中小企業の事業再生等ガイドラインによる私的整理とは|再生型・廃業型を解説 |神戸市(須磨・垂水・西神・北神)の弁護士|初回相談無料|弁護士法人ひょうご支所神戸みらい法律会計事務所

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中小企業の事業再生等ガイドラインによる私的整理とは|再生型・廃業型を解説

取引先の倒産、売上の急減、過剰債務、返済原資の不足。資金繰りが厳しくなったとき、経営者の頭をよぎるのは「このまま会社を続けられるのか」「金融機関は返済を待ってくれるのか」「自分の保証や自宅はどうなるのか」といった切実な問いではないでしょうか。こうした局面で、裁判所を使う破産や民事再生に進む前に検討できる選択肢の一つが、金融機関との合意によって進める私的整理です。

本記事では、中小企業の事業再生等に関するガイドラインに定められた私的整理手続(再生型・廃業型)の全体像を、神戸みらい法律会計事務所が整理します。どのような場面で検討できるのか、手続はどう進むのか、何を準備し、いつ弁護士に相談すればよいのかを確認していきましょう。なお、利用できるかどうかや進め方は、財務状況や金融機関等の同意状況といった個別事情により異なります。実際の判断にあたっては、資料を確認したうえでの検討が必要です。

この記事で分かること

  • 中小企業の事業再生等に関するガイドラインによる私的整理の全体像
  • 再生型私的整理と廃業型私的整理の違いと、それぞれの手続の流れ
  • 破産・民事再生などの法的整理との違い
  • 金融機関や保証人との関係で確認しておきたいポイント
  • 相談前に準備しておくとよい資料と、弁護士に相談する目安

「金融機関への返済を続けられるか不安」「破産と私的整理のどちらを選ぶべきか分からない」という段階でも、資料を確認することで取り得る選択肢を整理しやすくなります。事業継続・廃業・事業譲渡などの方向性を検討したい方は、お早めにご相談ください。

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中小企業の事業再生等ガイドラインによる私的整理とは

中小企業の事業再生等に関するガイドラインは、全国銀行協会を事務局とする「中小企業の事業再生等に関する研究会」が策定した、中小企業向けの準則型私的整理手続のルールです。令和4年4月に適用が開始され、その後の改定を経て、令和8年4月からは改定版が適用されています。法律そのものではなく法的拘束力はありませんが、債務者である中小企業者、債権者である金融機関等、その他の利害関係人によって自発的に尊重・遵守されることが期待されている制度です。

このガイドラインに基づく私的整理には、事業の継続を目指す再生型と、円滑な廃業と再スタートを目指す廃業型の二つがあります。いずれも、裁判所の手続によらず、債務(主として金融債務)について返済猶予や減免等を受ける点に特徴があります。まずは両者の違いを整理します。

項目 再生型私的整理 廃業型私的整理
目的 事業を継続しながら再生を図る 円滑・計画的に廃業し再スタートを目指す
主な対象場面 収益力低下や過剰債務はあるが、自助努力に加えた金融支援で再生の見込みがある 既存債務の弁済が困難で、早期廃業に合理性が認められる
作成する計画 事業再生計画案 弁済計画案
求める金融支援 返済猶予・債務減免等 資産の換価・処分を経た弁済と、残債務の免除等
成立要件 対象債権者全員の同意(多数決ではありません)
保証人の取扱い 経営者保証に関するガイドラインを活用し、主債務と一体整理を図るよう努める

最初に確認しておきたい要点

  • 対象となる債務は主として金融機関等への金融債務です。取引先への買掛金や公租公課、労務債務の扱いは個別の確認が必要です。
  • 計画の成立には、対象となる債権者全員の同意が必要です。一部の債権者だけを対象に進めることは原則としてできません。
  • 再生型か廃業型か、そもそも利用できるかは、財務資料と事業の状況を確認したうえで判断します。

中小企業の事業再生等に関するガイドラインの基礎知識

ガイドラインの位置付けと三部構成

このガイドラインは三部構成です。第一部で目的と対象を定め、第二部で平時・有事・計画成立後の各段階における中小企業者と金融機関の基本的な考え方を示し、第三部で具体的な私的整理手続(再生型・廃業型)を定めています。第二部は法的拘束力のない「考え方」であり、第三部の手続を利用する前提条件ではありません。実際の債務整理にあたって用いられるのは、主として第三部の手続です。

