「昔、消費者金融やクレジットカードのキャッシングを利用していた」「すでに完済しているが、過払い金があるのではないか」「平成22年より前に借りた覚えはあるが、契約書もカードも残っていない」。このような不安や期待から、過払い金について調べ始める方は少なくありません。
過払い金とは、利息制限法の上限を超えて支払った利息のうち、法律上、返してもらえる可能性があるお金のことです。ただし、「平成22年以前に借りていれば必ず過払い金がある」「払いすぎた利息は必ず戻ってくる」というものではありません。過払い金があるかどうかは、貸金業者から取引履歴を取り寄せ、利息制限法に基づく引き直し計算をして初めて分かります。
この記事では、次の点を整理します。
- 過払い金とは何か、どのような仕組みで発生するのか
- 過払い金が発生しやすい取引と発生しにくい取引の違い
- 完済済みの取引と返済中の取引で、注意点がどう変わるのか
- 時効、信用情報、現在のカード利用への影響
- 古い借金の督促が届いたときに、支払う前に確認すべきこと
- 弁護士に相談する前に準備しておきたい資料
なお、過払い金の有無や金額、時効の成否は、個別の取引内容によって結論が変わります。一般的な説明としてお読みいただき、ご自身のケースについては資料を確認したうえで判断する必要があります。
過払い金の調査を始める前に、まず手元の資料を確認しましょう。
契約書、ローンカード、クレジットカード、督促状、通帳、取引履歴などを確認することで、過払い金調査の進め方、時効の注意点、信用情報への影響、他の借金も含めた整理の必要性を整理できます。
Contents
- 過払い金とは何か
- 過払い金が発生する可能性があるケース
- 過払い金が発生しにくいケース
- 平成22年以前の借入なら必ず過払い金があるわけではありません
- 過払い金の調査は取引履歴の取り寄せと引き直し計算で行います
- 調査前にやってはいけないこと
- 完済後の過払い金請求と返済中の過払い金調査は違います
- 過払い金請求の時効に注意が必要です
- 古い借金の督促が届いた場合は、過払い金・時効・残債務を同時に確認します
- 過払い金がなかった場合の対応
- 過払い金請求で信用情報・カード利用に影響はあるか
- 家族や勤務先に知られる可能性
- 相続・生活保護・破産申立て中など注意が必要なケース
- 過払い金請求の流れ
- 過払い金調査・請求の費用
- 弁護士に相談するタイミング
- 相談前に準備したい資料
- 神戸市須磨区周辺で過払い金・債務整理を相談したい方へ
- よくある質問
- まとめ
- 監修者・執筆者情報
過払い金とは何か
過払い金とは、利息制限法の上限を超えて支払った利息のうち、法律上、返してもらえる可能性があるお金のことをいいます。
利息制限法の上限を超えた利息は無効になります
お金を貸すときの利息には、利息制限法という法律で上限が定められています。上限は、借りた元本の額によって次のように分かれています。
| 元本の額 | 上限金利(利息制限法第1条) |
|---|---|
| 元本10万円未満 | 年20% |
| 元本10万円以上100万円未満 | 年18% |
| 元本100万円以上 | 年15% |
この上限を超える利息の約束は、超えた部分が無効になります(利息制限法第1条)。
無効な利息は元本に充当され、過払い金になります
上限を超えて支払った利息は、本来は支払う必要のなかったお金です。そのため、超過部分は元本(借りた元金)の返済に充てられたものとして計算し直します。これを「引き直し計算」といいます。
引き直し計算をすると、帳簿上の残高より実際の借金が少なくなることがあります。さらに計算を続けると、元本がゼロになった後も支払いを続けていた、という状態になることがあります。この「払いすぎ」が過払い金です。
元本がなくなった後に支払ったお金は、法律上の原因がない利益として、不当利得の返還を請求できる可能性があります。返還が認められる場合、一定の利息(過払い利息)を付けて請求できることもあります。
