過労死の労災認定と過労死ライン|遺族が取るべき手続と証拠 |神戸市(須磨・垂水・西神・北神)の弁護士|初回相談無料|弁護士法人ひょうご支所神戸みらい法律会計事務所

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過労死の労災認定と過労死ライン|遺族が取るべき手続と証拠

ご家族が長時間労働の末に脳や心臓の病気で倒れて亡くなられたとき、あるいはご自身やご家族が長時間労働による体調の異変を感じているとき、「これは労災として認められるのだろうか」「過労死ラインを超えていないと無理なのではないか」「会社が勤務記録を出してくれない」といった不安を抱えていらっしゃる方は少なくありません。

この記事では、長時間労働による脳・心臓疾患の労災認定の考え方、いわゆる過労死ラインの正しい捉え方、ご遺族が取り得る労災手続、そして会社への損害賠償請求との違いまでを整理します。結論からお伝えすると、労災として認定されるかどうかは、過労死ラインの数字だけで機械的に決まるものではなく、勤務の実態や医療記録、労働時間以外の負荷要因も含めて総合的に判断されます。だからこそ、早い段階で勤務記録や医療記録を整理し、見通しを検討しておくことが重要です。

労災として認められる可能性があるか、まずは資料を確認しながら整理したいという段階でも差し支えありません。労災申請と会社への請求を分けて検討するために、状況の整理からご相談いただけます。

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過労死・過労自殺が疑われるとき、まず押さえたい全体像

はじめに、この記事の要点を整理します。個別の事情によって結論は変わりますが、考え方の枠組みを知っておくことで、次に何を確認すべきかが見えやすくなります。

この記事の要点

  • 過労死ラインは労災認定を考えるうえで重要な目安ですが、これを超えれば必ず認定される、超えなければ認定されないという機械的な合否基準ではありません。
  • 脳・心臓疾患の認定では、労働時間の長さだけでなく、勤務の不規則性や深夜勤務、身体的・精神的な負荷などの労働時間以外の負荷要因も含めて総合的に評価されます。
  • 脳・心臓疾患による死亡(いわゆる過労死)と、精神障害を原因とする自殺(いわゆる過労自殺)とでは、参照する認定基準が異なります。
  • 労災保険の給付(国の制度)と、会社に対する損害賠償請求(民事)は別の手続です。労災が認定されても、会社への請求が当然に認められるわけではありません。
  • ご遺族の方は、早い段階で勤務記録と医療記録を整理しておくことが、その後の手続を進めるうえで重要になります。

まず確認しておきたい事項を、次の表に整理しました。

確認したいこと 具体的な内容
勤務の実態 発症前の数か月間の労働時間、勤務時間帯、休日の取得状況、連続勤務の有無
労働時間以外の負荷 夜勤・交替制勤務、不規則な勤務、出張、拘束時間の長さ、精神的・身体的な負荷
医療の記録 発症時の診断名、診療録、検査結果、既往症の有無
手続の方向性 労災保険の請求と、会社への損害賠償請求を分けて検討する

過労死と過労自殺は、参照する労災認定基準が異なります

「過労死」「過労自殺」という言葉は日常的に使われますが、労災認定の場面では、どのような経過で亡くなられたかによって、参照する認定基準が異なります。ここを区別しておくことが、手続を考える出発点になります。

脳・心臓疾患による死亡(いわゆる過労死)

長時間労働などの業務上の過重な負荷によって、脳梗塞・くも膜下出血などの脳血管疾患や、心筋梗塞などの虚血性心疾患を発症し、亡くなられた場合です。この類型では、脳・心臓疾患の労災認定基準が参照されます。本記事は、主にこの脳・心臓疾患を中心に説明します。

精神障害を原因とする自殺(いわゆる過労自殺)

強い心理的負荷によってうつ病などの精神障害を発病し、その結果として自殺に至った場合です。この類型では、心理的負荷による精神障害の労災認定基準が参照され、脳・心臓疾患とは評価の枠組みが異なります。長時間労働だけでなく、ハラスメントや過大な業務、事故・災害の体験などが問題になることがあります。

本記事が中心に扱う範囲

本記事は脳・心臓疾患を中心に整理しますが、ご遺族が最初に行う資料の整理や相談の準備には、どちらの類型でも共通する部分があります。精神障害による自殺が疑われる場合の考え方は、後の見出しで概要を説明し、詳しい認定の枠組みは別の記事で改めて整理します。

