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<article class=”lm-column-article”>
<p>離婚に伴う財産分与では、「何を、どのように分けるか」を決める前提として、夫婦それぞれの財産の全体像を把握する必要があります。ところが実際には、相手方が預貯金の一部しか説明しない、不動産や農地の資料を出さない、会社の資産や個人事業の状況を明らかにしないといった理由で、話し合いが前に進まないことは少なくありません。</p>
<p>こうした場面で注目されているのが、2026年(令和8年)4月1日に施行された改正法で整備された「情報開示命令」です。これは、家庭裁判所が当事者に対して財産などの状況の開示を命じることができる制度で、条文上の用語は「情報開示命令」です(本記事では分かりやすさのため「財産情報開示命令」と表記する場合があります)。</p>
<p>もっとも、この制度は、申立てさえすれば相手方の隠し財産がすべて自動的に判明する、という万能の仕組みではありません。対象となる手続、開示を命じられる情報の範囲、従わなかった場合の効果には枠組みがあり、預貯金・不動産・農地・同族会社株式・事業用資産などを把握するには、周辺資料の収集や他の手続との組み合わせが欠かせません。</p>
<p>本記事では、2026年施行の改正内容を踏まえ、情報開示命令でできること・できないこと、財産分与の対象になりうる財産の確認方法、農地や家業・同族会社が関係する場合の注意点、弁護士に相談するタイミングを整理します。離婚協議書や調停条項に署名する前に、一度ご確認いただくことをおすすめします。</p>
<section class=”lm-cta”>
<p>財産分与の対象となりうる財産の確認や、情報開示命令を含む手続の選び方については、資料を拝見したうえで方針を整理できる場合があります。まずはお問い合わせ内容の整理からご相談ください。</p>
<p><a href=”【要確認:相談予約フォームURL】”>相談予約フォームへ進む</a></p>
</section><h2>■結論・全体像──情報開示命令は有効な選択肢だが万能ではない</h2>
<p>先に要点を整理します。個別事情により結論は異なりますので、実際の見通しは資料を確認したうえで検討する必要があります。</p>
<ul>
<li><strong>情報開示命令は、財産分与を扱う審判・調停・離婚訴訟の中で使える制度です。</strong>裁判所が当事者に対し、財産の状況に関する情報の開示を命じることができます。</li>
<li><strong>相手方の隠し財産が自動的にすべて判明する制度ではありません。</strong>命令の相手は原則として当事者(配偶者)であり、銀行や法人から情報が自動的に集まる仕組みではありません。</li>
<li><strong>裁判所外の私的な協議の段階では、この命令は使えません。</strong>財産分与に関する調停・審判・離婚訴訟が係属していることが前提となるためです。</li>
<li><strong>資料収集・手続選択・主張整理が引き続き重要です。</strong>通帳、固定資産税の納税通知書、登記事項証明書、名寄帳、法人登記、決算書、確定申告書などを組み合わせて検討します。</li>
<li><strong>農地・事業用資産・同族会社株式は、対象性も評価も個別事情で結論が変わります。</strong>「農地だから分けられない」「会社の財産だから関係ない」と即断せず、資料を確認する必要があります。</li>
</ul><h2>■2026年4月施行の改正で財産分与はどう変わったか</h2>
<p>財産分与に関係する法改正(令和6年法律第33号)が、2026年(令和8年)4月1日に施行されました。読者に関係する主な変更点を整理します。なお、施行後の裁判所の運用や個別事案への当てはめは今後の積み重ねによる部分があるため、具体的な見通しは個別に確認する必要があります。</p>
<h3>◆財産分与を請求できる期間</h3>
<p>これまで、家庭裁判所への財産分与の請求は離婚の時から2年以内とされていましたが、改正により、この期間が離婚の時から5年以内に伸長されました(改正民法第768条)。期間が延びたことで、離婚後に財産分与を検討する余地が広がった面があります。ただし、時間の経過により資料が散逸したり、財産関係の把握が難しくなったりすることもあるため、早めの資料確認が有用です。</p>
<h3>◆考慮要素と「2分の1」の考え方</h3>
