債務整理と賃貸・携帯・公共料金への影響|契約を守る確認点 |神戸市(須磨・垂水・西神・北神)の弁護士|初回相談無料|弁護士法人ひょうご支所神戸みらい法律会計事務所

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債務整理と賃貸・携帯・公共料金への影響|契約を守る確認点

「債務整理をすると、いま住んでいる賃貸住宅を追い出されるのではないか」「スマートフォンが使えなくなって、仕事や家族との連絡に困るのではないか」「電気やガス、水道まで止まってしまうのではないか」。借金の整理を考えるとき、多くの方が、毎日の暮らしを支える契約への影響を強く心配されます。

結論から申し上げると、債務整理をしたという事実だけで、賃貸借契約が当然に終了したり、携帯電話が直ちに使えなくなったり、電気・ガス・水道がただちに止まったりするわけではありません。影響が出るかどうか、また、どの程度の影響になるかは、選ぶ手続の種類、その契約に関して滞納があるかどうか、契約先が整理の対象に含まれるか、保証会社が関係するか、信用情報への登録、契約の内容、各社の審査方針などによって変わります。

この記事では、債務整理が賃貸住宅・携帯電話・公共料金という三つの生活契約に与える影響を、契約ごとに分けて整理します。あわせて、生活に必要な契約を維持するために、手続の前に確認しておきたい資料や、弁護士に相談するタイミングについても説明します。なお、個別の事情によって結論は変わりますので、ご自身の状況に当てはめて確認したい場合は、契約書や請求書などの資料をお手元に、早めにご相談いただくことをおすすめします。

債務整理が、いまの賃貸・携帯・公共料金にどう影響するかは、契約内容や滞納状況によって異なります。お手元の契約書・請求書・督促状などをもとに、生活に必要な契約を維持するための確認事項を一緒に整理できます。

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Contents

債務整理をしても、日常の契約がすべて直ちに終了するわけではありません

まず全体像です。債務整理は、借入れなどの債務を法律にもとづいて整理する手続の総称で、主に任意整理・個人再生・自己破産の三つがあります。これらの手続をとったからといって、借金以外のすべての契約が自動的に打ち切られるわけではありません。

影響の有無や程度は、次のような要素によって変わります。同じ「債務整理」でも、人によって生活契約への影響が大きく異なるのはこのためです。

日常の契約への影響を左右する主な要素

  • 選んだ手続の種類(任意整理・個人再生・自己破産)
  • その契約について、家賃・料金の滞納があるかどうか
  • 契約先(貸主・保証会社・携帯会社・カード会社など)が整理の対象に含まれるか
  • 家賃保証会社や連帯保証人が関係しているか
  • 信用情報への登録の有無と、各社の審査方針
  • 支払方法がクレジットカードか、口座振替・払込票か

そのうえで、賃貸住宅・携帯電話・公共料金のそれぞれについて、「いま確認すべきこと」を大づかみに整理すると、次のとおりです。

契約の種類 まず確認すべきこと 影響を左右する主な事情
賃貸住宅 家賃の滞納の有無、保証会社の有無、貸主・管理会社・保証会社からの通知 滞納状況、信頼関係が破壊されたといえるか、保証会社への求償債務の扱い
携帯電話 通信料金の滞納の有無、端末代金の分割残高の有無 通信契約と端末分割の別、未払金を整理対象に含めるか、信用情報の影響
公共料金 滞納の有無、支払方法(カード払いか口座振替か)、供給停止予告の有無 事業者・自治体・約款による違い、カード利用が止まる可能性

生活費を守りたいという思いから、特定の支払いだけを続けようとすると、手続の種類によっては「偏頗弁済(へんぱべんさい)」などの問題が生じる場合があります。どの支払いを、どの順番で続けてよいかは、手続を選ぶ前に弁護士へ確認することをおすすめします。詳しくは後半で説明します。

債務整理の種類と信用情報の基礎

任意整理・個人再生・自己破産の違い

生活契約への影響を理解する前提として、三つの手続の特徴を簡単に整理します。なお、各手続の要件・効果・期間などの詳細は、ご事情によって変わるため、個別の確認が必要です。

