連帯保証人として請求されたら|支払前に確認したい点と整理方法 |神戸市(須磨・垂水・西神・北神)の弁護士|初回相談無料|弁護士法人ひょうご支所神戸みらい法律会計事務所

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連帯保証人として請求されたら|支払前に確認したい点と整理方法

ある日突然、金融機関や保証会社、債権回収会社から「連帯保証人として残額を支払ってください」という請求書や督促状が届くことがあります。家業の運転資金、知人や親族の借入れ、店舗や事務所の賃貸借などで、頼まれて連帯保証人になっていたというケースです。主債務者が廃業したり、自己破産したと聞いていたりすると、「自分はもう関係ないはずだ」と感じる方も少なくありません。

しかし、連帯保証は法律上、大きな責任を伴う契約です。一方で、請求された金額をそのまま全額すぐに支払わなければならないとは限らず、確認すべき点や、保証人の側で取りうる手続も複数あります。この記事では、連帯保証人として請求を受けたときに、支払う前・署名する前・回答する前に確認したい資料と考え方を整理します。

結論の方向性として、まず大切なのは、(1)請求の根拠となる保証契約の内容を確認すること、(2)主債務者の状況だけで判断しないこと、(3)裁判所からの書類には対応期限があるため放置しないこと、の三点です。個別の事情によって結論は変わりますので、契約書や請求書を確認したうえで判断する必要があります。

「請求書が届いたが、本当に払う義務があるのか分からない」という段階でも、保証契約書や請求書をもとに、支払義務の範囲や対応の選択肢を整理することができます。

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連帯保証人として請求されたとき、まず確認したいこと

請求を受けたときに整理しておきたい主な確認事項は、次のとおりです。すべての資料がそろっていなくても、手元にある資料から検討を始められる場合があります。

確認したい点 具体的に見るところ
支払義務の有無・範囲 保証契約書、金銭消費貸借契約書、保証の対象となる債務の範囲
請求している相手 もとの債権者か、債権を譲り受けた債権回収会社か(債権譲渡通知の有無)
金額の内訳 元本・利息・遅延損害金の別、期限の利益喪失の有無
時間の経過 最終返済日、最後に支払や支払約束をした時期
裁判手続の有無 支払督促・訴状・判決・差押え通知が届いていないか、対応期限
自分の状況 収入・家計・財産、ほかに自分自身の借入れがないか

主債務者の破産・廃業だけで保証人の責任が当然に消えるわけではない

「主債務者が自己破産した」「会社をたたんだ」と聞くと、保証人の支払義務も消えたように思えますが、そうとは限りません。主債務者が破産して免責を受けても、その効力は原則として主債務者本人に及ぶものであり、保証人の債務を当然に消滅させるわけではないと理解されています。むしろ、主債務者が支払えなくなったからこそ、債権者が保証人に請求してくる、という流れになりやすいといえます。

主債務者が個人再生をした場合も、再生計画によって主債務が減額・分割されたとしても、その効力は保証人には及ばないのが原則で、保証人は元の債務について責任を問われうると考えられています。任意整理は当事者間の私的な交渉であるため、保証人への影響はその合意内容によって変わります。いずれも、主債務者の手続の種類によって保証人への影響が異なるため、個別事情により結論は変わります。

「すぐ支払う」「時効を主張する」「整理する」を切り分けて考える

連帯保証人への請求にどう対応するかは、大きく分けて、(1)支払う(または分割や減額を交渉する)、(2)消滅時効を援用できないか検討する、(3)保証人自身の債務整理を検討する、という方向があります。どの方向が適切かは、保証債務の額、最終返済からの期間、裁判手続の進行状況、収入や財産、ほかの借入れの有無などによって変わります。請求を受けてすぐに全額を支払うか、あるいは安易に「分割で払います」と約束してしまう前に、いったん資料を整理して確認することをおすすめします。

請求を受けた直後に、債権者へ「少しずつ払います」と伝えたり、一部だけ支払ったり、和解書に署名したりすると、それが債務を認めた行為と評価され、時効の主張が難しくなる場合があります。回答や支払の前に、まず確認することが大切です。

