相続した田畑や山を持っているけれど、買い手がまったく見つからない。固定資産税と草刈りなどの管理負担だけが毎年続いている。その一方で借入れの返済が苦しくなり、自己破産を考え始めた——。このようなとき、「売れない農地や山林を持っていると、そもそも破産できないのではないか」「土地を抱えたままでは手続が止まってしまうのではないか」と不安に感じる方は少なくありません。
結論から申し上げると、売れない農地・山林をお持ちでも、自己破産そのものを検討できる場合があります。もっとも、不動産があることで手続の進み方(同時廃止か管財事件か)や費用の見通しが変わり得ること、破産管財人による換価、換価が難しい場合の破産財団からの放棄、そして放棄された後に残り得る固定資産税や管理の負担まで、順を追って確認しておく必要があります。
この記事では、淡路島(南あわじ市・洲本市・淡路市)をはじめ兵庫県周辺で農地・山林を含む債務整理を検討されている個人・法人の方に向けて、破産手続の基本、農地・山林が売れにくい理由、破産財団からの放棄の意味と限界、相続土地国庫帰属制度との違い、相談前に準備していただきたい資料までを、できる限り平易に整理します。なお、結論は資料の内容や個別事情によって変わります。具体的な見通しは、登記事項証明書や課税明細などの資料を確認したうえで判断する必要があります。
売れない農地・山林があり、破産できるかどうかご不安な方へ。資料を確認したうえで、手続の見通しや進め方を整理することができます。まずはお気軽にご相談ください。
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Contents
結論|売れない農地・山林があっても破産を検討できる場合があります
まず全体像として、押さえておきたい要点を整理します。いずれも一般的な考え方であり、最終的な結論は資料の確認と個別事情の検討を経て判断する必要があります。
- 売れない農地・山林があること自体は、ただちに破産できない理由にはなりません。破産を進められる可能性があります。
- 不動産がある場合、財産の調査・換価のために管財事件として進む可能性があります。管財事件では裁判所への予納金が必要になり、その金額は裁判所の運用や事案により異なります。
- 破産管財人は、不動産を調査・評価し、任意売却や担保権者との調整などを通じて換価(お金に換えること)を試みます。換価できるかどうかは資料を確認する必要があります。
- 調査の結果、買受人が見つからない、管理コストが高い、担保権者との調整が難しいなどの理由で換価が困難と判断された場合、破産管財人が裁判所の許可を得て破産財団からの放棄を検討することがあります。
- 破産財団から放棄されても、当然に国や自治体が土地を引き取るわけではありません。個人破産では、土地の管理処分権が破産者側に戻り、固定資産税や管理責任が残る可能性があります。
- 農地法・森林法・担保権・相続関係などにより結論は変わります。申立て前の名義変更や贈与は問題になる可能性があるため、行う前に確認が必要です。
破産手続と破産財団の基本
農地・山林の扱いを理解する前提として、破産手続の基本的な仕組みを確認します。専門用語が続きますが、できる限り平易に説明します。
破産財団とは
自己破産は、大きく分けて、財産を清算する「破産手続」と、残った債務の支払義務を免除してもらう「免責手続」の二つから成り立っています。このうち破産手続では、破産手続が開始した時点で破産者が有していた一定の財産が、債権者への配当に充てるための財産のまとまりとして扱われます。これを破産財団といいます。農地や山林などの不動産も、原則としてこの破産財団に含まれます。
もっとも、破産者の手元にすべて残らなくなるわけではありません。生活の再建のために、一定額以下の現金や生活に必要な家財などは自由財産として手元に残せるとされています。破産財団に含まれる財産は破産管財人が管理・処分し、自由財産は破産者が保持する、という役割分担になっています。どの財産が自由財産に当たるか、また自由財産の範囲をどこまで広げられるか(自由財産の拡張)は、裁判所の運用や事案によって異なります。
破産管財人の役割と「同時廃止・管財事件」の違い
