漁師・漁業者の借金と自己破産|漁具・漁船・漁業権の扱いを解説 |淡路島(淡路・洲本・南あわじ)の弁護士|初回相談無料|弁護士法人ひょうご あわじみらい法律会計事務所

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漁師・漁業者の借金と自己破産|漁具・漁船・漁業権の扱いを解説

「自己破産をしたら、長年使ってきた漁網や漁具まで取り上げられてしまうのか」「漁船を失えば漁を続けられない」「漁業権や漁協からの借入れはどうなるのか」――燃料費の高騰や水揚げの減少、漁船ローンや税金の支払いが重なり、返済の見通しが立たなくなったとき、こうした不安を抱える漁業者の方は少なくありません。

結論から申し上げると、漁網・漁具と、漁船と、漁業権・漁業許可とでは、破産における扱いが異なります。漁具は手元に残せる可能性がある一方、漁船や漁業権は、財産の種類・担保の有無・所有名義・漁業法上の制限、そして裁判所や破産管財人の判断によって結論が変わります。「必ず残せる」とも「必ず失う」とも、一律には言えません。

大切なのは、どの財産がどう扱われるのかを正しく知り、早い段階で資料を整理して相談することです。特に、破産の申立て前、漁船を処分する前、漁協や金融機関への回答前に一度確認しておくことで、自己破産以外の選択肢も含めて方針を検討できる場合があります。判断に迷う場合は、一人で抱え込まず、淡路島の地域事情をふまえて対応できる弁護士にご相談ください。

漁具・漁船・漁業権は破産での扱いが異なります

まず全体像を整理します。漁業者の財産・債務は種類ごとに扱いが異なるため、ひとくくりに考えないことが重要です。下の表は、それぞれの基本的な考え方と、確認しておきたい資料・注意点をまとめたものです。いずれも一般的な整理であり、実際の結論は個別の事情により異なります。

対象 破産での基本的な考え方 確認すべき資料 注意点
漁網・漁具 主としてご自身の労力で漁業を営む方が、水産物の採捕・養殖に欠くことができない漁網その他の漁具は、差押禁止動産(民事執行法第131条第5号)に当たり、自由財産として残せる可能性があります(破産法第34条第3項第2号)。 漁具・設備の一覧、購入時期・価格、用途 高額な機械設備、商品性のある在庫、法人名義・リース品は別途検討が必要です。
えさ・稚魚 採捕・養殖に欠くことができないえさ・稚魚等も、同様に差押禁止動産に当たる可能性があります。 種類、数量、用途 販売目的の在庫など、事業上の商品は別に検討します。
漁船 価値のある事業用資産として扱われる可能性があり、漁具と同じに「当然に残せる」とはいえません。 漁船登録、所有者・共有者、ローン残高、抵当権・所有権留保・リース契約、評価額 担保(抵当権)が付いている場合、担保権者が手続外で実行できることがあります(別除権)。
漁業権 物権とみなされますが、移転の制限や貸付けの禁止など漁業法上の制約があります。共同漁業権は漁協に免許され、組合員は組合員行使権に基づいて漁業を営んでいる場合があります。 漁業権の種類、免許名義、漁協の組合員資格、漁業権行使規則、登録・担保の有無 個別漁業権か、漁協の組合員として行使しているにすぎないかで扱いが大きく変わります。
漁業許可 漁業権とは別の制度です。破産したことが直ちに許可の取消しにつながるわけではありません。 許可証、許可の種類(大臣許可・知事許可)、更新時期、法令違反の有無 事業停止・船舶処分・適格性・漁協との関係により、事業継続に影響することがあります。
漁協・金融機関からの借入れ 債務整理の対象になり得ますが、担保・保証・相殺の有無で扱いが変わります。 借入先一覧、契約書、担保・保証・共済・補助金返還の有無 漁協への出資金や共済、補助金の返還義務、相殺の可能性を確認する必要があります。
税金・社会保険料 自己破産で免責されても、税金・社会保険料など免責の対象とならない債務が残る可能性があります。 納税・納付の状況、滞納額、督促・差押えの有無 滞納処分(差押え)は破産手続と別に進むことがあります。早めの相談が重要です。
保証人 本人が債務整理をしても、保証人・連帯保証人の支払義務は別に残るのが原則です。 保証契約書、連帯保証の範囲、保証人の資力 家族が保証人の場合、家族に影響が及ぶことがあります。事前の整理が重要です。

