神戸市の固定資産税評価に不服があるとき|審査申出と取消訴訟 |神戸市(須磨・垂水・西神・北神)の弁護士|初回相談無料|

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神戸市の固定資産税評価に不服があるとき|審査申出と取消訴訟

神戸市から届いた固定資産税の納税通知書を見て、土地や家屋の評価額が高すぎるのではないかと感じたときは、まず、不服の対象が固定資産課税台帳に登録された価格(評価額)なのか、住宅用地特例や税率の適用など価格以外の課税内容なのかを分けて考えます。登録価格への不服は神戸市固定資産評価審査委員会への審査の申出、価格以外の課税内容への不服は神戸市長への審査請求であり、手続も提出先も異なります。固定資産税は神戸市が課す地方税であり、国税不服審判所への申立てによって争うものではありません。

また、2026年度(令和8年度)は土地・家屋の評価額を原則として据え置く年度にあたり、審査の申出ができる理由が限られます。申出期間は納税通知書を受け取った日を基準に数えるため、春に通知を受け取った場合は、通常の申出期間が既に経過している可能性があります。この記事では、神戸市内の土地・家屋について固定資産税を納める法人、不動産オーナー、経理・不動産管理のご担当者に向けて、申出の範囲、期限と提出先、評価資料の確認方法、審査決定取消訴訟と費用対効果の考え方を整理します(償却資産の評価は扱いません)。申出の可否や見通しは、物件と通知の内容により異なります。

まず、登録価格への不服か課税内容への不服かを分ける

評価額と課税標準額・税額は同じではない

納税通知書や課税明細書には、物件ごとの価格(評価額)のほか、税額計算の基礎となる課税標準額や税額が記載されています。人が住むための家屋の敷地(住宅用地)には課税標準額を評価額より低くする特例があり、土地には税負担を段階的に調整する負担調整措置もあります(神戸市の宅地に対する課税と特例)。そのため、評価額が下がっても税額が同じ割合で下がるとは限らず、土地では評価額が下がった年度に税額が上がることもあります。

評価額の差に税率を掛けるだけでは、実際の税額の差は分かりません。まず価格、課税標準額、税額にあたる欄を分けて確認し、何が「高い」のかを特定します。

審査の申出と審査請求の提出先は異なる

登録価格に不服がある場合は、神戸市固定資産評価審査委員会に審査の申出をします(地方税法第432条第1項)。住宅用地特例の適用、税率の適用、納税義務者の認定など、価格以外の課税内容に不服がある場合は、神戸市長に審査請求をします(地方税法第19条)。審査請求の期間は、原則として納税通知書を受け取った日の翌日から起算して3か月以内です。このほか、処分があった日の翌日から起算して1年を経過した場合の制限と、正当な理由がある場合の例外が定められています(行政不服審査法第18条)。

価格への不服は、審査請求の理由にできません(地方税法第432条第3項)。また、価格以外の課税内容について取消訴訟を起こす場合は、原則として審査請求に対する裁決を経る必要があり(地方税法第19条の12、行政事件訴訟法第8条第1項ただし書)、価格を争う審査決定取消訴訟とは別の経路です。価格と課税内容の両方に疑問があるときは、それぞれの手続の要否と期限を別々に検討します。審査請求の手続は、神戸市の納税者の権利救済制度で確認できます。

不服の内容と手続・提出先
不服の内容 手続・提出先 注意点
登録価格(評価額) 神戸市固定資産評価審査委員会への審査の申出 土地・家屋の価格が対象です。2026年度は申出理由が限られます。期間は原則として納税通知書の交付を受けた日後3か月を経過する日までです。
特例や税率の適用など 神戸市長への審査請求 住宅用地特例・税率の適用、納税義務者の認定など、価格以外の課税内容が対象です。原則として納税通知書を受け取った日の翌日から起算して3か月以内で、価格への不服は理由にできません。
地目・地積・用途など 価格の算定に影響する点は審査の申出、特例などの適用に影響する点は審査請求 家屋の床面積なども含め、どちらに影響するかで整理します。両方に及ぶときは、双方の手続と期限を検討します。