私的整理・準則型私的整理・法的整理の違い

私的整理とは、破産・民事再生・会社更生・特別清算といった裁判所の手続(法的整理)によらず、債務者と債権者の合意によって債務を整理する方法をいいます。そのうち、一定のルール(準則)に従って公正・透明に進めるものを準則型私的整理と呼び、本ガイドラインの手続もこれに当たります。

法的整理との大きな違いは、裁判所が関与せず、対象債権者全員の同意によって計画が成立する点です。法的整理では多数決や裁判所の認可によって反対債権者も拘束されますが、私的整理では一人でも反対する対象債権者がいると計画は成立しません。一方で、私的整理は手続が非公開で進められ、取引先を巻き込みにくいため、事業価値の毀損を抑えやすいという利点があります。どちらが適切かは、債権者の数や同意の見込み、事業の状況によって異なります。

対象となる中小企業者・対象債権者・主要債権者

対象となる「中小企業者」は、中小企業基本法第2条第1項に定める中小企業者(常時使用する従業員数が300人以下の医療法人を含む)を指します。同条第5項に定める小規模企業者には、一部に特則が設けられています。

第三部の手続で権利が変更される「対象債権者」は、原則として銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、農業協同組合、漁業協同組合、政府系金融機関、信用保証協会(代位弁済により求償権が発生している場合)、サービサー等、貸金業者です。廃業型では、これらに加えてリース債権者も対象債権者に含まれます。

このうち、金融債権額のシェアが上位の債権者を「主要債権者」といいます。具体的には、シェアが最も大きい対象債権者から順に積み上げ、その合計額が50%以上に達するまでの単独または複数の対象債権者を指します(廃業型ではリース債権額も金融債権額に含めて計算します)。主要債権者は、中小企業者からの申出に誠実かつ迅速に対応し、手続の円滑な進行に協力することが期待されています。

第三者支援専門家と外部専門家の役割

本手続には、二種類の専門家が関与します。

外部専門家は、弁護士、公認会計士、税理士、中小企業診断士などの専門家で、中小企業者の側に立って資産・負債や損益の調査、計画案づくりを支援します。

第三者支援専門家は、弁護士・公認会計士等のうち、本手続を遂行する適格性について認定を受け、公表された候補者リストに掲載された専門家です。中小企業者・対象債権者のいずれとも利害関係を持たない中立・公平な立場から、計画案の内容の相当性や実行可能性などを調査・検証します。第三者支援専門家は、原則として公表リストから選定し、主要債権者全員の同意を得て選任します(対象債権者全員の同意があれば、リストにない専門家を選ぶことも可能です)。なお、債務減免等を要請する内容を含む計画案の場合は、調査報告書の作成が必須とされ、第三者支援専門家には弁護士が必ず含まれることとされています。

再生型私的整理手続の流れ

再生型の手続は、おおむね次のように進みます。期間は事案により異なります。

段階 主な内容
1 検討・申出 外部専門家に相談しながら第三者支援専門家の候補を選び、主要債権者に再生型の検討を申し出る。第三者支援専門家の選任について主要債権者全員の同意を得る。
2 一時停止の要請 資金繰りの安定化のため必要があるときは、対象債権者に元本返済の一時停止等を要請する。
3 計画案の立案 企業概況、財務状況の推移、経営困難の原因、再生施策、資金繰り計画、金融支援の内容等を含む事業再生計画案を作成する。
4 調査報告 第三者支援専門家が独立・公平な立場で計画案の相当性・実行可能性等を調査し、対象債権者に報告する。
5 債権者会議 対象債権者に計画案を説明し、同意・不同意の意見表明の期限を定める(持ち回りも可)。
6 計画の成立 対象債権者全員が同意し、第三者支援専門家が確認した時点で計画が成立する。
7 モニタリング 成立後、概ね3事業年度を目途に達成状況を確認する。

一時停止の要請

急激な資金流出を抑えるため、対象債権者に対して元本返済の一時停止・猶予を要請できます。対象債権者がこれに誠実に対応するための要件として、要請が書面によること(全対象債権者の同意がある場合を除く)、全ての対象債権者に同時に行われること、手続開始前から弁済や情報開示に誠実に対応し良好な取引関係が構築されていること等が定められています。

