逮捕から勾留までの72時間|勾留を防ぐために家族ができること |神戸市(須磨・垂水・西神・北神)の弁護士|初回相談無料|弁護士法人ひょうご支所神戸みらい法律会計事務所

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逮捕から勾留までの72時間|勾留を防ぐために家族ができること

「家族が警察に逮捕された」と連絡を受けたとき、多くの方が「本人と連絡が取れない」「聞けたのは警察署の名前だけ」「このあと何が起きるのか分からない」という状態に置かれます。とりわけ神戸市内の警察署の名前を聞いたものの、どこへ行けば何ができるのかすら分からない、というご相談は少なくありません。

結論から述べます。逮捕された本人が引き続き身柄を拘束される(勾留される)かどうかは、逮捕からおおむね72時間のあいだに判断されます。この限られた時間のなかでも、ご家族が整理できる情報や資料があり、弁護士の接見・意見書といった初動の弁護活動と組み合わせることで、勾留を避けられる場合があります。もっとも、勾留されるかどうかは事件の内容や証拠関係により異なり、結果が保証されるものではありません。だからこそ、仕組みを正しく理解し、いま何ができるかを落ち着いて整理することが大切です。

この記事では、逮捕から勾留請求・勾留決定までの流れと時間制限、勾留の要件、ご家族が準備できる資料、勾留が決まった後に検討できる手続(準抗告など)、保釈との違い、そして神戸市内で逮捕された場合の警察署・検察庁・裁判所の動線を、刑事訴訟法の規定を確認しながら整理します。

この記事で分かること

  • 逮捕から勾留決定までの「72時間」に何がどの順番で進むのか
  • 「72時間たてば釈放される」「保釈金ですぐ出られる」などのよくある誤解と実際
  • 勾留を防げるかどうかを分ける事情と、ご家族が準備できる資料
  • 勾留が決まった後にできること(準抗告・取消し・勾留理由開示)
  • 神戸市内の警察署・神戸地方検察庁・神戸地方裁判所の位置関係

逮捕直後は、確認すべきことと避けるべきことの整理が大切です。ご家族が把握している情報を持ち寄って早めにご相談いただくことで、初回接見や勾留を避けるための事情整理を検討しやすくなります。

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Contents

全体像——逮捕から勾留までのタイムライン

はじめに、逮捕から勾留までの流れの全体像を整理します。刑事訴訟法は、身柄を拘束したときの手続に厳格な時間制限を設けています。

段階 行われること 時間の制限・目安
逮捕(身体拘束の開始) 犯罪事実の要旨と弁護人を選任できることの告知、言い分を聴く手続(弁解録取)、取調べ 逮捕の直後(刑事訴訟法第203条第1項)
検察官への送致 警察が書類・証拠物とともに被疑者を検察官へ送る 身体拘束から48時間以内(第203条第1項)
検察官の判断 弁解の機会を与えたうえで、釈放するか、勾留を請求するか、起訴するかを判断 受け取りから24時間以内、かつ拘束から72時間以内(第205条第1項・第2項)
勾留質問 裁判官が本人に被疑事実を告げ、言い分を聴く 勾留請求の当日または翌日のことが多い(第61条・第207条第1項)
勾留の決定または却下 裁判官が勾留状を発付するか、請求を却下して釈放を命じる 勾留質問の後(第207条第5項)
勾留 留置施設等での身柄拘束と取調べが続く 原則10日間、やむを得ない事由があると延長により最大でさらに10日間(第208条)
処分の決定 検察官が起訴(公判請求・略式命令請求)・不起訴等を判断 勾留の満期まで

「勾留を防ぐ」という観点では、①検察官に勾留請求を思いとどまらせる、②裁判官に勾留請求を却下してもらう、③勾留が決まった後に準抗告等で争う、という3つの局面があります。後述するとおり、どの局面でも、ご家族が整理・準備できる資料には意味があります。

よくある誤解と実際

逮捕直後のご相談で特に多い誤解を、先に整理しておきます。

よくある誤解 実際
72時間たてば釈放される 72時間は検察官が勾留を請求できる時間の上限です。勾留が決まると、原則10日間、延長によりさらに最大10日間の身柄拘束が続き得ます(第208条)。
保釈金を払えばすぐに出られる 保釈は起訴された後の被告人のための制度です(第88条)。起訴前の被疑者段階の勾留には、保釈の適用がありません(第207条第1項ただし書)。
釈放されれば事件は終わり 釈放されても、在宅のまま捜査が続き、後日、起訴・不起訴が判断されるのが一般的です。
国選弁護人がすぐに付く 被疑者国選弁護は、勾留を請求された段階からの制度です(第37条の2)。逮捕直後は、当番弁護士や私選弁護人による対応が中心になります。
家族がすぐに面会して事情を聞ける 勾留が決まる前の段階では、ご家族の面会は一般に難しく、弁護人等による接見が状況把握の中心になります(第39条第1項)。