<p>改正では、財産分与の際に考慮する要素(婚姻中に取得・維持した財産の額、その取得・維持についての各当事者の寄与の程度、婚姻期間、生活水準、協力・扶助の状況など)が条文上明確化されました。あわせて、婚姻中の財産の取得・維持についての寄与の程度は、その程度が異なることが明らかでないときは相等しいものとする、という考え方(いわゆる2分の1の考え方)が示されています(改正民法第768条第3項)。もっとも、寄与の程度が異なることを裏づける事情がある場合には、その主張・立証の余地があります。結論は個別事情により異なります。</p>
<h3>◆情報開示命令の新設</h3>
<p>改正により、家庭裁判所の手続の中で、当事者に対して財産などの状況に関する情報の開示を命じることができる規定が整備されました(家事事件手続法第152条の2、人事訴訟法第34条の3など)。財産分与の場面では、財産分与に関する処分の審判事件などにおいて、必要があると認めるときに、当事者に対して財産の状況に関する情報の開示を命じることができるものとされています。詳しい内容は次の章で整理します。</p>
<h3>◆経過措置(施行日をまたぐ場合)</h3>
<p>請求期間の伸長については経過措置が設けられており、施行日より前に離婚した場合には従前の期間(離婚の時から2年)が適用され、施行日以後に離婚した場合に伸長後の期間が適用されるものとされています。施行日をまたぐ事件や、既に係属している事件について改正後の手続規定がどのように適用されるかは、個別に確認が必要です(この点は公開前に弁護士がご確認ください)。</p>
<h2>■情報開示命令とは──できること・できないこと</h2>
<p>「情報開示命令」は、家庭裁判所が当事者に対して財産などの状況に関する情報の開示を命じることができる制度です。読者の関心が高い点を、項目ごとに整理します。</p>
<h3>◆誰に対する命令か</h3>
<p>命令の相手は、原則として手続の当事者、つまり相手方の配偶者です。銀行・証券会社・法務局・農業委員会・勤務先といった第三者に対して、この命令だけで直接情報を出させる仕組みではありません。第三者から情報を得たい場合は、後述する調査嘱託や弁護士会照会など、別の方法を検討することになります。</p>
<h3>◆どの手続で使えるか</h3>
<p>財産分与に関しては、財産分与を扱う手続の中で使うことが想定されています。具体的には、次のような場面が挙げられます。</p>
<ul>
<li><strong>財産分与調停・離婚調停</strong>:家事事件手続法の規定が調停事件に準用されており(家事事件手続法第258条第3項)、調停の中で開示を命じられる場合があります。</li>
<li><strong>財産分与審判</strong>:財産分与に関する処分の審判事件において、必要があると認めるときに開示を命じられる場合があります(家事事件手続法第152条の2)。</li>
<li><strong>離婚訴訟(財産分与の附帯処分)</strong>:離婚訴訟で財産分与の申立てがされている場合について、人事訴訟法に規定が置かれています(人事訴訟法第34条の3)。</li>
</ul><p>逆に言えば、<strong>裁判所外での私的な協議の段階では、この命令は使えません</strong>。協議がまとまらず相手方が財産を明らかにしない場合には、財産分与を扱う調停や審判、離婚訴訟を検討することが前提となります。どの手続を選ぶべきかは、離婚そのものの合意状況や争点によって変わるため、個別に検討が必要です。</p>
<h3>◆対象となる情報</h3>
<p>財産分与の場面では、当事者の「財産の状況」に関する情報が対象として想定されています。なお、婚姻費用や養育費など、収入が問題になる手続では、「収入及び資産の状況」に関する情報を開示させる規定も別に整備されています。財産分与と、婚姻費用・養育費とでは、開示が想定される情報の性質が異なる点に注意が必要です。</p>
<h3>◆申立てによるか、職権によるか</h3>
<p>この命令は、当事者の申立てによる場合と、裁判所の職権による場合の双方が想定されています。もっとも、いずれの場合も「必要があると認めるとき」という枠があり、どのような場合に必要性が認められるかは、事案の内容や争点によって判断されます。したがって、開示を求めたい財産がある場合には、なぜその開示が必要なのかを、資料や事情とともに整理して主張することが実務上重要になります。</p>
<h3>◆従わない場合・虚偽の開示をした場合</h3>