脳・心臓疾患の労災認定基準

脳・心臓疾患は、本来は加齢や生活習慣などの日常生活の要因によって血管の病変が進行し、あるとき突然に発症するものとされています。もっとも、仕事が特に過重であったために血管の病変が著しく悪化し、その結果として発症したと認められる場合には、労災として認定される可能性があります。現行の認定基準は、最新の医学的知見を踏まえて改正されています。

対象となる疾病

認定基準では、対象となる脳・心臓疾患があらかじめ定められています。脳血管疾患と虚血性心疾患などが対象とされており、改正により対象疾病が追加されています。ご自身のケースの疾病が対象に含まれるかどうかは、診断名をもとに確認する必要があります。

三つの「業務による過重負荷」の考え方

脳・心臓疾患が労災として認定されるには、対象疾病を発症していることを前提に、業務による明らかな過重負荷を受けたと認められることが必要とされています。過重負荷は、次の三つの考え方で評価されます。

区分 考え方の概要
異常な出来事 発症の直前から前日までの間に、業務に関連して、精神的・身体的に強い負荷となる突発的な出来事や急激な作業環境の変化に遭遇したか
短期間の過重業務 発症に近い時期に、特に過重な業務に就いていたか
長期間の過重業務 発症前の長期間にわたって、著しい疲労の蓄積をもたらす特に過重な業務に就いていたか

長期間の過重業務は労働時間だけで決まるわけではありません

長期間の過重業務の評価では、労働時間の長さが重要な要素であることは確かです。しかし現行の認定基準では、労働時間と労働時間以外の負荷要因を総合的に評価して判断することが明確にされています。つまり、労働時間が一定の水準に届いていなくても、労働時間以外の負荷要因が認められる場合には、業務との関連性が認められる可能性があります。逆に言えば、数字だけを見て諦めたり、安心したりするのは適切ではありません。

いわゆる「過労死ライン」の考え方

「過労死ライン」という言葉は、時間外労働がどの程度になると脳・心臓疾患との関連性が強いと評価されやすいかを示す目安として広く知られています。認定基準では、おおむね次のように整理されています。ただし、これは機械的な合否基準ではなく、あくまで業務と発症との関連性を評価するための目安です。

時間外労働のおおまかな水準 業務と発症との関連性の評価(目安)
発症前1か月間におおむね100時間、または発症前2か月間ないし6か月間にわたって1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働 業務と発症との関連性が強いと評価できるとされる水準
発症前1か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね45時間を超えて時間外労働が長くなるほど 業務と発症との関連性が徐々に強まると評価されるとされる水準
発症前1か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね45時間以内の時間外労働 業務と発症との関連性が弱いと評価されやすいとされる水準

上記の時間数や対象期間は目安です。過労死ラインに至らない場合でも、これに近い時間外労働が認められ、かつ労働時間以外の負荷要因がある場合には、総合的に評価されることがあります。実際にどう評価されるかは、勤務記録や発症前の業務内容を確認したうえで判断する必要があり、個別事情により結論は異なります。

労働時間以外の負荷要因として評価され得るものには、次のようなものがあります。これらが重なっている場合には、労働時間が過労死ラインに届いていなくても、総合的な評価のなかで考慮されることがあります。

負荷要因の例 具体的に問題になり得る場面
勤務時間の不規則性 拘束時間の長い勤務、休日のない連続勤務、勤務間インターバルが短い勤務、不規則な勤務、交替制勤務、深夜勤務
事業場外での移動を伴う業務 出張が多い業務、移動による負荷
心理的・身体的な負荷 精神的緊張を伴う業務、身体的負荷を伴う業務
作業環境 温度環境、騒音など

神戸で問題になりやすい勤務形態と、証拠になり得る記録

神戸でも、運送・物流、医療・介護、製造などの分野では、勤務記録の種類や労働時間の把握方法が業種によって異なることがあります。ここでは、業種ごとにどのような記録が労働時間や負荷の証拠になり得るかを整理します。なお、特定の業種で過労死が多いといった評価は、公的な統計で確認できる範囲を超えるため、ここでは取り上げません。

運送・物流

長距離運行や夜間運行、早朝からの配送などが重なると、拘束時間が長くなり、勤務が不規則になりやすい分野です。タイムカードだけでなく、運行記録(タコグラフ)、点呼記録、配送記録、GPSの記録などが、労働時間や勤務実態を示す資料になり得ます。

