「袋地(ふくろち)で公道に出られない」「今まで通っていた道を、隣の土地の所有者から通行を断られた」「隣の土地の所有者から、車が通れる幅にしてほしいと求められている」「通行料をいくら払えばよいのか、あるいは請求できるのか分からない」――土地の通行をめぐっては、このような相談が少なくありません。
公道に直接接していない土地から道路へ出るために、隣の土地を通行できる権利は、一般に「囲繞地(いにょうち)通行権」「袋地通行権」と呼ばれます。民法は、一定の要件を満たす場合に、この通行権を認めています。もっとも、好きな場所を好きな幅で自由に通れるわけではなく、車での通行、償金(通行の対価)、建物の建築が可能かどうかは、それぞれ別に検討する必要があります。
この記事では、囲繞地通行権が認められる要件、通行できる場所・方法・幅、車での通行、償金、分筆や一部譲渡によって生じた袋地、通行地役権との違い、建築基準法上の接道との関係、通行を拒まれた場合・求められた場合の確認事項までを整理します。結論は土地の位置関係や経緯によって変わるため、登記事項証明書、公図、測量図、通行の経緯などの資料を確認することが出発点になります。
この記事の位置づけ ここでは、法律の一般的な考え方を整理しています。実際の結論は、土地の登記・形状・利用の経緯・当事者の合意などの個別事情によって変わります。具体的な見通しは、資料を確認したうえで検討する必要があります。
何を確認すればよいか分からない場合でも、登記事項証明書・公図・測量図・通路の写真などの資料を整理することで、検討すべき論点が見えてきます。通行を求める側も、求められた側も、合意や工事の前に一度資料を確認しておくことが役立ちます。
まず結論――囲繞地通行権の全体像
細かい要件に入る前に、全体像を整理します。いずれの項目も、最終的な結論は個別事情によって変わります。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 権利が認められる主な場面 | 他の土地に囲まれて公道に通じない土地(袋地)などで、公道に出るために必要なとき(民法第210条) |
| 自由に決められないこと | 通行の場所・方法は「必要」であり、かつ「囲繞地の損害が最も少ない」ものを選ぶ(民法第211条)。好きな場所・幅を自由に選べるわけではない |
| 車での通行 | 当然には認められない。通行の必要性・周辺の状況・囲繞地の所有者が受ける不利益などを総合的に考慮して判断される(最高裁平成18年3月16日) |
| 通行できる幅 | 一律の法定の数値はない。徒歩や車など目的と、囲繞地の損害を踏まえて事案ごとに判断される |
| 償金(通行料) | 原則として支払いが必要(民法第212条)。金額は当事者の協議によるのが基本で、相場を一律に示すことはできない |
| 分割・一部譲渡でできた袋地 | 原則として、分割者などの所有地のみを通行でき、償金は不要(民法第213条) |
| 建築・再建築 | 民法の通行権と、建築基準法の接道義務は別の問題。通行権があっても、当然に建て替えができるとは限らない |
| 最初に確認する資料 | 登記事項証明書、公図、地積測量図、現況測量図、通行の経緯が分かる資料 |
囲繞地通行権とは
法令上の名称と一般的な呼び方
民法は、第210条から第213条で、公道に通じない土地の所有者が公道へ出るために周りの土地を通行できる権利を定めています。条文上の見出しは「公道に至るための他の土地の通行権」です。これが、一般に「囲繞地通行権」「袋地通行権」と呼ばれているものです。
「囲繞地」とは、ある土地を取り囲んでいる周りの土地を指す言い方です。取り囲まれて公道に通じない側の土地を「袋地」と呼びます。なお、「準袋地」という言葉が使われることもありますが、これは条文上の用語ではなく、池や川などを通らなければ公道に出られない土地(後述の民法第210条第2項の土地)を説明するための実務上の呼び方です。
権利が設けられている趣旨
公道に出られない土地は、そのままでは利用できません。そこで民法は、土地の位置関係から生じるやむを得ない事情を調整するため、袋地の所有者に、周りの土地を通行する権利を法律上当然に認めています。同時に、通行される囲繞地の所有者の負担をできるだけ小さくするため、通行の場所・方法や償金についてのルールを置いています。