ただし、過払い金があるかどうか、いくらあるかは、取引履歴を取り寄せて引き直し計算をしなければ分かりません。「払いすぎた利息があれば必ず戻る」というものではない点に注意が必要です。
過払い金が発生する可能性があるケース
次のような取引では、過払い金が発生している可能性があります。ただし、いずれも該当すれば必ず発生するわけではなく、確認資料をもとに取引履歴を取り寄せて判断する必要があります。
| 可能性があるケース | なぜ発生する可能性があるか | 確認資料・注意点 |
|---|---|---|
| 平成22年6月18日より前からの借入 | 当時はグレーゾーン金利での貸付けがあり得たため | 古い契約書・カード・明細。借入開始時期を確認 |
| 消費者金融からの借入 | 高い利率での貸付けが行われていた可能性があるため | 利用明細・通帳の引落履歴を確認 |
| クレジットカードのキャッシング利用 | キャッシング枠は高利率になっていた場合があるため | ショッピングと混在するため明細で区別が必要 |
| 長期間、借入と返済を繰り返していた | 取引が長いほど超過利息が積み上がる可能性があるため | 取引期間・完済時期を確認 |
| 完済後に同じ業者から再度借入をした | 取引の一連性や分断の判断で結論が変わるため | 再借入れの時期・空白期間を確認 |
| 利率が年20%を超えていた可能性がある | 利息制限法・出資法の上限を超える部分が問題になるため | 契約書記載の利率を確認 |
| 古い契約書・カード・通帳に業者名が残っている | 借入先を特定でき調査しやすいため | 業者名・会員番号をメモ |
| 債権回収会社から古い借金の通知が届いた | 元の借入が古く、過払い・時効の双方を確認すべきため | 通知の差出人・元の貸主を確認 |
| 亡くなった親族に古い借入があった可能性 | 相続人が請求を検討できる場合があるため | 相続関係・被相続人の資料を確認 |
過払い金が発生しにくいケース
次のような取引では、通常、過払い金(利息制限法を超える利息の返還)は発生しにくいと考えられます。ただし、利用明細の確認が必要な場合があります。
| 発生しにくいケース | 理由・注意点 |
|---|---|
| 平成22年6月18日以降に初めて借りた | 上限金利の引下げ後で、超過利息が生じにくい |
| 利息制限法の範囲内の利率で借りていた | そもそも超過利息が存在しない |
| 銀行カードローン | 保証会社・提携カード・旧取引が絡む場合は資料確認が必要 |
| 住宅ローン・自動車ローン・奨学金 | 通常の過払い金とは異なる枠組みで検討する |
| 税金・国民健康保険料・社会保険料 | 利息制限法の対象ではない。納付相談は別途検討 |
| 携帯電話・通信料金 | 貸付けではないため対象外 |
| クレジットカードのショッピング利用・リボ・分割 | 立替払・割賦であり、キャッシングとは区別が必要 |
| 家賃・医療費・売掛金・買掛金 | 金銭消費貸借ではないため対象外 |
| 親族・知人からの借入 | 利息制限法を超える利息の問題は生じにくい |
| 闇金・違法業者からの借入 | 過払い金返還とは別の違法貸付対応として検討する |
同じクレジットカードでも、ショッピング利用とキャッシング利用が混在していることがあります。明細でキャッシング部分の有無と利率を確認しましょう。銀行系カードローンでも、背後の保証会社や過去の取引が関係する場合があり、資料の確認が必要なことがあります。
平成22年以前の借入なら必ず過払い金があるわけではありません
かつては、利息制限法の上限(年15〜20%)と、出資法の上限(改正前は29.2%)との間に、いわゆる「グレーゾーン金利」と呼ばれる金利帯がありました。
その後、貸金業法と出資法が改正され、平成22年(2010年)6月18日に出資法の上限が29.2%から20%へ引き下げられ、グレーゾーン金利は撤廃されました。これにより、年20%を超える貸付けは刑事罰の対象となりました。