破産管財人は、裁判所から選任される弁護士で、破産財団に属する財産を調査し、管理し、換価して、債権者への配当などを行う役割を担います。破産者の財産に対する管理処分の権限は、破産管財人に移ります。
破産手続には、大きく分けて二つの進み方があります。一つは、配当に回せるような財産がほとんどなく、手続費用を支弁できないと見込まれる場合に、破産手続の開始と同時に手続を終える同時廃止です。もう一つは、換価すべき財産がある場合などに、破産管財人を選任して財産の調査・換価を行う管財事件です。一般的に、農地・山林を含む不動産があるケースでは、その有無・評価・換価可能性などを調査する必要から、管財事件として進む可能性があります。ただし、どちらの手続になるかは、不動産の評価額、担保の状況、換価可能性、個人か法人か、そして裁判所の運用によって変わり得ます。神戸地方裁判所管内での具体的な運用については、資料を踏まえて確認する必要があります。
管財事件として進む場合、裁判所に納める予納金が必要になります。金額は事案の規模や裁判所の運用によって異なります。費用の準備が難しい場合の進め方も含めて、早い段階で確認しておくことが望ましいといえます。
個人の破産と法人の破産の違い
個人の破産では、破産手続が終わった後も本人は存在し続けます。そのため、破産財団から外れた土地があれば、その管理処分権は破産者本人に戻る可能性があります。これに対し、法人の破産では、破産手続が終了すると法人そのものが消滅していくため、法人名義の土地が破産財団から放棄された場合に、その土地が誰に帰属し、誰が管理・処分するのかという、個人の場合とは異なる難しい問題が生じ得ます。法人破産における具体的な帰結は専門的な検討を要するため、後の項目で概要を説明し、詳細は資料を確認したうえで判断する必要があります。
農地・山林が換価困難になりやすい理由
不動産の中でも、農地や山林は、一般の宅地と比べて買い手が見つかりにくく、換価が難しくなりやすい類型です。その背景には次のような事情があります。
農地が売れにくい理由
農地は、その権利を他人に移すこと(売買や贈与など)について、原則として農地法に基づく許可や、農業委員会の関与が必要とされる場面があります。買い手が農業を行う方などに限られやすいことから、宅地のように広く買い手を募れないことが少なくありません。さらに、登記上の地目と現況の利用状況が一致していない、接道や用水・境界の状況に問題がある、周辺の農業利用の状況によって需要が乏しい、といった事情が重なると、市場での売却はいっそう難しくなります。
農地法上、どのような権利移転にどの許可・届出が必要になるか、また農業委員会の手続の詳細は、土地の所在地(南あわじ市・洲本市・淡路市など)や現況によって異なります。具体的な要否は資料を確認したうえで判断する必要があります。
山林が売れにくい理由
山林(森林)は、境界が確定していない、公道に接していない、現地の確認自体が難しい、といった事情から、買い手にとって評価が難しい資産です。加えて、倒木・危険木への対応、土砂災害のリスク、日常的な管理の負担などが見込まれる一方で、固定資産税や管理費に対して市場価値が低いことも多く、これらが売却の障害になりやすいといえます。伐採などを行う場合に森林法に基づく届出が関係することもあります。
森林法上の届出の要否や、森林所有者に求められる管理の内容は、土地の状況や自治体の運用によって異なります。これらの詳細は、資料を確認したうえで判断する必要があります。
担保権・差押え・共有・境界・相続登記未了という共通の障害
農地・山林に共通して、次のような事情があると換価がさらに難しくなります。抵当権・根抵当権などの担保が設定されている、税の滞納などで差押え・仮差押えがされている、複数人の共有になっている、境界が未確定である、相続が発生したのに相続登記が済んでいない(名義が亡くなった方のまま)といった場合です。これらは、売却の前提として整理・確認が必要な事項であり、放置されているほど手続に時間と費用がかかりやすくなります。
| 要因 | 農地で問題になりやすい点 | 山林で問題になりやすい点 |
|---|---|---|
| 権利移転の規制 | 農地法に基づく許可・農業委員会の関与により買い手が限られやすい | 規制よりも、買い手自体が見つかりにくいことが課題になりやすい |
