「恐喝の疑いがあると警察から連絡が来た」「家族が恐喝で逮捕されてしまった」「貸したお金を返すよう強く求めただけなのに、恐喝だと言われている」——本記事は、恐喝罪で捜査を受けているご本人と、そのご家族に向けた解説です。
恐喝罪が成立するかどうかは、どのような発言をしたか、何を要求したか、その言動が相手をどの程度おびえさせたか、実際に金銭や利益が渡ったか、そして、やり取りのメッセージや振込履歴などの客観的な証拠がどのように残っているか、といった事情の組み合わせで判断されます。逮捕されるかどうか、どのような処分になるかも、事案によって大きく異なります。
まず知っておいていただきたいのは、被害者とされる相手へ直接連絡をとったり、スマートフォンのメッセージや録音を削除したりする行為は、かえって状況を悪化させるおそれがあるということです。この記事では、恐喝罪の成立要件と刑罰、警察の連絡から起訴までの流れ、示談・被害弁償の意味と限界、認める場合と否認する場合の対応、ご家族が準備しておきたい資料、そして弁護士に相談するタイミングを整理します。個別の事情によって結論は変わりますが、事実関係と証拠、現在の手続段階を整理することで、次にとるべき行動が見えやすくなります。
恐喝の疑いで捜査を受けている方・そのご家族へ
発言の内容、相手とのやり取りの履歴、現在の手続がどの段階にあるかを整理することで、次にとるべき対応を検討しやすくなります。まずは事実関係と手元の資料の確認から始めましょう。
Contents
まず押さえておきたい結論と、最初にすべきこと
細かな法律論に入る前に、恐喝の疑いをかけられたときに押さえておきたい要点を先に整理します。いずれも、事案によって結論が変わり得ることを前提としてお読みください。
先に押さえておきたい要点
- 恐喝罪(刑法249条)の法定刑は10年以下の拘禁刑で、罰金刑の定めはありません。未遂も処罰されます。
- 実際に金銭を受け取っていなくても、恐喝未遂として問題になることがあります。
- 逮捕・勾留されるかどうか、起訴されるかどうかは、証拠隠滅や逃亡のおそれ、被害者との関係、事案の内容などによって異なります。
- 示談や被害弁償は処分の判断で考慮され得る事情ですが、成立しても不起訴・釈放・執行猶予を保証するものではありません。
- 事実を認める場合と否認する場合とで、とるべき対応は大きく異なります。
- 証拠の削除、被害者への直接連絡、関係者との口裏合わせは避けてください。
そのうえで、いま最初にすべきことは、起きた出来事を時系列で整理し、関係する資料や履歴をそのまま保存しておくことです。何を消さないか、誰に連絡しないか、という判断が、後の見通しに影響します。捜査の段階ごとに優先することは次のとおりです。
| 現在の段階 | 起きていること | まず優先したいこと |
|---|---|---|
| まだ連絡はないが恐喝だと言われている | 相手方や関係者から金銭要求などを指摘されている | やり取りの保存、時系列の整理、独断での接触を控える |
| 警察から連絡・出頭要請があった | 任意の事情聴取が想定される段階 | 連絡の日時・部署・担当者・用件の記録、供述前の整理 |
| 逮捕・勾留されている | 身体を拘束され、面会が制限されることがある | 早期の弁護人選任、接見の依頼、証拠保全 |
| 起訴された | 公判に向けた手続が進む | 保釈の検討、被害者対応、公判の方針整理 |
恐喝罪とは——成立要件・未遂・財物と利益
恐喝罪の条文と成立要件(刑法249条)
恐喝罪は刑法249条に定められています。同条1項は「人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の拘禁刑に処する」と定めています。ここでいう「恐喝」とは、相手を怖がらせて(畏怖させて)財産を差し出させるために、暴行や脅迫を加えることを指します。もっとも、その暴行・脅迫は、相手の反抗を完全に抑え込んでしまうほど強いものではなく、相手がなお自分の意思で財産を渡すかどうかを決められる程度のものを指す、という点が特徴です(この点は後述する強盗罪との違いにつながります)。