逮捕直後に出てくる用語の整理

相談や警察とのやり取りで出てくる主な用語です。正確な適用は事案により異なります。

用語 意味の概要
弁解録取 逮捕後、警察・検察官が犯罪事実の要旨を告げて本人の言い分を聴く手続(第203条・第205条)
送致 警察が書類・証拠物とともに被疑者を検察官へ送る手続(第203条)
勾留請求 検察官が裁判官へ、引き続きの身柄拘束を求めること(第205条)
勾留質問 裁判官が本人に被疑事実を告げ、言い分を聴く手続(第61条・第207条第1項)
準抗告 勾留に関する裁判官の裁判に不服がある場合の申立て(第429条第1項第2号)
接見 身柄を拘束された人と面会等をすること。弁護人等は立会人なく接見できる(第39条第1項)
接見禁止 逃亡や罪証隠滅のおそれを理由に、弁護人等以外との接見を禁じる処分(第81条)
在宅事件 身柄を拘束されないまま捜査・処分の判断が進む事件。釈放後はこの形になることが多い

逮捕直後にご家族がまず確認したいこと

逮捕の直後は、情報が断片的にしか入ってきません。まずは「警察から聞けた情報」と「まだ分からない情報」を分けて書き出すことが、その後の相談や準備の出発点になります。

「聞けた情報」と「まだ分からない情報」を分ける

次のような項目を、分かっている範囲でメモにまとめておくと、弁護士に相談する際に状況を早く共有できます。分からない項目は空欄のままで構いません。無理に本人や関係者へ確認しようとすると、かえって問題になる場合があります。

確認したい項目 内容の例
逮捕された警察署 署名(例:生田・葺合・兵庫・須磨・垂水・神戸西など)
逮捕された日時 連絡を受けた時刻、逮捕されたと伝えられた時刻
疑われている内容 容疑の概要(分かる範囲で。詳細が不明なことも多い)
本人の年齢・立場 20歳未満かどうか、勤務先・学校の有無
健康状態 持病、服用中の薬、通院先、障害・介護の事情
本人からの連絡 電話の有無、伝えられた内容
弁護士接見の有無 当番弁護士や弁護人がすでに接見したか
被害者の有無 相手方がいる事件かどうか(分かる範囲で)

本人の健康状態・持病・服薬は早めに整理する

身柄を拘束されている間も、持病や服薬は本人の健康に直結します。薬の名称・用量・通院先、アレルギー、既往症などが分かる場合は整理しておき、弁護士を通じて捜査機関へ適切に伝えられるようにしておくと安心です。お薬手帳や診断書があれば、その情報も控えておきましょう。

逮捕直後の面会・差入れは、弁護人の接見が中心になる

逮捕から勾留が決まるまでの間は、ご家族が本人と面会することは一般に難しい運用です。他方、弁護人(弁護人となろうとする者を含みます)は、立会人なくして本人と接見できます(第39条第1項)。この段階の状況把握は、弁護士の接見を通じて行うのが現実的です。勾留後の一般面会や差入れのルールを含む逮捕直後の対応の全体像は、家族が逮捕された直後に確認すべきことの解説を読むで詳しく説明しています。

この段階で避けたいこと

  • 本人や関係者に「話を合わせる」よう求めること(口裏合わせ・証拠隠滅と受け取られるおそれ)
  • 被害者と思われる方へ、家族が直接連絡・謝罪しようとすること
  • SNSや掲示板へ事件に関する投稿をすること
  • 本人の持ち物やデータを消去・加工すること