保証人・連帯保証人・連帯債務者・物上保証人の違い

「保証」とひとことで言っても、法律上の立場はいくつかに分かれ、責任の重さや主張できる内容が異なります。自分がどの立場かを確認することが出発点になります。

通常の保証人と連帯保証人

通常の保証人には、「まず主債務者に請求してほしい」と言える催告の抗弁権や、「主債務者に財産があるのでそちらから取り立ててほしい」と言える検索の抗弁権、複数の保証人がいる場合に頭割りで足りるとする分別の利益が認められることがあります。これに対して連帯保証人は、これらの抗弁や分別の利益が認められないのが原則です。つまり、主債務者に財産があっても、また債権者が主債務者に請求する前であっても、債権者は連帯保証人に対して全額の支払を求めることができるのが原則です。実際の契約では「連帯保証」とされていることが多く、この違いは大きな意味を持ちます。

連帯債務者・物上保証人との違い

連帯債務者は、自分自身も主たる債務者の一人として全額の支払義務を負う立場です。物上保証人は、自分の不動産などに担保(抵当権など)を設定して他人の債務を担保している立場で、原則として担保の目的物の範囲で責任を負います。契約書上、自分が「保証人」「連帯保証人」「連帯債務者」「担保提供者」のいずれとして記載されているかによって、取りうる対応が変わります。

個人根保証契約・極度額・事業用融資の保証意思確認

将来発生する不特定の債務をまとめて保証する契約を根保証契約といいます。家業の継続的な取引や、店舗・事務所の賃貸借などで問題になりやすい類型です。個人が保証人となる根保証契約については、保証人が責任を負う上限額である極度額を書面などで定めていなければ、その保証契約は効力を生じないとされています。また、事業のための融資について個人が保証人になる場合には、原則として、公証人による保証意思の確認(保証意思宣明公正証書の作成)を経ていなければ保証契約は効力を生じないとされています(主債務者である会社の取締役や、共同して事業を行う者など、一定の立場の人は例外とされています)。これらは2020年4月1日からの民法改正で整理された内容です。古い契約か新しい契約か、どの立場で保証したかによって、保証契約そのものの有効性が問題になる場合があります。

請求を受けたときに確認したい資料

支払義務の有無や範囲、時効や債務整理の検討は、いずれも手元の資料から始まります。次のような資料を可能な範囲で集めておくと、相談や対応の整理がしやすくなります。

分類 確認したい資料の例
契約関係 保証契約書、金銭消費貸借契約書、根保証契約書、返済予定表
請求関係 請求書、督促状、期限の利益喪失通知、債権譲渡通知
裁判所関係 支払督促、仮執行宣言付支払督促、訴状、判決、差押え通知
主債務者の状況 主債務者の破産・再生・任意整理に関する通知や資料
時間の経過 最終返済日が分かる資料、過去の支払約束・和解書・分割払い合意
担保関係 抵当権設定契約書、物上保証に関する資料
自分の状況 収入・家計の資料、財産の資料、ほかの借入れの資料

よく問題になるケース

以下は、連帯保証人として請求を受けた方が迷いやすい代表的な場面です。実際の解決事例ではなく、一般に問題になりやすい場面の整理として読んでください。いずれも個別事情により結論は変わります。

主債務者が自己破産した後に請求された

前述のとおり、主債務者の免責の効力は原則として保証人には及びません。したがって、主債務者が破産したという一点だけで支払義務がなくなると判断するのは早計です。一方で、請求額の内訳や時効の検討余地など、別途確認すべき点があります。

家業・事業の借入れを連帯保証していた

家業の運転資金や設備資金の融資について連帯保証していた場合、極度額の定めの有無や、事業用融資における保証意思確認の手続を経ているかなど、保証契約の有効性に関わる点を確認する余地があります。事業に関する保証では、後述する経営者保証に関するガイドラインの検討余地もあります。

親族・知人の借金を保証していた

「名前を貸すだけ」と言われて保証人になったというケースでも、連帯保証である以上、原則として全額の請求を受けうる立場です。保証契約書が書面で残っているか、保証の対象と範囲がどうなっているかを確認することが出発点になります。

債権回収会社(サービサー)から請求が来た

もとの債権者から債権が債権回収会社へ譲渡され、その会社名で請求が来ることがあります。この場合、債権譲渡の通知が適切にされているか、請求金額の内訳、最終返済日からの期間などを確認することが考えられます。古い債権では、時効を検討できる場合もあります。

古い保証債務について請求された(時効を検討できる場合)

