高齢者の万引きと家族の対応|示談・前科・認知症・窃盗症の考え方 |神戸市(須磨・垂水・西神・北神)の弁護士|初回相談無料|弁護士法人ひょうご支所神戸みらい法律会計事務所

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高齢者の万引きと家族の対応|示談・前科・認知症・窃盗症の考え方

ある日突然、警察や店舗から「お父様(お母様)が万引きをしました」と連絡が入ると、多くのご家族は強い動揺の中で、何を聞き、どこから手をつければよいか分からなくなります。逮捕されたのか、その場で解放されたのか、店にすぐ謝りに行ってよいのか、前科がついてしまうのか――判断すべきことが一度に押し寄せます。

高齢の親が万引きで検挙された場合、対応は大きく二つに分かれます。ひとつは、逮捕・在宅事件・示談・処分といった刑事手続への対応。もうひとつは、なぜ繰り返してしまうのかという背景に向き合い、医療や福祉につなぐ再発防止への取り組みです。どちらか一方だけでは、目の前の手続は動いても、同じことが繰り返されかねません。

この記事では、家族が最初に確認すべきこと、万引きに関する刑事手続の基礎、微罪処分や示談・不起訴の可能性と限界、高齢者が万引きを繰り返す背景、そして神戸市内で利用できる相談先までを整理します。刑事事件の見通しは、被害の程度、繰り返しの有無、本人の状況などによって変わります。ここでは一般的な考え方を示しますが、実際の見通しは資料を確認したうえで判断する必要があります。

本人がすでに逮捕されている場合、家族が自由に会える時間は限られます。身柄が拘束されているときは、早い段階で刑事事件を取り扱う弁護士に相談し、本人と面会(接見)して状況を確認することが、その後の対応を整理するうえで役立ちます。

まず落ち着いて確認したいこと

警察や店舗からの連絡を受けた直後は、感情的になったり、店へ急いで連絡したりする前に、いま分かっている事実を整理することが大切です。次の項目を確認しておくと、弁護士や関係機関に相談する際もスムーズになります。

家族が最初に確認する項目

確認する項目 確認のポイント
どこの警察署か 連絡元の警察署名・担当部署・連絡先。今後の窓口になります
逮捕か、在宅事件か 身柄が拘束されているか、その場で帰宅できたか。対応の緊急度が大きく変わります
本人と連絡が取れるか 逮捕されている場合、家族との連絡は制限されることがあります
被害の状況 被害を受けた店舗、被害品、被害額、商品が返品済みか、弁償の話が出ているか
本人の健康状態 持病、通院歴、服薬、認知機能の状態。供述させる前に把握しておきたい情報です
過去の同種行為の有無 過去の万引きや前歴・前科、余罪の有無。見通しに影響する場合があります
家族が協力できる体制 身元引受人になれるか、通院や生活の見守りができるか

これらは、あくまで事実を整理するための確認項目です。本人に無理に思い出させたり、つじつまを合わせさせたりする必要はありません。特に、本人の記憶が曖昧だったり、体調がすぐれなかったりする場合は、確認できた範囲を弁護士に伝えれば足ります。

逮捕・在宅・示談・処分・再発防止は別々の論点

ご家族の相談を伺っていると、「逮捕されたら必ず前科がつく」「示談すれば必ず不起訴になる」といった、いくつかの論点が混ざった不安を抱えていることが少なくありません。実際には、身柄が拘束されるかどうか(逮捕・勾留)、事件がどう処理されるか(微罪処分・不起訴・略式・公判)、被害者との示談、そして再発防止は、それぞれ別の問題です。順番に切り分けて考えると、いま何を優先すべきかが見えてきます。

万引きで問題になる刑事手続の基礎

万引きは基本的に窃盗罪

店舗の商品を代金を支払わずに持ち去る万引きは、法律上、窃盗罪にあたります。窃盗罪は刑法第235条に定められており、「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する」とされています。

ここでいう「拘禁刑」は、令和4年に成立し、令和7年6月1日から施行された改正刑法によって、従来の懲役刑と禁錮刑を一本化して設けられた刑です。過去の事件や古い解説では「懲役」と表記されていることがありますが、現行法では拘禁刑に整理されています。

もっとも、万引きだからといって直ちに刑務所に入る、ということではありません。被害額が小さく、初めての行為で、被害が回復され、反省もうかがえるといった事情があれば、後述する微罪処分や不起訴、あるいは罰金にとどまることもあります。他方で、繰り返しがある場合や、逃げようとして店員に暴行を加えたような場合には、より重い評価につながることもあります。見通しは、行為の態様や経緯によって変わります。

