交通事故後のパニック・運転恐怖|精神症状と賠償の考え方 |神戸市(須磨・垂水・西神・北神)の弁護士|初回相談無料|弁護士法人ひょうご支所神戸みらい法律会計事務所

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交通事故後のパニック・運転恐怖|精神症状と賠償の考え方

交通事故のあと、車に乗ろうとすると動悸がする、運転席に座れない、事故現場の近くを通れない、車のブレーキ音やクラクションで身体がこわばる――そうした状態が続き、「これは甘えなのだろうか」「保険会社に伝えてよいのだろうか」と迷っておられる方は少なくありません。

事故のあとに生じる精神的な症状は、単なる気持ちの問題として片付けられるものではなく、生活や仕事への支障、医療機関での相談状況、症状の経過を整理しておくことが大切です。この記事では、こうした症状の表れ方と生活への影響、早めに医療機関へ相談することの意味、PTSDとの関係、そして示談前に確認しておきたい資料について、交通事故を取り扱う弁護士の視点から整理します。なお、症状名や診断は医師が判断する領域であり、本記事は医学的な診断や治療方針を示すものではありません。

事故後の精神症状について、診断書や保険会社の書面をもとに今後の対応を整理したい方は、まずはご相談ください。神戸みらい法律会計事務所では、交通事故に関する初回のご相談を無料で承っています。

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先に押さえておきたい結論

詳細に入る前に、要点を整理します。

事故後に車へ乗れない・運転が怖いという症状がある場合、「医療面」と「記録面」の両方で、早めに動くことが重要です。強い症状があるときは、まず精神科・心療内科・主治医などの医療機関に相談すること。あわせて、いつから、どのような症状が、どの程度続き、生活や仕事にどう支障が出ているかを、診断書や診療記録として残しておくことが、後の賠償・示談の場面でも意味を持ちます。

確認したいこと ポイント
診断名がつくかどうか PTSDと診断されていなくても、事故後の不安やパニック症状が生活に影響しているときは、医療機関に相談し記録しておくことが大切です。
賠償で扱われるか 精神症状が損害として扱われるかは、事故状況・診断内容・通院経過・仕事や生活への影響・証拠関係によって変わります。個別事情により結論は異なります。
通院すれば認められるか 精神科・心療内科への通院があるからといって、当然に賠償が認められるわけではありません。
示談の前にすること 示談書に署名する前に、精神症状・通院状況・休業損害・通院交通費・後遺障害申請の要否が反映されているかを確認することをおすすめします。

事故後に「運転が怖い」「車に乗れない」と感じる状態について

ここでいう「運転恐怖症」は、検索で使われることの多い一般的な言い方です。医学上の正式な診断名として確立した言葉ではなく、実際の症状名や診断は医師が判断します。ここでは、事故後に見られることのある状態の例として整理します。

運転席に座れない、同乗もつらいという状態

車に乗ろうとすると動悸、息苦しさ、冷や汗、手の震え、吐き気、息が浅くなるといった状態になることがあります。自分で運転できないだけでなく、助手席にも乗れない、家族の運転でも強い不安を感じる、という方もおられます。同乗も難しい場合、通院や出勤そのものに支障が及ぶことがあります。

事故現場や車の音で症状が出ることがある

事故の場面を繰り返し思い出す、夢に見る、事故現場やよく似た交差点・トンネル・高速道路を避ける、ブレーキ音やクラクションに強く反応する、といった形で症状が現れることがあります。こうした反応は、意志の力で簡単に抑えられるものではありません。

PTSDと同じとは限らない

PTSD(心的外傷後ストレス障害)は、強い精神的衝撃を受けた後に、恐怖感、悪夢、睡眠障害などの症状が続くことがある精神障害の一つとされています。もっとも、車に乗れない、運転が怖いという症状があるからといって、直ちにPTSDと決まるわけではありません。事故後の症状としては、急性ストレス反応、不安症状、パニック症状、適応障害、うつ症状などが問題になる場合もあります。どの状態にあたるか、治療をどうするかは、医師が診察のうえで判断する事柄です。

症状が強いとき、眠れない状態や強い不安が続くときは、法律相談よりも先に、医療機関へ相談することが大切です。本記事は受診の要否や治療方針を判断するものではありません。

生活・通勤・仕事に生じる具体的な支障

車での通勤や業務上の運転ができない

車通勤ができない、仕事で運転が必要なのに業務に戻れない、といった支障が生じることがあります。公共交通機関が使いにくい地域では、生活全体に影響が及びやすくなります。

通院・買い物・子どもの送迎・介護への影響

通院、買い物、子どもの送迎、家族の介護など、日常の移動に車が欠かせない場面で支障が出ることがあります。単なる不安にとどまらず、生活の機能そのものに影響が及んでいるかどうかが、後の検討で重要になります。