手続 おおまかな特徴 対象とする債権者
任意整理 裁判所を介さず、債権者と個別に返済条件を交渉する手続 原則として、整理したい債権者を選んで対象にできる
個人再生 裁判所の手続により、再生計画にもとづいて債務を圧縮する手続(民事再生法) 原則としてすべての債権者が対象(一部に例外あり)
自己破産 裁判所の手続により、原則として債務の支払義務を免れる手続(破産法) 原則としてすべての債権者が対象(一部に例外あり)

重要なのは、任意整理では対象とする債権者を選べるのに対し、個人再生・自己破産では原則としてすべての債権者を平等に扱う必要がある、という点です。この違いが、後述する「特定の支払いだけを続けてよいか」という問題に直結します。

「いわゆるブラックリスト」とは何か

債務整理というと「ブラックリストに載る」という言い方をよく耳にしますが、実際には「ブラックリスト」という名前のリストが存在するわけではありません。指定信用情報機関であるCICも、自社が保有する信用情報に「ブラックリスト」という名のリストはない、と説明しています。

正確には、クレジットやローンの契約・支払状況に関する情報(いわゆる信用情報)が、信用情報機関に登録され、一定の事由がある場合には、その後の審査で参考にされる、という仕組みです。日本の主な信用情報機関には、CIC、JICC(日本信用情報機構)、全国銀行個人信用情報センターの三つがあり、それぞれ登録される情報の種類や登録期間が異なります。

債務整理との関係でも、機関ごとに扱いが異なります。たとえばCICは、特定調停や民事再生の申請、弁護士・司法書士への債務整理の依頼という事実そのものについては、コメントとして登録しないと説明しています。もっとも、これは「債務整理をしても信用情報に何も残らない」という意味ではありません。対象となった会社との契約や支払いの状況に関する情報は登録され得ますし、自己破産・個人再生のように官報に掲載される手続では、官報情報が登録される機関もあります。どの情報が、どの機関に、どの程度の期間残るかは、機関の公式情報で確認する必要があります。

信用情報の登録期間と審査への影響

信用情報の登録期間は、情報の種類や信用情報機関によって異なり、数年単位となるのが一般的です。具体的な年数は各機関が公表しており、見直しが行われることもあるため、最新の年数はCIC・JICC・全国銀行個人信用情報センターの公式情報でご確認ください(本記事末尾の参考資料に各機関へのリンクを掲載しています)。

信用情報に一定の事由が登録されている間は、クレジットカードの新規発行、ローンの借入れ、分割払いの審査などに影響が出る可能性があります。ただし、審査は各社が自社の基準にもとづいて総合的に判断するものであり、信用情報だけで結果が決まるわけではありません。「登録されているから必ず通らない」「登録が消えれば必ず通る」と一律に考えるのではなく、契約ごとに状況を確認することが大切です。

賃貸住宅への影響

家賃を滞納していない場合

いま住んでいる賃貸住宅について、家賃を滞納していない場合、債務整理をしたという事実だけで賃貸借契約が当然に終了する、とは限りません。賃貸借契約は、借主の経済状況のみによって自動的に解除される性質のものではないからです。

もっとも、家賃の支払方法をクレジットカードにしている場合は注意が必要です。債務整理後にそのカードが使えなくなると、家賃の引き落としができず、結果として滞納が生じるおそれがあります。この点は後述の「支払方法」の項目で詳しく扱います。

家賃を滞納している場合

家賃の滞納がある場合は、状況が変わります。賃料の不払が続き、貸主との信頼関係が破壊されたと評価される程度に至ると、賃貸借契約が解除されることがあります(信頼関係が破壊されたといえるかどうかは、滞納の期間や金額、これまでの経緯などを踏まえて個別に判断されます)。

滞納がある場合には、賃貸借契約書のほか、保証委託契約書、管理会社・保証会社・貸主から届いている通知書を確認し、現在どのような状況にあるのかを早めに把握する必要があります。督促や契約解除の通知が届いているかどうかで、とるべき対応が大きく変わります。

家賃保証会社が関係する場合

近年は、連帯保証人に代えて家賃保証会社(家賃債務保証業者)を利用する賃貸借契約が増えています。保証会社が関係する場合、家賃を滞納すると、保証会社が貸主に立替払い(代位弁済)をし、その後に借主へ立替分を請求(求償)する、という流れになることがあります。この求償債務をどう扱うかも、債務整理にあたって確認すべき点です。