| 境界・接道 | 境界未確定、用水・農道との関係が不明確なことがある | 境界未確定、公道に接していないことが多い |
| 現況・地目 | 地目(田・畑)と現況が一致しないことがある | 長期間放置され、現地確認が難しいことがある |
| 管理・安全上の負担 | 耕作放棄による雑草・近隣への影響 | 危険木、土砂災害リスク、管理費用の負担 |
| 権利関係 | 共有・相続登記未了・担保権・差押えの有無 | 共有・相続登記未了・担保権・差押えの有無 |
※上表は一般的に問題になりやすい点を整理したものです。実際にどの要因が当てはまるかは、登記事項証明書・公図・現地の状況などを確認したうえで判断する必要があります。
破産管財人は農地・山林をどのように調査・換価するか
管財事件になった場合、破産管財人は、農地・山林についておおむね次のような流れで調査・換価を検討します。なお、実際の進め方は裁判所・破産管財人・事案によって異なり、すべての事案で同じ手順が踏まれるわけではありません。
- 資料の確認:登記事項証明書、公図、地積測量図、固定資産税の課税明細、評価証明、農地台帳や森林簿などにより、土地の権利関係・面積・評価・担保や差押えの有無を確認します。
- 評価・査定:固定資産評価額や、必要に応じて不動産会社の査定などを参考に、換価の見込みを検討します。
- 売却の検討(任意売却など):買受希望者を探し、条件が整えば任意売却を検討します。農地については、農業委員会など関係機関の手続が関係することがあります。
- 担保権者との調整:抵当権などの担保が付いている場合、担保権者と配分や処理について調整します。
- 換価困難と判断した場合の検討:買受人が見つからない、管理コストが過大である、担保権者との調整がつかないなどの事情から換価が難しいと判断された場合、破産財団に維持し続ける意味が乏しいとして、破産財団からの放棄が検討されることがあります。
「自分の土地は換価できるのか」「管財事件になりそうか」は、登記や課税明細などの資料を見て初めて見通しが立ちます。申立て前に資料を整理し、進め方を確認しておくことができます。
破産財団からの放棄とは何か
「破産財団からの放棄」の意味
破産財団からの放棄とは、換価が難しいなどの理由で破産財団に維持しておく意味が乏しい財産について、破産管財人がその財産を破産財団から外す(管理処分の対象から切り離す)ことをいいます。これにより、破産管財人はその土地の管理や換価の責任から離れることになります。実務上は、破産管財人が裁判所の許可を得たうえで判断することが一般的とされています。
「土地所有権の放棄」や「国庫帰属」とは異なります
ここで誤解されやすいのが、「破産財団からの放棄」と「土地そのものを手放すこと」は別である、という点です。破産財団からの放棄は、あくまで破産財団から外すという手続上の措置にすぎません。土地の所有権そのものが消えるわけではなく、国や自治体が引き取るわけでもありません。個人破産の場合、放棄された土地の管理処分権は破産者側に戻り、その後も所有者として扱われる可能性があります。「破産財団から放棄されれば、土地の管理責任まで当然に消える」というわけではない点に、特に注意が必要です。
申立人の希望だけで決まるものではありません
破産財団からの放棄は、申立人(破産者)が「放棄してほしい」と希望すれば必ず行われる、というものではありません。換価可能性や管理コスト、担保権者との関係、破産財団にとっての利害などを踏まえ、破産管財人の判断と裁判所の許可を経て決まります。「必ず放棄される」「希望すれば手放せる」と考えるのではなく、資料を確認したうえで見通しを検討することが大切です。
放棄後に残る可能性がある問題
破産財団から放棄された後にも、土地をめぐっていくつかの問題が残る可能性があります。いずれも税目・時点・自治体・裁判所の運用や担保の状況によって扱いが変わり得るため、断定はできません。具体的な扱いは資料を確認したうえで判断する必要があります。
個人破産の場合
個人破産では、放棄された土地の管理処分権が破産者本人に戻り、引き続き所有者として扱われる可能性があります。そのため、固定資産税の納税義務や、土地の管理に関する責任が残る可能性があります。借入れについては免責を受けられても、土地の管理負担までなくなるとは限らない、という点を理解しておくことが重要です。