休業損害や通院交通費が問題になることがある

運転や同乗が難しいために仕事を休んだ場合の休業損害、通院のために公共交通機関やタクシーを利用した場合の通院交通費、家族による送迎などが、賠償の場面で問題になることがあります。ただし、請求できるかどうか、どの範囲で認められるかは、資料の確認と個別事情によります。

早めに医療機関へ相談することの意味

健康面での意味

第一に、ご本人の健康のためです。つらい症状を抱え込まず、精神科・心療内科・かかりつけ医などに相談することが、回復に向けた出発点になります。

症状の経過を記録するという意味

早めの受診には、事故後いつから、どのような症状が、どの程度続き、生活や仕事にどのような支障が出ているかを、医療記録として残すという意味もあります。時間が経ってから受診した場合、事故との関係の説明が難しくなることがあります。

通院していれば必ず賠償されるわけではない

一方で、精神科や心療内科に通院した事実だけで、当然に賠償や後遺障害が認められるわけではありません。診断書、診療録、処方内容、通院の頻度、症状の経過、仕事への影響などを整理し、事故との関係を確認していく必要があります。

交通事故の賠償で精神症状が問題になる場面

精神症状も、事故との相当因果関係、症状の内容、医療記録、通院経過、生活・仕事への支障、既往症、事故態様などにより、損害として問題になることがあります。主に次の項目に関係します。

治療費・通院交通費

精神科・心療内科での治療費や、通院にかかった交通費が問題になります。なお、自賠責保険は被害者の最低限の補償を確保する仕組みで、傷害による損害(治療関係費、休業損害、慰謝料などを含む)の支払には被害者一名につき一二〇万円という限度額が定められています。この枠を超える部分は、加害者側の任意保険や加害者本人への請求の問題になります。

休業損害

症状のために仕事を休んだ場合の収入の減少が問題になります。休業と事故との関係、勤務先資料、休業損害証明書などをもとに検討します。

慰謝料

精神的・肉体的な苦痛に対する慰謝料が問題になります。金額は基準や事案によって幅があり、裁判実務上参照される基準を前提に、資料を確認したうえで検討することになります。

後遺障害の申請

症状が一定程度残った場合には、後遺障害として問題になることがあります。もっとも、脳の器質的損傷を伴わない精神障害について後遺障害等級が認められるかどうか、認められるとしてどの程度かは、医学的評価、事故との相当因果関係、既往症、症状の経過などをふまえて個別に判断されます。等級の有無や当てはめを一般論として断定することはできないため、診断書・診療記録等を確認したうえで検討する必要があります。

治療費の打切りを打診された、休業損害や通院交通費が争われている、示談金の提示を受けた――こうした場面では、資料を確認したうえで、対応方針や見通しを整理しやすくなります。

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保険会社への対応と、示談前に気をつけたいこと

精神症状について、保険会社から「精神的なものは事故と関係がない」といった説明を受ける場合があります。もっとも、口頭で症状を伝えるだけでは、事故との関係を示す資料として十分でないことがあります。医療機関への相談、診断書、診療記録、生活支障のメモ、勤務先資料などで整理しておくことが大切です。

また、示談が成立すると、その後に同じ事故を理由とした追加の請求が難しくなる場合があります。法的な効果は示談書の内容などによって異なりますが、示談書に署名する前に、精神症状・通院状況・休業損害・通院交通費・後遺障害申請の要否が反映されているかを確認しておくことをおすすめします。保険会社への回答、治療費打切りへの対応、示談提示への回答、後遺障害申請の前に、一度資料を整理しておくと、判断がしやすくなります。

迷いやすい・問題になりやすいケース

次のような場面では、個別事情によって結論が変わります。いずれも、資料を確認したうえで判断する必要があります。

  • 運転ができず通勤できない/同乗も怖く通院に支障がある
  • 保険会社から「精神症状は事故と関係ない」と言われた
  • 精神科・心療内科に行くべきか迷っている、行くと不利にならないか不安がある
  • PTSDと診断されていないが、事故後の不安やパニック症状が続いている
  • 示談金の提示を受けたが、症状が残っている
  • ご家族が本人の様子を心配しているが、本人が受診に消極的である

示談前・相談前に整理しておきたい資料

示談前、保険会社への回答前、治療費打切りへの対応前、後遺障害申請前、署名前に、次の資料を手元で確認・整理しておくと役立ちます。すべてを完璧にそろえる必要はありませんが、あるものから整理しておくとよいでしょう。