もっとも、貸金業者ごとに利率を引き下げた時期は異なります。平成22年より前でも、すでに利息制限法の範囲内で貸していた業者もあります。逆に、借入開始が古くても、取引期間が短い、残高が大きい、途中で完済して取引が分断している、といった事情で過払い金が出ないこともあります。
したがって、借入開始時期だけでなく、利率、取引期間、完済時期、再借入れの有無、取引の分断などを確認する必要があります。「平成22年以前なら必ず過払い金」とも、「平成22年以降なら絶対に過払い金なし」とも、一概には言えません。
過払い金の調査は取引履歴の取り寄せと引き直し計算で行います
過払い金の有無は、おおむね次の流れで確認します。
- 借入先(消費者金融・カード会社など)を洗い出す
- 契約書、カード、利用明細、通帳、督促状を確認する
- 業者名の変更、合併、債権譲渡の有無を確認する
- 貸金業者へ取引履歴の開示を求める
- 利息制限法に基づいて引き直し計算をする
- 残債務があるか、過払い金があるかを確認する
- 返済中の取引では任意整理になる可能性を確認する
- 完済済みの取引では時効を確認する
- 請求方針、交渉、訴訟提起の要否を検討する
- 回収後の精算、他の債務整理との関係を確認する
取引履歴の開示には時間がかかる場合があります。開示の可否・期間・手数料は業者によって異なります。資料が手元になくても調査できる可能性はありますが、借入先を特定できる資料があるほど、調査はしやすくなります。
調査前にやってはいけないこと
過払い金や時効の確認をする前に、次のような行動をとると、不利になることがあります。
- 古い借金を、時効を確認する前に一部だけ支払う
- 支払えない分割の約束をする
- 和解書・示談書・債務承認書に署名する
- 債権者に「借金を認めます」と安易に伝える
- 督促状や封筒を捨てる
- 古いカード・契約書・明細・通帳を捨てる
- 借入先を思い出せないからと諦めてしまう
- 返済のために新たな借入をする
- 過払い金があると決めつけて、現在の返済を止める
- SNSや広告の「無料診断」だけで結論を判断する
- 費用や報酬を確認せずに委任契約をする
- 他の借金を整理せず、過払い金だけ請求してよいと決めつける
古い借金については、過払い金だけでなく、時効を主張できる可能性(時効援用)もあります。一部でも支払ったり、借金を認めたりすると、時効を主張しにくくなることがあります。支払いや承認の前に確認しましょう。
ただし、裁判所から支払督促や訴状などの書類が届いている場合は、放置すると不利な決定が確定することがあります。この場合は、まず書類に記載された期限を確認することが最優先です。
完済後の過払い金請求と返済中の過払い金調査は違います
同じ過払い金でも、すでに完済しているか、いまも返済中かによって、注意点が変わります。
| 比較項目 | 完済後の過払い金請求 | 返済中の過払い金調査 |
|---|---|---|
| 現在の残高 | 返済は終わっている | 残高がある |
| 過払い金が出た場合 | 返還を請求できる可能性 | 残債務に充当し、残れば返還の可能性 |
| 残債務が残った場合 | 通常は問題にならない | 残債務は任意整理等で整理を検討 |
| 任意整理になる可能性 | 原則として生じにくい | 残債務が残る場合に生じ得る |
| 信用情報への影響 | 原則として登録されないとされる | 残債務を整理する場合は影響し得る |
| カード利用への影響 | 会社の社内判断等により異なる | 利用中のカードに影響する可能性 |
| 時効 | 完済・取引終了からの経過に注意 | 返済中は時効は問題になりにくい |
| 必要資料 | 完済を示す資料・取引履歴 | 現在の残高・返済状況の資料 |
完済後の過払い金請求については、請求をした事実そのものが信用情報機関に事故情報として登録されるわけではない、とされています。一方、返済中の取引では、引き直し計算をしても債務が残る場合、任意整理など債務整理として扱う必要があり、信用情報や今後のカード利用に影響する可能性があります。
「調査だけなら絶対に信用情報に影響しない」「完済後なら絶対にカードへ影響しない」とは言えません。カード会社の社内判断、同じグループの会社、更新審査などにより、結論は個別に変わります。
