淡路島の空き家|売却・解体・相続で迷う前に確認すべきこと |淡路島(淡路・洲本・南あわじ)の弁護士|初回相談無料|弁護士法人ひょうご あわじみらい法律会計事務所

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淡路島の空き家|売却・解体・相続で迷う前に確認すべきこと

淡路島(淡路市・洲本市・南あわじ市)で、親から受け継いだ実家や空き家をどうすべきか、決めかねている方は少なくありません。「島外に住んでいて管理に通えない」「兄弟姉妹と意見が合わない」「売れるのか、貸せるのか、解体すべきかも分からない」――こうした状態のまま時間が経つと、選べる選択肢がかえって狭まっていくことがあります。

この記事では、空き家を売る・貸す・解体する・管理を続ける・相続段階で整理するという選択肢ごとに、先に確認しておきたい資料、法的なチェックポイント、相談先の違いを整理します。売却・賃貸・解体のいずれかに誘導するものではなく、ご自身の物件に合った判断材料を整えていただくことを目的としています。なお、結論は物件の状態や権利関係によって変わり、個別事情により結論は異なります

本記事でいう「負動産」は、法律上の正式な用語ではありません。維持費・税負担・管理責任・相続人間の意見の相違・売却の難しさ・近隣トラブルなどにより、資産というより負担になっている不動産を指す一般的な言い回しとして用います。空き家を所有していること自体が直ちに違法になるわけではありませんが、適切な管理がされない状態が続くと、後述するリスクが高まります。

「何から手をつければよいか分からない」という段階でも、資料を確認しながら方針を整理することは可能です。契約前・解体前・相続手続前に一度ご相談いただくと、見通しを立てやすくなります。

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Contents

淡路島の空き家、まず押さえておきたい結論

先に要点をまとめます。空き家の出口を考えるとき、最初に行うべきは「方針を決めること」ではなく、判断の前提となる事実を確認することです。具体的には、次の点を順に確認します。

  • 所有者・名義の確認:登記名義が現在の所有者(相続人)になっているか。相続登記が済んでいるか。
  • 共有者・相続人の確認:共有になっていないか。相続人全員を把握できているか。
  • 建物・土地の状態確認:建物の老朽度、境界の確定状況、未登記建物・農地・私道などの有無。
  • 自治体制度の確認:空き家バンク、補助制度、危険空き家への対応など、各市の窓口で確認できる事項。

そのうえで、売る・貸す・解体する・管理を続けるのいずれが適するかは、物件ごとに異なります。とりわけ、相続人の間で意見が分かれている場合や、売買・賃貸の契約を結ぶ前には、後から争いになりやすい点を整理しておくことが有効です。こうした場面では、不動産問題や相続問題を取り扱う弁護士に相談することで、判断材料を整理できる可能性があります。

なぜ淡路島では空き家が「負担(負動産)」になりやすいのか

淡路島では、空き家が一定の割合を占めています。兵庫県の「令和5(2023)年住宅・土地統計調査 兵庫県調査結果の概要」(確報値)によると、淡路地域(淡路市・洲本市・南あわじ市)の空き家率は23.8%で、兵庫県全体の13.8%を上回り、県内地域の中でも高い水準です。市別では淡路市が26.9%、洲本市が24.4%、南あわじ市が19.8%とされています。

背景として一般に指摘されるのは、所有者・相続人の島外居住、相続登記の未了、古い木造家屋の多さ、農地・山林・私道・境界未確定地が絡む物件の存在、買い手・借り手とのマッチングの難しさなどです。ただし、これらは地域全体の傾向であり、個々の物件で事情は異なります。立地条件のよい物件もあれば、再建築が難しい物件もあります。まずはご自身の物件の状態を、資料に基づいて確認することが出発点になります。

空き家を放置することで生じやすいリスク

維持費・固定資産税・修繕費の負担

居住していなくても、土地・建物には固定資産税・都市計画税が課税され、火災保険料や草木の管理費、最低限の修繕費も発生し続けます。使っていない不動産であっても、保有しているだけで継続的な支出が生じる点に注意が必要です。

近隣トラブルと所有者の管理責任

建物の老朽化による倒壊や外壁・瓦の落下、草木の繁茂、害虫、不法侵入などが生じると、近隣に被害や不安を与えるおそれがあります。状態によっては、所有者が管理責任を問われる場面も考えられます。遠方にお住まいの場合ほど、状態の把握が遅れやすい点に留意が必要です。