なお、家賃保証会社をめぐっては、保証委託契約の内容について重要な裁判例があります。最高裁判所は令和4年12月12日の判決で、家賃保証業者が用いていた契約条項のうち、一定の場合に賃料等の支払の遅滞があれば何らの限定なく無催告で賃貸借契約を解除できるとする条項や、賃貸住宅の明渡しがあったものとみなすことができるとする条項について、消費者契約法第10条に該当するとして、その使用を差し止めました。これを受けて国土交通省も、家賃債務保証業者に対し、同様の条項を使用しないよう周知しています。保証会社から通知を受け取った場合でも、その内容や条項が直ちにすべて有効とは限らないため、契約書の文言を確認することが大切です。

家賃債務保証業者の登録制度(国土交通省)は任意の登録制度であり、登録のない業者も存在します。登録の有無は業者選択の参考情報であって、登録がないこと自体が直ちに違法を意味するものではありません。お住まいの物件の保証会社がどのような会社かは、保証委託契約書で確認できます。

更新審査・新規入居審査への影響

賃貸借契約の更新時や、新たに別の物件へ入居する際には、保証会社や管理会社による審査が問題になることがあります。保証会社の中には、信販系の会社のように信用情報を参照する場合があり、信用情報に一定の事由が登録されていると、審査に影響する可能性があります。

ただし、「債務整理をすると更新できない」「保証会社の審査に必ず落ちる」と一律に決まっているわけではありません。審査の方法や基準は会社によって異なり、信用情報を参照しない保証形態もあります。更新や転居を控えている場合は、現在の保証会社の種類や、契約更新の時期を早めに確認しておくと、対応を検討しやすくなります。

連帯保証人・同居家族への影響

連帯保証人がいる場合、借主が家賃を滞納すると、保証人に請求が及ぶことがあります。一方で、保証契約がなく、滞納もない場合には、債務整理をしたこと自体が直ちに同居家族や保証人の契約上の地位に影響するわけではありません。影響の有無は、保証契約の有無や滞納状況によって異なります。

賃貸住宅について確認すべき資料

  • 賃貸借契約書(契約期間・更新の条件・解除に関する条項)
  • 保証委託契約書(保証会社の名称・求償に関する条項)
  • 家賃の滞納状況がわかる資料、家賃の支払方法(カード払いか口座振替か)
  • 管理会社・保証会社・貸主から届いた通知書・督促状

「滞納がある」「保証会社から通知が来た」「もうすぐ更新時期」といった場合は、対応の選択肢が時間とともに狭まることがあります。契約書や通知書をもとに、いまとり得る対応と注意点を整理できます。

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携帯電話への影響

通信契約と端末の分割払いは分けて考える

携帯電話への影響を考えるときは、「通信サービスの契約(毎月の通信料金)」と「端末(スマートフォン本体)の分割払い」を分けて考えることが出発点になります。両者は本来別の契約であり、債務整理での扱いも異なるためです。

端末を分割で購入している場合、その分割払いは、割賦販売法上の「個別信用購入あっせん」などに当たることがあり、申込みの際に信用情報を参照した審査が行われます。実際、CICも、携帯電話端末の分割払いの申込みにあたって信用情報が照会されることを前提とした説明をしています。

いま使っている携帯電話を使い続けられるか

いま使っている携帯電話について、毎月の通信料金を滞納していなければ、債務整理をしたという事実だけで直ちに通信を使えなくなる、とは限りません。通信契約は、利用料金がきちんと支払われている限り、借入れの整理とは別の契約として継続し得るからです。

ただし、通信料金の支払方法をクレジットカードにしている場合は、家賃と同様に、カードが使えなくなることで支払いが滞り、結果的に利用停止につながるおそれがあります。支払方法の確認は早めに行ってください。

機種変更・新規契約・分割払いへの影響

新たに端末を分割で購入する場合や、新規に回線契約を結ぶ場合、機種変更にあわせて端末を分割購入する場合には、信用情報を参照した割賦の審査が問題になり得ます。信用情報に一定の事由が登録されていると、分割払いの審査が通らない可能性があります。