同じ人が窃盗を繰り返している場合、事案によっては、通常の窃盗罪より重い「常習累犯窃盗」(盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律第3条)が問題になることもあります。過去の処罰歴の内容によって扱いが変わるため、繰り返しがあるケースでは、早めに弁護士に事実関係を確認してもらうことをおすすめします。

逮捕された場合と在宅事件の場合

万引きで警察が対応する場合、その場で逮捕されて身柄が拘束されるケースと、身柄を拘束されずに帰宅し、後日呼び出されて捜査が進む「在宅事件」のケースがあります。どちらになるかは、事案の内容や本人の状況によって異なります。

逮捕された場合には、法律上の時間制限があります。裁判所の説明によれば、警察官は、被疑者を逮捕してから48時間以内に、釈放するか、身柄を検察官に送る手続をしなければなりません。身柄が検察官に送られた場合、検察官は、受け取ってから24時間以内、かつ逮捕時から72時間以内に、裁判官に勾留を請求するか、起訴するか、釈放するかを判断します。

裁判官が勾留を認めると、被疑者の勾留期間は10日間で、やむを得ない事情があるときは、検察官の請求により、さらに10日以内の範囲で延長されることがあります。つまり、身柄拘束は最大でおよそ20日を超える期間に及ぶこともあります。ただし、これはあくまで法律上の上限であり、実際にどうなるかは事案によって異なります。「いつ必ず帰れる」と断言できるものではありません。

高齢の親のケースでは、持病や通院、介護の必要性、生活環境、家族が身元引受人になれるかといった事情が、身柄をめぐる判断や今後の見通しを検討する際の資料になることがあります。もっとも、これらの事情があれば必ず有利になるわけではなく、結論は個別の事案により異なります。

送致後の流れ(微罪処分・不起訴・略式・公判)

事件がどのように終わるかにはいくつかのパターンがあります。一般的な読者向けに整理すると、次のようになります。

処理の種類 内容
微罪処分 ごく軽微な事件について、警察が検察官に送致せず、警察限りで手続を終える処理。後述の条件を満たす場合に限られます
不起訴 検察官が、起訴しないと判断すること。起訴猶予などがあり、裁判にはなりません
略式命令(略式起訴) 本人が同意し、一定の要件を満たす場合に、公開の裁判を開かずに書面審理で罰金などを言い渡す手続
公判請求(正式起訴) 検察官が正式に起訴し、公開の法廷で審理が行われること

起訴するかどうかを決める権限は検察官にあります(刑事訴訟法第247条)。また、犯人の性格・年齢・境遇、犯罪の軽重や情状、犯罪後の状況などにより、訴追の必要がないと判断されれば起訴しないことができるとされています(同第248条)。被害弁償や示談、反省、再発防止に向けた取り組みは、こうした判断において考慮され得る事情のひとつです。ただし、これらがあれば必ず不起訴になるというものではありません。

前科と前歴の違い

「前科」と「前歴」は混同されやすい言葉です。一般に、前科は有罪判決を受けたこと(罰金を含みます)を指し、前歴は、有罪判決には至らなくても捜査の対象になった経歴を指すものとして使われます。微罪処分や不起訴となった場合、有罪判決に基づく前科はつきませんが、捜査を受けた記録が残ることはあります。前科・前歴の扱いは誤解が生じやすい領域であり、個別の状況によって説明が変わります。心配な場合は、事実関係を前提に弁護士に確認することをおすすめします。

微罪処分・示談・不起訴の可能性と限界

微罪処分の意味と対象外になる場合

微罪処分は、犯罪事実が極めて軽微で、あらかじめ検察官が送致を要しないと指定した事件について、警察が検察官に送致せずに手続を終える処理です(刑事訴訟法第246条ただし書、犯罪捜査規範第198条)。本来、警察が捜査した事件はすべて検察官に送致するのが原則(全件送致主義)であり、微罪処分はその例外です。

ただし、次のような場合には、微罪処分の対象にならないと一般に説明されています。軽微な万引きであっても、必ず微罪処分になるわけではありません。

  • 逮捕や強制捜査が行われた事件
  • 同種の前科・前歴がある場合
  • 被害額が大きい、態様が悪質など、犯情が軽微とはいえない場合
  • 被害が回復されておらず、被害者が処罰を望んでいる場合
  • 告訴・告発がなされた事件