事業再生計画案で確認されるポイント

事業再生計画案には、自助努力が十分に反映されていることに加え、企業の概況、財務状況の推移、経営が困難になった原因、事業再生のための具体的施策、今後の見通し、資金繰り計画、求める金融支援の内容などを含めることが求められます。債務減免等を要請する場合には、経営責任・株主責任の明確化や、保証人の資産開示と保証債務の整理方針を明らかにすることも必要です。また、破産手続で保障される清算価値より多くの回収が見込まれるなど、対象債権者にとっての経済合理性が求められます。

計画には、次のような数値の目途も示されています。いずれも「目途」であり、業種特性や固有の事情等に応じた合理的な理由がある場合には、これを超える内容の計画も排除されません。断定的な基準ではない点に注意が必要です。

項目 計画上の目途
実質的な債務超過の解消 実質的に債務超過である場合、計画成立後最初に到来する事業年度開始の日から概ね5年以内を目途に解消
経常利益の黒字転換 経常利益が赤字である場合、同じ起算日から概ね3年以内を目途に黒字へ転換
有利子負債の対キャッシュフロー比率 計画終了年度において概ね10倍以下

なお、小規模企業者が債務減免等を求めない計画を作成する場合には、これらの数値基準に代えて、より簡易な要件によることができる特則が設けられています。

調査報告と債権者会議、計画成立後のモニタリング

第三者支援専門家は、計画案の相当性・実行可能性、金融支援の必要性・内容の相当性・衡平性、清算価値と比較した経済合理性などを調査し、対象債権者に報告します。その後、原則として全ての対象債権者による債権者会議(または持ち回り)を経て、対象債権者全員が同意した時点で計画が成立します。成立後は、外部専門家や主要債権者が、原則として概ね3事業年度を目途に達成状況をモニタリングします。計画と実績の乖離が大きい場合には、原因分析のうえ、計画の変更や抜本再建、法的整理・廃業型への移行などが検討されます。

事業再生計画案では、財務状況の分析、清算価値との比較、金融支援の内容など、会計と法律の両面からの検討が必要になります。神戸みらい法律会計事務所には弁護士と公認会計士が在籍しており、財務資料を踏まえた見通しの検討に対応できます。まずは現状の整理からご相談いただけます。

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廃業型私的整理手続の流れ

事業の継続が難しいと判断される場合でも、いきなり破産を選ぶのではなく、円滑な廃業と再スタートを目指す廃業型私的整理を検討できる場合があります。廃業型は、過大な債務を負い既存債務の弁済が困難であること、円滑・計画的な廃業により従業員の転職機会を確保できる可能性があり経営者等の再スタートの可能性があるなど早期廃業の合理性が認められること等を要件とします。

手続は、外部専門家とともに主要債権者へ申し出るところから始まり、資産の換価・処分の方針や弁済計画を盛り込んだ弁済計画案を作成します。第三者支援専門家が計画案の相当性等を調査・報告し、対象債権者全員の同意により計画が成立します。

弁済計画案で確認されるポイント

弁済計画案には、企業概況、財務状況の推移、実態貸借対照表、資産の換価・処分の方針、金融債務以外の債務の弁済計画、対象債権者への弁済計画などを含めます。再生型と同様、破産手続で保障される清算価値よりも多くの回収が見込まれるなど、対象債権者にとっての経済合理性が求められます。取引先の連鎖倒産の回避など、地域経済への影響に配慮した内容とすることも想定されています。

破産手続との違い

破産は裁判所が選任する破産管財人が財産を換価・配当する法的手続であり、原則として全ての債権者が対象となります。これに対し廃業型私的整理は、対象債権者(金融機関等。廃業型ではリース債権者を含む)との合意により進める私的整理で、裁判所は関与しません。手続が非公開で進むため、取引先への影響を抑えながら円滑な廃業を図りやすい面があります。もっとも、対象債権者全員の同意が得られない場合には成立せず、破産等の法的整理への移行を検討することになります。どちらの手続が適切かは、債権者の構成、資産・負債の状況、従業員や取引先への影響などを踏まえて判断する必要があります。

会社の破産・清算を含めた選択肢を検討したい場合は、あわせて以下もご確認ください。

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経営者保証に関するガイドラインとの関係

中小企業の借入れには、経営者個人が連帯保証をしているケースが少なくありません。会社の債務を私的整理する場合、保証人が保証債務の整理を図るときは、経営者保証に関するガイドラインを活用するなどして、会社の主債務と保証債務の一体整理を図るよう努めることとされています。経営者保証に関するガイドラインでは、保証人の手元に残せる資産(自由財産に加えた一定の資産)の範囲などが検討の対象となりますが、その範囲や扱いは個別事情により異なります。経営者個人の生活や自宅への影響が気になる場合は、会社の整理と保証債務の整理をあわせて検討することが重要です。