法人破産の場合
法人破産では、法人名義の土地が破産財団から放棄された場合に、法人格の消滅との関係で、その土地が誰に帰属し、誰が管理・処分するのかという難しい問題が生じ得ます。登記名義の処理、清算に関わる手続、担保権者への対応など、個人破産よりも複雑になる可能性があります。会社名義の農地・山林を抱えたまま破産・廃業を検討される場合は、早い段階で資料を確認し、進め方を検討しておく必要があります。
固定資産税・管理責任・近隣トラブル
放棄後も所有者として扱われる場合、固定資産税の負担が続く可能性があります。また、山林の危険木が隣地に倒れた、土砂が流出した、境界をめぐって近隣と争いになった、といった場面では、所有者としての管理に関する責任が問題になる可能性があります。誰がいつの時点の税や費用を負担するのか、また破産手続中に生じた税の扱い(財団の負担とすべきか否か)などは、時点や運用によって異なります。これらは資料と事情を踏まえて確認する必要があります。
担保権者との関係
抵当権・根抵当権などの担保が付いている土地では、破産をしても担保権そのものが当然に消えるわけではありません。担保権者は、破産手続の外で、競売や任意売却などにより担保権を実行できる立場にあります(このような担保権は別除権と呼ばれます)。破産財団から放棄された後に担保権が実行されることもあり得ます。抵当権・根抵当権、農協・金融機関・自治体による差押えなどがある場合は、資料を確認したうえで、配分や処理の見通しを検討する必要があります。
相続土地国庫帰属制度を検討できる場合
相続や遺贈によって取得した土地については、一定の要件を満たせば、土地を国に引き取ってもらう相続土地国庫帰属制度(相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律)を検討できる場合があります。農地(田・畑)や森林もこの制度の対象になり得ます。ただし、この制度は破産財団からの放棄とはまったく別の制度であり、いくつもの前提・要件を満たす必要があります。
特に注意したいのは、次の点です。第一に、対象は相続・遺贈で取得した土地に限られ、自分が売買や贈与で取得した土地は対象外となる可能性があります(取得原因の確認が必要です)。第二に、抵当権などの担保権や使用収益権が設定されている土地、境界が明らかでない土地、建物がある土地などは、申請が却下・不承認となる扱いとされています。第三に、申請には審査手数料(1筆あたり14,000円)や、承認後に納める負担金(原則として20万円。森林は面積に応じて算定)といった費用がかかります。これらの要件・費用・手続の詳細は法務省の公表内容により、また個別の土地の状況によって変わります。利用できるかどうかは、登記や境界・担保の状況などを確認したうえで判断する必要があります。
| 観点 | 破産財団からの放棄 | 相続土地国庫帰属制度 | 相続放棄 |
|---|---|---|---|
| どのような場面の制度か | 破産手続の中で、換価困難な財産を財団から外す措置 | 相続等で取得した不要な土地を国に引き取ってもらう制度 | 相続そのものを承継しないとする意思表示 |
| だれが行うか | 破産管財人(裁判所の許可を前提) | 土地を取得した相続人など(法務大臣に申請) | 相続人(家庭裁判所に申述) |
| 所有権はどうなるか | 所有権は消えず、個人破産では破産者側に戻り得る | 承認・負担金納付により国に移転する | はじめから相続人とならなかったものとして扱われる |
| 国・自治体が引き取るか | 引き取らない | 要件を満たし承認されれば国が引き取る | 土地だけを選んで放棄することはできない |
| 管理責任・税の負担 | 放棄後も残る可能性がある | 国庫帰属後は原則として免れる(負担金は必要) | 他に相続人がいない場合などは管理に関する問題が残ることがある |
| 主な前提・注意点 | 申立人の希望だけでは決まらない | 取得原因・担保権・境界・建物などの要件、費用の確認が必要 | 原則として相続を知ってから一定期間内に行う必要がある/全財産が対象 |
