下肢短縮障害の後遺障害等級|第8級・第10級・第13級と測定方法 |神戸市(須磨・垂水・西神・北神)の弁護士|初回相談無料|弁護士法人ひょうご支所神戸みらい法律会計事務所

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下肢短縮障害の後遺障害等級|第8級・第10級・第13級と測定方法

交通事故で大腿骨や脛骨、腓骨などを骨折し、治療が一段落したころに「片足が短くなった気がする」「歩き方が変わった」「靴の高さが左右で合わない」「腰や膝に負担を感じる」といった違和感が残ることがあります。こうした左右の脚の長さの差は、下肢短縮障害として後遺障害の枠組みで検討される場合があります。

この記事では、下肢短縮障害の測定方法、後遺障害等級の考え方、歩行や日常生活への影響、成長期のお子さまで注意したい点、後遺障害申請や示談の前に確認しておきたい資料を、交通事故を取り扱う弁護士の視点で整理します。結論として、下肢短縮では脚長差の測定値と画像などの医学的資料が重要であり、示談の前に後遺障害申請の要否を確認しておくことをおすすめします。

この記事で分かること

  • 下肢短縮障害とは何か、後遺症との違い
  • 脚長差の測定方法と、等級に関係する1センチメートル・3センチメートル・5センチメートルという境界
  • 後遺障害等級(第8級5号・第10級8号・第13級8号)の考え方
  • 成長期のお子さまで注意したい点
  • 後遺障害申請・示談の前に確認したい資料と、相談のタイミング

脚の長さの違いが後遺障害に当たるかどうかは、測定値や画像資料、後遺障害診断書の記載などを確認して判断する必要があります。示談の前に、後遺障害診断書・画像資料・保険会社からの提示書面を持参して相談することで、見通しや確認すべき点を整理できます。個別の事情により結論は異なります。

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下肢短縮障害でまず確認したい結論

下肢短縮障害では、次の点をまず確認します。いずれも、資料がそろって初めて具体的な検討ができる項目です。

確認ポイント 内容
脚長差の有無 健側(けがのない側)と患側(けがをした側)で、脚の長さを比べます。
測定方法 上前腸骨棘から下腿内果下端までを左右で測定するほか、X線などの画像で比較されることがあります。
等級に関わる境界 1センチメートル・3センチメートル・5センチメートルという値が、等級の検討に関係します。
重要な資料 後遺障害診断書、画像資料(X線・CT・MRI・全下肢立位画像など)、脚長差の測定結果。
生活・仕事への影響 歩行、階段、立ち仕事などへの影響も記録しておくと、検討の材料になります。
示談前の確認 後遺障害申請をしないまま示談してよいか、示談書の清算条項の内容を確認します。

下肢短縮障害とは

下肢短縮障害とは、交通事故による大腿骨・脛骨・腓骨などの骨折の後に、左右の脚の長さに差が残った状態をいいます。単なる歩きにくさや違和感だけでなく、医学的な測定値や後遺障害等級の枠組みで検討される点が特徴です。

後遺症と後遺障害は同じではありません

「後遺症」は、治療を続けても医学的に残った症状全般を指す言葉です。これに対して「後遺障害」は、自賠責保険の後遺障害等級の枠組みで一定の基準に該当し、認定を受けたものをいいます。脚の長さに違和感があること(後遺症)と、下肢短縮障害として等級が認定されること(後遺障害)は、必ずしも一致しません。下肢短縮では、脚長差の測定値と画像などの医学的資料が判断の中心になります。

下肢短縮と変形障害・機能障害の違い

下肢に残る後遺障害は、内容によって判断の枠組みが異なります。混同しないよう整理しておきましょう。

種類 内容の目安
短縮障害 脚の長さの左右差(本記事のテーマ)。
変形障害 骨の変形や偽関節(骨がしっかりつかず、その部分が関節のように動く状態)など。
機能障害 股関節・膝関節・足関節などの動く範囲(可動域)の制限。
神経症状・疼痛 しびれや痛みが残るもの。