これらは、事案によってはかえって不利に働くことがあります。対応の要否や方法は、弁護士が資料を確認したうえで判断する必要があります。

48時間・24時間・72時間——刑事訴訟法の時間制限

「逮捕後72時間」という言葉はよく使われますが、その中身を正しく理解しておくと、いま何が進んでいるのかが分かりやすくなります。

警察の持ち時間は48時間

司法警察員は、逮捕状により被疑者を逮捕したときなどは、直ちに犯罪事実の要旨と弁護人を選任できることを告げたうえで弁解の機会を与え、留置の必要がないと考えるときは直ちに釈放し、留置の必要があると考えるときは、被疑者の身体が拘束された時から48時間以内に、書類・証拠物とともに検察官へ送致する手続をしなければなりません(第203条第1項)。この間、警察での取調べや実況見分などが進みます。

検察官は24時間以内・通算72時間以内に判断する

送致を受けた検察官も、弁解の機会を与えたうえで、留置の必要がないと考えるときは直ちに釈放し、留置の必要があると考えるときは、被疑者を受け取った時から24時間以内に、裁判官へ勾留を請求しなければなりません。この時間制限は、身体拘束の時から通算して72時間を超えることができません(第205条第1項・第2項)。時間内に起訴したときは勾留請求は不要とされ(同条第3項)、時間内に勾留請求も起訴もしないときは、直ちに釈放しなければなりません(同条第4項)。

この時間制限は土日・祝日・夜間にも進行します。「逮捕から勾留決定まで必ず72時間かかる」という意味ではなく、実際の判断時点は事件の内容、曜日、移送の状況などによって前後します。ご家族が動ける時間は、体感としてさらに短いと考えておいた方が準備しやすくなります。

勾留質問と勾留の決定・却下

勾留請求を受けた裁判官は、本人に被疑事実を告げて言い分を聴く手続(勾留質問。第61条・第207条第1項)を行ったうえで、勾留の理由と必要性を判断します。勾留の理由がないと認めるときは、勾留状を発しないで、直ちに釈放を命じなければなりません(第207条第5項)。この手続は裁判所で行われ、ご家族は立ち会えません。弁護人は、勾留質問の前後を通じて、裁判官へ意見書や資料を提出し、必要に応じて面談を申し入れるという働きかけを行うことがあります(運用は個別事情によります)。

釈放された場合——事件が終わったわけではない

48時間・72時間の各段階で釈放される場合や、勾留請求が却下されて釈放される場合があります。ここで注意したいのは、釈放は「身柄拘束の終了」であって、「事件の終了」ではないという点です。釈放後は、在宅事件として捜査が続き、警察・検察庁からの呼出しに応じながら、後日、検察官が起訴・不起訴を判断するのが一般的です。呼出しを無視すると再逮捕などの不利益につながりかねません。釈放後の取調べ対応や被害者対応についても、弁護士に相談できます。

勾留を防げるかどうかを分ける事情

勾留するかどうかは、法律上の要件に照らして判断されます。ご家族が整理できる事情は、この要件に対応する形で意味を持つことがあります。

勾留の要件(住居不定・罪証隠滅・逃亡のおそれ)

被疑者を勾留するには、罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があることに加え、①定まった住居を有しないこと、②罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があること、③逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があること、のいずれかにあたり、かつ勾留の必要性があることが求められます(第60条第1項・第207条第1項)。裏を返せば、住居が定まっていること、監督してくれる家族がいること、証拠隠滅の現実的なおそれが小さいことなどを客観的に示せる資料は、勾留を避けるための事情として整理できる場合があります。

勾留で問題になりやすい事情 家族が整理・準備できることの例
住居が定まっているか 住民票、賃貸借契約、同居家族の状況が分かる資料
身元を引き受ける人がいるか 身元引受人候補(家族等)の氏名・続柄・連絡先
監督体制があるか 同居家族の有無、監督できる人の役割分担を書き出したもの
逃亡のおそれ 勤務先・学校への通勤通学の必要性が分かる資料(在職・在学)
罪証隠滅のおそれ 関係者との接触を避ける体制(家族が直接接触しないことを含む)
被害者対応の要否 謝罪・被害弁償の意向、弁償に充てられる資力の目安

検察官・裁判官への働きかけ——意見書と資料

勾留を避けるための働きかけとして、弁護人は、検察官に対して勾留請求をしないよう求める意見書を、裁判官に対して勾留の要件・必要性がないことを示す意見書や資料を提出することを検討できます。上の表のような住居・在職/在学・監督体制・被害弁償に関する資料は、この意見書を裏づけるものとして役立ちます。もっとも、意見書の提出により勾留が回避されることが保証されるわけではなく、結論は事件内容や証拠関係により異なります。

