会社を設立するときに作成する「定款(ていかん)」は、会社の目的や商号、株式、役員の任期といった会社の基本ルールを定めた書類です。もっとも、いざ内容を確認しようとすると、「何をどこまで書くのか」「作成した後に変更するにはどうすればよいのか」「そもそも現在有効な定款が手元にない」といった疑問に直面する方は少なくありません。
この記事では、株式会社の定款について、記載事項の種類、作成と認証の手続、設立後の定款変更と登記、保管・閲覧・紛失時の確認方法までを、これから会社を設立する方、既存の会社を経営される方、総務や法務のご担当者に向けて整理します。まず結論の方向性をお伝えすると、定款は会社の基本ルールであり、株式会社では設立時に公証人の認証が必要です。設立後の変更は、内容に応じて株主総会の決議や変更登記が必要になる場合があり、手元にある定款が現在の内容を反映しているとは限らない点にも注意が必要です。
定款の内容確認や変更をご検討中の方は、現行定款・登記事項証明書・株主総会議事録などを確認することで、必要な決議や登記の見通しを整理しやすくなります。
Contents
まず押さえたい定款の全体像
定款に関する手続は、「今どの場面にいるか」によって必要な対応が変わります。ご自身の会社の状況を次の観点から整理すると、確認すべきことが見えやすくなります。
定款まわりでまず確認したいポイント
- 設立前か、設立後か
- 株式会社か、合同会社などの持分会社か
- 手元にあるのは原始定款か、現行定款か
- 変更したい事項は登記事項に当たるか
- 株主構成・機関設計(役員などの仕組み)はどうなっているか
- 認証・株主総会決議・登記のうち、どの手続が必要か
以下では、これらの前提を踏まえながら、定款の基礎から作成・変更・保管までを順に解説します。定款に関する結論は、会社の機関設計や株主構成、変更したい内容によって変わります。判断に迷う場合は、資料を確認したうえで検討することをおすすめします。
定款とは何か
定款とは、会社の目的、商号(会社名)、本店の所在地、株式や機関(株主総会・取締役など)に関する事項といった、会社の組織と運営に関する基本的なルールを定めた書類です。「会社の憲法」にたとえられることもありますが、実際には会社法という法律の枠内で定めるものであり、法律に反する内容を定款に記載しても、その部分の効力は認められません。会社法上、株式会社を設立するには、発起人が定款を作成しなければならないとされています(会社法第26条第1項)。
原始定款と現行定款の違い
定款には、大きく分けて「原始定款」と「現行定款」があります。原始定款とは、会社の設立時に作成し、公証人の認証を受けた最初の定款です。これに対して現行定款とは、設立後に行った変更をすべて反映した、現在有効な内容の定款を指します。
設立後に事業目的の追加や役員任期の変更などを行うと、そのつど定款の内容は変わっていきます。ところが、原始定款だけを保管したまま、変更を反映した現行定款を整えていない会社も少なくありません。そのため、原始定款と現在有効な定款の内容がずれていることがあり、確認の際には「今どちらを見ているのか」を意識する必要があります。
定款と登記事項証明書は違う
定款とよく混同されるものに、登記事項証明書(いわゆる登記簿謄本)があります。登記事項証明書は、法務局が管理する登記情報を証明する書類で、商号、本店、目的、発行可能株式総数、役員などが記載されます。もっとも、これは登記された事項を証明するものであって、定款そのものではありません。定款の条項のうち登記されるのは一部であり、定款の全文が登記事項証明書に載るわけではない点に注意が必要です。会社の基本ルールの全体を確認するには、登記事項証明書だけでなく、現行定款を確認する必要があります。
株式会社と合同会社では定款のルールが異なる
定款は株式会社だけのものではなく、合同会社などでも作成します。ただし、作成・認証・変更のルールは会社の種類によって異なります。たとえば、株式会社の設立時の定款は公証人の認証が必要ですが、合同会社などの持分会社では認証が不要です。本記事は株式会社の定款を中心に解説します。合同会社との違いは、合同会社の設立についての解説記事もあわせてご確認ください。
定款の記載事項(絶対的・相対的・任意的)
株式会社の定款に定める事項は、法的な扱いによって絶対的記載事項・相対的記載事項・任意的記載事項の3つに分けられます。それぞれ「書かなかったときにどうなるか」が異なります。まず全体像を表で整理します。
| 分類 | 意味 | 記載しなかった場合 | 主な例 | 設立後に変更する場合の注意 |