一般に、恐喝罪が成立するためには、次のような流れが問われます。すなわち、恐喝にあたる行為があり、それによって相手が畏怖し、その畏怖に基づいて相手が財物を交付(財産を処分)し、これらの間に因果関係がある、という関係です。あわせて、故意や、相手の財産を自分または第三者のものにしようとする意図なども問題になります。もっとも、どの程度の言動が「恐喝」といえるか、相手が本当に畏怖したといえるかなどは、学説や裁判実務でも評価が分かれ得る事項であり、単純なルールで割り切れるものではありません。
既遂と未遂——お金を受け取っていなくても問題になり得る
恐喝罪には未遂の処罰規定があります(刑法250条)。財物を交付させた時点で既遂となりますが、要求はしたものの相手が実際にはお金を渡さなかった場合や、相手が畏怖せずに(あるいは警察に相談したうえで)応じた場合などには、恐喝未遂が問題になることがあります。「まだお金を受け取っていないから犯罪ではない」とは限らない、という点は注意が必要です。
財物型と財産上の利益型
刑法249条は、現金や物品(財物)を交付させる類型(1項)だけでなく、2項で「財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者」も同様に処罰すると定めています。たとえば、借金を免除させる、無償でサービスを提供させる、といった財産的な利益を脅して得た場合も対象になり得ます。現金の授受がないケースでも問題になり得るということです。
典型的に問題となりやすい言動
次のような場面は、恐喝罪の成否が問題になりやすい例です。いずれも「必ず恐喝罪になる」というものではなく、発言の内容や態様、前後のやり取り、相手との関係、残っている客観証拠などによって評価が変わります。
- 金銭を渡さなければ危害を加える、といった言葉で金銭を求めた
- 秘密・過去の言動・私的な画像などを公表すると告げて金銭を要求した
- SNSやDM、メッセージアプリで金銭の支払を迫った
- 実際にある貸金や損害賠償の請求について、威圧的な手段を用いて回収しようとした
- 複数人で相手を取り囲み、金銭を要求した
- 本人としては冗談や交渉のつもりだったが、相手が脅されたと受け取った
なお、当事者が一定の親族関係にある場合には、刑法251条が準用する規定によって刑の免除や告訴に関する特例が問題になることがあります。該当し得る場合は、個別に確認が必要です。
脅迫罪・強要罪・強盗罪・詐欺罪との違い
恐喝罪は、近い場面で問題になる他の犯罪としばしば区別が問われます。金銭や利益を求める行為であっても、手段や結果によって成立する犯罪が変わります。主な違いを整理すると次のとおりです。境界は個別の事情によって動くため、表はあくまで大枠の整理としてお読みください。
| 犯罪 | 中心となる行為 | 財物・利益の取得 | 暴行・脅迫・欺罔の特徴 | 恐喝罪との主な区別 | 個別判断上の注意 |
|---|---|---|---|---|---|
| 恐喝罪(刑法249条) | 相手を畏怖させて財物・利益を得る | 必要(既遂には交付が必要) | 反抗を抑圧するには至らない程度の暴行・脅迫 | ——(比較の基準となる罪) | 脅迫の程度・状況次第で強盗と評価が分かれ得る |
| 脅迫罪(刑法222条) | 害を加える旨を告げて相手を脅す | 不要 | 生命・身体・自由・名誉・財産への害悪の告知 | 金銭など財産の要求・取得を要件としない | 財産の要求が加わると恐喝の問題に移り得る |
| 強要罪(刑法223条) | 義務のないことを行わせ、権利行使を妨げる | 不要(財産に限らない) | 脅迫または暴行 | 財物・利益ではなく作為・不作為を強制する点 | 謝罪文の強要など財産以外の強制が典型 |
| 強盗罪(刑法236条) | 反抗を抑圧して財物を奪う | 必要 | 相手の反抗を抑圧する程度の強い暴行・脅迫 | 暴行・脅迫の程度がより強い点 | 程度の評価は状況により恐喝と分かれる |
| 詐欺罪(刑法246条) | 人をだまして財物・利益を得る | 必要 | 人を欺く行為(欺罔) | 手段が「畏怖」ではなく「錯誤」である点 | 脅しと欺罔が混在する事案は評価が難しい |
