新長田・大正筋商店街の周辺で飲食店や小売店を営んでいて、売上がなかなか戻らず、家賃・仕入代金・リース料・カードローン・金融機関への返済が重くなってきた――そんなとき、「もう少し続けるべきか」「それとも早めに店をたたむべきか」という判断は、とても重いものです。さらに、店をたたむと決めても、自己破産がよいのか任意整理でよいのか、従業員や取引先、家主にどう伝えればよいのか、迷う場面が次々と出てきます。
この記事では、個人事業主(自営業者)が借金を抱えながら店の継続か廃業かを考えるときに、自己破産・任意整理・個人再生・特定調停・事業継続という選択肢をどう比べるか、廃業前に避けたい行動は何か、相談前にどの資料を揃えればよいかを整理します。結論を先にお伝えすると、どの手続が適切かは、借入の内訳、売掛金や在庫、リース契約、保証人の有無、税金の滞納状況などによって変わります。「破産すればすべて解決する」「任意整理なら店を必ず残せる」と単純化できるものではなく、契約書や帳簿を確認したうえで判断する必要があります。
この記事で分かること
- 自己破産・任意整理・個人再生・特定調停・事業継続を比べるときの判断軸
- 店を続けるか・たたむかを考えるために確認すべき資料
- 廃業の前に避けたい行動(偏頗弁済・財産処分・名義変更など)
- 従業員・取引先・家主・リース会社・保証人への影響として確認すべき点
- 相談前に集めておきたい帳簿・契約書などの資料
店を続けるか畳むかを決める前でも、ご相談は可能です。手元の資料をもとに、債権者ごとの扱いや選択肢を整理しやすくなります。
Contents
まず押さえたい結論――手続は「事案」で選ぶ
個人事業主の借金整理には、大きく分けて任意整理・特定調停・個人再生・自己破産という法的な選択肢があり、これに「事業を続けながら立て直す」「店をたたんで生活再建を図る」という方向性が重なります。どれが適切かは、毎月の返済原資があるか、事業を続けられる見込みがあるか、財産や売掛金・在庫がどの程度あるか、税金や社会保険料の滞納があるか、連帯保証人がいるか、といった事情で変わります。
次の表は、それぞれの手続のおおまかな位置づけを整理したものです。実際の要件や効果は法律・契約・帳簿の確認が必要で、個別事情により結論は異なります。具体的な金額・期間・要件の数値は、必ず最新の法令と裁判所の運用を確認したうえで判断してください。
| 選択肢 | おおまかな位置づけ | 店・事業との関係 | 主に確認が必要な点 |
|---|---|---|---|
| 任意整理 | 裁判所を通さず、債権者と返済条件を個別に交渉する方法 | 返済原資があり、事業を続けられる見込みがある場合に検討しやすい | 返済原資、対象とする債権者の範囲、保証人への影響 |
| 特定調停 | 簡易裁判所の調停手続を利用して返済条件を調整する方法 | 事業継続を視野に入れつつ、裁判所の関与のもとで調整したい場合 | 収支状況、債権者の対応、調停条項の履行可能性 |
| 個人再生 | 借金を一定割合まで圧縮し、原則として分割で返済する裁判所の手続 | 継続的な収入が見込め、事業や住居を残す余地を探りたい場合 | 継続収入の有無、債務総額などの要件、再生計画の実行可能性 |
| 自己破産 | 支払不能を前提に、原則として返済義務の免除(免責)を目指す裁判所の手続 | 返済の見込みが立たず、生活と事業の整理を図る場合 | 支払不能の状況、財産・売掛金・在庫、免責に関する事情 |
| 事業継続(私的整理を含む) | 廃業せず、返済条件の見直しや事業の立て直しを図る方向 | 収益改善の見込みがあり、主要債権者の協力が得られる場合 | 営業利益、固定費、資金繰り、取引先・金融機関の協力 |
「自己破産=店を必ず畳む」「任意整理=店を必ず残せる」と決まっているわけではありません。たとえば自己破産でも、事業をいつ・どのように整理するかは事案によって異なり、任意整理でも、返済原資が確保できなければ事業の継続は容易ではありません。手続の名前から結論を決めるのではなく、資料に基づいて検討することが大切です。
「店を残せるか」は手続の前に資料で決まる
店を残せるかどうかを左右するのは、手続の選択そのものよりも、毎月いくら返済に回せるか、固定費(家賃・人件費・リース料など)を賄えるか、売掛金や在庫をどう扱うか、といった数字です。これらは確定申告書・試算表・通帳・契約書などを確認しなければ判断できません。まず資料を整え、現状を数字で把握することが、手続選択の出発点になります。