分割での購入が難しい場合に実務上検討される選択肢としては、端末を一括で購入する、SIMのみの契約にして手持ちの端末を使う、いま使っている端末をそのまま使い続ける、といった方法があります。いずれが適切かは、費用や端末の状態によって異なります。なお、審査を通すために家族の名義を借りたり、事実と異なる申告をしたりすることは適切ではなく、おすすめできません。

携帯料金・端末代金を滞納している場合

携帯会社や信販会社への未払金(滞納している通信料金や端末代金の残債)を債務整理の対象に含める場合には、通信の停止や強制解約、端末代金の残債の扱いがどうなるかを確認する必要があります。未払金を整理対象に含めるかどうかによって、通信を継続できるかが変わることがあるため、慎重な判断が求められます。

支払方法を変更するときの注意点

通信料金や端末代金をクレジットカードで支払っている場合、債務整理後にカードが使えなくなる可能性を踏まえ、口座振替や払込票など、別の支払方法への変更を検討する必要があります。変更の手続には日数がかかることもあるため、早めの確認が大切です。

携帯電話について確認すべき資料

  • 携帯電話の契約内容(通信契約と端末分割の別)
  • 端末代金の分割残高がわかる資料
  • 携帯会社・信販会社からの請求書・督促状
  • 通信料金・端末代金の支払方法(カード払いか口座振替か)

公共料金(電気・ガス・水道)への影響

基本的な考え方

電気・ガス・水道は生活に直結するため、影響の有無を早めに確認しておきたい契約です。これらの供給停止に関する取扱いは、契約している事業者や供給する自治体、適用される約款によって異なります。供給停止までの期間なども事業者・自治体ごとに違うため、全国一律の日数として考えることはできません。ご自身の契約先の約款や通知で確認することが基本になります。

滞納がない場合

電気・ガス・水道の料金を滞納していない場合、債務整理をしたという事実だけで直ちに供給が止まる、とは限りません。供給停止は通常、料金の不払を理由として、約款に定められた手続を経て行われるためです。

もっとも、ここでも支払方法がクレジットカードの場合は注意が必要です。カードが使えなくなると料金の引き落としができず、結果として滞納が生じるおそれがあります。

滞納がある場合

公共料金の滞納がある場合には、供給事業者や自治体から届く通知、適用される約款、支払期限、供給停止の予告を確認する必要があります。供給停止の予告が届いている場合は、対応の緊急度が高くなります。どの料金から、どのように対応すべきかは状況によって異なるため、通知が届いた段階で早めに確認することをおすすめします。

クレジットカード払いからの切替え

家賃・通信料金・公共料金などをクレジットカードで支払っている場合、債務整理後にカードの利用が止まる可能性に備えて、口座振替・デビットカード・払込票・現金払いなど、生活を止めないための代替手段を確認しておく必要があります。とりわけ電気・ガス・水道は生活の基盤であるため、優先的に切替えを検討する価値があります。

支払方法の見直しは「カードに紐づくものの洗い出し」から

家賃、携帯料金、電気・ガス・水道、各種サブスクリプションなど、クレジットカードに紐づいている毎月の支払いをすべて書き出し、口座振替や払込票などに切り替えられるものから順に見直すと、カードが止まった場合の生活への影響を抑えやすくなります。

公共料金について確認すべき資料

  • 電気・ガス・水道の請求書・検針票
  • 料金の滞納状況がわかる資料、督促状、供給停止予告
  • 料金の支払方法(カード払いか口座振替か)

手続別に見た影響の整理

ここまでの内容を、手続の種類ごとに大づかみで整理します。下表はあくまで一般的な傾向であり、実際の影響は契約内容や滞納状況、各社の審査方針によって変わります。一律の結論として受け取らず、ご自身の状況に当てはめて確認してください。

観点 任意整理 個人再生 自己破産
裁判所手続 原則として裁判所を介さない 裁判所の手続による 裁判所の手続による
対象とする債権者 選んで対象にできる 原則すべて(例外あり) 原則すべて(例外あり)
賃貸(滞納なし) いずれの手続でも、滞納がなければ債務整理の事実だけで契約が当然に終了するとは限らない。支払方法がカードの場合は切替えの検討が必要
携帯(通信・滞納なし) 通信料金を滞納していなければ、直ちに利用できなくなるとは限らない。端末の新規分割は信用情報の影響を受け得る
公共料金(滞納なし) 滞納がなければ直ちに供給停止になるとは限らない。カード払いは切替えの検討が必要
特定の支払いの継続 対象から外す形での整理が考えられる場合がある 特定の債権者だけへの返済は偏頗弁済などの問題を生じ得るため、手続前に要確認