強盗罪との違いは、暴行・脅迫が「相手の反抗を抑圧する程度」に達していたかどうかが一つの分かれ目になりますが、これは具体的な状況によって評価が変わるもので、単純に線引きできるものではありません。脅迫罪や強要罪との違いも、金銭を要求したかどうかだけで機械的に決まるわけではありません。詐欺罪との違いについては、詐欺罪で逮捕されたら(刑罰・示談・保釈)の解説を見るもあわせてご確認ください。
恐喝罪の刑罰——法定刑・拘禁刑への改正・執行猶予
現在の法定刑と、罰金刑がないこと
恐喝罪の法定刑は、10年以下の拘禁刑です。窃盗罪などと異なり、罰金刑の定めがありません。この点は、後で述べる手続にも影響します。
「懲役」から「拘禁刑」への一本化
従来の刑罰には「懲役」と「禁錮」がありましたが、法改正(令和4年法律第67号)により、これらは「拘禁刑」に一本化され、令和7年(2025年)6月1日から施行されています。そのため、現在の恐喝罪の法定刑は「10年以下の拘禁刑」と表記されます。もっとも、施行日より前に行われた行為については、経過措置により、なお従来の懲役・禁錮によって扱われることがあります。行為の時期が施行日の前後にまたがる場合などは、適用関係の確認が必要です。
罰金や略式手続で終わるか、初犯はどうか
恐喝罪には罰金刑がないため、略式命令によって罰金で処理される、という結末は想定されません(略式手続は罰金・科料にあたる事件を対象とするためです)。検察官が起訴する場合は、原則として公判請求(正式な裁判)となります。したがって、実務上の分かれ目は「不起訴になるか、公判請求されるか」という点になりやすいといえます。
「初犯だから逮捕されない」「初犯だから必ず軽く済む」と一律にいえるものではありません。行為の態様、被害の程度や回復の状況、前科・前歴の有無、事件での役割、反省や再発防止の状況など、さまざまな事情を踏まえて判断されます。
執行猶予について
言い渡された刑について執行猶予が付くかどうかも、法律上の要件(刑法25条)を満たすことを前提に、上記のような個別事情を踏まえて判断されます。「示談すれば必ず執行猶予になる」「初犯なら当然に猶予される」というものではなく、被害が回復されていても実刑となる可能性が残る事案もあります。
警察の連絡から起訴までの流れ——恐喝事件で特に注意する点
刑事手続の一般的な流れは、任意の捜査から始まる場合もあれば、逮捕から始まる場合もあります。恐喝事件では、被害者とされる相手への接触、共犯者・関係者との口裏合わせ、メッセージや振込履歴などの証拠の隠滅が疑われやすく、これらが身体拘束の判断に影響することがあります。基本的な流れは次のとおりです。
| 段階 | 内容 | 本人・家族が特に確認したいこと |
|---|---|---|
| 連絡・任意の事情聴取 | 出頭要請や任意の取調べ。在宅のまま進むこともある | 連絡の日時・部署・担当者・用件の記録/独断で相手に連絡しない |
| 逮捕 | 身体を拘束される。証拠隠滅や被害者接触のおそれが問題にされやすい | できるだけ早く弁護人の接見を依頼する |
| 検察官への送致 | 司法警察員は、原則として逮捕から48時間以内に検察官へ送致する(刑事訴訟法203条) | 身柄の状況と今後の見込みを確認する |
| 勾留請求・勾留 | 検察官は24時間以内、かつ逮捕から72時間以内に勾留を請求(同205条)。勾留は原則10日、延長で最大20日(同208条) | 勾留や延長への不服申立ての可否を検討する |
| 起訴・不起訴 | 検察官が処分を決める。恐喝罪は罰金刑がないため略式命令はできない | 不起訴に向けた被害弁償・示談の検討 |
| 起訴後・保釈 | 保釈は原則として起訴後の制度(刑事訴訟法88条以下) | 保釈請求の時期と保証金の準備を検討する |
これらの日数や手続は、起算点や例外もあり、すべての事件が同じように進むわけではありません。「恐喝罪なら必ず逮捕される」「初犯なら逮捕されない」「一定の日数で必ず釈放される」と決めつけることはできません。逮捕・勾留の可能性は、逃亡や証拠隠滅のおそれ、関係者との接触の可能性、事案の内容、捜査の状況などの個別事情によって異なります。逮捕・勾留そのものの一般的な流れについては、逮捕・勾留された場合の手続の流れを確認するもあわせてご覧ください。