漁業者の借金問題で多い原因

漁業の借金問題は、一つの原因だけで生じることは少なく、複数の事情が重なって資金繰りが悪化するのが特徴です。代表的なものとして、次のような事情があります。

  • 漁船ローン。漁船は高額で、購入や買い替えのための借入れが大きな負担になります。
  • 燃料費の高騰。燃料価格の上昇が利益を圧迫します。
  • 漁具・機械設備の購入資金。網・エンジン・選別機・冷凍冷蔵設備などの設備投資です。
  • 水揚げの減少。漁獲量や魚価の変動で収入が安定しません。
  • 漁協・金融機関・取引先への支払い。仕入れや出荷に伴う支払いが重なります。
  • 税金・社会保険料の滞納。所得税・住民税・国民健康保険料・国民年金保険料などの滞納です。
  • 家計と事業資金の混在。個人事業では生活費と事業資金の区別がつきにくくなりがちです。
  • 共同経営・家族経営の支払い関係。家族や共同経営者との貸借・保証が複雑に絡むことがあります。

原因が複合的であるほど、どの債務をどう整理すべきかの判断も複雑になります。早めに全体像を把握することが重要です。

漁具は破産しても手元に残せる可能性があります

差押禁止動産と自由財産の関係

漁網や漁具については、法律上、手元に残せる可能性があります。仕組みを順にご説明します。

まず、民事執行法は、生活や生業の維持の観点から、差し押さえてはならない動産(差押禁止動産)を定めています。その中に、「主として自己の労力により漁業を営む者の水産物の採捕又は養殖に欠くことができない漁網その他の漁具、えさ及び稚魚その他これに類する水産物」が含まれています(民事執行法第131条第5号)。

次に、破産法は、差押えができない財産(差押禁止財産)を、破産しても処分されない自由財産(本来的自由財産)と定めています(破産法第34条第3項第2号)。破産では、原則として破産手続開始時の財産が破産財団となり処分の対象になりますが(破産法第34条第1項)、自由財産はその例外として手元に残せます。

この二つを合わせると、差押禁止動産に当たる漁具・えさ・稚魚等は、自由財産として残せる可能性がある、ということになります。ここで重要なのが、「主として自己の労力により漁業を営む」こと、そして「採捕又は養殖に欠くことができない」ものであること、という二つの要件です。事業の規模や使い方によっては、これらの要件を満たさないと判断されることもあります。

残せる可能性があるものと、慎重な確認が必要なもの

同じ「漁業に使う物」でも、扱いが分かれます。あくまで一般的な目安であり、最終的な判断は資料を確認したうえで行う必要があります。

自由財産として残せる可能性があるもの 慎重な確認が必要なもの
主としてご自身の労力による漁業に使う漁網・釣具・かご・ロープ等で、採捕・養殖に欠くことができないもの 大型エンジン、自動選別機、冷凍・冷蔵設備などの高額な機械設備
採捕・養殖に必要なえさ、稚魚、種苗等 販売目的の水産物在庫・加工品など、商品性のあるもの
操業に最低限必要な小型の道具類 法人名義の資産、リース・所有権留保が付いた設備
規模が大きく、「主として自己の労力」とはいえない事業の資産

高額な設備や商品在庫、法人所有の資産、リース品などは、漁具だからといって当然に残せるわけではなく、別途の確認が必要です。実際にどこまで手元に残せるかは、資料を確認したうえで判断する必要があります。

漁船は漁具と同じ扱いではありません

所有・担保・登録・名義を確認する

漁船は、漁具とは分けて考える必要があります。漁船は価値のある事業用資産であり、漁具のように当然に自由財産として残せるとは限りません。残せるかどうかを検討するには、少なくとも次の点を確認します。

  • 所有者・共有者。単独所有か、共有か。名義は誰か。
  • ローン残高。漁船購入のための借入れがどれだけ残っているか。
  • 担保権。漁船に抵当権などの担保が付いているか。漁船は登録に基づいて担保を設定できる場合があります。
  • 所有権留保・リース。代金完済まで所有権が売主側に留保されていないか、リース物件ではないか。
  • 登録。漁船法に基づく漁船の登録(漁船原簿)の状況。
  • 評価額・使用実態。現在の価値、事業継続にどの程度必要か。