過払い金請求の時効に注意が必要です
過払い金を返してもらう権利(過払金返還請求権)には、消滅時効があります。令和2年(2020年)4月1日に施行された改正後の民法に基づく説明として、過払金の返還を請求できることを知った時から5年、または、借金の返済を終えた時(貸金業者との取引が終了した時)から10年を経過すると、時効によって消滅するとされています。
ここで重要なのは、起算点(いつから数えるか)です。完済日、最終取引日、取引終了日、再借入れの有無、取引が一連か分断しているか、民法改正の前後などによって、時効の成否や残額が変わります。
「完済から10年」とだけ単純に考えると、判断を誤ることがあります。再借入れがある場合や、長い空白期間がある場合は、取引を一連とみるか分けてみるかで結論が変わり得ます。時効が迫っている場合には、内容証明郵便による請求(催告)や訴訟提起などが問題になることがあります。
時効を過ぎても必ず取り戻せる、というものではありません。古い取引ほど、早めに最終取引日や完済日を確認することが大切です。
古い借金の督促が届いた場合は、過払い金・時効・残債務を同時に確認します
古い借金の督促が届いたときは、(1)過払い金がある可能性、(2)時効を主張できる可能性、(3)逆に残債務が残っている可能性、の三つを切り分ける必要があります。
通知は、もとの貸金業者だけでなく、債権回収会社(サービサー)、法律事務所、司法書士事務所から届くこともあります。債権回収会社は、法務省の許可を受けた会社かどうかを、許可会社一覧で確認できます。
封筒の中に、裁判所からの支払督促、訴状、差押えの予告などが入っている場合は、記載された期限の確認が最優先です。これらを放置すると、不利な決定が確定し、給与や預金が差し押さえられることがあります。
一方で、身に覚えのない請求や、連絡先が不自然な通知は、架空請求の可能性もあります。通知に書かれた電話番号へ安易に連絡せず、まず資料を確認しましょう。支払いや分割の約束をする前に、最後に支払った日、債務名義の有無、過払い金の可能性を確認することが大切です。
過払い金がなかった場合の対応
引き直し計算の結果、過払い金がなかったとしても、相談が無意味になるわけではありません。残債務がある場合には、状況に応じて次のような方法を検討します。
| 対応方法 | どのような場合に検討するか |
|---|---|
| そのまま返済を継続 | 無理なく返済でき、整理の必要がない場合 |
| 任意整理 | 将来利息のカット等で返済を立て直したい場合 |
| 時効援用 | 最終支払から長期間が経過した古い借金の場合 |
| 自己破産 | 返済の見込みが立たず、生活再建を図る場合 |
| 個人再生 | 住宅を残しつつ債務を圧縮したい場合など |
| 税金・保険料の納付相談 | 滞納がある場合(自治体等への相談) |
| 家計収支の見直し | 再発防止のため収支を整える場合 |
| 督促・支払督促・訴訟への対応 | 法的手続が始まっている場合 |
過払い金の調査は、借金全体の整理方針を考える入口にもなります。ただし、過払い金がない場合に必ず任意整理が必要というわけではありません。どの方法が適しているかは、収入、財産、債権者数などにより異なります。借金問題(債務整理)の取扱業務を見ると、整理方法の全体像を確認できます。
過払い金請求で信用情報・カード利用に影響はあるか
信用情報は、CIC、JICC、全国銀行個人信用情報センターなどの信用情報機関で管理されています。なお、「ブラックリスト」という名前のリストが存在するわけではありません。事故情報が登録された状態を、俗にそう呼んでいるにすぎません。
影響の有無は、完済後の請求か、返済中の調査か、残債務が残るか、任意整理になるかによって異なります。完済後の過払い金請求については、請求をした事実そのものが事故情報として登録されるわけではない、とされています。一方、返済中で残債務を整理する場合などには、影響が生じることがあります。