※上表は制度の大枠を比較したものです。いずれの制度も、要件や効果、利用できる場面が異なり、個別事情により結論は変わります。どの方法が適しているか(あるいは利用できるか)は、資料を確認したうえで検討する必要があります。
破産前に農地・山林を家族へ移すのは危険です
「どうせ売れない土地だから」「家族に残したいから」と考えて、破産の申立て前に、農地・山林を家族や知人へ名義変更したり、贈与したり、著しく安い価格で売却したりすることは、避けるべきです。こうした行為は、後に破産管財人によって取り消される(否認される)可能性があるほか、財産の隠匿や不利益な処分とみなされ、免責が認められにくくなる事情(免責不許可事由)として問題になる可能性があります。固定資産評価証明や名寄帳を提出しない、農地・山林の存在を申告しない、といった対応も、手続の遅延や信頼性の低下につながりかねません。
もっとも、これらが直ちに刑事責任や免責不許可に結び付くと断定できるわけではありません。重要なのは、自己判断で動く前に、登記や課税明細などの資料を弁護士に示し、どの財産をどう扱うべきかを確認することです。事前に相談しておくことで、後から問題が生じることを防ぎやすくなります。
相談前に準備していただきたい資料チェックリスト
農地・山林を含む破産のご相談では、土地と債務の状況を示す資料があるほど、見通しの検討がスムーズになります。すべてがそろっていなくても構いません。手元にあるものから整理してお持ちください。
個人の方向け(債務・全般)
- 借入先・債権者の一覧、契約書、督促状、請求書
- 訴状・支払督促・差押えに関する書類(届いている場合)
- 給与明細、源泉徴収票、預貯金通帳など収入・資産が分かるもの
- 固定資産税の課税明細書、名寄帳
農地・山林に特有の資料
- 登記事項証明書、公図、地積測量図
- 固定資産評価証明書
- 農地台帳・農業委員会に関する資料(農地の場合)
- 森林簿・森林計画図・自治体の資料(山林の場合)
- 不動産会社の査定書、これまでの売却活動の履歴、買受希望者の有無
- 抵当権・根抵当権・差押え・仮差押えの有無が分かる資料
- 相続関係資料、遺産分割協議書、相続登記の有無
- 現地の写真、接道・境界・管理状況が分かるもの
- 固定資産税・管理費・草刈り費用・危険木対応費用などの負担状況
法人・個人事業主の方向け
- 決算書、試算表、資金繰り表
- 所有不動産の一覧、担保に関する資料
- 金融機関・取引先との契約書、借入れ状況が分かる資料
弁護士に相談するタイミング
農地・山林を含む破産では、早い段階で資料を確認しておくことが、その後の選択肢を整理するうえで重要です。次のような場面では、一度ご相談いただくことをおすすめします。なお、相談は、結果を保証するものではなく、資料をもとに進め方や判断材料を整理するためのものです。
- 破産の申立てを検討し始めたが、売れない農地・山林の扱いが不安なとき
- 土地の売却・贈与・名義変更を考えているとき(行う前のご相談をおすすめします)
- 固定資産税や管理の負担が重く、土地をどうすべきか迷っているとき
- 債権者から訴訟を起こされた、差押えを受けたとき
- 法人で、資金繰りがなお破産費用を確保できるうちに方針を整理したいとき
売れない農地・山林があっても、資料を確認すれば、破産を進められるか、管財事件になりそうか、放棄後に何が残り得るかといった見通しを整理できます。名義変更や申立ての前に、一度ご確認ください。
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よくある質問
売れない農地があっても自己破産できますか。
売れない農地があること自体は、ただちに破産できない理由にはなりません。破産を進められる可能性があります。もっとも、不動産があることで管財事件として進む可能性があり、手続の見通しは資料を確認したうえで判断する必要があります。
山林しか財産がない場合でも管財事件になりますか。
不動産があるかどうかや、その評価・換価可能性などにより、管財事件として進む可能性があります。一方で、状況によっては別の進め方も考えられます。どちらになるかは裁判所の運用と個別事情により異なるため、資料を確認したうえで検討する必要があります。