<p>開示を命じられた当事者が、正当な理由なく情報を開示せず、又は虚偽の情報を開示したときは、過料(10万円以下)に処せられる旨が定められています(家事事件手続法第152条の2第3項、人事訴訟法第34条の3第3項)。これにより、相手方が資料の提出に応じないまま手続が遅れる事態を防ぐ効果が期待されています。ただし、過料は制裁であって、これによって隠された財産が当然に判明するわけではありません。過料の適用や運用は個別事情によります(この点は公開前に弁護士がご確認ください)。</p>
<h3>◆財産開示手続・第三者情報取得手続などとの違い</h3>
<p>「財産を調べる制度」は情報開示命令のほかにもあり、それぞれ使える場面や前提が異なります。混同しやすいため、整理します。</p>
<div class=”lm-table-scroll”>
<table>
<thead>
<tr>
<th>手続</th>
<th>根拠・場面</th>
<th>相手</th>
<th>主な前提</th>
</tr>
</thead>
<tbody>
<tr>
<th>情報開示命令</th>
<td>家事事件手続法・人事訴訟法/財産分与などの審判・調停・訴訟の<strong>中で</strong></td>
<td>当事者(配偶者)</td>
<td>財産分与などの手続が係属していること。債務名義は不要。</td>
</tr>
<tr>
<th>財産開示手続</th>
<td>民事執行法/判決等が確定した<strong>後</strong>の回収段階</td>
<td>債務者(相手方)</td>
<td>執行力のある債務名義など。回収のための制度。</td>
</tr>
<tr>
<th>第三者からの情報取得手続</th>
<td>民事執行法/回収段階</td>
<td>金融機関・登記所・市町村など第三者</td>
<td>債務名義などが必要。回収のための制度。</td>
</tr>
<tr>
<th>調査嘱託</th>
<td>裁判所が団体等に事実の調査を求める</td>
<td>官公庁・金融機関など</td>
<td>手続の中で裁判所が必要と認めること。</td>
</tr>
<tr>
<th>文書送付嘱託</th>
<td>裁判所が文書の所持者に送付を求める</td>
<td>文書の所持者</td>
<td>手続の中で必要と認められること。</td>
</tr>
<tr>
<th>弁護士会照会</th>
<td>弁護士が受任事件について照会</td>
<td>官公庁・企業など</td>
<td>受任していること。回答は相手方の判断による面がある。</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div><p>大きな違いは、<strong>情報開示命令や調査嘱託は「財産分与を決めるための手続の中で」使う</strong>のに対し、<strong>財産開示手続・第三者情報取得手続は「判決や調停調書などの債務名義を得た後、回収するために」使う</strong>点にあります。段階も目的も異なるため、どの場面でどれを使うかの整理が重要です。実際にどの方法が適するかは個別事情により異なります。</p>
<h2>■相手が財産を出さないときに確認したい資料</h2>
<p>情報開示命令や調査嘱託などを検討する場合でも、まずは手元で確認できる資料、開示を求めたい財産の手がかりを整理しておくことが有用です。財産の種類ごとに、確認したい主な資料の例を挙げます。金額の評価や対象性の判断は個別事情によるため、資料はあくまで検討の出発点としてご覧ください。</p>
<div class=”lm-table-scroll”>
<table>
<thead>
<tr>
<th>財産の種類</th>
<th>主な確認資料の例</th>
<th>確認のポイント</th>
</tr>
</thead>
<tbody>
<tr>
<th>預貯金</th>
<td>通帳、取引履歴、キャッシュカード、金融機関からの郵便物</td>
<td>取引のある金融機関・支店の把握。婚姻期間中の入出金の流れ。</td>
</tr>
<tr>
<th>証券・投資</th>
<td>証券会社の取引報告書、残高報告書、ネット口座の通知</td>
<td>証券会社名の把握。株式・投資信託などの有無。</td>
</tr>
<tr>
<th>生命保険</th>
<td>保険証券、保険料の引落記録、契約者貸付の通知</td>
<td>解約返戻金のある保険かどうか。契約者・受取人。</td>