|---|---|---|---|---|
| 絶対的記載事項 | 必ず定款に記載しなければならない事項 | 定款自体が無効になる | 目的、商号、本店の所在地、設立に際して出資される財産の価額又はその最低額、発起人の氏名又は名称及び住所(会社法第27条) | 目的・商号・本店などの変更は登記が必要になることが多い |
| 相対的記載事項 | 定款に定めて初めて効力が生じる事項 | 定款は有効だが、その事項の効力は生じない | 株式の譲渡制限、種類株式、取締役等の任期の伸長、株主総会の招集通知期間の短縮、変態設立事項(会社法第28条)など | 内容により登記の要否や決議要件が変わる |
| 任意的記載事項 | 会社法に反しない範囲で任意に定める事項 | 定款に書かなくても差し支えない | 事業年度、株主総会の議長、定時株主総会の招集時期、役員の員数など | 多くは登記事項ではないが、定款変更の手続は必要 |
絶対的記載事項は、会社法第27条が定める5項目です。現記事などで「設立時の出資金額」と略されることがありますが、正確には「設立に際して出資される財産の価額又はその最低額」という表現です。なお、発行可能株式総数は絶対的記載事項ではありませんが、会社の成立の時までに定款で定める必要があります(会社法第37条)。相対的記載事項のうち、現物出資や財産引受けなどの変態設立事項は、会社法第28条に定められています。
設立時の定款の作成と認証
株式会社の設立では、発起人が定款を作成し、公証人の認証を受けたうえで、出資の履行や設立時役員の選任などを行い、最後に本店所在地で設立登記をすることによって会社が成立します。定款の認証は、会社の本店の所在地を管轄する法務局又は地方法務局に所属する公証人が行います(会社法第30条)。設立登記は、設立時取締役等による調査が終了した日又は発起人が定めた日のいずれか遅い日から2週間以内に行う必要があります。
紙の定款と電子定款
定款は、紙で作成するほか、電子定款(電磁的記録による定款)として作成することもできます。電子定款は、定款をPDFファイルで作成し、電子署名を付したうえで、法務省の「登記・供託オンライン申請システム」を利用して認証を受けます。近年は、テレビ電話(ウェブ会議)を利用することで、公証役場に出向かずに認証を受けられる運用も設けられています。手続の詳細や必要なソフト・機器は、事前に公証役場へ確認することをおすすめします。
定款認証の手数料と印紙税
株式会社の定款認証には、公証人に支払う認証手数料がかかります。手数料は、資本金の額(設立に際して出資される財産の価額)に応じて次のとおり区分されています(日本公証人連合会の公表内容・令和6年12月1日改定時点)。
| 資本金の額(出資される財産の価額) | 認証手数料 |
|---|---|
| 100万円未満(下記の特例に当たらない場合) | 3万円 |
| 100万円未満(下記の特例に当たる場合) | 1万5000円 |
| 100万円以上300万円未満 | 4万円 |
| 300万円以上(その他の場合) | 5万円 |
手数料が1万5000円となる特例は、(1)発起人の全員が自然人であり、その数が3人以下であること、(2)発起人が設立時発行株式の全部を引き受ける旨の定款の記載があること、(3)取締役会を置く旨の定款の記載がないことの3つをすべて満たす場合に適用されます。なお、定款に「設立に際して出資される財産の最低額」のみを記載した場合は、5万円とされています。
手数料とは別に、紙で作成した定款の原本には、印紙税として4万円がかかります(印紙税法上の第6号文書。国税庁)。一方、電子定款では、この印紙税はかかりません。このほか、認証を受けた定款の謄本の交付を受ける際の手数料などが別途必要になります。これらは公証人手数料や税であり、弁護士に支払う費用や、設立登記の際の登録免許税とは別の費用です。手数料や税額は改定されることがあるため、実際の手続の前に最新の金額を確認してください。
公証人の認証は、定款が会社法の形式にのっとって作成されていることを確認するものであり、定款に記載された事業内容の適法性や、事業の見通しそのものを保証する制度ではありません。認証を受けたからといって、条項の内容が会社の実情に合っているとは限らない点に注意が必要です。
定款を作成するときに実務で確認したいポイント
定款は、ひな形の項目を埋めれば足りるものではありません。設立時の定め方は、後の会社運営や、株式の承継・資金調達の場面に影響します。実務では、次のような点を会社の実情に合わせて検討します。