よく問題になるケースと注意点

金融機関の同意が得られない場合

本手続は対象債権者全員の同意を成立要件とするため、一部の金融機関が同意しない場合には計画は成立しません。その場合は、計画案の修正による合意形成を試みるほか、民事再生など多数決によって反対債権者も拘束できる法的整理への移行を検討することになります。どの手続を選ぶかは、債権者の数や同意の見込み、事業の状況により異なります。

一部の債権者だけを対象にできるか

対象とするのは原則として金融債権を有する債権者であり、その中で特定の債権者だけを恣意的に外すことはできません。権利関係の調整は債権者間の平等を旨とし、負担割合は衡平性の観点から個別に検討されます。取引先への買掛金など金融債務以外の債務をどう扱うかは、手続の枠組みと個別事情を踏まえた検討が必要です。

支払や資産処分を始める前に確認を

手続を検討している段階で、特定の債権者にだけ返済をしたり、抜け駆け的に資産を売却・贈与したり、特定の債権者に担保を提供したりすると、債権者間の衡平を損ない、その後の手続や、移行先となり得る法的整理において問題となるおそれがあります。返済を止める前、一部の債権者に支払う前、資産を売却する前に、一度弁護士に確認することをおすすめします。

税金・社会保険料の滞納がある場合

税金や社会保険料は、本手続で整理の対象となる金融債務とは性質が異なります。滞納がある場合の取扱いや、債務免除を受けた場合の税務(債務免除益課税など)は、本ガイドラインだけで結論が決まるものではなく、税理士や所轄の税務署、年金事務所等への確認が必要です。本記事は一般的な整理にとどまり、税務上の具体的な取扱いについては税務の専門家にご確認ください。

代表者保証・自宅への影響

代表者が連帯保証をしている場合、会社の整理と保証債務の整理は密接に関係します。前述のとおり、経営者保証に関するガイドラインを活用した一体整理を検討できますが、自宅を残せるかどうかなどは保証人の資産・負債の状況や債権者との協議により異なります。早い段階で資産関係の資料を整理し、見通しを検討しておくことが望まれます。

従業員・取引先への説明のタイミング

従業員への説明、未払賃金や退職の取扱い、取引先への対応は、手続の進め方や事業の継続可能性と密接に関わります。説明の時期や方法を誤ると、事業価値の毀損や信頼関係の悪化を招くおそれがあります。これらは私的整理の枠組みとは別の論点として、個別に整理することが必要です。

事業継続か廃業かを迷う場合

再生型と廃業型のどちらが適切か、あるいは法的整理を選ぶべきかは、財務資料、事業の見通し、金融機関との関係、保証人の状況などを総合して判断します。「まだ続けられるのか、畳むべきか」という判断は、感覚ではなく資料に基づいて検討することが重要です。事業継続と廃業のどちらが適切かは、資料を確認したうえでの検討が必要です。

手続前に確認すべきチェックリスト

金融機関への申出や弁護士への相談に向けて、次のような資料を整理しておくと、現状把握と見通しの検討がスムーズになります。すべてが揃っていなくても、ある範囲でご相談いただけます。

  • 直近の決算書(数期分)、試算表
  • 資金繰り表、今後の資金繰り見込み
  • 借入金一覧、返済予定表
  • 担保・保証の状況が分かる資料
  • リース契約書、不動産賃貸借契約書
  • 主要取引先との契約書、売掛金・買掛金一覧
  • 在庫・固定資産・不動産・車両・機械設備の一覧
  • 税金・社会保険料の納付状況が分かる資料
  • 給与・未払賃金・従業員に関する資料
  • 金融機関とのやり取り(通知書、リスケに関する資料、メール等)
  • 事業計画、売上見込み、受注状況
  • 保証人の資産・負債が分かる資料
  • すでに届いている督促状や、期限のある通知書

弁護士に相談するタイミング

本手続を利用できるか、再生型・廃業型・法的整理のいずれが適切かは、資料を確認したうえで判断する必要があります。弁護士への相談は、結果を保証するためのものではなく、現状を整理し、取り得る選択肢と見通しを検討するためのものです。次のような段階では、早めの相談が方針整理に役立ちます。