破産財団から放棄されると土地を手放せますか。
破産財団からの放棄は、土地を破産財団から外す手続上の措置であり、土地の所有権そのものが消えるわけではありません。個人破産では管理処分権が破産者側に戻り、所有者として扱われる可能性があります。国や自治体が当然に引き取るわけではない点に注意が必要です。
放棄後の固定資産税はどうなりますか。
放棄後も所有者として扱われる場合、固定資産税の負担が続く可能性があります。誰がいつの時点の税を負担するか、破産手続中に生じた税の扱いなどは、時点や自治体・裁判所の運用により異なります。具体的な扱いは資料を確認したうえで判断する必要があります。
農地は破産管財人が自由に売却できますか。
農地の権利移転には、農地法に基づく許可や農業委員会の関与が関係する場面があり、宅地と同じようには売却できないことがあります。実際にどのような手続が必要になるかは、土地の所在地や現況により異なるため、資料を確認したうえで判断する必要があります。
相続土地国庫帰属制度は破産後でも使えますか。
相続・遺贈で取得した土地であれば、要件を満たす場合に検討できる可能性があります。ただし、担保権が設定されている土地・境界が不明な土地・建物がある土地などは対象外とされ、審査手数料や負担金も必要です。破産手続との関係やタイミングも含め、資料を確認したうえで判断する必要があります。
破産前に家族へ農地を贈与してもよいですか。
申立て前の贈与・名義変更・安値売却は、後に否認の対象となったり、免責が認められにくくなる事情として問題になったりする可能性があります。自己判断で行う前に、資料を弁護士に示して確認することをおすすめします。
法人破産で会社名義の山林が売れない場合はどうなりますか。
換価が困難と判断されれば、破産財団からの放棄が検討されることがあります。もっとも、法人格の消滅との関係で、放棄後の土地の帰属・登記・担保権者対応などが個人破産より複雑になる可能性があります。早い段階で資料を確認し、進め方を検討する必要があります。
まとめ
売れない農地・山林をめぐる破産について、要点を整理します。
- 売れない農地・山林があっても、破産を検討できる場合があります。ただし管財事件として進む可能性や、予納金など費用の見通しを確認する必要があります。
- 破産管財人は土地を調査・換価し、換価困難と判断した場合に、裁判所の許可を得て破産財団からの放棄を検討することがあります。
- 破産財団からの放棄は「土地を手放すこと」とは異なり、個人破産では固定資産税や管理責任が残る可能性があります。
- 相続・遺贈で取得した土地は相続土地国庫帰属制度を検討できる場合がありますが、担保権・境界・建物などの要件と費用の確認が必要で、破産財団からの放棄とは別制度です。
- 申立て前の名義変更・贈与・安値売却は問題になる可能性があるため、行う前に資料を弁護士に示して確認することが大切です。
次の一歩として、固定資産税の課税明細や登記事項証明書など、手元にある資料を整理することから始めてください。そのうえで、名義変更や申立てを行う前に、進め方を確認しておくことをおすすめします。
淡路島(南あわじ市・洲本市・淡路市)をはじめ兵庫県・徳島県・香川県周辺で、農地・山林を含む借金・破産のご相談に対応しています。資料を確認したうえで、見通しと進め方を一緒に整理しましょう。
監修者・執筆者
弁護士法人ひょうご あわじみらい法律会計事務所
担当弁護士:【要確認】(氏名)/所属弁護士会:【要確認】/資格:弁護士【要確認:公認会計士等の併記可否】
取扱分野:借金問題・債務整理、法人破産・事業者破産 ほか
弁護士の経歴・取扱分野は、弁護士紹介ページをご覧ください。
参考資料
- e-Gov法令検索|破産法
- e-Gov法令検索|農地法
- e-Gov法令検索|森林法
- e-Gov法令検索|相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律
- 裁判所|破産手続の案内
- 法務省|相続土地国庫帰属制度の概要
- 法務省|相続土地国庫帰属制度に関するQ&A
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