とりわけ重要なのが担保です。漁船に抵当権などの担保が付いている場合、その担保権者は、破産手続の中ではなく手続の外で担保を実行できることがあります(別除権)。この場合、破産したかどうかにかかわらず漁船が処分されることもあります。

漁船を残して漁業を続けたい場合には、自己破産だけでなく、後述する任意整理・個人再生・リスケなど、別の選択肢を検討することがあります。いずれにしても、漁船をどう扱うかは申立て前の段階で整理しておくことが重要です。

申立て前の名義変更・安価売却に注意

「漁船を失いたくないから」と、破産の申立て直前に漁船を家族の名義に変えたり、相場より大幅に安く売却したり、隠したりすることは、おすすめできません。こうした行為は、後の手続で問題として取り上げられるおそれがあります。

具体的にどのような影響が生じるか(否認の対象になるか、財産隠しや免責の問題になるか等)は、行為の時期・態様・相手方などにより異なり、一律には判断できません。だからこそ、名義変更や売却を考える前に、まず弁護士に資料を見せて確認することが大切です。良かれと思った対応が、かえって不利に働くことを避けるためです。

漁業権・漁業許可はさらに慎重な確認が必要です

漁業権の種類と性質

漁業権は、特に慎重な確認が必要な分野です。まず、漁業権にはいくつかの種類があります。代表的なものとして、定置網などの定置漁業権、養殖などの区画漁業権、貝・海藻などを共同で採るための共同漁業権があり、このほかに個別漁業権・団体漁業権・入漁権といった区別もあります。

漁業権は法律上、物権とみなされ、土地に関する規定が準用されます。抵当権や先取特権の対象になり得る一方で、その移転は制限され、貸付けは禁止されているなど、漁業法上の制約があります(この点は水産庁の解説でも示されています)。つまり、一般の財産のように自由に売買・移転できるわけではありません。

共同漁業権と組合員行使権の違い

沿岸漁業では、この区別が特に重要です。共同漁業権は、地元の漁業協同組合(漁協)に免許されるのが基本です。多くの組合員は、共同漁業権そのものを個人で持っているのではなく、漁協に免許された共同漁業権を、漁業権行使規則に基づく組合員行使権によって行使しているにすぎないことがあります。

この場合、共同漁業権は個人の財産ではないため、個人の破産との関係も、個別漁業権を個人で持っている場合とは異なってきます。一方で、個別漁業権・団体漁業権・入漁権などを実際にどのような名義で有しているかによって、扱いは変わります。換価の対象になるのか、担保権者がいるのか、移転に都道府県知事の認可が必要か、漁協・組合員資格・行使規則との関係はどうか――こうした点を一つずつ確認する必要があります。「漁業権は売れる」「破産しても影響しない」と単純に決めつけることはできません。

漁業許可は漁業権とは別の制度

漁業許可は、漁業権とは別の制度です。農林水産大臣の許可(大臣許可漁業)や都道府県知事の許可(知事許可漁業)があり、船舶ごとに許可を受ける形のものもあります。許可証・許可の種類・更新時期・法令違反の有無などを確認します。

破産したこと自体が、直ちに漁業許可の取消しに結びつくわけではありません。もっとも、事業の停止、船舶の処分、許可を受ける適格性、法令違反の有無、漁協との関係などによっては、事業の継続に影響が及ぶことがあります。漁業権・漁業許可を「失う」「取り消される」と断定することはできず、個別の状況を確認したうえで見通しを検討する必要があります。

漁船・漁具・漁業権をどこまで残せるか、どの手続が向いているかは、契約書や担保・許可の関係を確認しないと判断できません。返済が難しくなってきた段階で資料を整理し、一度ご相談いただくことで、自己破産以外の選択肢も含めて方針を検討できる場合があります。

借金問題(債務整理)の取扱業務を見る

漁業を続けながら借金を整理する選択肢

借金問題の整理=自己破産、とは限りません。漁業を続けたい場合には、自己破産以外の方法も含めて検討します。主な手続を比較すると次のとおりです。いずれが適切かは、財産・担保・収入の状況を確認したうえで判断する必要があります。

