住宅ローンを組んで購入した持ち家がある状態で、カードローンやリボ払い、消費者金融、銀行ローン、事業のための借入れなどの返済が苦しくなると、「自己破産をしたら自宅を失うのか」「個人再生なら家を残せるのか」「そもそもどの手続を選べばよいのか」と迷われる方は少なくありません。
持ち家がある場合の債務整理では、最初に「住宅を残したいのか」「手放して生活再建を優先するのか」を整理することが出発点になります。残すか手放すかによって、選びやすい手続も、確認しておくべき資料も変わってくるためです。
この記事では、任意整理・個人再生・自己破産・任意売却・競売という主な選択肢を、住宅を残す場合と手放す場合に分けて整理し、住宅ローンとの関係や、相談前に準備しておきたい資料を解説します。どの手続が適しているかは、住宅ローンの状況、家計収支、不動産の価値、担保の内容、保証人や共有者の有無などにより変わるため、最終的には資料を確認したうえで判断する必要があります。
「住宅を残したい」のか「手放して生活再建を優先する」のかによって、検討しやすい手続は変わります。住宅ローンの契約書や返済予定表、借入れの状況が分かる資料を整理しておくと、ご相談の際に住宅を残す場合と手放す場合の選択肢を比較しやすくなります。
Contents
持ち家がある場合の債務整理で最初に整理すべきこと
この記事で分かること
- 住宅を「残す」か「手放す」かで、検討しやすい手続が変わること
- 任意整理・個人再生・自己破産・任意売却・競売の位置づけと違い
- 住宅ローンとの関係や、相談前に準備しておきたい資料
- 滞納・代位弁済通知・競売開始決定が届いた場合に確認すべきこと
「住宅を残す」か「手放す」かで選択肢が変わる
持ち家がある場合の債務整理では、住宅を残したいのか、手放してもよいのかという方針によって、検討の中心となる手続が分かれます。
住宅を残したい場合は、住宅ローンの支払を続けながら、それ以外の借金を整理できないかを検討します。具体的には、任意整理や、個人再生の住宅資金特別条項(いわゆる住宅ローン特則)を利用できるかが論点になります。一方、住宅を手放してもよい場合や、住宅ローンの支払を続けることが難しい場合は、任意売却・競売・自己破産といった、住宅を清算する方向の選択肢を検討することになります。
もっとも、どちらが適しているかは一律には決められません。住宅ローンの残高、家計収支、不動産の価値、担保の内容、保証人や共有者の有無などにより結論は変わるため、資料を確認したうえで判断する必要があります。
住宅を残す場合・手放す場合の比較
| 観点 | 住宅を残したい場合 | 住宅を手放してもよい場合 |
|---|---|---|
| 主に検討する手続 | 任意整理/個人再生(住宅資金特別条項) | 任意売却/競売への対応/自己破産 |
| 住宅ローンの扱い | 原則として支払を続ける | 売却や処分により清算する |
| 必要となりやすい条件の例 | 住宅ローンを払い続けられること、継続的な収入、住宅資金特別条項の要件を満たすことなど | 売却・処分に伴う生活再建の見通し、引越し先の確保など |
| 主な留意点 | 住宅ローン自体は当然には減額されない。滞納・代位弁済・競売の進行に注意 | 売却後も残債が残る場合がある。一般に競売より任意売却の方が条件を調整しやすい傾向 |
住宅を残すか手放すかをすぐに決められない場合もあります。その場合でも、住宅ローン残高と不動産の価値の関係(残債が価値を上回るか下回るか)、滞納や通知の有無、継続収入の有無といった事実を整理することで、検討の方向性が見えやすくなります。
債務整理の基本となる手続と用語
選択肢を比較する前提として、主な手続とよく出てくる用語を整理します。なお、各手続の詳細な要件や流れは、後掲の関連記事もあわせてご確認ください。
任意整理
任意整理は、裁判所を通さずに、債権者と個別に返済条件を見直す手続です。対象とする債権者を選べるため、住宅ローンは対象から外し、それ以外の借金だけを整理することも考えられます。もっとも、任意整理は将来の利息の負担を軽減して元本を分割で返済していく方法が基本であり、元本そのものが当然に減るわけではありません。返済の見通しが立つかどうかが検討のポイントになります。
個人再生(民事再生)と住宅資金特別条項
個人再生は、裁判所の手続により、借金を一定の範囲まで圧縮し、原則として分割で返済していく方法です。継続的・反復的な収入があることなどが前提になります。