統計から見る勾留請求の却下

検察統計年報に基づく日本弁護士連合会の集計によると、勾留請求が却下される割合は、2000年代半ばまで0.1〜0.3%程度でしたが、2010年代以降上昇し、2015年は約2.6%、2019年は約5.2%、2022年は約3.8%と、近年はおおむね4%前後で推移しています。裁判官が勾留の要件を個別に吟味する傾向が強まっているとされ、資料に基づいて事情を整理して示すことの意味は、以前より大きくなっているといえます。

他方で、大部分の勾留請求は認められているのが実情であり、勾留を防げるかどうかは事案により異なります。また、勾留請求が却下された場合に、検察官の側が準抗告を申し立てることもあります。統計は「争えば防げる」ことを意味するものではなく、「争う余地を検討する価値がある」ことを示すものと理解してください。

弁護士が初動でできること(初回接見を中心に)

逮捕直後の段階では、状況把握の中心は弁護人による接見になります。

初回接見で確認できること

初回接見では、本人から直接、事件の状況、体調、取調べの様子などを確認し、黙秘権や供述調書への署名・押印に関する注意点を伝えることができます。そのうえで、ご家族へ必要な範囲で状況を共有し、勾留を避けるために整理すべき事情や資料を検討します。何がどこまで確認できるかは事案により異なりますが、早い段階で本人の状況を把握できることには大きな意味があります。

当番弁護士・私選弁護人・被疑者国選の違い

逮捕直後の段階で押さえておきたいのが、弁護士の関与のかたちの違いです。被疑者国選弁護は、勾留を請求された段階から利用できる制度であり(第37条の2)、資力申告額が基準額(50万円。平成18年政令第287号)に満たないことなどの要件があります。逮捕直後(勾留前)の段階では原則として対象にならないため、この段階で本人の状況を早く確認したい場合には、弁護士会の当番弁護士や、私選弁護人への依頼が中心になります。

種類 概要 利用しやすい場面
当番弁護士 弁護士会の制度。逮捕された人のもとへ弁護士が1回、無料で接見に赴く。本人のほか、ご家族などからも申込みができる 逮捕直後に、本人の状況をまず確認したいとき
私選弁護人 本人や家族が弁護士と契約して依頼する弁護人。時期の制限はなく、逮捕直後から継続的な弁護活動を依頼できる 勾留を避けるための働きかけを含め、早期から継続的に依頼したいとき
被疑者国選 勾留請求後・勾留状発付後で、資力等の要件を満たす場合に選任される(第37条の2) 勾留段階に進み、要件を満たすとき

兵庫県弁護士会の当番弁護士は、神戸・三田・丹波・淡路地域の受付窓口(電話078-341-2940)に申し込むことができます(受付は平日9時〜17時。時間外は留守番電話による受付とされています)。最新の運用は、兵庫県弁護士会の案内ページでご確認ください。

ご家族が準備できる資料

相談や勾留を避けるための事情整理に向けて、ご家族が用意できる資料には次のようなものがあります。すべてがそろっていなくても構いません。分かる範囲から準備し、弁護士に確認しながら追加していきましょう。

  • 本人の身分関係が分かる資料(住民票、健康保険証の控えなど)
  • 住居を示す資料(賃貸借契約、住民票の住所など)
  • 同居家族・身元引受人候補の情報(氏名・続柄・連絡先)
  • 勤務先・在職やシフト、学校・在学が分かる資料
  • 持病・服薬・通院先・障害・介護など、健康や生活上の事情
  • 被害弁償に充てられる資力の目安が分かる資料
  • 警察から受けた連絡内容のメモ(日時・担当・伝えられた内容)
  • 家族が本人に伝えたい内容の整理

資料は「ありのまま」を整理してください。事件に関する記録・データを消去・加工したり、関係者と話を合わせたりする行為は、証拠隠滅や口裏合わせと受け取られ、かえって不利になるおそれがあります。何をどのように提出するかは、弁護士が確認したうえで判断する必要があります。

神戸市内で逮捕された場合の動線

神戸市内で逮捕された場合、どの警察署に本人がいるのか、その後どこで手続が進むのかを把握しておくと、弁護士への相談や資料準備を整理しやすくなります。神戸市内には、兵庫県警察の警察署が12署あります。実際にどの署に本人が留め置かれ、どこへ送致されるか、留置の運用などは事案により異なるため、個別に確認が必要です。