- 目的――将来行う可能性のある事業や、許認可が必要な事業を見据えて定めます。目的に含まれていない事業を始める際は、目的の追加が必要になることがあります。
- 本店の所在地――定款に最小行政区画(市区町村)まで定めるか、具体的な地番まで定めるかによって、その後の本店移転時に定款変更が必要となる範囲が変わります。
- 株式の譲渡制限――株式の譲渡に会社の承認を要する旨を定めるかどうかは、株主の入れ替わりや事業承継のしやすさに関わります。
- 発行可能株式総数――将来の増資の余地に影響します。
- 機関設計――取締役会・監査役などを置くかどうかで、意思決定の仕組みや役員の人数要件が変わります。
- 取締役等の任期・員数――株式の譲渡制限がある会社(非公開会社)では、定款で取締役の任期を最長10年まで伸長できます(会社法第332条第2項)。
- 公告方法――官報・日刊新聞紙・電子公告のいずれによるかを定めます。
- 事業年度――決算や税務の基準となります。
これらの条項は、共同で会社を立ち上げる場合や、将来の事業承継・株式譲渡・資金調達を想定する場合に、後から見直しが必要になりやすい部分です。ひな形をそのまま用いると、会社の実情と合わない定めが残ることがあります。
設立後の定款変更と登記
会社は、設立後も株主総会の決議によって定款を変更することができます(会社法第466条)。ここで大切なのは、「定款を変更すること」と「変更登記をすること」は別の手続であるという点です。順に整理します。
定款変更は原則として株主総会の特別決議
定款変更は、原則として株主総会の特別決議が必要です。特別決議は、議決権の過半数を有する株主が出席し(この定足数は定款で3分の1以上まで軽減できます)、出席した株主の議決権の3分の2以上の賛成で成立します(会社法第309条第2項)。もっとも、変更の内容によっては、通常の特別決議に加えて種類株主総会の決議や、特定の株主の同意が必要になる場合があります。決議をしたときは株主総会議事録を作成し、変更を反映した現行定款を整えておくことが実務上重要です。
設立後の通常の定款変更では、公証人の再認証は必要ありません(認証が必要なのは原則として設立時の原始定款です)。「定款を変更するたびに公証役場での認証が必要」というものではない点に注意してください。
「定款変更」と「変更登記」は別の手続
定款を変更しても、その事実そのものを登記するわけではありません。変更した事項が登記事項に当たる場合に、変更登記が必要になります。たとえば、商号、目的、本店、公告方法、発行可能株式総数、機関設計、役員に関する事項などは登記事項です。一方、事業年度や株主総会の議長に関する定めなど、登記事項でない事項もあります。この場合、定款変更は必要ですが、変更登記は不要です。したがって、「定款を変更したら必ず登記が必要」というわけではなく、また「定款変更はすべて通常の特別決議だけで足りる」というわけでもありません。変更内容ごとに、決議要件と登記の要否を確認する必要があります。
変更登記の期限と過料
登記事項に変更が生じたときは、原則として変更が生じた時から2週間以内に、本店の所在地で変更登記をしなければなりません(会社法第915条第1項)。この登記を怠ると、100万円以下の過料の対象となることがあります(会社法第976条)。過料は会社の代表者などが対象となり得るため、決議後は登記の要否と期限を確認しておくことが大切です。
税務署・許認可・金融機関への届出
定款変更や登記とは別に、変更内容によっては、税務署や許認可を所管する行政庁、金融機関、取引先などへの届出が必要になる場合があります。たとえば、商号や本店、事業目的の変更は、これらの手続に波及することがあります。定款変更に付随して必要となる手続は、変更内容に応じて個別に確認する必要があります。
定款の保管・閲覧・紛失時の対応
会社における備置きと閲覧
株式会社は、定款を本店及び支店に備え置かなければなりません(会社法第31条第1項)。定款が電磁的記録で作成されている場合は、支店において法令で定める措置をとることで足りる場合があります。また、株主及び債権者は、会社の営業時間内であればいつでも、定款の閲覧や謄本・抄本の交付などを請求できます(同条第2項。会社が定めた費用の支払を要する場合があります)。これは会社に対して請求できる権利であり、後述のとおり、誰でも役所で定款を取得できるという意味ではありません。