管理不全空家・特定空家への該当

適切な管理がされない空き家は、空家等対策の推進に関する特別措置法(空家法)に基づく対応の対象になり得ます。令和5年法律第50号による改正法(令和5年12月13日施行)では、放置すれば特定空家になるおそれのある空き家を「管理不全空家等」として、市区町村長が指導・勧告できる仕組みが新設されました。さらに深刻な状態の「特定空家等」については、助言・指導・勧告・命令・行政代執行という段階的な措置が定められています。

重要なのは、勧告を受けると、その敷地に対する固定資産税等の住宅用地特例が解除される点です。住宅用地特例は土地の固定資産税を軽減する仕組みのため、これが外れると、土地の固定資産税が大きく上がる可能性があります。過度に不安をあおる趣旨ではありませんが、状態を早めに確認し、方針を決めておくことが、結果的に負担を抑えることにつながります。

相続人の増加による遺産分割の難航

遺産分割をしないまま時間が経つと、相続人の一部がさらに亡くなり、その相続人が加わって、関係者が増えていくことがあります。人数が増えるほど連絡や合意形成は難しくなり、売却・賃貸・解体のいずれも進めにくくなります。早い段階で相続関係を整理しておくことが望まれます。

売る・貸す・解体する前に確認しておきたい資料

どの選択肢をとる場合でも、先に手元に集めておきたい資料があります。スマートフォンでも確認しやすいよう、用途別に整理しました。

分類 主な資料 確認できること
権利・名義 登記事項証明書、権利証または登記識別情報 現在の名義、共有の有無、抵当権・差押え等の有無
相続関係 戸籍(除籍・改製原戸籍を含む)、遺産分割協議書、遺言書 相続人の範囲、分割の有無、遺言の有無
税・評価 固定資産税納税通知書、名寄帳、固定資産評価証明書 課税対象資産の一覧、評価額の目安
土地・境界 公図、地積測量図、境界確認資料 形状、面積、隣地との境界の確定状況
建物 建物図面、建築確認・検査済証、耐震関係資料 建築時期、適法性、耐震性の手がかり、未登記建物の有無
利用・契約 賃貸借契約書、使用貸借の有無の確認 第三者の利用権の有無
特殊事情 農地法関係資料、私道負担・越境・残置物・仏壇等の確認 農地・私道・越境など個別の制約

これらが揃うと、選択肢ごとの可否や注意点を具体的に検討しやすくなります。資料が一部しか見つからない場合でも、どこに何を請求すればよいかを早めに把握しておくことが大切です。

売却を検討する場合の法的チェックポイント

名義・相続登記・共有者の同意

不動産を売却するには、原則として、登記名義が売主(現在の所有者・相続人)になっていることが前提になります。相続した空き家の名義が亡くなった方のままの場合、買主や金融機関は名義の確定を求めるのが通常で、実務上は相続登記を済ませてから売却に進むのが一般的です。後述のとおり相続登記は義務化されており、いずれにせよ早めの対応が望まれます。

共有になっている場合、持分の売却は単独でも可能ですが、土地・建物の全体を売却するには共有者全員の同意が必要になるのが原則です。相続人の一部と連絡が取れない、合意が得られないといった場合には、遺産分割や共有物分割などの法的手続が必要になることがあります。こうした場面は、弁護士に相談することで進め方を整理できる可能性があります。

境界・未登記建物・農地などの確認

境界が確定していない、隣地と越境がある、登記されていない増築部分がある、抵当権や差押えが残っている、借地・借家の関係がある、といった事情は、売買契約の前に整理しておくべき点です。また、敷地や周辺に農地・山林・里道・水路・私道が絡む場合は、農地法その他の手続や、通行・利用に関する権利関係の確認が必要になることがあります。これらは契約後に判明すると紛争の原因になりやすいため、契約前の確認が重要です。

空き家バンクと不動産会社の違い

空き家バンクは、各市が空き家情報を登録・紹介する仕組みですが、自治体が売却や賃貸の成立を保証する制度ではありません。媒介や契約の主体、共有者同意・相続登記・登記名義の要否、必要書類や登録の流れは市によって異なるため、登録を検討する際は各市の公式サイトで最新の要件を確認してください。一方、不動産会社は査定・売却活動・媒介を担います。どちらを使う場合でも、権利関係の整理が前提になる点は変わりません。

税の特例(3,000万円控除)の確認

相続した被相続人の居住用家屋(空き家)を売却した場合、一定の要件を満たすと、譲渡所得から最大3,000万円(相続した相続人が3人以上の場合は2,000万円)を特別控除できる特例があります(国土交通省「空き家の発生を抑制するための特例措置」)。適用期間は令和9年12月31日までの譲渡とされ、対象は原則として昭和56年5月31日以前に建築された家屋で、耐震改修または取壊しなどの要件があります。相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までという期限もあります。