囲繞地通行権が認められる要件
公道に通じない土地であること
民法第210条第1項は、他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者に、公道に至るための通行権を認めています。第2項は、池沼・河川・水路・海を通らなければ公道に出られないとき、または崖があって土地と公道との間に著しい高低差があるときも同様としています。
「狭い通路がある」だけで袋地といえるかは、事案によります。 形式的には公道に接していても、接し方や幅によっては通行権が問題になることがあります。一方で、既に公道に一定の幅で接している土地について、建築のためだけを理由に当然に幅を広げられるわけではありません(後述)。まずは公図・測量図で接道の状況を確認する必要があります。
誰が通行権を主張できるか
通行権を主張できるのは、原則として袋地の所有者です。地上権など土地を直接利用する物権をもつ人にも、相隣関係の規定が及ぶ場合があります。賃借人など契約に基づく利用者について、そのまま同じ通行権が認められるかは、議論があり、事案によって異なります。土地を購入したものの所有権移転登記がまだの場合など、登記と第三者との関係が問題になる場面もあり、一律には判断できません。
分割・一部譲渡によって袋地が生じた場合
もともと一つの土地を分割したり、土地の一部を譲り渡したりした結果、公道に通じない土地が生じることがあります。この場合は、通常の袋地とは別のルール(民法第213条)が適用されます。詳しくは償金の項目で説明します。
通行できる場所・方法・幅
「必要」かつ「損害が最も少ない」場所と方法
民法第211条第1項は、通行の場所と方法について、通行権をもつ人のために必要であり、かつ、囲繞地のために損害が最も少ないものを選ばなければならないと定めています。つまり、袋地の所有者が希望するルートを自由に選べるわけでも、囲繞地の所有者が一方的に指定できるわけでもありません。既存の通路の有無、土地の形状や高低差、建物や工作物の位置、これまでの利用の経緯などを踏まえて判断されます。
通路の開設・工作物
通行権をもつ人は、必要があるときは通路を開設することができます(民法第211条第2項)。もっとも、これは相手の塀・門扉・物置・植栽などを自由に撤去してよいという意味ではありません。舗装・側溝の設置・拡幅・樹木の伐採・工作物の移動などを行う場合は、費用負担や維持管理を含め、事前の協議が前提になります。工事のために隣の土地を一時的に使う必要がある場面では、通行権とは別に隣地使用権(民法第209条)が関係することもあります。相隣関係の基本は「相隣関係⑴〜隣地使用権について確認する」もあわせてご覧ください。
通行できる幅
通行できる幅について、一律の法定の数値はありません。徒歩、自転車、車いす、農機具、自動車など、利用の目的や土地の従前の利用状況、囲繞地に生じる負担を踏まえて判断されます。後述するとおり、建築基準法上の接道義務(幅員2メートル以上接すること)とは判断の枠組みが異なるため、「建築のために4メートル必要だから当然に4メートル通れる」といった単純な結論にはなりません。裁判例で示された幅は、あくまでその事案固有の判断です。
車で通行できるか
「囲繞地通行権が認められれば、当然に車でも通れる」というわけではありません。最高裁平成18年3月16日の判決(民集60巻3号735頁)は、自動車による通行を前提とする民法第210条の通行権が認められるかどうか、また、その具体的な内容は、次のような事情を総合的に考慮して判断すべきとしています。
- 自動車による通行を認める必要性(土地の利用目的、代わりの手段の有無など)
- 周辺の土地の状況
- 自動車の通行を認めることによって、囲繞地の所有者が受ける不利益
したがって、車が通れるかどうかは、独立した重要な論点として、事案ごとに検討する必要があります。交渉にあたっては、車の種類や大きさ、通行の頻度、これまでの通行の実態、囲繞地側の安全や利用への影響なども確認しておくことが役立ちます。個別事情により結論は異なります。
償金・通行料はどう決まるか
償金の基本