手続 概要 漁船・漁具・漁業権への主な影響 向いていることがあるケース 主な注意点
任意整理 弁護士が債権者と直接交渉し、返済額・条件を調整する私的な手続です。 財産を処分せずに進められることが多いものの、担保付きの債務は担保が残ります。 一部の債権者を整理したい、財産を残して返済を続けたい場合。 大幅な減額は見込みにくく、返済原資が必要です。
個人再生 裁判所を通じて借金を一定程度圧縮し、原則3年から5年で分割返済する手続です。 財産を残す制度がある一方、清算価値保障の原則に注意が必要です。 漁船等を残しつつ返済したい、安定した収入がある場合。 手続が複雑で、残す財産が多いと返済額が増えることがあります。
自己破産 裁判所を通じて返済を免除(免責)してもらう手続です。 自由財産・差押禁止財産は残せる可能性があり、価値のある事業用資産は処分対象になり得ます。 返済の見込みが立たない場合。 免責されない債務があり、財産処分・資格制限等に注意が必要です。
法人破産・事業者破産 法人や事業者の破産手続で、事業の清算を伴います。 事業用資産・許認可関係の整理が必要です。 法人・事業としての継続が困難な場合。 個人保証の処理も併せて検討が必要です。
リスケ・私的整理 返済の猶予や条件変更を金融機関と交渉する手続です。 財産を処分せず、事業継続を図ります。 一時的な資金繰り悪化で、再建の見込みがある場合。 抜本的な減額にはなりにくい面があります。

どの手続を選ぶかによって、漁船・漁具・漁業権への影響や、事業継続の見通しが変わってきます。「破産しかない」と思い込む前に、資料を確認したうえで、自分に合った方法を検討することが大切です。

相談前に準備しておきたい資料

相談の際に次のような資料があると、見通しを具体的に検討しやすくなります。すべてそろっていなくても構いません。手元にあるものから持参してください。

  • 借入先の一覧(どこから・いくら借りているか)
  • 返済予定表、督促状・催告書
  • 漁協・金融機関との契約書
  • 漁船ローンの契約書
  • 担保(抵当権等)に関する契約書
  • 保証人・連帯保証人に関する資料
  • 漁船登録、船舶検査証書、保険・共済の資料
  • 漁業許可証、漁業権に関する資料、漁協の組合員資格・漁業権行使規則の資料
  • 漁具・設備の一覧
  • 確定申告書、青色申告決算書、収支内訳書
  • 売上・水揚げ・経費のわかる資料
  • 税金・社会保険料の滞納に関する資料
  • 補助金・助成金、その返還義務に関する資料
  • 家計収支のわかる資料
  • 家族名義・法人名義・共有名義の財産に関する資料

やってはいけない対応

返済に行き詰まると、つい次のような対応をとってしまいがちですが、いずれも状況を悪化させたり、後の手続で問題になったりするおそれがあります。

  • 漁船や漁具を、相場より安く親族に売る
  • 財産の名義だけを家族に変える
  • 一部の債権者にだけ返済する(偏頗弁済の問題になり得ます)
  • 漁協や金融機関への回答を先延ばしにする
  • 裁判所や弁護士に財産を隠す
  • 関係する資料を処分してしまう
  • 借入れで返済を続ける、いわゆる自転車操業を続ける

これらは、必ずしも「やってしまえば終わり」というものではありませんが、避けるに越したことはありません。大切なのは、こうした対応に走る前に、早めに弁護士へ相談することです。状況が固まる前であれば、とり得る選択肢も広がります。

弁護士に相談するタイミング

弁護士への相談は、早いほど選択肢が多く残ります。次のような状況になったら、一度ご相談いただくことをおすすめします。

  • 返済の見通しが立たなくなったとき
  • 漁船ローンの督促を受けたとき
  • 漁協・金融機関から一括請求(残額をまとめて支払うよう求められること)を受けたとき
  • 税金・社会保険料の滞納が増えてきたとき
  • 漁船・漁具の売却を考え始めたとき
  • 「破産しかない」と思い込む前
  • 家族や保証人に影響が出る前
  • 破産の申立てを行う前

弁護士に相談することで、必ず良い結果が約束されるわけではありません。もっとも、財産・担保・許可の関係を確認することで、どのような選択肢があり、何に注意すべきかという判断材料を整理できます。

自己破産すると漁具はすべて処分されますか。

必ずしもそうではありません。主としてご自身の労力で漁業を営む方が、水産物の採捕・養殖に欠くことができない漁網その他の漁具・えさ・稚魚等は、差押禁止動産(民事執行法第131条第5号)として手元に残せる可能性があります。ただし、高額な機械設備や商品性のある在庫、法人名義・リース品などは別に検討が必要です。実際にどこまで残せるかは、資料を確認したうえで判断する必要があります。