税の特例は要件が細かく、譲渡対価の上限や老人ホーム入所時の取扱いなど、個別の確認事項が多くあります。市区町村が交付する「被相続人居住用家屋等確認書」も、特例の適用を確約するものではありません。適用の可否と税額は、最終的に税理士・税務署にご確認ください。本記事は税務判断を示すものではありません。

「名義が古いままで売れるのか」「共有者が反対している」といった場面では、売却の前提を整理しておくことで、進め方の見通しを立てやすくなります。資料を確認したうえで方針を検討できます。

不動産問題の取扱業務を見る

賃貸・活用を検討する場合の注意点

修繕・耐震・契約不適合責任

古い家を貸す場合、雨漏り・設備不良・耐震性などの問題が、入居後のトラブルにつながることがあります。貸主は一定の修繕義務を負い、引き渡した物件が契約の内容に適合しない場合には、契約不適合責任を問われる可能性があります。現況をどう説明し、どこまで修繕するかを、契約前に明確にしておくことが重要です。

契約書の整備と「無償で貸す」リスク

親族や知人に無償で貸す(使用貸借)と、契約条件が曖昧になりやすく、後の明渡しや原状回復で問題になることがあります。賃料の有無にかかわらず、利用条件・期間・修繕負担・終了時の取扱いを書面で整えておくことが、後の紛争予防につながります。

民泊・事業利用は別途の規制確認を

短期の宿泊利用(民泊)や店舗・事業用としての活用を考える場合は、用途地域、建築基準法、消防法、旅館業法、住宅宿泊事業法などの規制を別途確認する必要があります。「貸せるかどうか」と「その用途で使えるかどうか」は別の問題であり、計画の早い段階で確認することをおすすめします。

解体を検討する場合の注意点

解体費用が変わる要素

解体費用は、建物の構造・面積、接道状況、残置物の量、アスベストの有無、重機の搬入可否、隣地との距離などにより大きく変わります。本記事では具体的な金額は示しません。複数の業者から見積もりを取り、内訳(付帯工事・処分費・養生費等)を比較することが現実的です。

固定資産税への影響(住宅用地特例)

建物を解体して更地にすると、土地に適用されていた住宅用地特例が使えなくなり、土地の固定資産税が上がる可能性があります。「解体すれば負担が減る」と単純には言えないため、解体後の税負担も含めて検討する必要があります。具体的な税額は課税庁(市役所の固定資産税担当)にご確認ください。

滅失登記・再建築不可・隣地対応

建物を取り壊した後は、建物滅失登記が必要になります。また、接道要件を満たさない土地は再建築不可となることがあり、更地にしても活用や売却が想定どおり進むとは限りません。境界・越境・文化財・農地転用・各種建築規制が絡む場合もあるため、解体前に確認しておくことが大切です。解体すれば必ず売れる、というものではない点に注意してください。

なお、空き家の改修・除却・耐震・移住などに関する補助制度が各市・兵庫県にある場合がありますが、制度の有無・名称・金額・受付状況は年度によって変わります。利用を検討する際は、必ず各市・県の公式サイトで最新情報を確認してください。

相続した空き家で特に注意すべきこと

相続登記の義務化

相続(遺言を含む)により不動産を取得した相続人は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつその所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請することが義務付けられました(法務省「相続登記の申請義務化について」、令和6年4月1日施行)。正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料の対象となり得ます。

施行日より前に発生した相続も対象で、未登記のものは令和9年3月31日まで(取得を知った日が令和6年4月以降ならその日から3年以内)に登記する必要があります。遺産分割がまとまらないなどで期限内に登記できない場合は、自らが相続人である旨を申し出る「相続人申告登記」により義務を果たす方法もあります。ただしこれは暫定的な手続で、遺産分割が成立した場合は、その日から3年以内に改めて登記が必要です。

遺産分割協議・共有状態

遺産分割がまとまらない間は、空き家は相続人全員の共有状態になります。共有のままでは、売却・賃貸・解体のいずれにも全員の関与が必要になりやすく、方針決定が滞ります。協議がまとまらない場合は、家庭裁判所の遺産分割調停・審判や、共有物分割といった法的手続を検討することになります。

相続放棄の留意点

相続放棄には期限(自己のために相続の開始があったことを知った時から原則3か月)があり、その効果や可否は個別事情により異なります。注意したいのは、相続放棄をしても、空き家の管理に関する問題がすべて直ちに消えるわけではない点です。占有・管理の状況によっては、確認すべき事項が残る場合があります。放棄を検討する場合は、署名・申述の前に、効果と影響を整理しておくことをおすすめします。