「定款は法務局で取得できる」という誤解がよくあります。法務局が発行するのは登記事項証明書であり、定款そのものは法務局では保管・発行されません。設立時に認証を受けた原始定款は公証役場に保存されていますが、謄本を請求できる人の範囲や保存期間には条件があります。
定款を紛失した場合の確認方法
現行定款が手元にない場合、次のような資料を照合して、現在有効な内容を確認・再構成することが考えられます。
- 会社が保管している定款の控え
- 公証役場に保存されている原始定款の謄本(請求できる者や保存期間の条件を公証役場に確認)
- 法務局で取得する登記事項証明書(登記事項の現状を確認)
- 設立後の定款変更に関する株主総会議事録(変更履歴を確認)
ここで注意したいのは、公証役場から原始定款の謄本を取得できても、それは設立時点の内容であり、その後の変更が反映されているとは限らないという点です。現行定款を正確に把握するには、原始定款に、その後の定款変更の議事録と登記事項証明書を突き合わせて、変更の履歴を確認する必要があります。変更履歴が分からない場合は、資料を確認したうえで慎重に再構成することになります。
よく問題になる場面
定款に関しては、次のような場面で確認や見直しが必要になることがあります。いずれも一般的に生じやすい例であり、個別の事情によって必要な手続や結論は異なります。
- 新しい事業を始めたいが、現在の定款の目的に含まれているか分からない
- 本店を移転するが、定款変更が必要かどうか分からない
- 取締役を減らしたい、取締役会を廃止したいと考えている
- 共同創業者間で、株式の譲渡や議決権の扱いが問題になっている
- 事業承継やM&Aを控えて、定款の内容を確認しておきたい
- 原始定款はあるが、その後の変更が反映されているか分からない
- 定款を紛失し、現行定款を再現できない
- 許認可の申請前に、事業目的の追加が必要になった
- 株主総会で決議はしたが、変更登記をしていない
取締役の減員や取締役会の廃止など、機関設計にかかわる変更については、取締役の減員についての解説記事もあわせてご確認ください。
手続前に確認したい資料
定款の変更や確認を検討する際は、あらかじめ関係する資料を整理しておくと、必要な決議や登記の見通しを立てやすくなります。すべての事案で以下のすべてが必要になるわけではありませんが、該当するものを確認しておくと検討がスムーズです。
- 現在保管している定款
- 公証人の認証を受けた原始定款
- 定款変更に関する株主総会議事録
- 登記事項証明書
- 株主名簿
- 株式の内容(種類株式・譲渡制限など)が分かる資料
- 役員構成が分かる資料
- 会社の印鑑証明書
- 予定している変更内容のメモ
- 新規事業や許認可の内容が分かる資料
- 共同創業者・株主間の合意書
- 事業承継・株式譲渡・M&Aに関する資料
- 金融機関や行政機関から提出を求められた書類
定款の内容や変更の進め方でお悩みの方へ。現行定款・登記事項証明書・株主総会議事録・変更したい内容などを確認することで、必要な決議や登記の要否、定款整備の方向性を整理しやすくなります。初回の法律相談は無料です(予約制。一部対象外の分野があります)。
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弁護士に相談するタイミング
定款は、会社の運営や株式・事業承継の場面で繰り返し確認することになる基本文書です。弁護士に相談することで、結果を保証するものではありませんが、次のような点을 資料に基づいて整理しやすくなります。
- 現行定款の内容の確認
- 変更する条項と、変更しない条項の切り分け
- 株主構成と、必要となる決議要件の確認材料の整理
- 変更登記の要否を判断するための確認
- 株主総会議事録案・定款案の法的な整合性の確認
- 株式・機関・役員・事業承継などへの影響の整理
- 共同創業者間・株主間の紛争を避けるための論点の整理
なお、登記の申請手続や税務の取扱いについては、司法書士・税理士などの他の専門職の関与が必要になる場合があります。どの手続を誰が担うかも含めて、早めに確認しておくと安心です。当事務所で対応できる業務の範囲は、法人のお客様向けの取扱業務のページや法律顧問のページをご確認ください。
よくあるご質問(FAQ)
Q1.定款とは何ですか。
定款とは、会社の目的・商号・本店の所在地・株式・機関などに関する、会社の基本的なルールを定めた書類です。株式会社を設立するには、発起人が定款を作成する必要があります(会社法第26条)。
Q2.株式会社の定款には何を記載しますか。