</tr>
<tr>
<th>不動産</th>
<td>登記事項証明書、固定資産税の納税通知書、売買・住宅ローンの書類</td>
<td>名義、共有か単独か、抵当権の有無。</td>
</tr>
<tr>
<th>農地</th>
<td>登記事項証明書、固定資産税の納税通知書、名寄帳、農業委員会関係の資料</td>
<td>名義、地目、利用状況。評価・分割は個別に検討。</td>
</tr>
<tr>
<th>自動車</th>
<td>車検証、自動車保険証券、ローンの書類</td>
<td>名義、残ローンの有無。</td>
</tr>
<tr>
<th>退職金・企業年金</th>
<td>就業規則・退職金規程、給与明細、勤務先からの通知</td>
<td>制度の有無。見込額の扱いは個別に検討。</td>
</tr>
<tr>
<th>同族会社の株式・持分</th>
<td>法人の登記事項証明書、株主名簿、決算書、確定申告書(法人)</td>
<td>誰が株主・出資者か。評価は個別に検討。</td>
</tr>
<tr>
<th>役員貸付金・役員借入金</th>
<td>決算書、勘定科目内訳明細書、金銭消費貸借契約書</td>
<td>会社への貸付(個人の債権)・会社からの借入(個人の債務)の有無。</td>
</tr>
<tr>
<th>個人事業の事業用資産</th>
<td>確定申告書(個人)、青色申告決算書、固定資産台帳</td>
<td>事業用不動産・機械・在庫・売掛金などの有無。</td>
</tr>
<tr>
<th>親族名義とされる財産</th>
<td>登記事項証明書、口座の入出金記録、資金の出所に関する資料</td>
<td>名義と実質的な負担者の関係。結論は個別に検討。</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div><p>これらの資料は、開示を求める必要性を裁判所に説明する際の手がかりにもなります。手元にある資料と、不足している資料を切り分けておくと、その後の手続選択がスムーズになります。</p>
<section class=”lm-cta”>
<p>どの資料が財産分与の検討に役立つか、どの手続で開示を求めるのが適切かは、事案によって変わります。お手元の資料を拝見したうえで、確認すべき点と今後の方針を整理いたします。</p>
<p><a href=”【要確認:離婚・男女問題の取扱業務ページURL】”>離婚・男女問題の取扱業務を見る</a></p>
</section><h2>■農地がある場合の注意点</h2>
<p>淡路島をはじめ、農地をお持ちのご家庭では、財産分与において農地の扱いが問題になることがあります。農地は、宅地とは異なる法律上の制約があり、単純に持分で分けるのが難しい場合があります。</p>
<ul>
<li><strong>名義と利用状況の確認</strong>:登記上の名義、実際の耕作者、貸借の有無などを、登記事項証明書・名寄帳・固定資産税の納税通知書・農業委員会関係の資料などで確認します。</li>
<li><strong>農地法上の制約</strong>:農地の権利移動や転用については、農地法上の許可・届出が問題となる場合があります。財産分与に伴って農地の所有権を移す場面でも、こうした手続を個別に確認する必要があります。</li>
<li><strong>評価の難しさ</strong>:農地の評価は、固定資産評価、相続税の評価、実勢など複数の考え方があり、一律ではありません。評価額を前提とした分与の設計は、個別に検討する必要があります。</li>
<li><strong>現物で分けにくい場合の選択肢</strong>:農地をそのまま分けることが難しい場合には、一方が取得して他方に代償金を支払う方法や、換価して分ける方法などが検討されることがあります。いずれが適するかは事案によります。</li>
</ul><p>「農地だから財産分与の対象外」と即断するのは適切ではありません。他方で、移転・分割・評価の可否や方法は個別事情により大きく異なり、農地法や税務の観点からの確認も必要になります。この点は、弁護士に加えて必要に応じて専門家の確認を受けることをおすすめします(公開前に弁護士がご確認ください)。</p>
<h2>■事業・同族会社・個人事業がある場合の注意点</h2>
<p>ご家庭で家業を営んでいる、配偶者が会社の代表者・役員である、個人事業を営んでいるといった場合には、財産分与で事業関係の資産をどう扱うかが問題になります。ここでは、法人の財産と個人の財産を区別して考えることが出発点になります。</p>