医療・介護

夜勤や交替制勤務、待機(オンコール)などにより、勤務間インターバルが短くなりやすい分野です。シフト表、勤怠システムの記録、当直・夜勤の記録、入退館記録などが資料になり得ます。

製造・現場作業

繁忙期の長時間労働や交替制勤務、身体的負荷を伴う作業などが問題になり得る分野です。勤怠記録、入退館記録、作業日報、PCログなどが資料になり得ます。

業種を問わず、次のような資料は労働時間や勤務実態を示すうえで役立ちます。

資料の区分 具体例
労働時間に関する資料 タイムカード、勤怠システムの記録、PCのログ、入退館記録、タコグラフ、点呼記録、シフト表、業務日報
契約・労務に関する資料 雇用契約書、就業規則、給与明細、三六協定、配置や業務量が分かる資料
業務の実態に関する資料 会社からの指示、上司や同僚とのやり取り、メールやチャット、業務アプリの記録、本人のメモ
医療に関する資料 診断書、診療録、検査結果、死亡診断書、死体検案書

タイムカードがない場合でも、ただちに労働時間を示せないわけではありません。上記のような客観的な記録を組み合わせて、勤務の実態を示していくことが考えられます。会社が資料を出さない場合の考え方は、後の見出しで説明します。

過労自殺(精神障害)が疑われる場合の考え方

強い心理的負荷によって精神障害を発病し、その結果として自殺に至ったと考えられる場合は、脳・心臓疾患とは別に、心理的負荷による精神障害の労災認定基準に基づいて検討されます。長時間労働だけでなく、ハラスメント、過大な業務、顧客や取引先からの著しい迷惑行為、事故や災害の体験などが心理的負荷として評価され得るとされています。詳しい認定の枠組みは別の記事で改めて整理しますが、ご遺族が最初に行う資料の整理や相談の準備は、脳・心臓疾患の場合と共通する部分があります。

もし、ご自身やご家族に心身の不調や切迫した危険が感じられる場合は、法的な手続よりも先に、安全の確保を最優先にしてください。緊急の場合は救急や警察への連絡を、つらい気持ちが続く場合は医療機関や身近な方、公的な相談窓口への相談をご検討ください。法的な手続は、安全が確保されたうえで落ち着いて進めることができます。

遺族が取り得る労災手続

業務上の事由によって労働者が亡くなられた場合、ご遺族は労災保険から一定の給付を受けられる可能性があります。ここでは、給付の種類と手続の流れの概要を整理します。

遺族(補償)等給付と葬祭料等(葬祭給付)

労災保険からご遺族に対して支給され得る主な給付には、遺族(補償)等給付と、葬祭料等(葬祭給付)があります。遺族(補償)等給付には、亡くなられた労働者と一定の関係にあったご遺族に支給される年金と、年金を受けられるご遺族がいない場合に支給される一時金があります。葬祭料等(葬祭給付)は、葬祭を行った方に支給されるものです。それぞれ受給できる方の範囲や金額の算定方法が定められており、給付の種類ごとに請求できる期間(時効)も定められています。

請求先・必要資料・手続の流れ

これらの給付は、所轄の労働基準監督署に請求書を提出して請求します。請求にあたっては、死亡の事実や年月日、亡くなられた労働者とご遺族の関係、生計の維持関係などを示す添付資料が必要になります。請求書の様式は、厚生労働省のホームページや労働基準監督署の窓口で入手できます。どの資料が必要になるかは状況によって異なるため、所轄の労働基準監督署に確認しながら準備を進めるのが確実です。

労災の請求先となる労働基準監督署は、原則として勤務先(事業場)の所在地を基準に決まります。災害が発生した場所や制度上の取扱いによって異なる場合もあるため、最終的には労働基準監督署や弁護士に確認してください。神戸市内の管轄区域の対応は、後のよくある質問でも触れます。

会社が協力してくれない場合

労災の請求は、原則として労働者本人やご遺族が行うものであり、会社の協力が得られない場合でも、ただちに請求を諦める必要はありません。請求書には事業主が証明する欄がありますが、会社が証明に応じない場合の取扱いについても、労働基準監督署に相談することができます。勤務記録などの資料を会社が出さない場合には、弁護士や労働基準監督署を通じて、必要な資料の確認を検討することが考えられます。