  • 資金ショートの時期が見えてきた段階
  • 金融機関への返済猶予・リスケを検討している段階
  • 主要な金融機関との協議が難航している段階
  • 債務減免、事業譲渡、廃業を視野に入れ始めた段階
  • 保証人の生活や自宅への影響が気になる段階
  • 一部の債権者への支払い、資産の売却、従業員への対応を始める前
  • 民事再生・破産・特別清算・中小企業活性化協議会・ガイドライン手続の比較が必要な段階

神戸みらい法律会計事務所では、財務資料を踏まえて、私的整理・法的整理・廃業・事業譲渡などの選択肢を整理し、見通しを検討するご相談に対応しています。弁護士と公認会計士が在籍しており、法律面と会計面の両方からの検討が可能です。金融機関との協議を本格化させる前に、一度ご相談ください。

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よくある質問

中小企業の事業再生等に関するガイドラインとは何ですか。

全国銀行協会を事務局とする研究会が策定した、中小企業向けの準則型私的整理手続のルールです。裁判所を使わず、金融機関等との合意により、債務の返済猶予や減免等を受けて事業再生や円滑な廃業を図ることを目的としています。法的拘束力はありませんが、関係者に自発的に尊重・遵守されることが期待されています。

私的整理は、民事再生や破産と何が違いますか。

民事再生や破産は裁判所が関与する法的整理で、多数決や裁判所の認可により反対する債権者も拘束されます。これに対し本手続は私的整理であり、裁判所は関与せず、対象債権者全員の同意によって計画が成立します。非公開で進むため取引先を巻き込みにくい一方、一人でも反対する対象債権者がいると成立しない点が異なります。

再生型と廃業型はどう違いますか。

再生型は事業の継続を前提に、事業再生計画案を作成して返済猶予や債務減免等を求める手続です。廃業型は円滑な廃業を前提に、弁済計画案を作成して資産の換価・弁済と残債務の整理を図る手続です。どちらが適切かは、事業の継続可能性や財務状況などにより異なります。

金融機関が同意しない場合でも利用できますか。

本手続は対象債権者全員の同意が成立要件です。一部の金融機関が同意しない場合は計画が成立しないため、計画案の修正による合意形成を図るか、民事再生など法的整理への移行を検討することになります。同意の見込みは事案により異なります。

税金や社会保険料の滞納がある場合も使えますか。

税金や社会保険料は、本手続で整理する金融債務とは性質が異なります。滞納がある場合の取扱いや、債務免除を受けた場合の税務は、本ガイドラインだけでは結論が決まりません。税理士や税務署、年金事務所等への確認が必要です。

代表者の連帯保証はどうなりますか。

保証人が保証債務の整理を図る場合は、経営者保証に関するガイドラインを活用するなどして、会社の主債務と一体的に整理するよう努めることとされています。手元に残せる資産の範囲や自宅の扱いは、保証人の資産・負債の状況や債権者との協議により異なります。

弁護士にはいつ相談すればよいですか。

資金ショートの時期が見えてきたとき、金融機関との協議が難航しているとき、債務減免や廃業を視野に入れ始めたときなどが、相談を検討する目安です。特に、一部の債権者への支払いや資産の売却を始める前の段階での相談が、その後の選択肢を広げることにつながります。

まとめ

  • 中小企業の事業再生等に関するガイドラインは、裁判所を使わず金融機関等との合意で進める準則型私的整理のルールで、再生型と廃業型があります。
  • いずれも対象債権者全員の同意が成立要件で、対象は主として金融債務です。
  • 第三者支援専門家が中立・公平な立場で計画案を調査・検証し、債務減免等を伴う場合は弁護士が関与します。
  • 代表者保証は、経営者保証に関するガイドラインを活用した一体整理を検討できます。
  • 利用の可否や進め方は、財務資料と金融機関等の同意状況により異なります。返済を止める前、資産を処分する前に、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。

神戸みらい法律会計事務所では、事業再生・廃業・法人破産に関するご相談に対応しています。関連する解説は以下もご覧ください。

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監修者・執筆者

弁護士法人ひょうご支所 神戸みらい法律会計事務所
弁護士・公認会計士 藤井 貴之
所属:兵庫県弁護士会/日本公認会計士協会兵庫会

当事務所は、弁護士と公認会計士の双方の視点から、企業法務、事業再生、法人破産・事業者破産などのご相談に対応しています。神戸市須磨区を拠点に、兵庫県内の事業者の皆さまをサポートしています。

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