民法第212条は、通行権をもつ人が、通行する囲繞地の損害に対して償金を支払わなければならないと定めています。ここでいう「償金」は、通行によって囲繞地に生じる損害の埋め合わせであり、俗にいう「通行料」とは必ずしも同じではありません。同条ただし書は、通路の開設のために生じた損害を除き、償金を1年ごとに支払うことができるとしています。整理すると次のとおりです。
| 種類 | 内容 | 支払い方 |
|---|---|---|
| 通路の開設による損害 | 通路を作ることによって生じる損害 | 1年ごとの分割払いの対象から除かれる(民法第212条ただし書) |
| 通行による継続的な損害 | 通行そのものによって継続的に生じる損害 | 1年ごとに支払うことができる(民法第212条ただし書) |
| 分割・一部譲渡でできた袋地 | 分割者などの所有地の通行 | 償金は不要(民法第213条) |
金額の決め方と「相場」の考え方
償金の金額について、公的に定まった算定基準や一律の相場はありません。土地の状況、通行の範囲や方法、囲繞地に生じる負担などを踏まえ、当事者の協議で定めるのが基本です。協議が調わない場合は、最終的に裁判所の判断に委ねられることもあります。「1平方メートル当たり何円」「年間何万円」といった数値を一般化することはできず、個別に検討する必要があります。
償金を支払っていない場合。 償金を支払っていないという一事をもって、通行権が直ちに消滅するわけではないと解されています。もっとも、償金の請求や損害賠償といった問題は別に生じ得ます。当事者間に個別の合意がある場合は、その内容にもよります。
通行地役権・通行承諾との違い
通行を確保する方法は、囲繞地通行権だけではありません。当事者が契約で設定する通行地役権や、通行を認める合意(通行承諾)など、性質の異なる制度があります。混同すると、登記や第三者との関係で見通しを誤ることがあります。主な違いを整理します。
| 制度 | 主な発生原因 | 対価・償金 | 登記 | 通行の範囲 | 第三者との関係 |
|---|---|---|---|---|---|
| 囲繞地通行権(法定・民法第210条以下) | 土地が袋地などになれば法律上当然に発生 | 原則として償金が必要(第212条)。分割・一部譲渡型は不要(第213条) | 登記して設定するものではない | 必要であり、かつ囲繞地の損害が最も少ない場所・方法(第211条) | 土地の位置関係に基づく権利。分割・一部譲渡型の無償通行権は、囲繞地が第三者に譲渡された後も消滅しないとされた例がある(最高裁平成2年11月20日) |
| 通行地役権(民法第280条以下) | 当事者の設定契約。一定の要件を満たす場合の時効取得(第283条) | 契約で定める(有償・無償のいずれもあり得る) | 登記できる | 設定契約で定めた目的・範囲 | 登記が原則。未登記でも、継続的な通路の使用が客観的に明らかで譲受人が認識できた場合などに対抗が認められた例がある(最高裁平成10年2月13日) |
| 通行承諾・通行契約(当事者の合意) | 当事者間の合意(承諾書・覚書・契約) | 合意による | 通常はしない | 合意の内容による | 原則として当事者間の効力。所有者が変わると当然には引き継がれないことがある |
| 長年の事実上の通行 | 事実上の通行の継続 | ― | ― | 不明確なことが多い | それだけでは権利とはいえず、当然には主張できないことがある |
通行地役権は、継続的に行使され、かつ外形上認識することができるものに限り、時効によって取得することができるとされています(民法第283条)。一方、囲繞地通行権は土地の位置関係から法律上当然に発生する権利であり、これ自体を独立して時効取得するという考え方にはなじみません。長年通ってきた事実があるからといって、当然にいずれかの権利が認められるわけではなく、通路の開設状況などが問題になります。
囲繞地通行権と建築・再建築
袋地上の建物を建て替えられるかは、多くの方が気にする点です。ここで注意が必要なのは、民法上の通行権と、建築基準法上の接道義務は別の制度だということです。
建築基準法第43条は、建築物の敷地は道路に2メートル以上接しなければならないと定めています(接道義務)。ここでの「道路」は、原則として幅員4メートル以上のものなどをいい(同法第42条)、幅員4メートル未満でも特定行政庁が指定したいわゆる二項道路については、原則として道路の中心線から水平距離2メートルの線まで後退(セットバック)する扱いがあります。