警察署 所在地
生田警察署 神戸市中央区中山手通2丁目2番25号
葺合警察署 神戸市中央区吾妻通5丁目1番2号
兵庫警察署 神戸市兵庫区下沢通3丁目1番28号
長田警察署 神戸市長田区北町3丁目4番地9
須磨警察署 神戸市須磨区大池町5丁目1番30号
垂水警察署 神戸市垂水区本多聞3丁目12番1号
神戸西警察署 神戸市西区糀台5丁目12番地の2
東灘警察署 神戸市東灘区御影中町2丁目3番2号
灘警察署 神戸市灘区水道筋1丁目24番地の8
神戸北警察署 神戸市北区甲栄台3丁目6番1号
有馬警察署 神戸市北区藤原台北町6丁目18番1号
神戸水上警察署 神戸市中央区港島3丁目1番

送致を受けた検察官が勾留を請求する場合や、裁判官が勾留質問・勾留の判断を行う場合、手続は検察庁・裁判所で進みます。神戸市を管轄する主な庁は次のとおりです。どの事件がどこで扱われるかは、個別の運用によります。

機関 所在地・アクセス
神戸地方検察庁(本庁) 神戸市中央区橘通1丁目4番1号(JR神戸駅から徒歩約7分)
神戸地方裁判所(本庁)・神戸簡易裁判所 神戸市中央区橘通2丁目2番1号(JR神戸駅から北へ徒歩約7分、高速神戸駅から徒歩約5分、市営地下鉄大倉山駅から徒歩約5分)

「本人がどの署にいるのか」「このあとどこで手続が進むのか」が整理できると、初回接見や資料準備の相談がしやすくなります。

勾留が決まった後にできること

勾留が決まった場合でも、検討できる手続はあります。いずれも結果を保証するものではありませんが、状況に応じて選択肢を検討できます。

準抗告——勾留の裁判を争う

勾留の裁判に不服があるときは、その裁判をした裁判官が所属する裁判所に対して準抗告を申し立てることができます(第429条第1項第2号)。準抗告では、勾留の要件(住居不定・罪証隠滅や逃亡のおそれ)や必要性がないことを、資料に基づいて主張します。勾留決定後に事情が整った場合(身元引受体制が固まった、示談が進んだなど)に申し立てることもあります。準抗告が認められるかどうかは事案により異なります。

勾留の取消し・執行停止・勾留理由開示

勾留の理由や必要がなくなったときは、勾留の取消しを請求できます(第87条第1項)。また、病気その他の事情によっては、親族への委託や住居の制限を条件に、勾留の執行が停止される制度もあります(第95条第1項)。さらに、勾留の理由の開示を裁判所に請求する制度もあります(第82条)。これらの請求は、弁護人だけでなく、配偶者・直系の親族・兄弟姉妹といったご家族が主体となって行えるものが含まれています。どの手続をどの時点で使うかは、事案と時期により異なるため、弁護士と相談しながら検討してください。

保釈は「起訴された後」の制度

「保釈金を積めばすぐに出られるのではないか」というご質問は非常に多いのですが、保釈は、起訴された後の被告人について、保証金の納付などを条件に身柄拘束を解く制度です(第88条以下)。起訴前の被疑者段階の勾留には、保釈の適用がありません(第207条第1項ただし書)。したがって、起訴前の段階では、勾留請求をさせない・却下を求める・準抗告等で争うという方法を、起訴された後は、保釈請求(ご家族も請求権者に含まれます。第88条第1項)を、それぞれ検討することになります。

接見禁止が付いた場合

逃亡や罪証隠滅のおそれがあると判断されると、弁護人等以外の者との接見を禁じる接見禁止の決定が付されることがあります(第81条)。この場合、ご家族が面会できないことがありますが、弁護人による接見は制限されません(第39条第1項)。事案によっては、家族との接見に限って禁止の一部解除を申し立てる運用も行われています。可否は個別事情によります。面会・差入れの一般的なルールは、家族が逮捕された直後に確認すべきことの解説もあわせてご覧ください。

事件の類型・本人の状況による注意点

勾留の判断や初動の注意点は、事件の類型と本人の状況によって変わります。以下は一般的な傾向であり、同じ罪名でも証拠関係や生活状況によって判断は異なります。

事件の類型による違い

薬物、性犯罪、暴力事件、窃盗、詐欺、交通事件など、事件の類型によって捜査機関が重視する点は異なります。たとえば、共犯者や関係者が多い事件では罪証隠滅のおそれが、被害者と生活圏が重なる事件では被害者への働きかけのおそれが、それぞれ問題にされやすい傾向があります。類型ごとの流れは、暴行・傷害で逮捕された後の流れと示談の解説を読む大麻使用罪で逮捕された後の流れの解説を読むもご参照ください。