保証債務にも消滅時効があります。時効を主張(援用)できるかどうかは、最終返済日からの期間に加えて、その間に債権者からの請求や裁判手続があったか、保証人が一部を支払ったり支払を約束したりしていないか(債務の承認)によって変わります。時効期間が経過しているように見えても、これらの事情で進行がリセットされていることがあるため、自己判断で「時効になっているはず」と決めつけず、資料を確認したうえで検討する必要があります。時効援用の考え方は、関連記事もあわせてご確認ください。

借金の時効援用について確認する

支払督促・訴状が届いた

裁判所から支払督促や訴状が届いた場合は、対応期限に特に注意が必要です。たとえば支払督促については、受け取ってから2週間以内に督促異議の申立てをすることができ、これをしないまま手続が進むと、最終的に確定判決と同じような効力が生じ、財産の差押えにつながることがあります。判決についても、送達を受けてから一定期間内に不服を申し立てなければ確定します。ただし、書類の種類や送達の時期によって扱いが変わるため、届いた書類の記載内容を確認し、早めに対応を検討することが大切です。差押え通知が届いている場合も、放置せず確認することをおすすめします。

裁判所からの書類(支払督促・訴状・判決・差押え通知など)には対応期限が定められていることが多く、放置すると不利な扱いを受けることがあります。「身に覚えがない」「金額に納得できない」と感じる場合でも、まず書類の内容と期限を確認してください。

保証人が複数いる/保証人自身にも借金がある

保証人が複数いる場合の負担の分け方や、保証人自身にも自分の借入れがある場合の全体の整理は、状況が複雑になりやすい場面です。保証債務だけでなく、自分自身の債務も含めて全体像を整理することで、適切な対応方針を検討しやすくなります。

保証人自身が支払えないときの整理方法

請求された金額を支払うことが難しい場合でも、保証人の側で取りうる手続があります。いずれも結果を保証するものではなく、どの方法が適切かは、保証債務の額、収入、家計、財産、住宅や自動車の有無、事業の有無、ほかの債務、保証人の数、裁判手続の進行状況によって変わります。

任意整理・個人再生・自己破産

手続 概要 主に検討される場面
任意整理 債権者と個別に交渉し、返済方法や金額の見直しを図る私的な手続 一定の収入があり、分割での返済を整理したい場合など
個人再生 裁判所の手続により、債務を圧縮して計画的に返済する手続 住宅を残したい場合や、債務額が大きい場合など
自己破産 裁判所の手続により、原則として債務の支払義務を免れる手続 支払の見込みが立たない場合など

保証債務も、これらの手続の対象として整理を検討できる場合があります。各手続には、財産や信用情報への影響、利用できる条件などの違いがあるため、比較したうえで選択することが大切です。手続の違いと選び方は、関連記事もあわせてご確認ください。

任意整理・個人再生・自己破産の違いを確認する

消滅時効の援用を検討できる場合

前述のとおり、古い保証債務については、消滅時効を援用できる可能性があります。ただし、時効は自動的に効果が生じるものではなく、援用という主張をする必要があるとされています。また、援用できるかどうかは資料の確認が必要です。安易に債権者へ連絡して支払を約束すると、かえって時効の主張が難しくなることがあるため、連絡や支払の前に確認することをおすすめします。

事業の保証では経営者保証に関するガイドラインの検討余地

事業の融資について経営者などが保証していた場合には、経営者保証に関するガイドラインに沿った整理を検討できる場合があります。一定の要件のもとで、保証債務の整理にあたって取扱いが調整されることがある枠組みですが、適用の可否や具体的な内容は事案によって異なります。該当しそうな場合は、資料を確認したうえで個別に検討する必要があります。

回答・支払・署名の前に確認したいチェックリスト

債権者へ連絡する前、一部でも支払う前、和解書や分割払いの書面に署名する前、そして裁判所からの書類を放置する前に、次の点を確認しておくと、その後の対応を整理しやすくなります。

  • 保証契約書があり、書面または電磁的記録で保証していることを確認したか
  • 保証の対象となっている債務の範囲と金額の内訳を確認したか
  • 請求しているのがもとの債権者か、債権を譲り受けた会社かを確認したか
  • 最終返済日や、最後に支払・支払約束をした時期を確認したか
  • 支払督促・訴状・判決・差押え通知など、対応期限のある書類が届いていないか確認したか
  • 主債務者の破産・再生・任意整理の状況に関する資料を確認したか
  • 自分自身にもほかの借入れがないか、全体像を確認したか
  • 安易な一部弁済・支払約束・署名をする前に、いったん専門家に確認することを検討したか