2026年度は据置年度で申出理由が限定される

土地と家屋の評価額は3年ごとの基準年度に見直され(評価替え)、それ以外の年度は原則として基準年度の価格が据え置かれます(地方税法第341条第6号~第8号、第349条)。現在の基準年度は2024年度(令和6年度)、次の基準年度は2027年度(令和9年度)で、2026年度は第三年度(基準年度から数えて3年目)にあたります。据え置かれた価格について審査の申出ができる場合は、法律上、限られています(地方税法第432条第1項ただし書)。

新規課税・特別の事情・土地の地価下落修正

神戸市の案内によれば、2026年度に審査の申出ができるのは、次のいずれかに当たる場合です。

  • 2026年度に新たに固定資産税が課される土地・家屋の価格に不服がある場合
  • 地目の変換、家屋の改築・損壊その他これらに類する特別の事情により価格が変更されたことに不服がある場合、又はその事情により評価替えをすべきであると申し立てる場合。神戸市の2026年度の案内では、2025年1月2日から2026年1月1日までに生じた事情が対象とされています。
  • 土地について、地価の下落に伴う価格の修正(地価下落修正)に不服がある場合、又は修正をすべきであると申し立てる場合

前年度から課税されていた土地や家屋を購入した場合、所有者が替わったことだけでは「新たに固定資産税が課される」場合に当たらず、据え置かれた価格についての制限は変わりません。同様に、基準年度の評価額が以前から高かったという不満だけでは、これらの類型に当たらない限り、2026年度の審査の申出で争うことはできません。

2027年度の評価替えに向けて準備する

従来の評価額そのものに不満がある場合は、まず2026年度の例外に当たる事情がないかと、その期限を確認します。当たらない場合は、評価替えが行われる2027年度に新たに決定される価格について、改めて審査の申出を検討することになります。

準備としては、現在の評価の根拠資料の写しを請求して評価の前提を把握しておくこと、2027年度の賦課期日(課税の基準日)である2027年1月1日(地方税法第359条)の時点の土地・家屋の状況を撮影日の分かる写真などで記録しておくこと、図面や工事関係の資料を整理しておくことが考えられます。2027年度の申出期間や様式は、同年度の神戸市の案内で確認が必要です。

神戸市の申出期間・提出先・照会制度

通知を受け取った日を確認する

審査の申出ができる期間は、固定資産課税台帳に価格を登録した旨の公示の日(2026年度は2026年4月1日)から、納税通知書の交付を受けた日後3か月を経過する日までです(地方税法第432条第1項)。基準になるのは通知書を受け取った日であり、通知書の発送日、納期限、評価額に疑問を持った日ではありません。

公示の後に市が価格を決定し、又は修正して通知した場合(地方税法第417条第1項)は、その通知を受けた日から3か月を経過する日までという別の期間になります。ただし、この通知によって物件全体や過去の年度を改めて争えるようになるわけではないため、どの価格が決定・修正されたのかを通知書で確認します。

期間を経過したことに正当な理由があるときは、例外的に申出が認められる余地があります(地方税法第432条第2項、行政不服審査法第18条第1項ただし書)。もっとも、通知書を見落としていた、相談や資料の取り寄せをしていたというだけで当然に認められるものではありません。2026年10月の時点では、春に受け取った通知についての通常の申出期間は経過している可能性が高いため、受領日、修正の通知の有無、正当な理由にあたる事情の有無を個別に確認します。

申出書は郵送でも提出できます。郵送の場合、送付に要した日数は申出期間に算入されません(地方税法第432条第2項、行政不服審査法第18条第3項)。ただし、消印の日付さえ期限内であれば足りると単純に考えず、申出書の控えと、発送日を確認できる記録を保存してください。期限が迫っているときは、送付方法を事前に委員会事務局へ確認しておくと安全です。