よく問題になるケース

家賃をクレジットカードで払っている

家賃をカード払いにしている場合、債務整理後にそのカードが使えなくなると、家賃の引き落としができず滞納につながるおそれがあります。早めに、口座振替や振込など別の支払方法に変更できるか、管理会社・貸主に確認しておくと安心です。

携帯端末代金の分割が残っている・携帯料金を滞納している

端末の分割残債が残っている場合や、通信料金を滞納している場合は、その未払金を整理の対象に含めるかどうかで、通信の継続や端末の扱いが変わることがあります。含める場合の通信停止・強制解約・残債の扱いを確認したうえで判断する必要があります。

電気・ガス・水道をカード払いにしている

公共料金をカード払いにしている場合、生活の基盤に直結するため、口座振替や払込票への切替えを優先的に検討する価値があります。なお、公共料金を口座振替などで直接支払っている場合、その支払い自体が信用情報機関に登録されるわけではない、とCICは説明しています。

給与振込口座と借入先銀行が同じ

給与の振込先口座が、借入れをしている銀行と同じ場合には、預金と借入金が相殺されたり、口座が一時的に利用しづらくなったりする可能性が問題になることがあります。給与の入金時期や生活費の管理に影響し得るため、この点は手続を進める前に弁護士へ確認しておくことをおすすめします。

家族名義・家族カードの契約がある

家族名義の契約や、家族カードを利用している場合、本人の債務整理が家族名義の契約にどう影響するかは、契約の名義や利用形態によって異なります。名義や引き落とし口座の関係を整理したうえで確認する必要があります。

一部の支払だけ続けてよいか迷っている

「家賃と携帯だけは止めたくない」という思いから、特定の支払いだけを続けたいと考える方は少なくありません。しかし、個人再生・自己破産では原則としてすべての債権者を平等に扱う必要があり、特定の債権者だけに返済する行為は「偏頗弁済」などの問題を生じる場合があります。手続の選択や進め方に影響することがあるため、どの支払いを続けてよいかは、自己判断せず、手続を選ぶ前に弁護士へ確認することが重要です。

手続前に確認しておきたいチェックリスト

債務整理を検討する際、生活に必要な契約を守るために、手元にそろえておきたい資料をまとめます。示談前・申請前・支払方法を変える前に、一度確認しておくと、対応の見通しを立てやすくなります。

  • 賃貸借契約書/保証委託契約書
  • 家賃の滞納状況がわかる資料、貸主・管理会社・保証会社からの通知・督促状
  • 携帯電話の契約内容、端末代金の分割残高、携帯会社からの請求書・督促状
  • 電気・ガス・水道の請求書・検針票、督促状、供給停止予告
  • 各種料金の支払方法(カード払いか口座振替か)がわかる資料
  • クレジットカードの明細、口座振替の設定状況
  • 給与振込口座と、借入先の金融機関の関係
  • 債権者の一覧(借入先・残高がわかるもの)
  • 信用情報の開示結果(取得している場合)
  • 毎月の収入と支出がわかる家計の状況

弁護士に相談するタイミング

次のような場面では、早めに弁護士へ相談することで、資料を整理し、対応方針を検討しやすくなります。相談は、結果を保証するためのものではなく、ご自身の状況を法的に整理し、生活に必要な契約を維持するための準備や選択肢を確認するためのものです。

  • 家賃・携帯・公共料金のどれを優先して支払うべきか迷っているとき
  • 保証会社や携帯会社から通知・督促が届いたとき
  • 公共料金の供給停止予告が届いたとき
  • クレジットカード払いの支払いが止まりそうなとき
  • 任意整理・個人再生・自己破産のどれを選ぶべきか判断できないとき
  • 特定の支払いだけ続けてよいか分からないとき

債務整理は、選ぶ手続によって生活契約への影響が変わります。お手元の契約書・請求書・督促状をもとに、賃貸・携帯・公共料金を維持するための確認事項と、手続の選択肢を整理できます。費用の目安は費用ページでご確認いただけます。

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よくある質問(FAQ)