相続土地国庫帰属制度の限界

相続等で取得した土地を国に引き取ってもらう「相続土地国庫帰属制度」(法務省、令和5年4月27日施行)もありますが、万能な手放し方法ではありません建物がある土地は申請できず、空き家がある場合は自費で解体して更地にする必要があります。境界が明らかでない土地や、担保権・使用収益権が設定された土地なども対象外です。費用面でも、審査手数料が土地一筆あたり14,000円、承認後の負担金が原則20万円(土地の種類・面積により増額する場合あり)かかります。共有地は共有者全員での申請が必要です。利用できるかどうかは、土地の状態を確認したうえで判断する必要があります。

相続税・譲渡所得税などの税務確認

相続税、譲渡所得税、登録免許税、不動産取得税などの取扱いは、本記事では結論を示しません。税額や特例適用の可否は事案により異なり、最終的に税理士・税務署の確認が必要です。売却や解体の時期によって税負担が変わることもあるため、方針決定の前に税務の確認を組み込んでおくと安心です。

淡路島内の空き家バンク・自治体制度の使い方

淡路市・洲本市・南あわじ市には、それぞれ空き家バンクや移住・住宅関連の制度があります。利用にあたっては、次の点を押さえてください。第一に、空き家バンクは売却・賃貸の成立を保証する制度ではないこと。第二に、登録の前に、登記名義・共有者の同意・建物の状態・必要書類を確認しておくこと。第三に、補助制度の有無・内容・受付状況は年度ごとに変わるため、各市・兵庫県の公式サイトで最新情報を確認することです。媒介や契約を誰が行うか、相続登記や共有者同意が必要かといった登録要件は市によって異なります。具体的な手続は、各市の窓口で確認してください。

弁護士への相談を検討した方がよい場面

次のような場面では、弁護士に相談することで、判断材料や対応方針を整理できる可能性があります。これは結果を保証するものではなく、選択肢と見通しを整理するための相談です。

  • 共有者の一人が売却・賃貸・解体に反対している
  • 相続人の一部と連絡が取れない、所在が分からない
  • 遺産分割協議がまとまらない
  • 売買契約書・賃貸借契約書の内容に不安がある
  • 境界・越境・私道など、隣地や近隣とのトラブルがある
  • 管理不全空家・特定空家に関する通知を受けた
  • 相続放棄・国庫帰属・解体・売却のどれを、どの順序で進めるべきか迷っている

税の計算は税理士、相続登記は司法書士、境界・測量・滅失登記は土地家屋調査士、建物状態や解体見積は建築士・解体業者、と役割が分かれます。弁護士は、相続人間・共有者間の対立や、契約・境界・賃貸借をめぐる紛争、契約前のリスク整理、交渉・調停・訴訟といった場面を担当します。どこに相談すべきか分からない段階でも、まず全体像を整理することで、適切な専門家につなぎやすくなります。

手続前チェックリスト

節目ごとに、署名・契約・着手の前に確認しておきたい点を整理しました。

  • 売却前:名義(相続登記の完了)、共有者全員の同意、境界・越境・未登記建物・抵当権等の有無、農地・私道の有無、税特例の確認(税理士)。
  • 賃貸前:建物の状態と説明範囲、修繕の要否、契約書の整備、用途規制(民泊・事業利用の可否)。
  • 解体前:複数業者の見積比較、住宅用地特例喪失による固定資産税への影響、滅失登記、再建築可否、境界・隣地対応、補助制度の最新確認。
  • 相続放棄前:期限(原則3か月)、放棄の効果と影響、放棄後に残り得る管理上の問題。
  • 遺産分割協議書への署名前:対象財産の範囲、評価、分割方法、登記・税務への影響。
  • 空き家バンク登録前:登記名義・共有者同意・建物状態・必要書類、各市の登録要件。

よくある質問(FAQ)

相続登記をしていない淡路島の空き家は売れますか。

名義が亡くなった方のままでも、相続登記を済ませてから売却に進むのが一般的です。買主や金融機関は名義の確定を求めるのが通常だからです。相続登記は令和6年4月1日から義務化されており、いずれにせよ早めの対応が望まれます。共有や相続人の所在不明などがある場合は、手続の整理が必要で、結論は個別事情により異なります。

空き家バンクに登録すれば必ず売れますか。

空き家バンクは情報を登録・紹介する仕組みであり、自治体が売却や賃貸の成立を保証する制度ではありません。買い手・借り手が見つかるかは物件や条件によります。登録の前に、登記名義・共有者同意・建物状態・必要書類を確認しておくとよいでしょう。登録要件は市によって異なります。