個人再生には、住宅資金特別条項(住宅ローン特則)という仕組みがあります。これは、住宅ローンについては従来どおり支払を続けることを条件に、自宅を残しながら、それ以外の借金を整理できる可能性がある制度です。ただし、住宅資金特別条項は住宅ローン自体を当然に減額する制度ではない点に注意が必要です。利用には要件があり、対象となる住宅やローンの内容、住宅ローン以外の担保が設定されていないことなどが問われます。利用できるかは資料を確認したうえで判断する必要があります。
自己破産
自己破産は、裁判所の手続により、原則としてすべての借金について支払義務の免除(免責)を目指す方法です。返済の原資がほとんどない場合に検討されます。一方で、一定の価値のある財産は処分の対象になり、持ち家も原則として処分の対象に含まれます。生活に必要な範囲の財産は手元に残せる場合がありますが、その範囲は法律や裁判所の運用によります。
任意売却と競売
住宅を手放す場合の売却方法には、任意売却と競売があります。任意売却は、住宅ローンの返済が difficult になった際に、債権者の同意を得て一般市場で売却する方法です。競売は、債権者の申立てにより裁判所の手続で強制的に売却される方法です。一般に、任意売却の方が市場に近い価格で売却できる可能性があり、引渡し時期などをある程度調整しやすい傾向があるとされますが、債権者や共有者・連帯保証人の同意など一定の条件が必要です。
本文に出てくる主な用語の整理
- 期限の利益喪失:返済を一定期間滞納すると、分割払いの権利を失い、残額の一括請求を受け得る状態になること。
- 代位弁済:住宅ローンを滞納した場合に、保証会社が金融機関へ残額を立替払いし、債権が保証会社へ移ること。
- オーバーローン/アンダーローン:住宅の価値が住宅ローン残高を下回る状態がオーバーローン、上回る状態がアンダーローン。
- 清算価値:仮に自己破産をした場合に、債権者へ配当される財産の価値の見込み。個人再生の返済額の検討で参照されます。
住宅を残したい場合の手続選択
任意整理で対応できる可能性と限界
住宅ローンは継続して支払えるものの、それ以外の借金の返済が苦しいという場合には、任意整理が選択肢になることがあります。住宅ローンを対象から外し、カードローンや消費者金融などの返済条件を見直すことで、家計が改善する見込みがあるかを検討します。
ただし、任意整理では元本が当然に減るわけではないため、圧縮効果は個人再生や自己破産に比べて限定的です。また、対象とする債権者を外すことには影響が伴う場合があります。たとえば、住宅ローンと同じ金融機関のカードローンを整理対象にすると、口座や取引に影響が及ぶことがあり、保証人が付いている債務を整理対象にすると、保証人へ請求が向かう可能性があります。対象債権者の選び方は、影響を確認したうえで検討する必要があります。
個人再生と住宅資金特別条項
住宅ローン以外の借金が大きく、任意整理では返済が難しい場合には、個人再生と住宅資金特別条項の利用を検討します。住宅資金特別条項を利用できれば、住宅ローンを支払い続けながら、それ以外の借金を圧縮して自宅を残せる可能性があります。
もっとも、利用には要件があり、住宅の使用状況や所有関係、住宅ローン以外の担保が設定されていないかなどが問われます。また、個人再生では、保有する財産の価値(清算価値)以上を返済する必要があるため、住宅にアンダーローンの含みがある場合(価値が残高を上回る場合)には、返済額がその分高くなることがあります。逆に、オーバーローンの住宅は清算価値としては評価されにくく、返済額への影響は限定的になる傾向があります。個人再生の具体的な要件や返済額の考え方は、下記の関連記事もあわせてご確認ください。
住宅ローンを滞納している場合
住宅ローンの滞納が続くと、期限の利益を失い、やがて保証会社による代位弁済や、住宅の競売へと進むことがあります。住宅資金特別条項には、保証会社が代位弁済した後でも、一定の期間内に手続を申し立てることで、もとの状態に戻せる仕組み(いわゆる巻き戻し)があります。ただし、この取扱いには期間制限があり、代位弁済の通知が届いている場合は、早めに状況を確認することが重要です。期間を過ぎると住宅資金特別条項を利用できなくなる場合があります。
共有名義・ペアローン・連帯保証・別の担保がある場合