  • 事故状況が分かる資料、交通事故証明書
  • 診断書、診療明細、通院日が分かる資料
  • 精神科・心療内科の診療記録、処方内容が分かる資料
  • 保険会社から届いた書面(治療費に関する連絡、示談提示書など)
  • 勤務先の資料、休業損害証明書、収入が分かる資料
  • 通勤手段や移動手段が分かる資料
  • 生活上の支障をまとめたメモ(いつ・どの場面で・どのような症状が出たか)
  • 家族による送迎の記録、タクシー領収書、公共交通機関の利用記録

弁護士に相談を検討したいタイミング

弁護士への相談は、結果を保証するためのものではなく、判断材料や対応方針を整理するためのものです。次のような場面が、相談を検討する目安になります。

  • 事故後に車へ乗れず、通院や通勤に支障が出ているとき
  • 精神科・心療内科への受診を迷っているとき
  • 保険会社に精神症状をどう伝えるべきか分からないとき
  • 治療費の打切りを打診されたとき
  • 休業損害や通院交通費が争われているとき
  • 示談金の提示を受けたとき、後遺障害申請を検討すべきか迷っているとき
  • 示談書に署名する前

資料を確認したうえで、保険会社への回答方法や示談前の確認事項を整理できます。費用の見通しについては、あらかじめ確認しておくと安心です。

よくある質問

事故後に車に乗れない場合、慰謝料の対象になりますか。

対象になる可能性はありますが、当然に認められるわけではありません。事故との相当因果関係、症状の内容、医療記録、生活や仕事への支障などをふまえ、個別に判断されます。資料を確認したうえで検討する必要があります。

PTSDと診断されていなければ請求できませんか。

診断名がPTSDでなくても、事故後の不安やパニック症状が生活に影響しているときは、損害として問題になることがあります。まずは医療機関に相談し、症状を記録しておくことが大切です。

事故後のパニック症状で、精神科や心療内科に通うべきですか。

受診の要否や治療方針は医師が判断する事柄です。症状が強いときや長引くときは、精神科・心療内科・かかりつけ医などに相談することが大切です。あわせて、症状の経過を記録しておくとよいでしょう。

精神科への通院を、保険会社に伝えるべきですか。

症状や通院の状況は、事故との関係を検討するうえで重要な情報です。伝え方や資料の整理に迷うときは、診断書や診療記録を確認したうえで、対応方針を整理することをおすすめします。

車通勤ができず休んだ場合、休業損害は請求できますか。

請求できる可能性がありますが、休業と事故との関係や勤務先資料などをふまえた判断になります。休業損害証明書や収入が分かる資料を整理しておくとよいでしょう。

同乗も怖い場合、通院交通費やタクシー代は請求できますか。

症状の内容や必要性によっては請求できる可能性がありますが、範囲は個別事情によります。領収書や利用記録を残しておくことが役立ちます。

示談後に精神症状が悪化した場合、追加請求できますか。

示談が成立していると、追加の請求が難しくなる場合があります。法的な効果は示談書の内容などによって異なるため、署名前に、精神症状や後遺障害申請の要否が反映されているかを確認しておくことが重要です。

弁護士に相談するときは、何を持参すればよいですか。

交通事故証明書、診断書や診療明細、通院日が分かる資料、保険会社からの書面、勤務先資料や休業損害証明書、生活上の支障をまとめたメモなど、お手元にある資料をお持ちいただくと、状況を整理しやすくなります。

まとめ

  • 事故後に車へ乗れない・運転が怖いという症状は、気持ちの問題として片付けず、症状の経過と生活・仕事への支障を整理することが大切です。
  • 強い症状があるときは、まず精神科・心療内科などの医療機関へ相談することが重要です。診断や治療方針は医師が判断します。
  • PTSDと診断されていなくても、記録を残しておくことに意味があります。一方で、通院していれば必ず賠償されるわけではありません。
  • 治療費・通院交通費・休業損害・慰謝料・後遺障害申請などに関係する可能性がありますが、結論は個別事情によります。
  • 示談書に署名する前に、精神症状や通院状況が反映されているかを確認し、必要に応じて弁護士に相談して対応方針を整理しておくと安心です。

事故後の精神症状について、治療経過・診断書・保険会社の書面をもとに、今後の対応や見通しを整理したい方は、神戸みらい法律会計事務所へご相談ください。交通事故に関する初回のご相談は無料で承っています。

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監修者・執筆者

神戸みらい法律会計事務所(弁護士法人ひょうご支所) 弁護士・公認会計士 藤井 貴之

所属:兵庫県弁護士会/日本公認会計士協会兵庫会

交通事故に関する損害賠償・示談交渉を取り扱い、法律の観点に加え、損害算定や保険実務の観点もふまえて対応しています。弁護士の紹介は弁護士紹介ページをご覧ください。

参考資料

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