個人事業主の借金整理が会社員と違う理由
事業用の借入と生活費の借入が混ざりやすい
自営業の場合、運転資金として借りたお金と、生活費の補填として借りたお金が、実際には一つの口座やカードで混在していることが少なくありません。どこまでが事業の債務で、どこからが個人の債務かを切り分けるには、借入の経緯や使途を資料で確認する必要があります。この切り分けは、どの手続が適切かを考える際の重要な前提になります。
売掛金・在庫・リース・保証金など事業の財産が絡む
会社員の債務整理と違い、自営業では売掛金・在庫・什器・厨房機器・店舗の保証金や敷金など、事業に関わる財産や権利が関係します。これらは所有関係や契約内容によって扱いが変わり、たとえばリースや所有権留保がついた設備は、自分の財産として自由に処分できないことがあります。資料を確認しないまま処分や回収を進めると、後で問題になる場合があります。
従業員・取引先・家主・保証人など関係者が多い
店を畳む場面では、従業員の給与や解雇、取引先への支払、家主との賃貸借契約、連帯保証人への影響など、関係者が多岐にわたります。誰にどの順序で、どのように説明し対応するかは、法律上の評価にも関わるため、感情的に進めるのではなく、整理したうえで対応することが望ましいといえます。
「続けるか・たたむか」を判断する材料
続けるか・たたむかは、気持ちだけでなく、次のような数字と事実を確認したうえで検討します。すべてが揃っていなくても、分かる範囲から整理を始めることができます。
| 確認する項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 毎月の返済原資 | 売上から固定費・仕入・生活費を差し引き、返済に回せる余力があるか |
| 営業利益・資金繰り | 本業で利益が出ているか、当面の支払に必要な資金が回るか |
| 固定費(家賃・人件費・リース料) | 固定費が収益に対して過大になっていないか、見直す余地があるか |
| 借入・滞納の状況 | 借入総額、返済の遅れ、税金・社会保険料・家賃・仕入代金の滞納の有無 |
| 財産・売掛金・在庫 | 回収できる売掛金、換価できる在庫や設備、保証金・敷金の有無 |
| 保証人・契約関係 | 連帯保証人の有無、リース・割賦・店舗賃貸借契約の内容 |
任意整理を検討しやすい場面
一定の返済原資が見込め、対象とする債権者との分割返済の交渉によって事業を続けられる可能性がある場合は、任意整理が検討の対象になりやすいといえます。ただし、どの債権者を対象にするか、保証人にどう影響するかなどは、個別事情により結論が変わります。
自己破産を検討する場面
返済の見込みが立たず、支払不能の状態にある場合には、自己破産による免責を視野に入れた検討が必要になることがあります。自己破産では、財産・売掛金・在庫・帳簿の状況、免責に関する事情などを確認したうえで判断します。税金や一部の債務など、免除の対象にならないものもあるため、「破産すれば借金がすべて消える」と考えるのは正確ではありません。
個人再生・特定調停・事業継続を検討する余地
継続的な収入が見込め、事業や住居を残す余地を探りたい場合には、個人再生が検討対象になり得ます。また、裁判所の調停手続を利用する特定調停や、廃業せずに返済条件の見直しを図る方向もあります。どれが適切かは、収入の安定性、債務総額、債権者の協力などによって変わるため、資料を確認したうえで比較することが大切です。
廃業前後の一般的な流れ
店をたたむと決めた場合でも、いきなり店を閉めたり設備を処分したりするのではなく、順序を確認しながら進めることが望ましいといえます。一般的には、次のような流れで検討します。具体的な手順は事案により異なります。
- 帳簿・契約書・通帳などの資料を集め、債務と財産の全体像を把握する
- 続けるか・たたむか、どの手続を選ぶかの方針を検討する
- 弁護士に依頼する場合は、債権者への対応方針を整理する
- 在庫・設備の扱い、売掛金の回収、従業員・取引先・家主への対応を検討する
- 廃業に伴う税務・労務の届出を確認する(具体的な処理は税理士・社会保険労務士・所轄官庁へ)
「店を止める日」を決める前に、支払の順序、在庫の処分、売掛金の回収、従業員対応、賃貸借契約、リース契約、税務届出をひととおり確認しておくと、後の手続が進めやすくなります。順序を誤ると、選べたはずの選択肢が狭まることもあります。
よく問題になるケース