これらは同時に残ることもありますが、それぞれ判断の枠組みが異なり、別々に評価されます。脚が短くなっているのか、骨が変形しているのか、関節が動きにくいのか、痛みやしびれがあるのかを、資料の上で切り分けておくことが大切です。

下肢短縮はどのように測定するのか

健側と患側の脚長差を確認する

下肢短縮は、けがをしていない側(健側)とけがをした側(患側)の脚の長さを比べて確認します。一般に、上前腸骨棘(腰に手を当てたときに触れる骨の出っ張り)から下腿内果下端(内くるぶしの下端)までの距離を、巻尺が屈曲しないように左右で測定するとされています。あわせて、X線などの画像所見をもとに左右の長さが比較されることもあります。

注意したいのは、骨盤の傾きや関節の拘縮、筋力の低下などによって、実際には骨が短くなっていなくても脚長差があるように見える場合があることです。見かけ上の脚長差と、骨そのものの短縮(骨性短縮)は区別して検討する必要があります。この切り分けは、主治医による診察や画像所見を前提に判断されます。

測定値が境界に近い場合は資料確認が重要です

後述のとおり、下肢短縮では1センチメートル・3センチメートル・5センチメートルという値が等級の検討に関係します。測定値がこれらの境界に近い場合は、後遺障害診断書に脚長差や測定方法がどのように記載されているか、画像資料でどのように確認できるかが特に重要になります。ご自身が自宅で測った数値だけで等級を判断することはできません。測定部位や方法が適切か、画像と整合しているかを、資料を確認したうえで検討する必要があります。

下肢短縮障害の後遺障害等級

下肢短縮障害で問題になる後遺障害等級は、次のとおりです。短縮の程度によって、検討される等級が分かれます。

等級 短縮の程度
第8級5号 1下肢を5センチメートル以上短縮したもの
第10級8号 1下肢を3センチメートル以上短縮したもの
第13級8号 1下肢を1センチメートル以上短縮したもの

確認しておきたい点

  • これは自賠責保険上の後遺障害等級(別表第二)の枠組みです。実際の認定は、後遺障害診断書、画像資料、測定結果、事故との因果関係、既往症、治療経過などによって変わります。
  • 後遺障害が認定されると、後遺障害慰謝料や逸失利益(将来の減収)を請求できる可能性があります。もっとも、その金額は等級だけで機械的に決まるものではなく、年齢、職業、仕事の内容、歩行への影響、将来の見込みなどにより判断され、争点になることもあります。特に下肢短縮は、労働能力への実際の影響をめぐって見解が分かれやすい類型です。
  • 自賠責保険の保険金額と、裁判実務上参照される慰謝料・賠償総額は別のものです。具体的な金額は、資料を確認したうえで検討する必要があります。

下肢短縮が起こる主な原因

大腿骨・下腿骨骨折後の骨癒合不良・変形癒合

大腿骨や脛骨などの骨折の後、骨がうまくつながらない(骨癒合不良)、あるいはずれた位置でつながる(変形癒合)ことで、脚の長さに差が生じることがあります。骨の欠損や粉砕骨折の後の癒合、手術の際の骨の長さの変化によって短縮が生じる場合もあります。

骨端線損傷と成長障害

成長期のお子さまでは、骨の成長に関わる骨端線が損傷すると、その後の成長に伴って脚の長さに差が出てくることがあります。事故の直後には差が明確でなくても、時間の経過とともに変化する場合がある点に注意が必要です。

見かけ上の脚長差との区別

前述のとおり、骨盤の傾きや関節の拘縮、筋力の低下などにより、骨そのものは短くなっていなくても脚長差があるように見えることがあります。骨性の短縮なのか、見かけ上の差なのかによって検討の枠組みが変わるため、診察と画像所見を前提とした切り分けが重要になります。

歩行や日常生活への影響も資料化しておきましょう

脚の長さの差は、次のような形で生活や仕事に影響することがあります。

  • 跛行(歩行時の左右差)、歩幅の違い、階段の昇り降り、長距離の歩行、立ち仕事への影響
  • 腰、股関節、膝、足関節への負担
  • 靴、インソール、補高、装具の使用の有無
  • 仕事、家事、育児、通学、スポーツ、運転への影響