また、過払い金を請求した会社のカード、同じグループや関連会社のカード、保証会社が関係するローン、その会社で決済している銀行口座・給与振込口座・公共料金・ETCカード・スマホの分割払いなどに、影響が及ぶ可能性も個別にあります。登録される内容・期間や開示の方法は、各信用情報機関の公式情報や本人開示で確認するのが確実です。
「過払い金請求をしても絶対に信用情報に影響しない」とも、「必ずブラックリストに載る」とも言えません。
家族や勤務先に知られる可能性
完済後の過払い金請求だけで、勤務先へ連絡が行くことは通常は想定しにくいですが、個別の事情によって変わります。
家族カードや配偶者カード、保証人、同居家族との共有口座、郵便物、電話連絡、弁護士からの連絡方法などによっては、家族に知られる可能性があります。返済中で債務整理になる場合には、家計の状況を確認するために、家族に関する資料が必要になる場面もあります。
勤務先からの借入、給与天引き、社内貸付、共済貸付などがある場合は、慎重に確認する必要があります。「絶対に家族や勤務先に知られない」とは言えませんが、連絡方法や郵便物の送り先など、配慮できる点はあります。希望があれば相談時にお伝えください。
相続・生活保護・破産申立て中など注意が必要なケース
次のようなケースでは、過払い金が財産として扱われる可能性などがあり、事前の確認が必要です。
| ケース | 注意点 |
|---|---|
| 借入をしていた本人が亡くなっている | 相続人が請求を検討できる場合がある。相続関係の確認が必要 |
| 相続放棄を検討している | 過払い金の受領が相続放棄の判断に影響し得るため、先に確認 |
| 生活保護を受けている | 回収金の取扱いについて福祉事務所への確認が必要 |
| 自己破産を検討・申立て中・破産後 | 過払い金が財産として扱われる可能性があり、慎重な確認が必要 |
| 個人再生を検討している | 再生計画への影響を確認する |
| 任意整理中 | 進行中の手続との関係を確認する |
| すでに裁判や和解をしている | 既往の和解内容により請求可否が変わる |
| 貸金業者が廃業・合併している | 請求先の有無・回収可能性を確認する |
| 債権回収会社から通知が来ている | 元の貸主・債務名義の有無を確認する |
| 保証人付きの債務がある | 保証人への影響を確認する |
| 個人事業主・法人代表者の借入 | 事業性の借入か個人の借入かを区別する |
税務処理、生活保護費の取扱い、相続税などの詳細は、必要に応じて自治体や税理士等への確認が必要になります。これらは個別性が高いため、早めにご確認ください。
過払い金請求の流れ
ご依頼いただいた場合の一般的な流れは、おおむね次のとおりです。
- 相談予約
- 借入先と資料の確認
- 完済済みか返済中かを確認
- 信用情報・カード利用・銀行口座への影響可能性を確認
- 委任契約・費用の説明
- 貸金業者へ受任通知または取引履歴開示請求
- 取引履歴の取得
- 利息制限法に基づく引き直し計算
- 過払い金の有無・残債務の有無を確認
- 請求方針・交渉方針・訴訟提起の要否を検討
- 貸金業者との交渉
- 和解または訴訟
- 入金・費用精算・報告
- 残債務がある場合は債務整理方針を検討
- 今後の家計・信用情報・再発防止を確認
交渉で解決する場合もあれば、訴訟が必要になる場合もあります。貸金業者の経営状況、廃業・合併、消滅時効、取引の分断などにより、回収できる可能性は変わります。依頼すれば必ず回収できる、というものではありません。
過払い金調査・請求の費用
当事務所の過払い金請求の費用は、公式の弁護士費用ページに掲載しています。一般的な目安として、着手金0円、訴訟提起前の解決の場合は回収額の22%、訴訟提起後・判決による解決の場合は回収額の27.5%、といった体系が示されています。最新の費用、税込・実費・対象事件・報酬発生条件は、弁護士費用のページで確認することができます。
弁護士費用には、着手金、報酬金のほか、実費(郵便費用、印紙代など)がかかる場合があります。委任契約書、費用説明書、精算書は必ず保管しましょう。なお、過払い金の報酬や広告については、日本弁護士連合会が債務整理事件の処理に関する規律を定めています。