ここでは、相談の際に迷いやすい場面を挙げます。いずれも法的な評価は事案によって異なり、ここでの説明は一般的な注意点です。実際の対応は、契約書や帳簿を確認したうえで判断する必要があります。
親族や一部の仕入先にだけ返したい
「世話になった親族や仕入先にだけ先に返したい」という気持ちはよく分かりますが、特定の債権者にだけ返済すること(偏頗弁済)は、後の手続で問題とされる場合があります。返済の順序や時期は、手続の選択にも影響するため、返済を進める前に確認しておくことをおすすめします。
在庫・什器を早めに現金化したい/売掛金を回収して使いたい
在庫や什器を相場より大幅に安く処分したり、回収した売掛金を特定の支払や生活費に充てたりする行為は、財産の扱いとして問題になることがあります。何を・いつ・いくらで処分し、回収したお金をどう扱うかは、資料を確認したうえで検討する必要があります。
リース物件・厨房機器をそのまま使いたい
リース契約や所有権留保のついた厨房機器・設備は、自分の所有物として自由に処分・継続使用できるとは限りません。契約書と所有関係を確認しないまま使い続けたり処分したりすると、後でトラブルになる場合があります。まず契約内容の確認が必要です。
従業員の給与・家主への支払を優先したい
従業員の給与や家主への支払を優先したいという場面もありますが、誰にどの順序で支払うかは、手続の選択や他の債権者との関係に影響することがあります。優先順位の判断は、状況を整理したうえで検討することが望ましいといえます。
税金・社会保険料を滞納している/連帯保証人がいる
税金や社会保険料の滞納がある場合、これらは破産をしても当然に免除されるとは限らず、扱いには注意が必要です。また、借入に連帯保証人がついている場合、本人が手続をとることで保証人に請求が及ぶことがあります。保証人への影響は、手続を選ぶ前に確認しておくべき重要な点です。
法人と個人事業が混在している/店舗兼住宅で営業している
法人を設立している場合は、法人の破産、代表者の保証、個人の債務整理が絡み合うため、個人事業の場合とは整理の仕方が異なります。また、店舗兼住宅で営業している場合は、住居と事業所が同じであることから、賃貸借契約や財産の扱いに固有の検討が必要になります。いずれも個別の確認が前提です。
廃業前に避けたい行動
廃業や手続を考えるとき、よかれと思って取った行動が、かえって選択肢を狭めたり、後の手続で問題になったりすることがあります。法的な評価は事案により異なりますが、一般的には次のような行動は慎重に考える必要があります。
- 特定の債権者・親族・仕入先にだけ返済する(偏頗弁済にあたり得る)
- 財産を隠す、ないことにする
- 在庫・什器・設備を相場より大幅に安く処分する
- 財産を親族など他人の名義に変える
- 新たに借入をして既存の借金を返す
- クレジットカードで商品を購入して換金する(いわゆる現金化)
- 帳簿・請求書・領収書などの資料を捨てる
- 債権者に不正確な説明をする
- 従業員・取引先への説明を感情的に進めてしまう
これらは、いずれも「絶対に違法」と一律に決まるものではありませんが、後の手続で不利に働く可能性があります。判断に迷う行動を取る前に、一度確認しておくことをおすすめします。
従業員・取引先・家主・リース会社・保証人への影響
店をたたむ場合、本人の借金だけでなく、関係者への影響も確認が必要です。次の表は、確認しておきたい主な観点を整理したものです。具体的な扱いは契約や事情によって変わります。
| 関係者 | 確認しておきたい主な観点 |
|---|---|
| 従業員 | 給与・退職金の未払、解雇予告、未払賃金立替払制度の利用可能性 |
| 取引先(仕入先など) | 買掛金・未払金の扱い、特定の取引先だけへの支払の可否 |
| 家主(賃貸人) | 賃料滞納、保証金・敷金、原状回復、明渡しの時期 |
| リース会社・割賦販売会社 | リース料・割賦金の残り、設備の所有関係、引揚げの有無 |
| 連帯保証人 | 本人が手続をとった場合の保証人への請求の可能性 |
従業員給与・解雇予告・未払賃金立替払制度
従業員を雇っている場合、給与や退職金の支払、解雇の手続には、労働基準法などのルールがあります。会社の倒産により賃金が支払われないまま退職した従業員については、国(独立行政法人労働者健康安全機構)が未払賃金の一定範囲を立て替える「未払賃金立替払制度」が設けられています。立替の対象となる賃金の種類や上限、退職と倒産手続の時期に関する要件などは定められており、詳細は厚生労働省・労働者健康安全機構の案内で確認できます。具体的な賃金処理や社会保険の手続については、社会保険労務士や労働基準監督署、機構へのご確認が必要です。