<h3>◆法人名義の財産と個人名義の財産の区別</h3>
<p>会社名義の財産は、原則として会社のものであり、当然に夫婦で分ける対象になるわけではありません。もっとも、配偶者が保有する<strong>株式や出資持分は個人の財産</strong>であり、財産分与で問題になる可能性があります。「会社の財産だから関係ない」という説明を受けた場合でも、株式・持分や、会社との間の債権債務を通じて検討すべき点が残ることがあります。</p>
<h3>◆確認したい主な資料</h3>
<ul>
<li><strong>株式・出資持分</strong>:法人の登記事項証明書、株主名簿、決算書。誰がどれだけ保有しているかを確認します。評価は個別に検討します。</li>
<li><strong>役員報酬・退職金</strong>:給与明細、役員退職慰労金規程など。見込みの扱いは個別に検討します。</li>
<li><strong>役員貸付金・役員借入金</strong>:決算書、勘定科目内訳明細書。会社への貸付(個人の債権)や会社からの借入(個人の債務)の有無を確認します。</li>
<li><strong>事業用資産</strong>:個人事業の場合、確定申告書・青色申告決算書・固定資産台帳などから、事業用不動産・機械・在庫・売掛金などを確認します。</li>
</ul><h3>◆非上場株式・持分の評価</h3>
<p>同族会社の株式・持分は市場価格がなく、評価の考え方が複数あります。税務上の評価と、裁判上の財産分与で用いられる評価が必ずしも一致するわけではありません。評価額を断定することはできず、資料をもとに個別に検討する必要があります。会計・税務の観点が関係するため、弁護士に加えて必要に応じて専門家の確認が有用です(公開前に弁護士がご確認ください)。</p>
<p>淡路島周辺では、観光・宿泊・飲食・農業・漁業・食品加工などの家業や同族会社が関係する離婚もあります。また、配偶者や親族が島外(神戸・明石・徳島・香川など)で事業や資産を有している場合には、資料の所在が広がることもあります。いずれの場合も、まずは資料の整理から始めることが有用です。</p>
<h2>■情報開示命令を検討するタイミング</h2>
<p>次のような状況では、情報開示命令を含む手続を検討する余地があります。ただし、実際に有効かどうか、どの手続を選ぶべきかは個別事情により異なります。</p>
<ul>
<li>相手方から財産の一覧(財産目録)が出てこない、又は内容が不十分である。</li>
<li>通帳の一部しか開示されず、他の口座の存在が疑われる。</li>
<li>不動産・農地・会社関係の資産についての説明が曖昧である。</li>
<li>相手方の収入や生活状況と、開示された資産の内容が釣り合わないように感じられる。</li>
<li>離婚協議書や調停条項の案に署名を求められているが、財産の全体像に不安がある。</li>
<li>既に離婚しているが、財産分与について検討したい(請求できる期間内かどうかの確認を含む)。</li>
</ul><p>特に、<strong>離婚協議書・調停条項に署名する前</strong>は重要なタイミングです。署名後に新たな財産が判明しても、取り扱いが難しくなる場合があります。署名前に一度、財産の全体像と手続の選択肢を確認することをおすすめします。</p>
<h2>■弁護士に相談するメリット</h2>
<p>弁護士への相談は、「必ず有利になる」「隠し財産を必ず見つける」といった結果を保証するものではありません。もっとも、次のような点を整理できる場合があります。</p>
<ul>
<li>財産分与の対象となりうる財産の項目を、資料をもとに洗い出せる。</li>
<li>不足している資料や、集めるべき資料を具体的に整理できる。</li>
<li>情報開示命令・調査嘱託・文書送付嘱託・弁護士会照会などの使い分けを検討できる。</li>
<li>農地や事業用資産・同族会社株式が関係する場合の、評価や手続上の見通しを整理できる。</li>
<li>協議・調停・審判・離婚訴訟のうち、どの手続を選ぶかを検討できる。</li>
</ul><p>結論は個別事情により異なりますが、方針を早めに整理しておくことで、その後の話し合いや手続を落ち着いて進めやすくなります。</p>
<h2>■手続前チェックリスト</h2>
<p>示談・署名・申立ての前に、次の点を確認しておくと安心です。すべてを一人で揃える必要はありません。整理が難しい場合は、この一覧を持って相談にお越しください。</p>