持ち家が配偶者などとの共有名義である場合、夫婦それぞれが住宅ローンを組むペアローンの場合、住宅ローンに連帯保証人が付いている場合などは、債務整理の影響が本人以外にも及ぶことがあります。また、自宅に住宅ローン以外の担保(別の抵当権や根抵当権など)が設定されている場合には、住宅資金特別条項を利用できないことがあります。これらは登記事項証明書やローン契約書などで担保や名義の状況を確認したうえで、取り得る手続を検討する必要があります。
住宅ローンを払い続けられるかの家計確認
住宅を残す方向で検討する場合、最終的に重要になるのは「住宅ローンを継続して支払えるか」です。住宅ローン以外の借金を整理して家計が再建できるとしても、住宅ローンの返済自体に加えて、固定資産税、マンションの管理費・修繕積立金、修繕費といった維持費が継続的に発生します。これらを含めて家計収支に無理がないかを確認することが、住宅を残せるかどうかの現実的な判断材料になります。
住宅ローンを滞納している、保証会社から代位弁済の通知が届いた、裁判所から競売開始決定が届いたなど、手続が進んでいる場合は、対応に時間的な制約が生じることがあります。届いている書類を確認しながら、取り得る選択肢を整理することができます。
住宅を手放す場合の手続選択
任意売却と競売の違い
住宅ローンの支払を続けることが難しく、住宅を手放す方向で検討する場合は、任意売却と競売の違いを理解しておくことが大切です。
| 観点 | 任意売却 | 競売 |
|---|---|---|
| 進め方 | 債権者の同意を得て一般市場で売却 | 債権者の申立てにより裁判所が手続を進める |
| 売却価格の傾向 | 市場に近い価格となる可能性がある | 市場価格より低くなる傾向があるとされる |
| 引渡し時期など | ある程度調整できる場合がある | 手続の進行に従うことになる |
| 必要な条件の例 | 債権者・共有者・連帯保証人などの同意 | (債権者の申立てにより進行) |
競売の手続が始まっても、一定の時期までであれば任意売却に切り替えられる場合があります。一般には競売の開札期日の前日ごろまでが目安とされますが、個別の事案により異なります。競売開始決定の通知が届いた場合は、残された時間が限られることがあるため、早めに状況を確認することをおすすめします。
自己破産との関係
住宅を手放したうえで、住宅ローンを含む借金全体を整理したい場合には、自己破産が選択肢になります。自己破産では持ち家は原則として処分の対象になりますが、住宅の価値や住宅ローン残高(オーバーローンの程度)、裁判所の運用によって、手続の進み方や財産の扱いは変わります。任意売却を先に行ってから自己破産を検討する場合もあれば、債務整理とあわせて進める場合もあり、どちらが適しているかは資料を確認したうえで判断する必要があります。
売却後に残る住宅ローン(残債)の扱い
住宅を売却しても住宅ローンを完済できない場合(オーバーローンの場合)、売却後も残債が残ります。残債については、債権者と交渉して分割で返済する方法のほか、任意整理・個人再生・自己破産といった債務整理によって整理する方法があります。住宅ローン以外の借金もある場合や、残債が相当額残りそうな場合には、売却と債務整理を一体で検討することが現実的です。
引越し・生活再建・家族への影響
住宅を手放す場合は、引越しの時期や転居先の確保、子どもの学区、家族への影響など、生活面の検討も欠かせません。任意売却では、状況により引渡し時期を調整できる場合があり、生活再建の準備を進めやすいことがあります。住まいの確保と借金の整理を、あわせて考えていくことが大切です。
親族買受け・リースバックを検討する場合の注意点
自宅に住み続けたいという希望から、親族に買い取ってもらう方法や、第三者へ売却したうえで賃借して住み続けるリースバックを検討する場合があります。これらは選択肢になり得ますが、注意点もあります。市場価格と大きく異なる価格での親族間取引は贈与税の課税対象となる可能性があり、税務上の検討が必要です。また、債務整理を予定している場面で、一部の債権者にだけ返済したり(偏頗弁済)、財産を不当に処分したと見られたりすると、その後の手続で問題となることがあります。これらの方法を検討する際は、税務・手続の両面から事前に確認することをおすすめします。
税務上の取扱い(住宅の売却益や残債の整理に伴う課税など)は、個別事情により結論が変わり、税理士の領域となる部分があります。具体的な税額の判断は税務の専門家にご確認ください。
手続を選ぶ際の判断材料
住宅を残すか手放すか、どの手続を選ぶかは、次のような事実を整理することで検討しやすくなります。いずれも資料で裏づけることが、見通しを立てるうえで役立ちます。