最高裁平成11年7月13日の判決(判例時報1687号75頁)は、既に公道に接している土地について、建築基準法の接道要件を満たすためだけを理由に、その幅を確保する内容の囲繞地通行権が当然に認められるわけではないと判断しました。つまり、囲繞地通行権が認められることと、建築確認を受けられることは、直接には結び付きません。
再建築の可否は、民事上の通行権だけでは判断できません。 建築基準法上の道路に当たるか、接道の要件を満たすか、第43条第2項の認定(第1号)や許可(第2号)といった例外制度を使えるかは、道路の種別や自治体の運用によって異なります。道路種別や再建築の可否は、所在地の特定行政庁(自治体の建築指導部局)に確認する必要があります。
参考――ライフラインの設備との違い
上下水道・ガス・電気・通信などの設備を他人の土地に設置し、または他人の設備を使用する問題は、通行権とは別の制度です。民法は、令和5年4月1日に施行された規定(第213条の2・第213条の3)で、継続的給付を受けるための設備の設置権などを定めています。通行権が認められれば当然に配管や電線を設置できるわけではありません。設備の問題は、それ自体を別に検討する必要があります。
よく問題になるケース
- これまで使っていた通路を、塀や門扉で塞がれた
- 徒歩の通行は認められているが、車での通行を拒まれている
- 車が通れる幅まで通路を広げたいが、囲繞地の所有者と折り合わない
- 囲繞地の所有者から、高額の通行料を求められている
- 袋地の所有者から、無償での通行を求められている
- 相続や分筆の後で、初めて袋地であることが分かった
- 口約束だけで通行してきたが、土地の所有者が変わって通行を拒まれた
- 土地を購入した後で、再建築が難しい可能性が判明した
- 通路の舗装・側溝・配管の工事をしたいが、承諾を得られない
いずれのケースも、まず土地の登記・公図・測量図・通行の経緯を確認し、通行権の有無と範囲、車両通行や償金の要否を分けて検討することが出発点になります。結論は個別事情によって変わります。
解決までの一般的な流れ
- 登記事項証明書・公図・地積測量図・現況測量図などで、土地の位置関係と接道の状況を確認する
- 建築基準法上の道路の種別や接道を、自治体の建築指導部局に確認する(建築を予定している場合)
- 現地で、通路の位置・幅・利用状況を確認する
- 過去の契約書・通行承諾書・覚書・利用の経緯を確認する
- 当事者間で、通行のルート・幅・車両通行・償金などを協議する
- 必要に応じて、測量や鑑定を行う
- 合意ができれば、合意書(覚書)を作成する
- 協議が調わない場合は、調停や訴訟(通行権の確認、妨害の排除など)を検討する
- 緊急に通行を確保する必要がある場合は、保全処分(仮処分)を検討する
自分で障害物を撤去するのは避けてください。 通行権があると考えられる場合でも、相手の塀や門扉を無断で撤去したり、無断で舗装・掘削・伐採をしたり、相手の通行を物理的に遮断したりすると、別の紛争(損害賠償など)を招くことがあります。急ぐ場合ほど、資料の確認と、協議・保全処分など適法な手続の検討が安全です。
手続の前に確認したい資料(チェックリスト)
すべての案件で以下のすべてが必要になるわけではありません。状況に応じて確認します。
- 対象の土地と周りの土地の登記事項証明書
- 公図
- 地積測量図・現況測量図・建物図面
- 売買契約書・重要事項説明書(購入した土地の場合)
- 遺産分割協議書・分筆の経緯が分かる資料(相続・分筆が関係する場合)
- 通行承諾書・通行地役権設定契約書・覚書などの書面
- 道路台帳など、建築基準法上の道路の種別が分かる資料
- 建築確認に関する資料(建築・再建築を予定している場合)
- 通路の写真・動画、通路幅の測定資料、航空写真・過去の地図
- 相手方とのメール・手紙・メッセージ、通行料の請求書・領収書、工事の見積書
弁護士に相談するタイミング
次のような場面では、手続や合意の前に一度確認しておくことが役立ちます。相談によって、結果を保証できるわけではありませんが、資料をもとに法的な立場、交渉すべき事項、必要な手続を整理することができます。
- 土地を購入・売却・相続・分筆する前
- 通行承諾書・合意書・覚書に署名する前
- 通行料や償金の金額に合意する前