弁護士に相談するタイミング
次のようなときは、早めに資料を確認することをおすすめします。
- 平成22年以前から借入をしていた可能性があるとき
- 完済済みの消費者金融やカード会社があるとき
- 昔の借入先を思い出せないとき
- 返済中で、過払い金があるか調べたいとき
- 古い借金の督促が届いたとき
- 債権回収会社から通知が届いたとき
- 時効が心配なとき
- 支払約束や和解書に署名する前
- 裁判所から支払督促や訴状が届いたとき
- 信用情報やカード利用への影響が心配なとき
- 過払い金がなかった場合の任意整理・自己破産・個人再生も検討したいとき
- 生活保護・相続・破産・個人再生など他の制度が関係するとき
早く相談すれば必ず取り戻せる、というわけではありません。もっとも、早い段階で資料を確認すると、時効や信用情報への影響、他の債務整理の必要性を整理しやすくなります。
相談前に準備したい資料
すべてそろっていなくても相談は可能です。まずは、借入先が分かる資料、古いカード、契約書、督促状、通帳、返済履歴、信用情報の開示資料を優先して準備しましょう。
| 区分 | 主な資料 |
|---|---|
| 借入先・契約関係 | 消費者金融・カード会社の名称、古いローンカード、クレジットカード、契約書・申込書・借用書、会員規約、利用明細、返済予定表、残高証明、完済証明、解約証明、過去の和解書、分割返済合意書、公正証書、(連帯)保証契約書、債権譲渡通知、債権回収会社からの通知 |
| 返済履歴・入出金 | 預貯金通帳、振込明細、ATM明細、領収書、口座引落履歴、給与振込口座の明細、家計簿、返済メモ、メール・SMS・アプリ通知、完済日や最後に支払った日が分かる資料、再借入れの有無が分かる資料 |
| 督促・裁判所関係 | 督促状、催告書、請求書、一括請求通知、期限の利益喪失通知、法的手続予告、差押予告、各種事務所からの通知、支払督促、仮執行宣言付支払督促、訴状、呼出状、判決、和解調書、調停調書、差押命令一式、封筒、受取日メモ |
| 信用情報・借入全体 | CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センターの本人開示資料、債権者一覧、現在の借入先・残高・毎月の返済額、滞納状況、クレジットカード一覧、銀行口座一覧、給与振込口座、公共料金・スマホ・ETCの支払方法、住宅・自動車ローン・奨学金・税金滞納の資料 |
| 収入・家計・財産 | 給与明細、源泉徴収票、確定申告書、青色申告決算書・収支内訳書、預貯金通帳、家計収支表、家賃・住宅ローン・光熱費・通信費・保険料・医療費・教育費の資料、生命保険証券、車検証、不動産資料、退職金見込額の資料、税金・保険料の滞納資料、(生活保護受給中の場合)福祉事務所関係資料 |
| 相続・家族関係 | 亡くなった方宛ての督促状、戸籍、相続関係説明図、相続放棄申述受理通知書、遺産分割協議書、被相続人の通帳・借入資料、家族カード・配偶者カードの資料、保証人の有無が分かる資料 |
| 本人確認・相談準備 | 本人確認資料、(必要な場合)印鑑、相談したい内容のメモ、思い出せる範囲の借入先メモ、過去の住所・勤務先・電話番号のメモ、家族や勤務先に知られたくない事情のメモ、他の借金も整理したいかの希望メモ |
神戸市須磨区周辺で過払い金・債務整理を相談したい方へ
神戸みらい法律会計事務所は、神戸市須磨区を中心に、垂水区、西区、北区、長田区、中央区、明石市周辺の方からのご相談に対応しています。過払い金については、契約書、カード、督促状、通帳、取引履歴などを確認したうえで、過払い金の有無、時効、信用情報への影響、他の債務整理の必要性を整理します。
相談の条件や費用、受付時間、対応分野は、事案、債権者数、訴訟提起の有無などにより異なる場合があります。最新のご案内は事務所案内・アクセスのページでご確認ください。
過払い金の有無、時効、信用情報への影響を整理したい方へ。
手元の資料を確認することで、調査の進め方と、他の借金も含めた整理方針を検討できます。
よくある質問