漁船は自己破産しても残せますか。

漁船は漁具と同じ扱いではなく、価値のある事業用資産として処分の対象になり得ます。残せるかどうかは、所有者・ローン残高・抵当権など担保の有無・評価額・事業継続の必要性などにより異なります。担保が付いている場合は、担保権者が手続外で実行できることもあります。漁船を残したい場合は、申立て前に弁護士へ資料を見せて方法を検討することをおすすめします。

漁業権は自己破産で失いますか。

一律に「失う」とも「影響しない」とも言えません。漁業権は物権とみなされる一方、移転の制限や貸付けの禁止など漁業法上の制約があります。共同漁業権は漁協に免許され、組合員は組合員行使権に基づいて漁業をしている場合があり、その扱いは個別漁業権とは異なります。漁業権の種類・名義・漁協との関係・担保の有無を確認する必要があります。

漁協からの借入れも債務整理できますか。

漁協からの借入れも債務整理の対象になり得ます。ただし、漁船や漁業権への抵当権、保証人、出資金や共済との相殺、補助金の返還義務などがあると扱いが変わります。漁協・金融機関・日本政策金融公庫など、債権者ごとに契約内容を確認する必要があります。

保証人になっている家族には影響がありますか。

原則として、本人が債務整理をしても、保証人・連帯保証人の支払義務は別に残ります。家族が保証人になっている場合、その家族に請求が及ぶことがあります。保証契約の有無・範囲を早めに確認し、家族を含めてどのように整理するかを検討することが重要です。

漁業を続けながら借金を整理できますか。

手続の選び方によっては、漁業を続けながら整理できる場合があります。任意整理・個人再生・リスケなど、自己破産以外の選択肢を検討できることもあります。どの方法が適しているかは、財産・担保・収入の状況を確認したうえで判断する必要があります。

漁船を家族名義に変えてから破産してもよいですか。

申立て前に漁船を家族名義に変えたり、安く売却したりすることは、後の手続で問題になるおそれがあります。財産隠しや不当に安い処分とみなされると、免責などに影響が及ぶことがあります。名義変更や売却を考える前に、まず弁護士へご相談ください。

相談前に何を準備すればよいですか。

借入先の一覧、返済予定表や督促状、漁船ローンや担保の契約書、保証人関係の資料、漁船登録や保険・共済、漁業許可証や漁業権・漁協の組合員資格に関する資料、確定申告書、家計収支のわかる資料などがあると、見通しを検討しやすくなります。すべてそろっていなくても構いませんので、あるものを持ってご相談ください。

まとめ

  • 漁具・漁船・漁業権・漁業許可は、破産での扱いがそれぞれ異なります。
  • 漁具は自由財産として残せる可能性がありますが、「主として自己の労力」「採捕・養殖に欠くことができない」などの条件を確認する必要があります。
  • 漁船は、所有名義・担保・価値・事業継続性の確認が必要で、担保がある場合は手続外で処分されることもあります。
  • 漁業権・漁業許可は、種類・名義・漁協・行政との関係を確認する必要があり、喪失や取消しを一律に決めつけることはできません。
  • 自己破産だけでなく、任意整理・個人再生・リスケなども含めて検討することが大切です。
  • 申立て前・漁船処分前・債権者への回答前に、資料を持って早めに相談することをおすすめします。

漁業を続けられるか、漁船や漁具を残せるか、漁業権や許可がどうなるか――これらは、財産・担保・許可の関係を確認したうえで手続を選ぶことで、見通しが変わってきます。一人で抱え込まず、申立て前・漁船の処分前・債権者への回答前に、資料を持って一度ご相談ください。漁船・漁具・漁業権の資料を確認したうえで、債務整理の方針を整理できる場合があります。

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監修・執筆

弁護士法人あわじみらい法律会計事務所(兵庫県南あわじ市)
弁護士 藤井 貴之(兵庫県弁護士会)/公認会計士の資格を有しています。
取扱分野:借金問題(債務整理)、法人破産・事業者破産、交通事故、遺言・相続、離婚・男女問題、労働問題、企業法務 ほか

個人・法人を問わず、法律と会計(財務・税務)の両面から、淡路島(南あわじ市・洲本市・淡路市)をはじめとする地域の事情をふまえて対応しています。弁護士紹介を見る

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事案について結論を保証するものではありません。実際の見通しは、資料を確認したうえで個別にご相談ください。

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