店舗賃貸借・保証金・原状回復・連帯保証人
店舗の賃貸借契約では、賃料の滞納、保証金・敷金の返還、原状回復の範囲、明渡しの時期などが問題になります。これらは契約書の内容によって扱いが変わるため、まず契約書を確認することが出発点になります。連帯保証人がいる場合の影響もあわせて確認が必要です。
リース・割賦・所有権留保
厨房機器・什器・車両などにリース契約や所有権留保がついている場合、それらは自分の所有物として自由に扱えるとは限りません。残債務の有無、所有関係、引揚げの可能性などは、契約書を確認したうえで判断する必要があります。
廃業・税務・労務で必要になる届出(概要)
個人事業を廃業する場合、税務署などへの届出が必要になることがあります。たとえば、個人事業の廃業に関する届出、青色申告を取りやめる場合の届出、消費税の課税事業者であった場合の事業廃止に関する届出、従業員を雇っていた場合の給与支払事務所等の廃止に関する届出などが挙げられます。これらの要否や提出期限、具体的な記載・税額の判断は事案によって異なります。
税務上の処理(申告・届出・税額の判断)は税理士や所轄の税務署へ、労務・社会保険の処理は社会保険労務士や所轄の官庁へご確認ください。本記事は法律相談の代替ではなく、一般的な解説です。個別の事案では、資料の確認と専門家への相談が必要です。
相談前に集めておきたい資料
相談の際に次のような資料があると、債務と財産の全体像を把握しやすく、選択肢の比較もスムーズになります。すべてが揃っていなくても、ある範囲から相談を始めることができますので、お手元にあるものからご準備ください。
- 確定申告書(直近数年分)・試算表・帳簿
- 売上台帳・仕入台帳・請求書・領収書
- 預金通帳・借入の契約書・返済予定表
- リース契約書・割賦契約書
- 店舗の賃貸借契約書・保証金や敷金に関する資料
- 在庫一覧・売掛金一覧・買掛金一覧
- 従業員名簿・給与台帳
- 税金・社会保険料の納付書・督促状
- 裁判所からの書類(訴状・支払督促・差押え関係など)が届いている場合はその書類
弁護士に相談するタイミング
弁護士への相談は、結果を約束するためのものではなく、資料に基づいて状況を整理し、対応の方針を検討するためのものです。早めに相談しておくと、選べる選択肢が残っているうちに比較・検討しやすくなります。次のような時点が、相談を考える目安になります。
- 返済が遅れ始めたとき
- 家賃や仕入代金を滞納しそうなとき
- 従業員の給与の支払が難しくなりそうなとき
- 廃業の日を決める前
- 在庫や設備を処分する前
- 親族や一部の債権者へ返済する前
- 裁判所や債権者から書類が届いたとき
「廃業日を決める前」「在庫や設備を処分する前」「一部の債権者へ返す前」に一度ご相談いただくと、資料をもとに支払の順序や債権者ごとの扱いを整理しやすくなります。事業を続けるか廃業するかを含め、選択肢を比較できます。
よくある質問
店をたたむ前に、自己破産の相談をした方がよいですか。
廃業や処分を進める前に相談しておくと、資料に基づいて選択肢を比較しやすくなります。自己破産に限らず、任意整理・個人再生・特定調停・事業継続なども含めて検討できます。どの手続が適切かは個別事情により異なります。
任意整理で店を続けられることはありますか。
一定の返済原資が見込め、対象とする債権者との分割返済の交渉によって事業を続けられる可能性がある場合には、検討の対象になり得ます。ただし、必ず店を残せるわけではなく、返済原資や保証人への影響などを資料で確認する必要があります。
個人事業主が自己破産すると、在庫や厨房機器はどうなりますか。
財産の扱いは事案によって異なり、リースや所有権留保がついた設備は自分の所有物として自由に扱えないことがあります。何が処分の対象になるかは、契約書や所有関係を確認したうえで判断する必要があります。
親族や仕入先にだけ先に返済してもよいですか。
特定の債権者にだけ返済すること(偏頗弁済)は、後の手続で問題とされる場合があります。返済の順序や時期は手続の選択にも影響するため、返済を進める前に確認することをおすすめします。
従業員の給与はどう扱えばよいですか。
給与や退職金の支払、解雇の手続には労働基準法などのルールがあります。倒産により賃金が支払われないまま退職した従業員については、未払賃金立替払制度の利用可能性もあります。具体的な処理は社会保険労務士・労働基準監督署・労働者健康安全機構へご確認ください。