弁護士に相談するタイミング

弁護士への相談は、必ず特定の結果を約束するものではありませんが、保証契約書や請求書をもとに支払義務の範囲を確認したり、時効や債務整理を検討できるかを整理したり、裁判所からの書類への対応方針を検討したりするうえで役立ちます。とくに、請求書や督促状が届いた段階、債権回収会社から連絡が来た段階、支払督促・訴状・差押え通知が届いた段階は、対応期限や手続の確認が必要になりやすいため、早めに相談を検討するとよい場面です。

時効の援用、債務整理、訴訟への対応、差押えへの対応は、いずれも期限や手続の確認が前提となります。手元にある資料から、まず見通しを整理することができます。

連帯保証人としての請求にどう対応するかは、保証契約の内容や時間の経過、裁判手続の有無によって変わります。手元の資料をもとに、支払義務の範囲や対応の選択肢を整理することができます。

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よくある質問

主債務者が自己破産したら、連帯保証人も支払わなくてよいですか。

主債務者が免責を受けても、その効力は原則として主債務者本人に及ぶもので、保証人の債務を当然に消滅させるわけではないと理解されています。むしろ主債務者が支払えなくなった結果、保証人に請求が来ることがあります。請求額の内訳や時効の検討余地などは別途確認が必要で、個別事情により結論は変わります。

連帯保証人に突然一括請求が来た場合、すぐ支払うべきですか。

まず保証契約書と請求書を確認し、支払義務の範囲や金額の内訳、時効の検討余地を整理することをおすすめします。安易な一部弁済や支払約束が、後の対応に影響することもあるため、回答や支払の前に確認することが大切です。

昔の保証債務は時効になりますか。

保証債務にも消滅時効があり、時効を援用できる可能性があります。ただし、最終返済日からの期間に加え、その間の請求や裁判手続、保証人による一部弁済・支払約束の有無によって進行が変わるため、資料を確認したうえで判断する必要があります。

連帯保証人でも任意整理できますか。

保証債務についても、任意整理を含めた債務整理を検討できる場合があります。どの方法が適切かは、保証債務の額、収入、財産、ほかの債務などにより変わります。

連帯保証人が自己破産することはできますか。

保証人自身が支払えない場合に、自己破産を検討できる場合があります。財産や今後の生活への影響もあるため、個人再生や任意整理を含めて比較したうえで検討することが考えられます。

支払った後、主債務者に請求できますか。

保証人が支払った場合、主債務者に対して求償できるのが原則です。もっとも、主債務者に資力がなければ現実の回収は難しいこともあり、求償できることと回収できることは別の問題です。

債権回収会社から請求が来た場合、何を確認すべきですか。

債権譲渡の通知が適切にされているか、請求金額の内訳、最終返済日からの期間などを確認することが考えられます。古い債権では時効を検討できる場合もあるため、連絡や支払の前に資料を確認することをおすすめします。

支払督促や訴状が届いた場合、放置してよいですか。

放置はおすすめできません。これらの書類には対応期限が定められていることが多く、対応しないまま進むと不利な扱いを受けることがあります。たとえば支払督促は、受け取ってから2週間以内に督促異議の申立てができます。書類の記載と期限を確認し、早めに対応を検討してください。

まとめ

  • 連帯保証は責任の重い契約で、主債務者の破産・廃業だけで保証人の責任が当然に消えるわけではありません。
  • 主債務者の手続(自己破産・個人再生・任意整理)によって保証人への影響は異なり、個別事情により結論が変わります。
  • 請求を受けたら、保証契約書・請求書・最終返済日・裁判手続の有無を確認することが出発点です。
  • 安易な一部弁済・支払約束・署名の前に確認することが、時効や債務整理の検討余地を残すうえで大切です。
  • 支払えない場合も、任意整理・個人再生・自己破産・時効援用などを比較して検討できる場合があります。
  • 裁判所からの書類には対応期限があるため、放置せず早めに確認してください。

連帯保証人としての請求について、支払義務の範囲や時効・債務整理の検討、裁判所書類への対応方針を、手元の資料をもとに整理することができます。費用や相談の流れもあわせてご確認ください。

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監修者・執筆者

本記事は、神戸みらい法律会計事務所(弁護士法人ひょうごあわじみらい法律会計事務所)に所属する弁護士が監修しています。借金・保証債務に関する具体的なご相談は、個別の事情をうかがったうえで対応いたします。

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参考資料

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