認めるか、否認するかで対応は変わります
取調べで話す前に、事実関係と客観的な証拠を整理しておくことが重要です。刑事事件の相談を受け付けているかどうかは、取扱業務ページでご確認いただけます。
事実を認める場合の対応
身に覚えのある事案で、事実関係をおおむね認める場合には、次のような点を検討することになります。ただし、認めるといっても、どの事実を認め、どの評価は争うのか、という区別が重要です。
- 事実関係と法的評価を分けて考える。「お金を受け取ったこと」は認めても、それが「恐喝にあたるか」は別の問題です。
- 供述の内容が客観的な証拠と食い違わないか確認する。記憶があいまいな点を、断定的に述べないようにします。
- 被害弁償・示談・謝罪の方法を検討する。被害の回復は、処分の判断で考慮され得る事情です。
- 関係者との接触は控える。口裏合わせを疑われないためにも、独断での連絡は避けます。
- 再発防止に向けた生活環境を整理する。就労や家族の監督など、今後の環境も検討の対象になります。
- 内容を確認しないまま供述調書に署名しない。調書は後の手続に大きく影響します。
事実を否認する場合の対応
「恐喝にはあたらない」「そのような要求はしていない」など、事実を否認する場合には、次のような点が重要になります。
- 何を否認しているのかを整理する。発言の内容、金銭の要求、受領の有無、故意の有無など、争点を切り分けます。
- メッセージ・録音・通話履歴・振込履歴などを保存する。自分に有利な事情を裏づける資料になり得ます。
- 証拠を削除・加工・初期化しない。不利な内容に見えても、消すこと自体が証拠隠滅を疑われる原因になります。
- 関係者と口裏を合わせない。供述を合わせる行為は、かえって信用性を損ないます。
- 黙秘権があること、供述調書への署名押印を求められることを理解しておく。署名するかどうかは慎重に判断します。
- 否認の方針と矛盾し得る謝罪・示談・書面提出を独断で行わない。方針全体との整合が必要です。
認める事件では示談が常に適切で、否認事件では示談が一切不要、という単純な整理はできません。認めるか否認するか、どの事実を争うか、被害者対応をどうするかは、証拠の状況や事案によって方針が変わります。方針の判断は、資料を確認したうえで慎重に行う必要があります。
示談・被害弁償の意義と限界
被害弁償は、被害者に生じた損害を回復(返還・賠償)することをいい、示談は、当事者間で解決の合意をすることをいいます。示談の中で、被害者が「加害者を許す」意思(宥恕)を示したり、被害届の取下げに触れたりすることもあります。これらは、処分や量刑の判断において考慮され得る事情です。
もっとも、示談が成立すれば必ず不起訴になる、釈放される、執行猶予がつく、というものではありません。恐喝罪は、被害者の告訴がなければ起訴できない犯罪(親告罪)ではないため、被害届の取下げや告訴の取下げがあっても、それだけで手続が当然に終わるわけではありません。示談の有無やその内容は、あくまで判断の一要素です。
また、被害者の連絡先が本人や家族に知らされないことも少なくありません。本人や家族が直接連絡をとろうとすると、被害者の不安を高め、証拠隠滅や働きかけを疑われるおそれがあります。接触を禁止する条件が付いている場合はなおさらです。被害者対応は、弁護士を通じて行うことを検討すべき場面が多いといえます。
示談金の「相場」を一律の金額で示すことはできません。金額は、被害の額や内容、行為の態様、精神的な被害、二次被害の有無、返還・回復の状況、当事者の意向などによって大きく異なります。具体的な金額や算定方法は、事案の資料を確認したうえで検討する必要があります。
よく問題になるケース
相談の場面でとくに迷いやすいのが、次のようなケースです。いずれも結論は個別事情によって変わり、ここに挙げた場面が直ちに恐喝罪になる・ならないと断定できるものではありません。
実際にある借金やお金の取り立て
正当な貸金であっても、その回収の手段が、害を加える旨を告げるなど社会的に許される範囲を超えると、恐喝罪の問題が生じ得ます。「自分のお金だから何をしてもよい」とはいえません。