空き家を解体すると固定資産税は上がりますか。

更地にすると、土地に適用されていた住宅用地特例が使えなくなり、土地の固定資産税が上がる可能性があります。また、管理不全空家・特定空家として勧告を受けた場合も、同様に特例が解除されることがあります。具体的な税額は市役所の固定資産税担当にご確認ください。

共有者の一人が反対している場合、売却できますか。

ご自身の持分のみを売却することは可能ですが、土地・建物の全体を売却するには共有者全員の同意が必要になるのが原則です。同意が得られない場合は、遺産分割や共有物分割といった法的手続を検討することになります。進め方は事案により異なるため、早めに相談することをおすすめします。

相続放棄をすれば、空き家の管理から完全に離れられますか。

相続放棄には期限(原則3か月)があり、その効果や可否は個別事情によります。また、放棄をしても、占有・管理の状況によっては確認すべき問題が残る場合があり、すべてが直ちに解消されるとは限りません。放棄を検討する場合は、申述の前に効果と影響を整理しておくと安心です。

古い家を貸す場合、どのような点に注意すべきですか。

雨漏り・設備不良・耐震性などが入居後のトラブルにつながることがあります。現況の説明範囲と修繕の要否を契約前に明確にし、契約条件を書面で整えておくことが重要です。無償で貸す場合も、後の明渡しや原状回復で問題化しやすいため、条件の書面化をおすすめします。民泊や事業利用には別途の規制確認が必要です。

管理不全空家や特定空家に指定されるとどうなりますか。

改正空家法(令和5年12月施行)では、放置すれば特定空家になるおそれのある空き家を管理不全空家として、市区町村が指導・勧告できます。勧告を受けると敷地の住宅用地特例が解除され、土地の固定資産税が上がる可能性があります。特定空家については、助言・指導・勧告・命令・行政代執行という段階的な措置が定められています。状態を早めに確認し、方針を決めておくことが大切です。

弁護士、不動産会社、司法書士、税理士のどこに相談すべきですか。

役割が分かれます。査定・売却・賃貸募集は不動産会社、相続登記は司法書士、境界・測量・建物滅失登記は土地家屋調査士、譲渡所得税・相続税は税理士です。弁護士は、相続人間・共有者間の対立、契約・境界・賃貸借をめぐる紛争、契約前のリスク整理、交渉・調停・訴訟などを担当します。どこに相談すべきか迷う段階では、まず全体像を整理することで適切な専門家につなぎやすくなります。

まとめ:次にとるべき行動

  • まず資料を集め、名義・共有者・相続人・建物の状態・自治体制度を確認する。
  • 売る・貸す・解体する・管理を続けるは、物件ごとに判断が変わる。一つの選択肢に決めつけない。
  • 相続が絡む場合は、相続登記(期限あり)を早めに進める。相続放棄・国庫帰属は万能ではない。
  • 税務は税理士・税務署、登記は司法書士、境界は土地家屋調査士に確認する。
  • 契約前・解体前・相続手続前に、争いになりやすい点や見落としを整理しておく。
  • 共有者の反対・相続人の所在不明・契約や境界の不安がある場合は、早めに弁護士に相談する。

淡路島の空き家について、「どの選択肢が向いているか」「契約前に何を確認すべきか」を、資料を踏まえて整理することができます。結果をお約束するものではありませんが、見通しを立てるための材料をご一緒に確認します。

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監修者・執筆者情報

あわじみらい法律会計事務所(兵庫県南あわじ市)

担当弁護士:弁護士・公認会計士 〔氏名は弁護士紹介ページの表記に合わせて記載〕

所属:兵庫県弁護士会

取扱分野:不動産問題、遺言・相続 ほか

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参考資料(公的機関・公式資料)

  • 国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報」 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000035.html
  • 国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律(令和5年法律第50号)について」 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000138.html
  • 国土交通省「空き家の発生を抑制するための特例措置(空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除)」 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000030.html
  • 法務省「相続登記の申請義務化について」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00599.html
  • 法務省「相続土地国庫帰属制度の概要」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00457.html
  • 国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm
  • 国税庁「No.3307 被相続人が老人ホーム等に入所していた場合の被相続人居住用家屋」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3307.htm
  • 総務省統計局「住宅・土地統計調査」 https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/index.html
  • 兵庫県「令和5(2023)年住宅・土地統計調査 兵庫県調査結果の概要」 https://web.pref.hyogo.lg.jp/kk11/jyuutakutochi.html
  • 淡路市・洲本市・南あわじ市 各公式サイト(空き家バンク・補助制度のページ)

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