ただし、生活に支障があるからといって、それだけで等級が認定されるわけではありません。下肢短縮の等級判断では、あくまで脚長差の測定値と医学的資料が中心になります。もっとも、日常生活や仕事への影響を記録しておくことは、逸失利益などを検討する際の材料になることがあります。いつ、どのような場面で支障を感じるかをメモにまとめておくとよいでしょう。

成長期のお子さまは将来の脚長差にも注意が必要です

成長期のお子さまが下肢を骨折した場合は、特に慎重な確認が必要です。骨端線損傷などにより、事故の直後には明確でなくても、成長に伴って脚長差が変化することがあります。反対に、けがをした側が過成長により健側より長くなることもあり、この場合も短縮障害に準じた相当等級として扱われることがあります。

症状固定の時期や後遺障害申請の時期は、主治医の医学的な判断と法的手続の両面から慎重に検討する必要があります。保護者の方は、次のような資料を整理しておくと役立ちます。

  • 後遺障害診断書、通常の診断書、画像資料
  • 身長や脚の長さの成長経過が分かる資料
  • 学校生活や運動制限の状況、通院の記録

示談の前に、将来の脚長差や追加の治療が必要になる可能性について資料を確認しておくことが大切です。お子さまの将来について過度にご不安になる必要はありませんが、経過を見ながら、必要な時期に確認を進めていきましょう。

下肢短縮障害でよく問題になるケース

下肢短縮では、次のような場面で迷いが生じやすい傾向があります。

  • 測定値が1センチメートル未満、または境界に近く、等級に該当するか判断が難しい
  • 保険会社から「後遺障害にはならない」と言われたが、脚長差の違和感が続いている
  • 後遺障害診断書に脚長差や測定結果が記載されていない
  • 下肢短縮のほかに、変形障害や関節の可動域制限も残っている
  • 成長期のお子さまで、将来の成長差が心配
  • 示談金の提示を受けた後になって、脚の長さの違いが気になり始めた

いずれのケースも、まずは後遺障害診断書や画像資料、測定結果を確認し、事案の状況を整理することが出発点になります。結論は個別の事情により異なります。

「等級に当たるか分からない」「診断書に脚長差が書かれていない」といった段階でも、後遺障害診断書・画像資料・脚長差の測定値・保険会社からの提示書面を確認することで、次に取るべき対応を整理できます。示談の前、後遺障害診断書の作成前が、確認に適した時期です。

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後遺障害申請前に確認したい資料

後遺障害の申請や示談の前に、次の資料がそろっているかを確認しておきましょう。

  • 後遺障害診断書
  • 通常の診断書
  • 診療報酬明細書
  • 診療録・カルテ・退院時サマリー
  • 画像資料(X線・CT・MRI・全下肢立位画像など)
  • 画像検査の報告書
  • 脚長差の測定結果
  • 関節可動域の測定結果
  • リハビリテーションの記録
  • 装具・インソール・補高靴などに関する資料
  • 通院日が分かる資料
  • 交通事故証明書・事故発生状況が分かる資料
  • 保険会社から届いた示談案・計算書・免責証書
  • 仕事や日常生活への支障を整理したメモ

後遺障害の申請方法には、加害者側の任意保険会社に手続を任せる事前認定と、被害者自身が資料をそろえて請求する被害者請求があります。どちらの方法をとるか、どの資料を補うかは、事案により検討します。

弁護士に相談するタイミング

下肢短縮障害では、次のような時期に確認しておくと、資料の整理や今後の対応方針を検討しやすくなります。

  • 症状固定を打診されたとき
  • 後遺障害診断書を作成してもらう前
  • 脚長差の測定値が1センチメートル・3センチメートル・5センチメートルの境界に近いとき
  • 成長期のお子さまで、将来の脚長差が気になるとき
  • 保険会社から示談案が届いたとき
  • 下肢短縮のほかに、痛み・可動域制限・変形・しびれが残っているとき
  • 認定結果が非該当、または想定より低い等級だったとき

弁護士に相談しても、後遺障害の認定や賠償額を保証できるものではありません。もっとも、後遺障害診断書の記載や画像資料を整理しやすくなり、申請方法や示談前の確認事項、今後の対応方針を検討することができます。