どの罪種を微罪処分の対象とするかは各地方検察庁が指定しており、その具体的内容は公表されていません。そのため、「この事件は微罪処分になる」と外部から確定的に判断することはできません。

処分の見通しに影響し得る事情

あくまで一般的な傾向として、処分の見通しを検討する際に考慮され得る事情には、次のようなものがあります。いずれも「あれば必ず有利」というものではなく、総合的に判断されます。

事情 考え方
被害額・被害の程度 少額か高額か、態様が悪質かどうか
被害回復の有無 商品の返還、弁償、示談が成立しているか
初めてか繰り返しか 同種の前科・前歴や余罪の有無
反省・再発防止 反省の状況、再発防止のための具体的な取り組みがあるか
本人の状況 健康状態、生活環境、家族の支援体制など
店舗側の意向 被害者・店舗が処罰を望んでいるかどうか

被害弁償・示談・謝罪の考え方

被害の弁償や謝罪、示談は、処分の見通しを検討するうえで意味を持つことがあります。もっとも、注意したい点があります。

まず、店舗によっては、個人との直接の示談交渉に応じず、本部が窓口となる場合や、そもそも直接のやり取りに応じない場合があります。家族が店舗へ強い態度で連絡したり、繰り返し謝罪に押しかけたり、被害届の取下げを求めたりすることは、かえって状況を悪化させかねません。こうした対応は避けてください。

弁護士を通じて連絡することで、店舗側も冷静に対応しやすくなり、弁償や謝罪の意向を適切な形で伝えられることがあります。被害弁償を行った際の領収書、示談書、謝罪文、再発防止に向けた取り組みの記録などは、後の手続で事情を説明する資料として残しておく意味があります。

店舗への謝罪や被害弁償の進め方、警察・検察への対応に迷ったときは、対応の方向性を早い段階で整理しておくことが役立ちます。神戸みらい法律会計事務所では、刑事事件を取り扱う弁護士が、資料を確認したうえで今後の見通しや対応方針の検討をお手伝いします。

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高齢の親が万引きを繰り返す背景

背景は一つではない

高齢の方が万引きを繰り返す背景には、単一の原因ではなく、複数の要因が重なっていることがあります。生活の困窮、社会的な孤立、家族との関係、買い物をめぐる環境の変化、うつや不安、服薬や体調、認知機能の低下、そして後述する窃盗症といった、さまざまな事情が考えられます。

ここで大切なのは、「高齢だから」「認知症だから」「病気だから」と決めつけないことです。背景は人によって異なり、丁寧に見ていく必要があります。同時に、背景に事情があることと、行為の責任や被害者への配慮とは、切り分けて考える必要があります。被害を受けた店舗があることを忘れず、被害回復にも目を向けることが求められます。

認知症と万引きで誤解しやすい点

「認知症だから万引きをした」「認知症なら罪に問われない」といった理解は、正確ではありません。認知症の有無や程度、それが行為にどう影響したかは、医師の診断や具体的な事情を確認したうえで、はじめて検討できるものです。認知症があるからといって、当然に犯罪が成立しない、あるいは当然に不起訴になる、というものではありません。

他方で、本人の判断能力や生活状況に不安がある場合、医療や介護、地域の支援につなぐことは、本人の生活を支え、再発を防ぐうえで重要です。認知機能について気になることがあれば、後述する神戸市の相談窓口に相談することができます。

窃盗症(クレプトマニア)について

繰り返し盗みの衝動を抑えられない状態として、窃盗症(クレプトマニア)と呼ばれる精神疾患が医学的に知られています。金銭的な必要や利益のためではなく、盗む衝動に抵抗できずに繰り返してしまう、といった特徴が指摘されています。

ただし、窃盗症かどうかの診断は、医師が行うものです。法律相談やこの記事の中で診断することはできません。また、窃盗症などの診断がついたからといって、直ちに無罪や不起訴になるわけではありません。医療につなぎ、治療に取り組むことは、再発防止に向けた具体的な取り組みとして意味を持つことがありますが、その評価も事案により異なります。

繰り返しの背景に精神的な問題が疑われる場合は、まず精神科や心療内科などの医療機関で、医師の診断を受けることが出発点になります。

家族ができる対応

警察から連絡を受けた直後

連絡を受けた直後は、前掲の確認項目に沿って、分かる範囲で事実を整理します。本人が逮捕されている場合は、家族が会える時間が限られるため、早めに弁護士に相談し、本人との面会や状況確認を進めることが役立ちます。本人に無理な説明をさせたり、記憶が曖昧なまま供述を促したりすることは避けてください。