本人が否認している場合

本人が事実を否認している場合、取調べへの対応や供述調書の扱いはとくに慎重を要します。供述調書は、内容を確認したうえで署名・押印するものであり、事実と異なる記載があれば訂正を申し出ることができます。否認事件では身柄拘束が長引きやすいという指摘もありますが、対応方針は証拠関係を踏まえて個別に検討する必要があります。早い段階で弁護士の助言を受けることをおすすめします。

少年(20歳未満)の場合

本人が20歳未満の場合、勾留の請求は「やむを得ない場合」に限るとされ(少年法第43条第3項)、勾留状も「やむを得ない場合」でなければ発することができません(同法第48条第1項)。勾留に代わる観護措置という制度もあります(同法第43条第1項)。ただし、18歳・19歳(特定少年)については適用に特則があり(同法第67条)、手続の見通しは成人とも17歳以下とも異なる点があります。少年事件は家庭裁判所送致後の手続も含めて特有の流れがあるため、早めに弁護士へご相談ください。

被害者への謝罪・勤務先や学校への連絡

謝罪や被害弁償の意向がある場合でも、ご家族が被害者へ直接連絡することは、事案によってはかえって問題になることがあります。連絡の要否や方法は、弁護士が状況を確認したうえで検討する必要があります。勤務先や学校への説明も、時期・内容・範囲によって影響が変わります。通勤通学の必要性は勾留の判断に関わることもあるため、何をどう伝えるかは慎重に検討することをおすすめします。

段階別チェックリスト

ご家族が、段階ごとに確認・準備しておきたい事項を整理します。

相談前に整理しておきたいこと

  • 逮捕された警察署名・逮捕日時
  • 疑われている内容(分かる範囲)
  • 本人の年齢・立場・健康状態・服薬
  • 警察から受けた連絡内容のメモ

初回接見の前に用意したいこと

  • 本人に伝えたい内容の整理
  • 持病・薬・通院先など健康に関する情報
  • 身元引受人候補・同居家族の情報

勾留請求・勾留質問の前に整理したいこと

  • 住居・在職/在学が分かる資料
  • 監督体制(誰がどのように監督できるか)
  • 被害弁償に充てられる資力の目安

勾留が決まった後に確認したいこと

  • 準抗告・取消し等で主張できる事情と裏づけ資料
  • 接見禁止の有無と、一部解除を検討できる事情
  • 生活環境・身元引受体制・被害者対応の整理状況

弁護士に相談するタイミング

刑事事件では、時間の使い方が結果に影響することがあります。逮捕直後の72時間は、初回接見、勾留を避けるための事情整理、検察官・裁判官への意見書の検討ができる時間でもあります。勾留が決まった後も、準抗告や環境調整など、整理を続けられる事項があります。弁護士への相談は、結果を保証するためのものではなく、いま取り得る選択肢を整理し、優先順位を付けるためのものです。

ご家族が把握している情報が断片的でも構いません。警察署名と逮捕日時だけでも、検討を始められることがあります。

ご家族の逮捕という状況では、確認すべきことと避けるべきことの区別が重要です。把握している情報を整理してご相談いただくことで、初回接見や勾留を避けるための事情整理、今後の見通しを検討できます。

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まとめ

  • 勾留されるかどうかは、逮捕からおおむね72時間のあいだに判断されます。48時間(警察→送致)・24時間かつ通算72時間(検察官→勾留請求等)という時間制限は、土日・夜間も進行します。
  • 72時間は「釈放までの時間」ではなく、勾留が決まると原則10日間・延長で最大20日間の身柄拘束があり得ます(第208条)。
  • 保釈は起訴後の制度であり、起訴前は勾留請求をさせない・却下を求める・準抗告で争うことを検討します(第207条第1項ただし書・第88条・第429条)。
  • 勾留の要件(住居・罪証隠滅・逃亡のおそれ等)に対応する資料(住民票・在職/在学・身元引受・監督体制)を、ご家族が準備できます。
  • 勾留請求の却下率は近年上昇していますが(2022年約3.8%)、大部分の請求は認められており、結論は事案によります。
  • 逮捕直後は当番弁護士(兵庫県弁護士会・無料1回)や私選弁護人が中心で、被疑者国選は勾留請求後からです(第37条の2)。
  • 釈放されても在宅事件として捜査は続きます。口裏合わせ・データ消去・被害者への直接連絡・SNS投稿は避けてください。