弁護士費用特約を確認しましょう

ご自身やご家族の自動車保険などに弁護士費用特約が付いている場合があります。利用できる条件、対象となる方、上限額は保険契約により異なりますので、保険証券や保険会社のアプリなどでご確認ください。費用に関する詳細は、弁護士費用のページや交通事故の取扱業務のページもあわせてご覧ください。

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通院・リハビリの合間に資料を整理しておきましょう

神戸市(須磨区・垂水区・西区・北区など)や明石市周辺にお住まいの方は、通院やリハビリテーションの合間に、後遺障害診断書や画像資料、脚長差の測定結果などを少しずつ整理しておくと、示談前の確認がスムーズになります。なお、神戸市西区にはリハビリテーションを担う公的な医療機関もありますが、どの医療機関を受診し、どのような治療を受けるかは、主治医とご本人が判断されるものです。当事務所が特定の医療機関の受診をおすすめするものではありません。

下肢短縮障害とは何ですか?

交通事故による下肢の骨折の後に、左右の脚の長さに差が残った状態です。脚長差の測定値や画像などの医学的資料をもとに、後遺障害の枠組みで検討されます。

何センチメートル短くなると後遺障害になりますか?

自賠責保険上の枠組みでは、5センチメートル以上で第8級5号、3センチメートル以上で第10級8号、1センチメートル以上で第13級8号が問題になります。ただし、認定は診断書・画像・測定結果・事故との因果関係などにより判断され、事案により異なります。

自分で測った脚の長さで等級は判断できますか?

できません。測定部位や方法、画像所見との整合が重要で、後遺障害診断書の記載が前提になります。自宅での測定値はあくまで目安としてお考えください。

下肢短縮の測定方法はどのようなものですか?

一般に、上前腸骨棘から下腿内果下端までを左右で測定し、健側と患側を比較するとされています。あわせてX線などの画像所見で比較されることもあります。詳細は主治医の測定・画像を前提に確認します。

子どもの骨折後に足の長さが変わった場合はどうすればよいですか?

骨端線損傷などにより、成長に伴って脚長差が変化することがあります。主治医による経過観察を前提に、症状固定や後遺障害申請の時期を慎重に検討する必要があります。診断書・画像・成長経過・通院記録を整理しておきましょう。

下肢短縮と骨折後の変形障害は違いますか?

違います。下肢短縮は脚の長さの差、変形障害は骨の変形や偽関節などで、判断の枠組みが異なります。両方が残ることもありますが、それぞれ別に評価されます。

示談後に足の長さの違いに気づいた場合、追加請求できますか?

示談書の清算条項の内容などにより、後からの追加請求が難しくなる場合があります。示談の前に後遺障害申請の要否を確認することが大切です。すでに示談している場合の取扱いは、事情により結論が異なりますので、資料を確認したうえで検討する必要があります。

弁護士に相談するときは何を準備すればよいですか?

後遺障害診断書、画像資料、脚長差の測定結果、リハビリの記録、通院が分かる資料、保険会社からの示談案・計算書などがあると、状況を整理しやすくなります。手元にある範囲でお持ちください。

まとめ

  • 下肢短縮障害では、脚長差の測定値と画像などの医学的資料が判断の中心になります。
  • 自賠責保険上の枠組みでは、1センチメートル・3センチメートル・5センチメートルが等級の検討に関係します。
  • 短縮障害は、変形障害・機能障害・神経症状・疼痛とは判断の枠組みが異なります。
  • 成長期のお子さまは、将来の脚長差の変化に注意し、主治医の経過観察を前提に時期を検討します。
  • 示談の前に、後遺障害申請の要否と、後遺障害診断書・画像資料の記載を確認しておきましょう。
  • 結論は個別の事情により異なります。迷ったときは、資料を持参して確認することをおすすめします。

下肢短縮障害では、後遺障害診断書・画像資料・脚長差の測定値・保険会社からの提示書面を確認することで、見通しや次に取るべき対応を整理できます。示談の前、後遺障害診断書の作成前が確認に適した時期です。まずはお手元の資料をご確認のうえ、ご相談ください。

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