店舗対応・謝罪・被害弁償

謝罪や弁償の気持ちがあっても、店舗への連絡方法やタイミングには注意が必要です。前述のとおり、直接の交渉に応じない店舗もあり、家族が独断で強く連絡することは避けたほうがよい場面があります。どのように進めるべきか迷う場合は、弁護士に相談したうえで対応を検討することをおすすめします。

医療・福祉・地域支援につなぐ

再発を防ぐには、刑事手続への対応だけでなく、背景にある事情に向き合うことが欠かせません。神戸市内では、次のような公的な相談窓口を利用できます。認知機能や生活の不安、依存症に関する悩みについて、家族が相談することができます。

相談したい内容 窓口
認知症に関する総合相談 こうべオレンジダイヤル、および地域のあんしんすこやかセンター(地域包括支援センター)
高齢者の生活・介護全般 地域のあんしんすこやかセンター(地域包括支援センター)
アルコール・薬物・ギャンブル等の依存症 ひょうご・こうべ依存症対策センター、神戸市精神保健福祉センターの依存症専門相談
判断能力の低下と財産管理 神戸市成年後見支援センター

これらの窓口の受付時間や電話番号は変更されることがあります。利用の前に、記事末尾の参考資料からリンク先の公式サイトで最新の情報をご確認ください。なお、窃盗症(クレプトマニア)の疑いについては、依存症相談窓口が主に扱うアルコール・薬物・ギャンブル等とは異なるため、まず医療機関で医師の診断を受けることが出発点になります。

再発防止と本人の尊厳

再発防止のために家族ができることとして、買い物への同行、生活状況の見守り、通院への付き添い、家計の状況の把握、地域包括支援センターへの相談などが考えられます。判断能力の低下が続く場合には、成年後見や任意後見といった制度の検討が必要になることもあります。

ただし、これらは本人を過度に管理したり監視したりするためのものではありません。本人の権利や尊厳を尊重し、本人の意思を確認しながら、必要な支援を無理のない形で組み立てることが大切です。

場面別・手続前チェックリスト

場面ごとに、確認しておきたいことを整理しました。行動を起こす前に、一度目を通しておくと役立ちます。

警察に対応する前

  • 連絡元の警察署名・担当者・連絡先を控える
  • 逮捕か在宅事件かを確認する
  • 本人の持病・服薬・通院歴を把握しておく
  • 無理に供述させず、分かる範囲で事実を整理する

店舗に連絡する前

  • 直接連絡してよいか、弁護士に相談したか
  • 被害届の取下げを迫るような対応をしていないか
  • 被害品が返還済みか、弁償の話が出ているかを確認する

示談を進める前

  • 店舗が直接交渉に応じるか、本部対応かを確認する
  • 示談書・領収書・謝罪文などを資料として残す準備をする
  • 再発防止に向けた具体的な取り組みを整理する

検察庁から呼出しを受ける前

  • 呼出しの日時・場所・持参物を確認する
  • これまでの経緯や資料を整理する
  • 対応方針について弁護士に相談する

医療・福祉に相談する前

  • 本人の通院歴・服薬・介護の状況を整理する
  • 認知機能や生活面で気になることをメモにまとめる
  • 相談先の受付時間・対象・費用を公式サイトで確認する

家族が避けたい対応

よかれと思った対応が、かえって不利に働いたり、本人のためにならなかったりすることがあります。次のような対応は避けてください。

  • 本人に虚偽の説明をさせる、証拠を隠す、口裏を合わせる
  • 店舗や店員に強い態度で連絡する、押しかける
  • 被害届の取下げを迫る
  • 「高齢だから」「認知症だから」と決めつけ、被害や責任を軽視する
  • 謝罪や弁償だけで終わらせ、再発防止に向き合わない
  • 本人の通院歴・服薬・介護の状況を確認せずに供述させる
  • 勤務先・施設・ケアマネジャーなどへ、独断で説明を広げる

弁護士に相談するタイミング

弁護士への相談は、結果を保証するためのものではなく、いま何が起きていて、どのような選択肢があり、次に何をすべきかという判断材料や対応方針を整理するためのものです。次のような場面では、早めの相談が役立ちます。