| 判断材料 | 確認するポイント |
|---|---|
| 収入・家計収支 | 継続的・反復的な収入があるか、毎月の収支に返済の余地があるか |
| 債務総額 | 住宅ローン以外の借金の合計、保証債務の有無 |
| 住宅ローン残高 | 残債、滞納の有無、期限の利益喪失や代位弁済の有無 |
| 住宅の価値 | 査定価格、固定資産税評価などの目安 |
| オーバーローン/アンダーローン | 住宅の価値が残債を下回るか上回るか |
| 保証人・共有者・家族 | 連帯保証人、共有名義、ペアローンの有無と影響 |
| 減免されにくい債務 | 税金、社会保険料、養育費、管理費などの滞納 |
| 手続の進行状況 | 裁判所からの書類、競売開始決定、訴状、支払督促の有無 |
| 職業・資格・事業 | 資格制限の可能性、自宅兼事務所など事業への影響 |
よく問題になるケース
持ち家がある場合の債務整理では、次のような場面で判断に迷われることが多くあります。いずれも個別事情により結論が変わるため、状況を確認したうえで方針を整理することになります。
- 住宅ローンは払えているがカードローンが苦しい:住宅ローンを対象から外した任意整理や、個人再生を検討できる場合があります。
- 住宅ローンもその他の借金も滞納している:滞納の状況や代位弁済の有無を確認し、住宅を残せるか、手放す方向かを早めに整理する必要があります。
- 保証会社から代位弁済の通知が届いた:住宅資金特別条項の巻き戻しには期間制限があるため、通知の日付の確認が重要です。
- 競売開始決定が届いた:任意売却への切り替えや、個人再生による競売手続の中止を検討できる場合がありますが、時間的な制約があります。
- 家族名義・共有名義・ペアローンになっている:本人以外への影響を確認したうえで、取り得る手続を検討します。
- 自営業で自宅兼事務所になっている:居住部分の割合や事業への影響が論点になります。
- 住宅の価値が高く、個人再生の返済額が上がりそう:アンダーローンの含みがある場合、清算価値の観点から返済額への影響を確認します。
- 税金や管理費の滞納がある:これらは減免されにくく、差押えにつながることもあるため、別途確認が必要です。
- 親族に買い取ってもらいたい・リースバックを検討している:適正価格や贈与税、偏頗弁済と見られないかなどを事前に確認する必要があります。
相談前に準備しておきたい資料
次の資料があると、住宅を残す場合と手放す場合の選択肢を比較し、見通しを整理しやすくなります。すべてがそろっていなくても相談はできますが、手元にある範囲で準備しておくとスムーズです。
- 住宅ローンの契約書、返済予定表、残高証明書
- 督促状、催告書、期限の利益喪失通知、代位弁済通知
- 競売開始決定通知など、裁判所から届いた書類
- 登記事項証明書、固定資産税評価証明書・納税通知書
- 不動産の査定書や、価格の目安が分かる資料
- マンションの管理費・修繕積立金の状況が分かる資料
- 債権者一覧や、借入残高が分かる資料
- 給与明細、源泉徴収票、課税証明書、確定申告書
- 家計収支が分かるもの、通帳
- 保険証券、解約返戻金の分かる資料、退職金の見込みが分かる資料
- 車検証、自動車ローンの資料
- 連帯保証人・共有者・ペアローンの相手方に関する資料
- 税金、社会保険料、養育費などの滞納が分かる資料
資料がそろっていない段階でも、現在の状況や届いている書類を確認することで、次に何を準備すべきかを整理できます。まずは手元にあるものからご用意ください。
弁護士に相談するタイミング
弁護士への相談は、結果をお約束するためのものではなく、資料を確認したうえで判断材料を整理し、住宅を残す場合と手放す場合の選択肢を比較するためのものです。特に次のような場面では、手続の進行状況によって対応に時間的な制約が生じることがあるため、早めに確認することをおすすめします。
- 住宅ローンや、その他の借金の滞納が続いている
- 保証会社から代位弁済の通知が届いた
- 裁判所から競売開始決定の通知が届いた
- 訴状や支払督促、差押えの予告が届いた
- 住宅を残すか手放すかを決めかねている
資料を確認したうえで、任意整理・個人再生・自己破産・任意売却などの選択肢を比較し、住宅を残す場合と手放す場合の方針を整理することができます。取扱業務や費用、担当する弁護士については、以下のページをご確認ください。
よくある質問
自己破産をすると持ち家は必ず失いますか?