<ul>
<li>□ 署名を求められている書面(離婚協議書・調停条項案)の財産分与の内容を確認したか。</li>
<li>□ 相手方から示された財産の一覧に、抜けや不自然な点がないか確認したか。</li>
<li>□ 預貯金・不動産・農地・保険・証券・退職金・事業関係の資料のうち、手元にあるものを整理したか。</li>
<li>□ 別居を予定している場合、後で確認が難しくなりそうな資料を適法な範囲で控えておいたか。</li>
<li>□ 農地・同族会社株式・個人事業の資産について、名義と資料の所在を確認したか。</li>
<li>□ どの手続(協議・調停・審判・離婚訴訟)を検討しているか整理したか。</li>
<li>□ 相談に持参する資料(通帳の写し、登記事項証明書、納税通知書、決算書など)を用意したか。</li>
</ul><p>資料の収集は、必ず適法な方法で行ってください。取得方法によっては、後の手続で問題になることがあります。取得の可否に迷う資料がある場合は、事前に弁護士へご確認ください。</p>
<h2>■よくある質問(FAQ)</h2>
<section class=”lm-faq”>
<div class=”lm-faq-item”>
<p class=”lm-q”>Q.情報開示命令を使えば、隠し財産は必ず分かりますか。</p>
<p class=”lm-a”>必ず判明するとは限りません。この命令は、当事者に財産などの状況の開示を命じるものであり、銀行や法人から自動的に情報が集まる仕組みではありません。従わない場合や虚偽の開示には過料の定めがありますが、それによって隠された財産が当然に判明するわけではありません。通帳や登記事項証明書などの資料収集、調査嘱託や弁護士会照会などとの組み合わせが重要です。</p>
</div><div class=”lm-faq-item”>
<p class=”lm-q”>Q.相手が通帳を出してくれない場合はどうすればよいですか。</p>
<p class=”lm-a”>まずは、取引のある金融機関の手がかり(郵便物、キャッシュカードなど)を整理します。そのうえで、財産分与を扱う調停・審判・離婚訴訟の中で、情報開示命令や調査嘱託などを検討することになります。私的な協議の段階ではこれらの手続は使えないため、手続選択も含めて検討が必要です。具体的な進め方は個別事情により異なります。</p>
</div><div class=”lm-faq-item”>
<p class=”lm-q”>Q.農地は財産分与の対象になりますか。</p>
<p class=”lm-a”>「農地だから対象外」と即断することはできません。名義・利用状況・取得の経緯などによって、財産分与で考慮される場合があります。他方で、農地は農地法上の制約があり、移転・分割・評価の可否や方法は個別事情により大きく異なります。資料を確認したうえで、弁護士や必要に応じて専門家に相談することをおすすめします。</p>
</div><div class=”lm-faq-item”>
<p class=”lm-q”>Q.会社名義の財産は財産分与で考慮されますか。</p>
<p class=”lm-a”>会社名義の財産は、原則として会社のものであり、当然に夫婦で分ける対象になるわけではありません。もっとも、配偶者が保有する株式・出資持分は個人の財産であり、財産分与で問題になる可能性があります。会社との間の貸付金・借入金なども含め、資料を確認したうえで検討する必要があります。</p>
</div><div class=”lm-faq-item”>
<p class=”lm-q”>Q.親名義の不動産や農地は対象になりますか。</p>
<p class=”lm-a”>名義が親などの第三者である場合、原則として夫婦の財産分与の対象にはなりません。ただし、名義と実際の資金の負担者が異なるなどの事情があるときは、検討が必要になる場合があります。結論は個別事情により異なるため、資金の出所などの資料を含めて確認することをおすすめします。</p>
</div><div class=”lm-faq-item”>
<p class=”lm-q”>Q.離婚後でも情報開示命令を使えますか。</p>
<p class=”lm-a”>離婚後であっても、財産分与を請求できる期間内で、財産分与を扱う調停・審判などが係属していれば、その中で検討できる場合があります。財産分与の請求期間は改正により伸長されましたが、離婚の時期によって適用される期間が異なる場合があります。ご自身のケースが期間内かどうかを含め、早めに確認することをおすすめします。</p>
