を準備すればよいですか?

会社の登記事項証明書・定款・株主名簿、決算書、法人税申告書、個人事業であれば確定申告書や青色申告決算書、預金の入出金が分かる資料、別居や離婚の時期が分かる資料などがあると検討が進みます。手元にそろわない資料がある場合の対応も含めてご相談ください。

まとめ

  • 自社株・事業用資産は、「対象になるか」「どう評価するか」「どう分けるか」を分けて検討します。
  • 会社の資産そのものと、経営者が持つ株式・持分・債権債務は区別して整理します。
  • 評価方法は一つではなく、会社の実態・資料・評価の時点によって金額が変わります。
  • 税務上の評価額が、そのまま財産分与額になるとは限りません。税務は税理士などに確認が必要です。
  • 分け方は株式の移転に限らず、代償金や他の財産での調整も含めて検討します。譲渡制限株式は会社法上の手続が関係する可能性があります。
  • 合意前・調停前・署名前に、資料をそろえて見通しを確認することが重要です。個別事情により結論は異なります。

監修者情報

神戸みらい法律会計事務所(弁護士法人ひょうご支所)。代表弁護士・藤井貴之(弁護士・公認会計士、兵庫県弁護士会所属)。弁護士と公認会計士の視点から、離婚・男女問題を含む各種の法律問題に対応し、会社の決算書や税務資料を踏まえた検討にも対応しています。

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参考資料

  • e-Gov法令検索「民法」
  • e-Gov法令検索「会社法」
  • 法務省「民法等の一部を改正する法律(父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)について」
  • 裁判所「財産分与請求調停」
  • 裁判所「夫婦関係調整調停(離婚)」
  • 国税庁「取引相場のない株式の評価」

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