自己破産では持ち家は原則として処分の対象になりますが、住宅の価値や住宅ローン残高(オーバーローンの程度)、裁判所の運用によって扱いが変わります。家を残したい場合は、個人再生など別の手続を検討できる場合があります。個別事情により結論は異なります。
個人再生をすれば住宅は必ず残せますか?
住宅資金特別条項を利用できれば住宅を残せる可能性がありますが、利用には要件があります。住宅ローン以外の担保が設定されていないことや、継続的な収入があることなどが問われ、利用できるかは資料を確認したうえで判断する必要があります。
住宅ローン特則を使うと住宅ローンも減額されますか?
住宅資金特別条項は、住宅ローンを支払い続けることで住宅を残す制度であり、住宅ローン自体を当然に減額するものではありません。支払条件の見直し(リスケジュール)ができる場合はありますが、債権者との個別の協議が前提になります。
住宅ローンを滞納していても個人再生はできますか?
滞納や代位弁済があっても検討できる場合がありますが、巻き戻しには期間制限があり、保証会社の代位弁済から一定期間内に申し立てる必要があります。通知が届いている場合は、早めに状況を確認することをおすすめします。
任意整理なら家族に知られずに家を残せますか?
任意整理は対象とする債権者を選べるため、住宅ローンを対象から外して他の借金を整理できる可能性があります。ただし、家族に知られずに進められるかは状況により異なり、確実ではありません。資料を確認したうえで方針を整理します。
ペアローンや共有名義の住宅でも債務整理できますか?
できる場合がありますが、共有者やペアローンの相手方、連帯保証人への影響を確認する必要があります。名義や担保の状況によって取り得る手続が変わるため、登記事項証明書などの資料を確認したうえで検討します。
競売開始決定が届いた後でも相談できますか?
相談はできます。競売が進んでいても、状況によっては任意売却に切り替えられる場合や、個人再生で競売手続の中止を検討できる場合があります。ただし時間的な制約があるため、早めの確認が重要です。
家を手放す場合、自己破産と任意売却のどちらを先に考えるべきですか?
一律には決められません。住宅ローン以外の借金の状況や残債の見込みによって、任意売却を先に検討する場合も、債務整理とあわせて進める場合もあります。資料を確認したうえで選択肢を比較することが大切です。
まとめ
- 持ち家がある場合の債務整理では、まず「住宅を残したいのか」「手放して生活再建を優先するのか」を整理することが出発点になります。
- 住宅を残したい場合は、任意整理や、個人再生の住宅資金特別条項を利用できるかを検討します。住宅ローン自体は当然には減額されない点に注意が必要です。
- 住宅を手放す場合は、任意売却・競売・自己破産の関係を整理します。売却後も残債が残る場合があり、その整理もあわせて検討します。
- 住宅ローンの滞納、代位弁済通知、競売開始決定などが届いている場合は、対応に時間的な制約が生じることがあるため、早めに確認することをおすすめします。
- 住宅を残すか手放すかを決める前に、住宅ローン資料と借入れの状況を整理しておくと、選択肢を比較しやすくなります。
監修・執筆
神戸みらい法律会計事務所(弁護士法人ひょうご支所)
監修弁護士 藤井貴之(弁護士・公認会計士/兵庫県弁護士会所属)
当事務所は、借金問題(債務整理)をはじめ、法律と会計・税務の両面からの検討が必要な案件に対応しています。持ち家がある場合の債務整理についても、住宅ローンや家計収支、不動産の状況を確認したうえで、住宅を残す場合と手放す場合の選択肢を整理します。
参考資料(公的機関・公式情報)
- e‑Gov法令検索「破産法」「民事再生法」
- 裁判所「個人再生手続」「破産手続」「担保不動産競売」に関する案内
- 法テラス「借金に関するよくある相談」
- 金融庁「多重債務についての相談窓口」
- 政府広報オンライン(借金・多重債務に関する相談の案内)
- 近畿財務局(神戸財務事務所)多重債務相談窓口

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