期限について 市への電話での問合せ、評価資料の写しの請求、法律事務所への相談の予約によって、申出期間が延長されたり停止したりすることはありません。鑑定評価、市からの説明や回答、資料の完備を待っている間に期間を過ぎると、申出は却下されるおそれがあります。期限が迫っている場合は、その時点で把握している不服の内容と理由を記載して期間内に提出することを優先し、その後の主張や資料の追加の方法は委員会事務局に確認してください。

申出書・法人の資格証明・委任状を準備する

審査の申出ができるのは、その年度の固定資産税の納税者です。代理人による申出もできます。現在の所有者とその年度の納税通知書の名あて人が一致しないこともあるため、申出人となる名義を通知書で確認してください。

神戸市の案内では、申出書は正副2通(控えが必要な場合は3通)を提出し、原則として土地は1筆ごと、家屋は1棟ごとに作成します。法人が申し出る場合は代表者事項証明書などを、代理人による場合は委任状を添付します。申出書への署名・押印は不要とされていますが、委任状には納税者の押印が求められています。様式は神戸市の審査申出案内と申出書式から入手できます。

提出先は、固定資産税調整課、土地課、家屋課又は神戸市固定資産評価審査委員会で、所在地は〒653-8762 神戸市長田区二葉町5丁目1-32 新長田合同庁舎です。委員会事務局は3階(電話078-647-9334)、評価の説明を担当する固定資産税の窓口は4階(電話0570-078-401、音声案内5「固定資産税」)にあります。窓口は神戸市の市税相談窓口でも確認できます。実際に提出する前に、提出先と提出方法を委員会事務局に確認しておくことをおすすめします。

説明・資料請求と申出後の書面照会を使い分ける

申出の前でも、納税義務者又はその委任を受けた方は、自己が所有する物件について、税額の算定根拠となる資料の写しを請求できます。神戸市では、原則として窓口で評価の内容を説明したうえで資料の写しを交付する扱いで、即日交付できない場合もあります。請求には請求書と本人確認書類(代理の場合は委任状も)が必要で、窓口は新長田合同庁舎の4階です。郵送で請求する場合は、本人確認書類の写し、返信用封筒・切手などを用意し、事前に担当へ資料の有無を確認します。請求書には家屋調査表や再建築費評点表などの請求欄がありますが、すべての資料が残っているとは限りません。手続は固定資産税の算定根拠資料の写しを請求するのページで確認できます。

審査の申出をした後は、主張の根拠を明らかにするために必要な事項について、相当の回答期間を定めて、市長に書面での回答を求める照会ができます(地方税法第433条第5項)。神戸市では、固定資産税の関係課に直接照会する扱いです。照会は自己の物件の具体的な算定に関する事項について行うもので、具体性や個別性のないもの、重複するもの、意見を求めるもの、回答に不相当な費用や時間を要するもの、申出人以外が所有する物件に関するものは対象外とされています。たとえば「対象の土地に適用された奥行・形状などの補正の内容と数値」「対象家屋の資材・施工量を認定した根拠」のように、対象と事項を特定して尋ねる形が考えられます。

土地の条件・家屋評価資料をどう点検するか

評価の誤りを主張するには、市が評価の前提とした事実と、実際の状況や資料との違いを具体的に示す必要があります。資料は、対象年度の賦課期日(1月1日)当時の状況を示すものか、後日の状況を示すものかを区別して整理します。

土地は現況・地積・路線価と補正を突き合わせる

土地の評価は、賦課期日の現況による地目、原則として登記簿上の地積を基に、宅地であれば路線価と、間口・奥行・形状などに応じた補正を用いて行われます(神戸市の土地の評価)。点検では、市の土地調査表と、地積測量図、分合筆図、位置図、土地区画整理事業の区域では仮換地指定図などを照らし合わせ、地目・地積の認定や補正の適用が対象の土地の条件と合っているかを確認します。