慰謝料や損害賠償の請求
請求すること自体が正当でも、要求の仕方や態様によっては問題になり得ます。請求の名目・根拠と、実際の言動を分けて確認する必要があります。
秘密や画像を「公表する」と告げたケース
相手の秘密や私的な画像などを公表すると告げて金銭を求める行為は、恐喝として問題になりやすい類型です。SNSやDM上のやり取りが証拠として残っていることも多くあります。
金銭を受け取っていないケース・複数人が関与したケース
前述のとおり、実際にお金を受け取っていなくても未遂が問題になり得ます。また、複数人が関与した場合は、それぞれの関与の程度や役割が問われます。第三者に振り込ませた場合など、金銭の流れが複雑な事案もあります。
本人と家族が避けるべき行動
不安からとった行動が、かえって不利に働くことがあります。次のような行動は避けてください。過度に恐れる必要はありませんが、証拠の保全と手続上のリスクという観点から、落ち着いて対応することが大切です。
- スマートフォン、SNS、DM、メール、録音などのデータを削除する
- 端末を初期化する、メッセージを書き換える
- 被害者とされる相手へ何度も連絡する、示談を迫る
- 共犯者・同席者・関係者と供述内容を合わせる
- 警察からの連絡を無視する
- 事実と異なる説明をする
- 内容を確認しないまま供述調書に署名する
- 弁護士に事実を隠す
- インターネット上に事件の内容を投稿する
- 権利関係が不明確なまま、独断で金銭を支払い、書面に署名する
相談前に準備しておきたい資料
弁護士に相談する際、次のような資料や情報が整理されていると、事実関係の把握と見通しの検討がスムーズになります。すべてがそろっている必要はありません。手元にあるものから整理してください。なお、相談予約フォームなどに、必要以上の個人情報や事件の詳細を書き込みすぎないようご注意ください。
- 警察・検察・裁判所から受け取った書類
- 警察から連絡があった日時・担当部署・担当者・用件
- 問題となっている出来事の時系列
- 相手方との関係、請求したお金の名目
- 実際の発言の内容
- SNS・DM・メール・チャットの履歴
- 録音、通話履歴
- 振込履歴、領収書
- 契約書、借用書、請求書
- 防犯カメラ映像や位置情報など、心当たりのある客観資料
- 同席者・目撃者の有無
- すでに行った謝罪・返金・連絡の内容
- 逮捕・勾留・起訴など、現在の手続段階
- 前科・前歴の有無
- 通院・仕事・家族関係など、身柄や再発防止に関係し得る事情
弁護士に相談するタイミング
相談のタイミングは早いほど、選べる対応の幅が広がりやすい傾向があります。次のような場面が、相談を検討する目安になります。相談は、結果を保証するためのものではなく、事実関係・証拠・手続段階・被害者対応を整理し、対応方針を検討するためのものです。
- 相手方から恐喝だと言われている、警察から連絡・出頭要請があったとき
- 逮捕・勾留されたとき(早期の接見が重要になります)
- 被害者への対応(謝罪・被害弁償・示談)を検討するとき
- 起訴された、あるいは起訴が見込まれるとき
- 事実を否認する方針を検討するとき
当事務所では、初回相談を無料でお受けしています。刑事事件・少年事件への対応の範囲や弁護士費用は、公式ページでご確認いただけます。
よくある質問
- 恐喝罪はどのような場合に成立しますか。
- 相手を畏怖させて(怖がらせて)財物や財産上の利益を交付させた場合に問題になります(刑法249条)。恐喝にあたる行為、相手の畏怖、財産の交付、これらの因果関係などが問われますが、成否は発言の内容や態様、客観証拠によって変わり、個別事情によって結論が異なります。
- 恐喝罪に罰金刑はありますか。初犯なら罰金で終わりますか。
- 恐喝罪の法定刑は10年以下の拘禁刑で、罰金刑の定めはありません。そのため、罰金の略式命令で終わることは想定されず、起訴される場合は原則として正式な裁判になります。初犯かどうかだけで結論が決まるものではなく、被害の回復状況などの個別事情を踏まえて判断されます。
- お金を受け取っていなくても処罰されますか。