税金や社会保険料も、自己破産でなくなりますか。
税金や社会保険料は、破産をしても当然に免除されるとは限らず、扱いには注意が必要です。「破産すれば借金がすべて消える」とは限らないため、滞納がある場合は早めに状況を確認することが大切です。
リース契約や店舗の賃貸借契約はどうなりますか。
リース料や賃料の残り、設備の所有関係、保証金・敷金、原状回復、明渡しの時期などは、契約書の内容によって扱いが変わります。まず契約書を確認したうえで判断する必要があります。
相談前に、どの資料を準備すればよいですか。
確定申告書・帳簿・通帳・借入やリースの契約書・店舗の賃貸借契約書・在庫や売掛金の一覧・督促状などがあると、全体像を把握しやすくなります。すべて揃っていなくても、お手元にあるものから相談を始められます。
まとめ
- 自己破産・任意整理・個人再生・特定調停・事業継続のどれが適切かは、借入の内訳・財産・売掛金・在庫・保証人・滞納状況などで変わります。
- 店を残せるかどうかは、手続の名前よりも、返済原資・固定費・売掛金などの数字で決まります。まず資料を整えることが出発点です。
- 偏頗弁済・財産処分・安値処分・名義変更・帳簿の廃棄などは、後の手続で問題になることがあります。判断に迷う行動は事前に確認しましょう。
- 従業員・取引先・家主・リース会社・保証人への影響は、契約や事情によって異なります。個別の確認が必要です。
- 税務・労務・社会保険の手続は、税理士・社会保険労務士・所轄官庁へご確認ください。
- 「廃業日を決める前」「在庫や設備を処分する前」「一部の債権者へ返す前」が、相談を考える目安になります。
店を続けるか畳むか、どの手続を選ぶかは、資料を確認したうえで比較・検討できます。廃業日や支払の順序を決める前に、まずは状況の整理からご相談いただけます。
監修・執筆
本記事は、神戸みらい法律会計事務所(弁護士法人ひょうごあわじみらい法律会計事務所)に所属する弁護士が監修・執筆しています。当事務所は、法律と会計・税務の両面から、事業者の借金問題・債務整理・廃業に関するご相談に対応しています。監修者の氏名・所属弁護士会・登録番号・取扱分野は、弁護士紹介ページに掲載しています。
本記事は一般的な解説であり、個別の法律相談に代わるものではありません。実際の事案では、契約書や帳簿などの資料を確認し、弁護士にご相談ください。
参考資料(公的機関・公式資料)
- e‑Gov法令検索「破産法」https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000075
- e‑Gov法令検索「民事再生法」https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225
- e‑Gov法令検索「労働基準法」https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049
- e‑Gov法令検索「賃金の支払の確保等に関する法律」https://laws.e-gov.go.jp/law/351AC0000000034
- 裁判所「破産・再生」https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/hasan/index.html
- 裁判所「個人再生手続で使う書式」https://www.courts.go.jp/saiban/syosiki/syosiki_hasan/kojinsaisei/index.html
- 国税庁「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/04.htm
- 厚生労働省「未払賃金立替払制度の概要と実績」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/shinsai_rousaihoshouseido/tatekae/index.html
- 労働者健康安全機構「未払賃金の立替払事業」https://www.johas.go.jp/chinginengo/miharai/tabid/417/Default.aspx

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