接道の状況、高低差、法令による利用の制限などは、評価にどう反映されているかを確認すべき事項ですが、これらがあれば一定の割合で当然に評価額が下がるというものではありません。また、評価の点検を、相続税の路線価、現在の売出価格、条件の異なる近隣の土地との単純な比較に置き換えることはできません。

固定資産の価格は、固定資産評価基準によって決定されます(地方税法第403条第1項)。最高裁判所は、基準年度の土地について、登録価格が評価基準によって決定される価格を上回るときは、適正な時価を超えるかどうかにかかわらず違法になると判断しました。他方で、評価基準の定める評価方法が一般的な合理性を有し、登録価格がその方法による価格を上回らない場合は、その方法では適正な時価を適切に算定できない特別の事情がない限り、適正な時価を超えないものと推認されるとしています(最高裁判所第二小法廷平成25年7月12日判決(平成24年(行ヒ)第79号))。

そのため、評価額より低い不動産鑑定評価書を提出すれば足りるわけではなく、まず評価基準と市の評価方法に照らして、地目・地積の認定や補正の適用に誤りがないかを確認することが出発点になります。なお、この判決は、建築の制限がある土地について評価基準と時価との関係が争われ、原判決を破棄して差し戻した事案です。具体的な減額の割合を最高裁判所が確定したものではなく、2026年度の申出の範囲を広げる判例でもありません。

家屋は図面・資材・施工量と評点を突き合わせる

家屋の評価は、固定資産評価基準に基づく再建築価格方式で行われます。使われている資材の種類や量、施工量などから再建築費評点数を求め、経年減点補正率や評点1点当たりの価額などを反映して評価額を算出する方法です(神戸市の家屋の評価)。実際の請負代金や購入価格に一定の割合を掛けて決めるものではないため、購入価格より評価額が高い、又は近いというだけで誤りとはいえません。

点検では、家屋調査表と再建築費評点表に記載された構造、用途、床面積、資材の種類と量、建築設備、経年減点補正の適用を、建物の所在図、平面図・立面図、仕様書・見積書、建築当時の写真と照らし合わせ、実際にはない設備や資材の計上、数量の誤りがないかを確認します。区分所有の建物では、評価に共用部分の持分に応じた按分が含まれるため、登記簿上の面積との差だけで誤りとはいえません。

点検に使う資料と主張との結び付き
資料 確認する事実 主張との結び付き
納税通知書・課税明細書 対象年度と物件、納税者の名義、価格・課税標準額・税額、受け取った日 価格と課税内容のどちらを争うかと、申出期間の起算点を特定する
土地調査表と図面 地目・地積の認定、路線価、間口・奥行・形状などの補正(図面は地積測量図、分合筆図、位置図、仮換地指定図など) 認定や補正の適用の誤りを具体的に指摘する
賦課期日当時の写真 1月1日時点の地目、接道、高低差、建物や利用の状況(当時の利用状況の記録を含む) 評価の前提となった現況との違いを示す。後日の写真は撮影日を示して区別する
家屋調査表・評点表 構造、用途、床面積、資材の種類と量、施工量、建築設備、経年減点補正(評点表は再建築費評点表) 評点数の計上や数量の誤りを特定する
建物の図面・仕様書 平面図・立面図、仕様書・見積書、建築当時の写真に示された実際の資材・設備と施工量 調査表・評点表の認定と照らし合わせる根拠にする
鑑定評価書・調査資料 必要な場合に、不動産鑑定や建築関係の調査で、評価方法では適切に算定できない事情の有無や資材量などを検証 認定の誤りや特別の事情の主張を補強する。鑑定評価書だけで足りるとは限らない