過払い金が発生する可能性があるのはどのような場合ですか。
平成22年6月18日より前から、消費者金融やクレジットカードのキャッシングなどで高い利率の取引をしていた場合に、可能性があります。ただし、有無は取引履歴を取り寄せ、引き直し計算をしないと分かりません。
平成22年以前に借りていれば必ず過払い金がありますか。
必ずあるとは限りません。業者ごとに利率の引下げ時期が異なり、取引期間や完済時期、再借入れの有無によっても結論が変わります。
資料が残っていなくても過払い金を調査できますか。
借入先が特定できれば、取引履歴の開示を求めて調査できる可能性があります。古いカードや明細など、借入先の手がかりがあると調査しやすくなります。
完済後でも過払い金を請求できますか。
請求できる可能性があります。ただし消滅時効があり、取引終了からの経過期間などにより、請求できない場合があります。
返済中に過払い金を調査すると信用情報に影響しますか。
引き直し計算をしても残債務がある場合、任意整理として扱う必要があり、信用情報に影響することがあります。完済後の請求とは扱いが異なります。
銀行カードローンやショッピングリボでも過払い金はありますか。
通常の過払い金とは別に考える必要があります。ショッピング利用は立替払で対象外ですが、同じカードのキャッシング部分は確認が必要です。
古い借金の督促が届いた場合、支払う前に何を確認すべきですか。
最後に支払った日、債務名義の有無、過払い金や時効の可能性を確認しましょう。一部でも支払うと時効を主張しにくくなることがあります。裁判所からの書類は期限確認が最優先です。
過払い金請求には時効がありますか。
あります。改正後の民法に基づき、請求できることを知った時から5年、または取引終了から10年で時効消滅するとされています。起算点は個別事情で変わります。
過払い金がなかった場合はどうなりますか。
残債務があれば、任意整理・時効援用・自己破産・個人再生などを検討します。過払い金がない場合に必ず整理が必要というわけではありません。
相談時に資料が全部そろっていなくても大丈夫ですか。
大丈夫です。まずは借入先が分かる資料を中心に、手元にあるものをお持ちください。不足分は調査の中で補えることがあります。
まとめ
- 過払い金は、利息制限法を超えて支払った利息が元本へ充当され、元本がなくなった後も支払った場合に発生する可能性がある
- 平成22年6月18日より前の消費者金融・カードキャッシング取引では、過払い金の可能性を確認する余地がある
- 銀行ローン、ショッピング利用、住宅ローン、自動車ローン、奨学金、税金等は、通常の過払い金とは異なる
- 過払い金の有無は、取引履歴を取り寄せて引き直し計算をしないと分からない
- 完済後でも請求できる可能性があるが、時効に注意する
- 返済中の調査では、残債務がある場合に任意整理や信用情報への影響を確認する
- 古い借金の督促では、過払い金・時効・残債務・裁判所書類の有無を確認する
- 支払約束、和解書への署名、一部弁済の前に、資料を整理する
- 契約書、カード、督促状、通帳、信用情報の開示資料を準備して相談する
監修者・執筆者情報
神戸みらい法律会計事務所(弁護士法人ひょうご支所)
代表弁護士・公認会計士 藤井貴之(兵庫県弁護士会所属、日本公認会計士協会兵庫会所属)
取扱分野や弁護士の紹介は、弁護士紹介のページをご覧ください。
参考資料(公的機関・公式資料)
- 法テラス「過払金」関連FAQ
- 金融庁「貸金業法のキホン」
- 日本貸金業協会「上限金利について」
- e-Gov法令検索「利息制限法」
- e-Gov法令検索「民法」
- 日本弁護士連合会「債務整理の弁護士報酬のルールについて」
- CIC(指定信用情報機関)
- JICC(日本信用情報機構)
- 全国銀行個人信用情報センター
- 法務省「債権管理回収業の営業を許可した株式会社一覧」
- 裁判所「支払督促」
信用情報機関に登録される内容や保有期間は、契約内容・登録情報・各機関の運用により異なります。最終的には本人開示や各機関の公式情報でご確認ください。

24時間365日受付