</div><div class=”lm-faq-item”>
<p class=”lm-q”>Q.財産開示手続と情報開示命令は違いますか。</p>
<p class=”lm-a”>異なる制度です。情報開示命令は、財産分与などを決めるための手続(審判・調停・離婚訴訟)の中で、当事者に開示を命じるものです。これに対し、財産開示手続は、判決や調停調書などの債務名義を得た後、回収のために債務者の財産を明らかにする民事執行法上の手続です。段階も目的も異なります。</p>
</div><div class=”lm-faq-item”>
<p class=”lm-q”>Q.弁護士に相談する前に何を準備すべきですか。</p>
<p class=”lm-a”>婚姻期間や別居の有無などの基本的な事情のほか、預貯金・不動産・農地・保険・証券・退職金・事業関係のうち、手元にある資料を整理しておくと相談がスムーズです。署名を求められている書面があれば、それも併せてお持ちください。不足があっても差し支えありません。まずは分かる範囲で整理してご相談ください。</p>
</div></section>
<h2>■まとめ──署名の前に、財産の全体像を確認する</h2>
<ul>
<li>2026年4月施行の改正により、財産分与を扱う手続の中で、当事者に財産などの状況の開示を命じる情報開示命令が整備されました。</li>
<li>情報開示命令は有効な選択肢ですが、隠し財産が必ず判明する万能の制度ではなく、資料収集や他の手続との組み合わせが重要です。</li>
<li>裁判所外の私的な協議の段階では使えないため、手続の選択も含めた検討が必要です。</li>
<li>農地・事業用資産・同族会社株式が関係する場合は、対象性も評価も個別事情で結論が変わるため、早めの資料確認をおすすめします。</li>
<li>離婚協議書・調停条項に署名する前に、財産の全体像と手続の選択肢を一度確認することをおすすめします。</li>
</ul><section class=”lm-cta”>
<p>財産分与で相手方が財産を明らかにしない、農地や家業・同族会社が関係していて見通しが立たない――такといったお悩みについて、資料を拝見したうえで、確認すべき点と今後の方針を整理いたします。結果をお約束するものではありませんが、手続の選択肢を落ち着いて検討する一助になります。</p>
<p>離婚相談・財産分与相談の受付方法や費用、無料相談の有無については、事務所公式サイトの案内をご確認のうえ、相談予約フォームからお問い合わせください。</p>
<p><a href=”【要確認:相談予約フォームURL】”>相談予約フォームへ進む</a></p>
<p><a href=”【要確認:弁護士費用ページURL】”>弁護士費用を確認する</a></p>
</section><section class=”lm-supervisor”>
<h3>監修者・執筆者</h3>
<p>【要確認:弁護士名】(【要確認:所属弁護士会名】所属)</p>
<p>資格:弁護士【要確認:公認会計士/公認会計士試験合格者の表示】</p>
<p>取扱分野:離婚・男女問題、相続、企業法務ほか【要確認】</p>
<p><a href=”【要確認:弁護士紹介ページURL】”>弁護士紹介を見る</a></p>
<p>本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事案に対する法的助言ではありません。実際のご判断にあたっては、資料を確認したうえで弁護士にご相談ください。掲載内容は作成時点の情報に基づいています。</p>
</section><section class=”lm-references”>
<p>参考資料(公的機関・公式資料)</p>
<ul>
<li>法務省「民法等の一部を改正する法律(父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)について」</li>
<li>e-GOV法令検索(民法・家事事件手続法・人事訴訟法)</li>
<li>裁判所(家庭裁判所の手続に関する案内)</li>
<li>農林水産省・各自治体(農地・農地法に関する案内)</li>
</ul>
</section></article>

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