- 恐喝には未遂の処罰規定があります(刑法250条)。要求はしたが実際には金銭を受け取っていない場合でも、恐喝未遂として問題になることがあります。受け取っていないから犯罪ではない、とは限りません。
- 実際に貸したお金を取り立てただけでも恐喝罪になりますか。
- 正当な権利があっても、回収の手段が社会的に許される範囲を超えると、恐喝罪の問題が生じ得ます。請求の名目・根拠と、実際の言動を分けて確認する必要があり、事案によって評価が変わります。
- 示談すれば必ず不起訴になりますか。
- 示談や被害弁償は処分の判断で考慮され得る事情ですが、成立しても不起訴・釈放・執行猶予を保証するものではありません。恐喝罪は親告罪ではないため、被害届や告訴の取下げがあっても、それだけで手続が当然に終わるわけではありません。
- 被害者へ直接謝罪や連絡をしてもよいですか。
- 本人や家族が直接連絡をとると、被害者の不安を高め、証拠隠滅や働きかけを疑われるおそれがあります。連絡先が知らされないことも少なくありません。被害者対応は、弁護士を通じて行うことを検討すべき場面が多いといえます。
- 家族が逮捕されました。まず何を準備すればよいですか。
- 警察から受け取った書類、連絡の日時・部署・担当者、出来事の時系列、相手方との関係、やり取りの履歴などを整理しておくと、事実関係の把握に役立ちます。証拠を削除したり、被害者へ連絡したりすることは避けてください。
- 恐喝罪の時効は何年ですか。
- 刑事の公訴時効は、恐喝罪の場合、原則として7年とされています。これとは別に、被害者が損害賠償を求める民事上の消滅時効があり、起算点や年数の考え方は刑事とは異なります。具体的な適用は、行為の時期などによって変わるため、確認が必要です。
まとめ
- 恐喝罪(刑法249条)は、相手を畏怖させて財物や財産上の利益を得る・得させる犯罪で、法定刑は10年以下の拘禁刑です。罰金刑はありません。
- 未遂も処罰されます(刑法250条)。お金を受け取っていなくても問題になり得ます。
- 令和7年(2025年)6月1日から刑は「拘禁刑」に一本化されました。行為の時期によって適用が変わるため、確認が必要です。
- 逮捕・勾留や処分は事案によって異なり、示談の成立は不起訴・釈放・執行猶予を保証しません。
- 事実を認める場合と否認する場合とで、対応の方針は大きく異なります。
- 証拠の削除、被害者への直接連絡、関係者との口裏合わせは避けてください。
- まず書類・時系列・やり取りの履歴などの資料を整理し、早い段階で弁護士に相談することが、次の行動を選ぶうえで役立ちます。
ご本人・ご家族が次に行うことを整理できます
捜査の段階、認否、証拠、被害者対応などを整理したうえで、起訴前・起訴後の見通しや対応方針を検討できます。個別の事情によって結論は異なります。示談の前、供述の前に、一度ご確認ください。
お電話:0799-53-6782(受付 9:00〜20:00)
監修者・執筆者
弁護士・公認会計士 藤井 貴之(ふじい たかゆき)
弁護士法人ひょうご あわじみらい法律会計事務所 代表弁護士・公認会計士
所属:兵庫県弁護士会
個人・法人の法律問題に幅広く対応しています。当事務所では、刑事事件・少年事件について、在宅事件から裁判員裁判まで取り扱っています。取扱分野や経歴の詳細は、所属弁護士の紹介ページをご覧ください。
参考資料
- E-GOV法令検索 刑法(恐喝罪=第249条、未遂=第250条ほか) https://laws.e-gov.go.jp/law/140AC0000000045
- E-GOV法令検索 刑事訴訟法(逮捕・勾留・保釈・公訴時効) https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131
- 法務省 拘禁刑の創設(刑法等の一部を改正する法律) https://www.moj.go.jp/
- 裁判所 刑事事件の手続案内 https://www.courts.go.jp/
- 検察庁 刑事事件の流れ https://www.kensatsu.go.jp/

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