市の側からは、次のような反論が考えられます。それぞれに対応する資料を確認しておきます。

  • 現況の時点の違い:示した写真や状況が賦課期日と異なる時点のものであるという反論です。撮影日の分かる写真や当時の利用状況の記録で、賦課期日の状況を示します。
  • 比較する物件との条件の違い:比べている近隣の土地や建物とは、接道、形状、用途、構造などの条件が異なるという反論です。比較の前提となる条件を項目ごとに整理します。
  • 補正による考慮済み:主張する事情は既に補正で評価に反映されているという反論です。土地調査表や書面照会への回答で、適用された補正の内容と数値を確認します。
  • 建築価格と評価方法の違い:実際の工事費や購入価格は再建築価格方式による評価とは別のものであるという反論です。評点表の項目ごとに、資材や施工量の違いを示します。

審査決定取消訴訟と費用対効果

認容・棄却・却下と審理期間

委員会の審理は書面によることが基本で、申出人が求めた場合は口頭で意見を述べる機会が与えられます。これとは別に、委員会が必要と認める場合は、公開による口頭審理が行われることもあります(地方税法第433条)。審査の決定は、主張の全部又は一部が認められる認容、主張が認められない棄却、申出期間の経過や申出の対象外であることなどにより不適法として退けられる却下に分かれます。決定により価格が修正された場合は、その価格に基づいて税額(賦課額)が更正されます(地方税法第435条)。

地方税法は、申出を受けた日から30日以内に審査の決定をしなければならないと定めていますが(同法第433条第1項)、実際の審理が30日で終わるとは限りません。30日以内に決定がない場合、申出人は、申出が却下されたものとみなして審査決定取消訴訟を起こすことができます(同条第12項)。これは申出人が選択できる扱いであり、30日を過ぎると申出が自動的に却下されるわけではありません。

訴訟の対象・被告・出訴期間

登録価格についての不服は、審査の申出と、その決定に対する取消訴訟によってのみ争うことができます(地方税法第434条)。訴訟で取消しを求める対象は委員会の審査決定であり、課税処分の取消訴訟によって価格への不服を争うことはできません。被告は、委員会や市長ではなく神戸市です(行政事件訴訟法第11条)。神戸市内の物件であれば、通常は神戸地方裁判所への提起を検討することになります(同法第12条)。

決定があったことを知った日から6か月を経過したとき、又は決定の日から1年を経過したときは、原則として訴えを起こすことができません(行政事件訴訟法第14条)。神戸市の案内では、決定書の送付を受けた日から6か月以内と説明されています。いずれも正当な理由がある場合の例外がありますが、例外を前提に準備を遅らせるべきではありません。決定の日、決定書を受け取った日、決定書に記載された教示の内容を記録しておきます。

審査の段階で主張しなかった誤りについても、訴訟で主張することが認められています。最高裁判所は、家屋の審査決定取消訴訟について、審査の申出の段階では述べていなかった資材の使用量の誤りなどの違法事由を訴訟で主張することを認め、原判決を破棄して差し戻しました(最高裁判所第三小法廷令和元年7月16日判決(平成30年(行ヒ)第139号))。訴訟では、決定の手続に固有の問題に限らず、価格の認定の適否を争うことができます。もっとも、この判例は、申出をしていない別の物件や別の年度を争えるようにするものではなく、申出期間の経過や据置年度の申出範囲の制限を解消するものでもありません。訴訟で追加できるからといって、審査の段階の資料収集を後回しにしてよいわけではありません。

評価額差ではなく税額差と必要費用を比較する

争う経済的な意味は、評価額の差ではなく、対象年度ごとに想定される税額の差で考えます。住宅用地特例や負担調整措置が介在するため、評価額の差に税率を掛けた金額がそのまま税額の差になるとは限りません。また、効果が及ぶ年度は、どの年度の価格をどの手続で争うかなどによって異なるため、据置年度の残りを機械的に3年分と数えることはできません。