  • 本人が逮捕された、または警察・検察から呼出しがあったとき
  • 店舗への謝罪や示談の進め方に迷っているとき
  • 同種の前歴や余罪があり、繰り返しが心配なとき
  • 高齢や認知症の疑い、介護、服薬、精神的な問題があるとき
  • 身元引受や再発防止の体制を整理する必要があるとき
  • 罰金・公判・前科、その後の生活への影響が不安なとき

逮捕された直後、示談の前、検察庁から呼出しを受けたとき、そして繰り返しがあるとき――こうした場面では、対応の方向性を早めに整理しておくことが役立ちます。神戸みらい法律会計事務所では、資料を確認したうえで、警察・店舗への対応、示談、再発防止に向けた進め方の検討をお手伝いします。

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よくある質問

高齢の親が万引きで捕まったら、まず何を確認すべきですか。

連絡元の警察署、逮捕か在宅事件か、本人と連絡が取れるか、被害の状況、本人の健康状態や通院歴、過去の同種行為の有無を確認します。本人に無理に思い出させる必要はなく、分かる範囲で整理すれば足ります。

万引きで逮捕されることはありますか。

あります。逮捕されずに在宅事件として捜査が進むこともあります。どちらになるかは事案の内容や本人の状況によって異なります。逮捕された場合は法律上の時間制限があり、身柄拘束が続くこともあります。

初犯の万引きなら必ず微罪処分になりますか。

必ずとはいえません。微罪処分は、犯罪事実が極めて軽微で、検察官が送致を要しないと指定した事件に限られます。逮捕された事件、前科・前歴がある場合、被害が回復されていない場合などは対象外とされることがあります。

被害弁償や示談をすれば不起訴になりますか。

被害弁償や示談は、処分の見通しを検討するうえで考慮され得る事情ですが、それだけで必ず不起訴になるとはいえません。被害の程度、繰り返しの有無、本人の状況などを含めて総合的に判断されます。

高齢や認知症を理由に処分が軽くなることはありますか。

高齢や認知症があれば当然に処分が軽くなる、というものではありません。それらが行為にどう影響したかは、医師の診断や具体的な事情を確認したうえで検討されます。結論は事案により異なります。

窃盗症(クレプトマニア)と診断されれば犯罪になりませんか。

診断があっても、直ちに無罪や不起訴になるわけではありません。診断は医師が行うものです。治療に取り組むことは再発防止に向けた取り組みとして意味を持つことがありますが、その評価も事案により異なります。

家族が店舗へ直接謝罪に行ってもよいですか。

店舗によっては直接の対応に応じず、本部が窓口になることがあります。強い態度での連絡や、被害届の取下げを迫る対応は避けてください。進め方に迷う場合は、弁護士に相談したうえで対応を検討することをおすすめします。

弁護士へ相談するときは何を持参すべきですか。

警察からの連絡内容の記録、被害の状況が分かる資料、本人の通院歴や服薬・介護の状況が分かるもの、これまでの経緯のメモなどがあると、状況を整理しやすくなります。手元にあるものだけでも構いません。

まとめ

  • 高齢の親が万引きで捕まったら、刑事手続への対応と再発防止の両方を整理する
  • まず、逮捕か在宅事件か、被害の状況、本人の健康状態などを確認する
  • 万引きは窃盗罪(刑法第235条)にあたり、見通しは事案により異なる
  • 微罪処分・示談・不起訴には可能性と限界があり、「必ず」はない
  • 繰り返しの背景は複合的であり、認知症や窃盗症は医師の診断が前提
  • 認知症の心配は神戸市の相談窓口、窃盗症の疑いはまず医療機関へ
  • 店舗への連絡や示談は、独断を避け、弁護士に相談して進める

高齢の親の万引きは、ご家族だけで抱え込むと、刑事手続への対応も再発防止も後手に回りがちです。逮捕直後、示談の前、検察庁からの呼出しを受けたとき、繰り返しが心配なときは、早めにご相談ください。神戸みらい法律会計事務所が、今後の見通しと対応方針の整理をお手伝いします。

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監修・執筆

神戸みらい法律会計事務所(弁護士法人ひょうご支所)

弁護士・公認会計士 藤井 貴之(兵庫県弁護士会所属)

当事務所は、神戸市須磨区を拠点に、刑事事件をはじめ、相続・離婚・交通事故・債務整理・企業法務など幅広い分野を取り扱っています。

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参考資料(いずれも公式サイト。内容は変更される場合があります)

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