債務整理をすると賃貸住宅を追い出されますか。

家賃を滞納していない場合、債務整理の事実だけで賃貸借契約が当然に終了するとは限りません。一方、滞納が続いて貸主との信頼関係が破壊されたと評価される場合には、契約が解除されることがあります。滞納の有無や経緯によって扱いが異なります。

自己破産をすると賃貸契約の更新はできなくなりますか。

一律にできなくなるわけではありません。更新時の審査は保証会社や管理会社の方針によって異なり、信用情報を参照しない保証形態もあります。更新時期や保証会社の種類を事前に確認しておくと、対応を検討しやすくなります。

家賃保証会社の審査に影響しますか。

信販系など信用情報を参照する保証会社の場合、信用情報に一定の事由が登録されていると審査に影響する可能性があります。ただし審査方法は会社により異なり、必ず影響するとは限りません。契約中の保証会社の種類を確認することをおすすめします。

債務整理をした後も携帯電話は使えますか。

毎月の通信料金を滞納していなければ、債務整理の事実だけで直ちに使えなくなるとは限りません。ただし、料金の支払方法がカード払いの場合、カードが使えなくなることで支払いが滞るおそれがあるため、支払方法の確認が必要です。

スマートフォンの分割払いはできなくなりますか。

端末の分割購入は信用情報を参照した審査が行われるため、信用情報に一定の事由が登録されていると、新たな分割払いの審査が通らない可能性があります。一括購入やSIMのみ契約、既存端末の継続利用などの選択肢があります。

公共料金は債務整理で止まりますか。

滞納がなければ、債務整理の事実だけで直ちに供給停止になるとは限りません。供給停止の取扱いは事業者・自治体・約款によって異なります。カード払いの場合は、カードが止まることで滞納が生じないよう、支払方法の切替えを検討してください。

クレジットカード払いの家賃や公共料金はどうすればよいですか。

債務整理後にカードが使えなくなる可能性があるため、口座振替や払込票など別の支払方法へ切り替えられるか、早めに確認することをおすすめします。生活の基盤となる契約から優先して見直すと、影響を抑えやすくなります。

相談前に何を準備すればよいですか。

賃貸借契約書、保証委託契約書、携帯電話の契約内容と端末分割残高、電気・ガス・水道の請求書、各料金の支払方法がわかる資料、債権者の一覧などをご用意いただくと、状況の整理がスムーズになります。届いている通知や督促状もあわせてご確認ください。

まとめ

債務整理と日常の契約の関係について、要点と次の行動を整理します。

  • 債務整理をしたという事実だけで、賃貸・携帯・公共料金がすべて直ちに終了・停止するわけではない
  • 影響の有無は、手続の種類、滞納の有無、保証会社の有無、信用情報、契約内容、各社の審査方針により異なる
  • 賃貸・携帯・公共料金は、それぞれ「滞納の有無」と「支払方法(カード払いか否か)」を分けて確認する
  • カードに紐づく支払いを洗い出し、口座振替・払込票などへの切替えを早めに検討する
  • 特定の支払いだけを続けてよいかは、偏頗弁済などの問題があるため、手続前に弁護士へ確認する
  • 通知・督促状・供給停止予告が届いたら、対応の緊急度が高いため、資料をそろえて早めに相談する

「どの契約をどう守ればよいか」「どの手続が適しているか」は、契約内容や滞納状況によって変わります。神戸みらい法律会計事務所では、お手元の資料をもとに、生活に必要な契約を維持するための確認事項と今後の方針を整理するお手伝いをしています。

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参考資料(公的機関・信用情報機関の公式情報)

  • 指定信用情報機関のCIC(信用情報・保有期間・携帯電話端末の分割払いに関する情報) https://www.cic.co.jp/
  • 日本信用情報機構(JICC)(信用情報の内容と登録期間) https://www.jicc.co.jp/
  • 全国銀行個人信用情報センター(登録情報・登録期間) https://www.zenginkyo.or.jp/pcic/
  • 国土交通省「家賃債務保証業者登録制度」 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_fr7_000024.html
  • e-Gov法令検索(民法・借地借家法・破産法・民事再生法・割賦販売法) https://laws.e-gov.go.jp/
  • 裁判所(破産手続・個人再生手続) https://www.courts.go.jp/

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