- 門扉・塀の設置、舗装・拡幅などの工事を行う前
- これまでの通路を塞がれたとき、車両通行や拡幅を求められたとき
- 建築・再建築を予定しているとき
- 当事者間の話し合いが対立しているとき、緊急に通行を確保する必要があるとき
囲繞地通行権の問題は、「通れるかどうか」だけでなく、通行の場所・幅、車の利用、償金、将来の建築(接道)まで、論点が分かれて絡み合います。通行承諾書や合意書に署名する前、通路の工事を始める前に、これらを分けて確認しておくことで、後のトラブルを避けやすくなります。
よくある質問(FAQ)
囲繞地通行権があれば車で通れますか。
当然に認められるわけではありません。自動車による通行の可否は、通行の必要性、周辺の状況、囲繞地の所有者が受ける不利益などを総合的に考慮して判断されます(最高裁平成18年3月16日)。個別事情により結論は異なります。
通行できる幅は何メートルですか。
一律の決まりはありません。通行に必要な範囲で、かつ囲繞地の損害が最も少なくなる方法が選ばれます(民法第211条)。建築基準法の接道義務(幅員2メートル以上)とは別の基準であり、公図・測量図などの資料を確認する必要があります。
通行料(償金)はいくらですか。
法律上の相場は定まっていません。原則として償金の支払いが必要で(民法第212条)、金額は当事者の協議で決めるのが基本です。土地の状況などを踏まえて検討する必要があり、個別事情により異なります。
隣の土地の所有者は通行を拒否できますか。
要件を満たす囲繞地通行権が認められる場合、囲繞地の所有者がこれを一方的に拒否できるものではありません。もっとも、通行の場所・方法・幅・車両通行などは制限され得ます。まず土地が袋地に当たるかなどの確認が必要です。
償金を支払っていないと通れませんか。
償金を支払っていないという一事をもって、通行権が直ちに消滅するわけではないと解されています。ただし、償金の請求や損害賠償の問題は別に生じ得ます。当事者間に合意がある場合は、その内容にもよります。
長年通っていれば通行地役権を取得できますか。
通行地役権は、継続的に行使され、かつ外形上認識することができるものに限り、時効取得の余地があります(民法第283条)。単に長く通っていた事実だけで当然に認められるわけではなく、通路の開設状況などが問題になります。
囲繞地通行権があれば家を建て替えられますか。
民法上の通行権と、建築基準法の接道義務(第43条)は別の問題です。通行権が認められても、建築確認上必要な接道が当然に満たされるとは限りません(最高裁平成11年7月13日)。道路の種別や再建築の可否は、自治体の建築指導部局に確認する必要があります。
まとめ
- 囲繞地通行権は、公道に通じない土地などについて、法律上認められる通行の権利です(民法第210条以下)。
- 通行の場所・方法・幅は「必要」かつ「囲繞地の損害が最も少ない」ものに限られ、自由に選べるわけではありません。
- 車での通行や償金の要否・金額、建て替えの可否は、それぞれ別に検討する必要があります。
- 分割・一部譲渡でできた袋地には、別のルール(民法第213条、原則として無償)が適用されます。
- 民法上の通行権と、建築基準法上の接道義務は別の制度です。再建築の可否は自治体への確認が必要です。
- まずは登記事項証明書・公図・測量図・通行の経緯などの資料を確認することが出発点です。
通行を求める側も、通行を求められた側も、登記事項証明書・公図・測量図・契約書・通路の写真などの資料を確認することで、通行権の有無だけでなく、通行ルート、幅、車両通行、償金、合意書に定めるべき事項を整理できます。建築を予定している場合は、民法上の通行権と建築基準法上の接道を分けて確認する必要があります。手続や工事の前に、一度確認しておくことをおすすめします。
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執筆・監修
藤井 貴之(ふじい たかゆき) 弁護士・公認会計士(兵庫県弁護士会所属)
弁護士法人ひょうご あわじみらい法律会計事務所(兵庫県南あわじ市)。不動産・相隣関係に関する相談に対応しています。
参考資料(本文で参照した公的資料)

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