必要となる費用には、資料の取得費用、必要に応じた不動産鑑定や建築関係の調査の費用、弁護士費用、訴訟を起こす場合の手数料などがあります。まず納税通知書と評価資料を点検して争点を絞り、そのうえで鑑定や訴訟が必要かを段階的に検討するのが合理的です。勝訴した場合でも、要した費用が相手方から補てんされることを前提にせずに比較します。

審査の申出をしても、固定資産税や延滞金の徴収は自動的には止まりません。取消訴訟を起こしても、それだけで処分の効力などが停止するわけではありません(行政事件訴訟法第25条第1項)。執行停止などの別の手続には要件があり、この記事では扱いません。自己判断で納付を止めることは避け、資金繰りが難しい場合は、別途、市税の窓口に納付について相談してください。また、取消判決は関係する行政庁を拘束しますが(同法第33条)、判決だけで希望する金額の還付や将来の年度の減税がすべて自動的に確定するわけではありません。

よくある質問

市に照会している間は、申出期限が延びますか?

延びません。市に評価の説明を求めたり、資料の写しを請求したりしている間も、申出期間は進みます。地方税法上の書面照会は審査の申出をした後に利用する手続であり、申出期間を延ばすものではありません。期限が近い場合は、期間内の申出を優先してください。

審査の申出をすれば、納税を待ってもらえますか?

申出をしても、固定資産税の徴収は自動的には止まりません。審査決定取消訴訟を起こした場合も同様です。納付が難しい場合は、申出とは別に、市税の窓口で納付について相談してください。

審査の申出で主張しなかった誤りを、訴訟で主張できますか?

最高裁判所第三小法廷令和元年7月16日判決は、審査の段階で述べていなかった資材の使用量の誤りなどを訴訟で主張することを認めています。ただし、申出期間の経過、申出をしていない物件や年度、据置年度の申出範囲の制限は、この判例によって解消されるものではありません。

相談前に確認しておきたい資料

相談の前に、次の事項を確認できる資料を手元に用意しておくと、手続の選択や期限の確認を進めやすくなります。資料が揃っていなくても、期限が迫っている場合は、相談の予約を先に進めてください。

  • 納税通知書を受け取った日と、その日を確認できる記録
  • 価格の決定・修正の通知の有無と、その通知を受け取った日
  • 対象年度と対象物件(土地は筆ごと、家屋は棟ごと)
  • その年度の納税通知書の名あて人と、現在の所有者
  • 争いたい点が価格か、住宅用地特例などの課税内容か
  • 既にした審査の申出・審査請求の有無と、決定書・裁決書を受け取った日
  • 取得済みの評価資料の写し、図面、撮影日の分かる写真

固定資産税の評価に関するご相談

神戸市の固定資産税の評価、審査の申出、審査決定取消訴訟について、資料を確認したうえで手続の選択と今後の進め方を整理するためのご相談の予約を、お問い合わせフォームで受け付けています。予約の際は、納税通知書を受け取った日、対象年度と物件、争いたい点の概要、既にした申出や決定の有無をお知らせください。相談の際は、納税通知書・課税明細書、取得済みの評価資料、図面や写真、決定書があればお持ちください。

フォームの送信は相談予約のお申込みであり、弁護士による相談そのものではありません。送信や予約の受付によって受任(ご依頼)が成立するものでもありません。相談の予約によって申出期間や出訴期間が延びることはなく、日程や利益相反の確認の状況によっては、期限までに対応できない場合があります。ご相談の前に、相談方法・費用をご確認ください。

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この記事は、弁護士法人ひょうご支所 神戸みらい法律会計事務所が掲載しています。所属弁護士の資格、所属弁護士会、経歴は、弁護士紹介のページでご確認いただけます。

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参考資料

この記事は、神戸市の固定資産税の評価に関する制度について一般的な情報を提供するもので、個別の事案についての法的助言ではありません。審査の申出の可否や見通しは、物件、通知の内容、期限の状況などの個別事情により異なります。

情報基準日:2026年10月17日

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