よくある質問(FAQ)

家族が逮捕されたら、最初に何を確認すればよいですか。

逮捕された警察署名、逮捕日時、疑われている内容(分かる範囲)、本人の年齢や健康状態、服薬の有無などを、分かる範囲で整理してください。分からない項目を無理に本人や関係者へ確認しようとすると、かえって問題になることがあります。

逮捕から72時間たてば、釈放されるのですか。

そうとは限りません。72時間は検察官が勾留を請求できる時間の上限です(刑事訴訟法第205条)。勾留が決まると原則10日間、延長によりさらに最大10日間の身柄拘束が続き得ます(同法第208条)。他方、時間内に勾留請求も起訴もされなければ釈放されます。

勾留を防ぐために家族ができることはありますか。

住居や在職・在学、監督体制、身元引受人などが分かる資料を整理することは、勾留の要件・必要性に関する事情として意味を持つ場合があります。弁護人の意見書の裏づけにもなります。もっとも、勾留を防げるかどうかは事件内容や証拠関係により異なります。

保釈金を払えば、すぐに釈放されるのですか。

いいえ。保釈は起訴された後の被告人のための制度で(刑事訴訟法第88条)、起訴前の勾留には適用がありません(同法第207条第1項ただし書)。起訴前の段階では、勾留請求の却下を求める働きかけや準抗告などを検討することになります。

当番弁護士と私選弁護人、被疑者国選はどう違いますか。

当番弁護士は弁護士会の制度で、1回無料で接見に赴き、ご家族からも申し込めます。私選弁護人は本人・家族が契約して依頼する弁護人で、逮捕直後から継続的に活動できます。被疑者国選は、勾留請求後・勾留状発付後で資力等の要件を満たす場合の制度です(刑事訴訟法第37条の2)。

勾留が決まった後でも争えますか。

勾留の裁判に不服がある場合、裁判所へ準抗告を申し立てることができます(刑事訴訟法第429条第1項第2号)。そのほか、事情に応じて勾留の取消し(第87条)や執行停止(第95条)を検討できる場合もあります。いずれも認められるかどうかは事案によります。

接見禁止が付くと、家族は面会できないのですか。

接見禁止が付されると、弁護人等以外との接見が禁じられ、ご家族が面会できないことがあります(刑事訴訟法第81条)。弁護人の接見は制限されず、事案によっては家族との接見に限った一部解除を申し立てる運用もあります。可否は個別事情によります。

釈放された場合、事件はそれで終わりですか。

終わりとは限りません。釈放後も在宅事件として捜査が続き、後日、検察官が起訴・不起訴を判断するのが一般的です。警察・検察庁からの呼出しには誠実に対応する必要があり、取調べや被害者対応について釈放後も弁護士に相談できます。

ご家族が神戸市内で逮捕された直後の対応について、把握している情報を整理してご相談いただくことで、初回接見や勾留を避けるための事情整理、今後の見通しを検討できます。初回相談は無料です(受付時間 9:00〜20:00)。夜間・休日やオンラインでのご相談に対応できる場合もあります。

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監修者・執筆者

藤井 貴之(ふじい たかゆき)
弁護士・公認会計士/兵庫県弁護士会所属・日本公認会計士協会兵庫会所属
弁護士法人ひょうご支所 神戸みらい法律会計事務所 代表弁護士

刑事事件・少年事件、交通事故、相続、離婚、債務整理、企業法務等に対応しています。逮捕直後の初回接見から、勾留を避けるための事情整理、勾留決定後の準抗告まで、限られた時間のなかで方針を整理する弁護活動を行っています。

所在地:兵庫県神戸市須磨区中落合2丁目2-5 名谷センタービル7階

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参考資料(本文で参照した公的資料・公式情報)

本記事は、一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事案に対する法的助言を行うものではありません。勾留の判断や手続の見通しは、事件の内容、証拠関係、本人の生活状況その他の個別事情により異なります。実際のご対応にあたっては、最新の法令・公式情報をご確認のうえ、弁護士にご相談ください。記載の内容は作成時点(2026年7月)の情報に基づくものであり、その後の法改正等により変更される場合があります。

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