目的、商号、本店の所在地、設立に際して出資される財産の価額又はその最低額、発起人の氏名又は名称及び住所は、必ず記載しなければならない絶対的記載事項です(会社法第27条)。このほか、株式の譲渡制限などの相対的記載事項、事業年度などの任意的記載事項があります。
Q3.株式会社の定款は必ず公証人の認証が必要ですか。費用はいくらですか。
株式会社の設立時の定款(原始定款)は、公証人の認証が必要です。認証手数料は資本金の額に応じて1万5000円~5万円に区分されています(令和6年12月1日時点)。紙の定款には別途4万円の印紙税がかかりますが、電子定款では印紙税はかかりません。金額は改定されることがあるため、手続前に最新の情報をご確認ください。
Q4.電子定款と紙の定款は何が違いますか。
電子定款は、PDFファイルに電子署名を付し、オンラインで認証を受ける定款です。紙の定款で必要となる4万円の印紙税がかからない点が主な違いです。作成には電子署名の環境などが必要で、テレビ電話を利用した認証の運用もあります。
Q5.定款を変更したら必ず登記が必要ですか。
必ずしも必要ではありません。変更した事項が登記事項(商号・目的・本店・公告方法・発行可能株式総数・機関・役員など)に当たる場合に、変更登記が必要になります。登記事項に当たる場合は、原則として変更が生じた時から2週間以内の登記が必要です(会社法第915条第1項)。事業年度など登記事項でない事項の変更では、定款変更は必要ですが登記は不要です。
Q6.定款は法務局で取得できますか。紛失した場合はどうすればよいですか。
法務局で取得できるのは登記事項証明書であり、定款そのものは法務局では発行されません。紛失した場合は、会社の控え、公証役場に保存された原始定款の謄本、登記事項証明書、定款変更の議事録などを照合して現在の内容を確認します。ただし、原始定款の謄本にはその後の変更が反映されていないため、変更履歴の確認が必要です。
Q7.原始定款と現行定款のどちらを確認すればよいですか。
現在の会社のルールを確認したい場合は、設立後の変更を反映した現行定款を確認します。原始定款は設立時点の内容であり、その後の変更が反映されていないことがあります。手元に現行定款がない場合は、原始定款に議事録と登記事項証明書を突き合わせて確認します。
まとめ
- 定款は会社の基本ルールを定めた書類で、株式会社の設立時の原始定款は公証人の認証が必要です。
- 記載事項には、絶対的記載事項・相対的記載事項・任意的記載事項の区別があります。
- 定款認証手数料は資本金の額に応じて区分され、紙の定款には別途印紙税がかかります(電子定款は印紙税不要・令和6年12月1日時点)。
- 設立後の定款変更は原則として株主総会の特別決議が必要ですが、「定款変更」と「変更登記」は別の手続です。
- 登記事項の変更は原則2週間以内の登記が必要で、怠ると過料の対象となることがあります。
- 定款は法務局では取得できません。紛失時は、原始定款・議事録・登記事項証明書を照合して現行定款を確認します。
定款に関する結論は、会社の機関設計・株主構成・変更したい内容によって変わります。株主総会での決議、変更登記、株式の譲渡といった後戻りしにくい手続の前に、現行定款や関係資料を確認しておくことをおすすめします。
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執筆者・監修者
藤井 貴之(ふじい たかゆき)
弁護士法人ひょうご あわじみらい法律会計事務所 代表弁護士・公認会計士
兵庫県弁護士会所属・日本公認会計士協会兵庫会所属
2012年(平成24年)司法試験合格、2013年弁護士登録。2020年(令和2年)公認会計士試験合格。兵庫県・山口県・東京都での実務経験を経て、2023年に淡路島(南あわじ市)で事務所を開設。個人のご相談から企業法務・事業承継まで対応しており、法律と会計・数字の両面を踏まえた検討を行っています。
参考資料
- e-Gov法令検索「会社法」(2026年7月確認)
- 法務省「株式会社の設立手続(発起設立)について」(2026年7月確認)
- 日本公証人連合会「定款認証」(2026年7月確認)
- 日本公証人連合会「認証の手数料」(2026年7月確認)
- 日本公証人連合会「電子公証」(2026年7月確認)
- 日本公証人連合会「定款等記載例」(2026年7月確認)
- 法務局「商業・法人登記の申請書様式」(2026年7月確認)
- 国税庁「印紙税の手引」(2026年7月確認)

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