不支給決定が出た場合の対応

労働基準監督署長が行った給付に関する決定(支給・不支給)に不服がある場合には、不服を申し立てる手続が用意されています。具体的には、労働者災害補償保険審査官への審査請求、労働保険審査会への再審査請求、そして裁判所への取消訴訟という流れがあります。これらの手続にはそれぞれ期間制限があるため、決定の通知書を受け取ったら、内容と申立て可能な期間を早めに確認することが重要です。

審査請求を検討する際には、決定の理由を把握しておくことが役立ちます。労働局に対して保有個人情報の開示請求を行うことで、不支給とされた理由を確認し、どこを主張すべきかを整理しやすくなることがあります。

不支給決定への対応には期間制限があります。通知書をお持ちの場合は、内容を確認しながら、次の手続の見通しを一緒に整理できます。

労災や会社への請求について相談する

労災申請と会社への損害賠償請求は別の手続です

ご遺族や被災された方からよくいただくご質問に、「労災が認定されれば、会社からも賠償を受けられるのか」というものがあります。労災保険給付と、会社に対する損害賠償請求は、別の手続です。

項目 労災保険給付 会社への損害賠償請求
根拠 国の労災保険制度に基づく給付 会社の安全配慮義務違反などを理由とする民事上の請求
相手方 国(所轄の労働基準監督署に請求) 会社(交渉・調停・訴訟など)
慰謝料 労災保険からは支払われない 請求の対象になり得る

会社に対する損害賠償請求では、長時間労働の管理や健康確保の措置、ハラスメントへの対応などが問題になり得ます。もっとも、労災が認定されたからといって、会社の責任が当然に認められるわけではありません。会社に対して請求するには、会社の責任を法的に基礎づける必要があり、その可否や範囲は個別事情により異なります。労災の請求と会社への請求は、分けて整理して検討することが大切です。

手続の前に確認しておきたいことチェックリスト

労災の申請や会社への請求、労働基準監督署や弁護士への相談を考える前に、次の点を確認しておくと、その後の検討がスムーズになります。ご遺族の方にも、長時間労働を心配されているご本人にも役立つ内容です。

  • 発症前のおおよその労働時間と勤務時間帯を把握しているか(タイムカード、勤怠記録、シフト表、運行記録など)
  • 休日の取得状況や連続勤務の有無が分かる資料があるか
  • 夜勤・交替制勤務、出張、待機などの労働時間以外の負荷が分かる資料があるか
  • 雇用契約書、就業規則、給与明細、三六協定などの労務関係の資料を確認したか
  • 診断書、診療録、検査結果など医療に関する資料を整理したか
  • 死亡診断書や死体検案書など、死亡に関する資料を確認したか(ご遺族の場合)
  • 会社からの指示や業務量が分かるメール・チャット・記録を保全したか
  • 不支給決定の通知書を受け取っている場合、申立て可能な期間を確認したか

弁護士に相談するタイミングと、相談でできること

弁護士への相談は、結論を保証するためのものではありません。勤務記録や医療記録を確認したうえで、労災として認定される可能性や、会社への請求を検討できるかどうかを整理し、対応方針を立てやすくするためのものです。次のような段階での相談が考えられます。

  • 労災として認められる可能性があるか、見通しを整理したいとき
  • 勤務記録や医療記録をどう集め、整理すればよいか迷っているとき
  • 会社が資料の提供や証明に応じてくれないとき
  • 不支給決定を受け取り、今後の対応を検討したいとき
  • 労災の請求と会社への損害賠償請求を分けて検討したいとき

ご相談にあたっては、利益相反の確認や、事案・資料の確認が必要になります。労災や会社への請求に対応する弁護士に、状況の整理から相談することができます。弁護士費用については、あらかじめ費用の考え方を確認しておくと安心です。

労災申請と会社への請求を分けて整理し、見通しを検討したいときは、状況の整理からご相談いただけます。費用の考え方や担当弁護士についても、あわせてご確認ください。

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よくある質問

過労死ラインを超えていれば、必ず労災として認定されますか。

必ず認定されるとは限りません。過労死ラインは業務と発症との関連性を評価するうえで重要な目安ですが、機械的な合否基準ではありません。労働時間以外の負荷要因や医療記録なども含めて総合的に判断されるため、個別事情により結論は異なります。

時間外労働が月80時間に届いていない場合でも、労災になる可能性はありますか。

可能性はあります。現行の認定基準では、労働時間と労働時間以外の負荷要因を総合的に評価するとされています。過労死ラインに近い時間外労働があり、勤務の不規則性や深夜勤務などの負荷が認められる場合には、総合的な評価のなかで考慮されることがあります。資料を確認したうえで判断する必要があります。

会社が労災申請に協力してくれません。どうすればよいですか。

会社の協力が得られない場合でも、ただちに申請を諦める必要はありません。労災の請求は本人やご遺族が行うことができ、事業主が証明に応じない場合の取扱いについても労働基準監督署に相談できます。勤務記録などを会社が出さない場合は、弁護士や労働基準監督署を通じて資料の確認を検討することが考えられます。

タイムカードがない場合、労働時間はどのように証明しますか。

タイムカード以外の客観的な記録を組み合わせて示すことが考えられます。勤怠システムの記録、PCのログ、入退館記録、タコグラフ、点呼記録、シフト表、業務日報、メールやチャットの記録などが、勤務の実態を示す資料になり得ます。どの資料が有効かは事案によって異なります。

過労死と過労自殺では、認定基準が違いますか。

異なります。脳・心臓疾患による死亡は脳・心臓疾患の認定基準で、精神障害を原因とする自殺は心理的負荷による精神障害の認定基準で検討されます。評価の枠組みが異なるため、どちらの類型に当たるかによって、確認すべき事項や進め方が変わります。

遺族はどのような労災給付を請求できますか。

主なものとして、遺族(補償)等給付(年金または一時金)と、葬祭料等(葬祭給付)があります。受給できる方の範囲や金額の算定方法、請求できる期間(時効)が定められているため、具体的な内容は労働基準監督署や弁護士に確認しながら準備することをおすすめします。

労災申請と会社への損害賠償請求は別の手続ですか。

別の手続です。労災保険給付は国の制度に基づく給付で、会社への損害賠償請求は安全配慮義務違反などを理由とする民事上の請求です。労災が認定されても会社への請求が当然に認められるわけではなく、その可否や範囲は個別事情により異なります。分けて整理して検討することが大切です。

神戸ではどの労働基準監督署に相談すればよいですか。

労災の請求先は、原則として勤務先(事業場)の所在地を基準に決まります。神戸市内では、中央区・灘区は神戸東労働基準監督署、兵庫区・長田区・須磨区・垂水区・北区・西区は神戸西労働基準監督署、東灘区は西宮労働基準監督署が管轄しています。実際の請求先は事案により異なる場合があるため、最終的には労働基準監督署や弁護士に確認してください。

まとめ

  • 過労死ラインは重要な目安ですが、これを超えれば必ず認定される、超えなければ認定されないという機械的な基準ではありません。
  • 脳・心臓疾患の認定では、労働時間と労働時間以外の負荷要因が総合的に評価されます。月80時間に届かない場合でも、個別事情により結論は変わります。
  • 脳・心臓疾患(過労死)と精神障害による自殺(過労自殺)では、参照する認定基準が異なります。
  • 労災保険給付と会社への損害賠償請求は別の手続です。労災認定があっても会社への請求の可否は個別事情によります。
  • ご遺族の方は、早い段階で勤務記録と医療記録を整理し、不支給決定を受け取った場合は申立て可能な期間を早めに確認することが重要です。
  • 労災や会社への請求を分けて整理し、見通しを検討したいときは、状況の整理から弁護士に相談することができます。

記事の確認について

本記事は、神戸みらい法律会計事務所に所属する弁護士が内容を確認しています。労働災害や会社への損害賠償請求に関するご相談、担当弁護士の取扱分野については、弁護士紹介ページをご確認ください。

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参考資料(公的機関・公式資料)

  • 厚生労働省「脳・心臓疾患の労災認定基準を改正しました」
  • 厚生労働省「血管病変等を著しく増悪させる業務による脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準について」
  • 厚生労働省「心理的負荷による精神障害の労災認定基準を改正しました」
  • 厚生労働省「遺族(補償)等給付・葬祭料等(葬祭給付)の請求手続」
  • 厚生労働省「労災保険制度の概要、給付の請求手続等」
  • 厚生労働省「労災保険審査請求制度」
  • 兵庫労働局「労働基準監督署の所在地一覧・管轄」
  • e-Gov法令検索(労働者災害補償保険法、労働基準法、労働安全衛生法、労働契約法、労働保険審査官及び労働保険審査会法)

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