個人事業主の自己破産|在庫・売掛金・事業用財産の扱い |神戸市(須磨・垂水・西神・北神)の弁護士|初回相談無料|弁護士法人ひょうご支所神戸みらい法律会計事務所

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個人事業主の自己破産|在庫・売掛金・事業用財産の扱い

「事業の支払いが立ち行かなくなり、自己破産を考え始めた。けれども、手元の在庫を売ってよいのか、取引先からの売掛金を回収して生活費に充ててよいのか、そもそも自己破産をすると事業を続けられなくなるのか」。個人事業主・フリーランス・小規模事業者の方が自己破産を検討するとき、会社員の自己破産とは異なる悩みが数多く生じます。

個人事業主の場合、生活上の借入だけでなく、事業上の買掛金・外注費・リース料・店舗家賃・税金・社会保険料なども整理の対象になり得ます。さらに、在庫・売掛金・事業用設備・営業車・店舗の敷金といった「事業用の財産」をどう扱うかが、手続の見通しを大きく左右します。これらを自己判断で処分・回収すると、その後の手続で不利益が生じる場合があります。

この記事では、個人事業主が自己破産を検討する際に特有の論点である、事業継続と廃業、在庫、売掛金、買掛金、事業用財産、店舗、リース、従業員、税務、保証人、取引先への影響を整理します。なお、結論は債務額・収支・財産状況・契約内容・裁判所の運用などにより異なり、個別事情によって変わります。最終的な判断は、資料を確認したうえで弁護士にご相談ください。

個人事業主として自己破産を検討している方へ

在庫、売掛金、事業用口座、リース、店舗、税金、従業員、保証人の有無により、手続の見通しは変わります。自己判断で在庫を売却したり、売掛金を回収して使ったりする前に、資料を整理して方針を確認することをおすすめします。

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借金問題(債務整理)の取扱業務を見る

この記事で分かること

  • 個人事業主が自己破産を検討する際の全体像と、最初に確認すべきこと
  • 事業を継続するか、廃業するかを整理する際の判断のポイント
  • 在庫・商品・材料、売掛金・未収金、買掛金・外注費の扱い
  • 事業用口座・決済サービス、リース・店舗・車両・設備の確認事項
  • 従業員・外注先・取引先への影響、税金・社会保険料・廃業届・インボイスの注意点
  • 管財事件となる可能性と、自己破産以外の選択肢(任意整理・個人再生・経営者保証ガイドライン等)
  • 弁護士に相談するタイミングと、相談前に準備したい資料

個人事業主の自己破産でまず確認したいこと

結論として、次の点を最初に押さえておくことをおすすめします。

  • 在庫・商品や売掛金は、自己判断で売却・回収・使用しないこと。
  • 破産手続開始前に発生した売掛金や事業用財産は、破産財団(後述)に属する可能性があること。
  • 事業を続けるか廃業するかは、収支・財産・取引先・許認可・従業員・保証人・税務・裁判所の運用などにより検討すべきで、一律には決まらないこと。
  • 税金・社会保険料・従業員給与などは、通常の借入とは異なる扱いになる場合があること。
  • 事業収支と家計(生活)収支を分けて整理することが重要であること。
  • 相談の前に、売掛金一覧・在庫一覧・買掛金一覧・通帳・確定申告書・帳簿・契約書・税金等の滞納資料を準備しておくと検討がスムーズになること。

以下、それぞれの論点を順に整理します。具体的な扱いは事案により異なり、裁判所の運用や破産管財人の判断によって結論が変わる場合があります。

個人事業主も自己破産を検討できる(会社員との違い)

個人事業主も、支払不能などの要件を満たす場合には、個人として自己破産を検討できます。自己破産を申し立てる場合、生活上の借入だけでなく、事業上の債務も原則として整理の対象になります。

会社員との大きな違いは、確認すべき財産・債務の範囲です。個人事業主には、在庫・売掛金・事業用設備・営業車・店舗・リース物件・買掛金・従業員・税金・取引先などがあり、これらの状況を裁判所や破産管財人が調査する必要が生じる場合があります。そのため、会社員の自己破産より準備する資料が多くなり、財産調査や事業整理が問題になりやすい傾向があります。

なお、同時廃止(財産が乏しい場合などに簡易に終わる類型)になるか、破産管財人が選任される管財事件になるかは、裁判所が個別に判断します。「個人事業主は必ず管財事件になる」「必ず同時廃止で簡単に終わる」と決めつけることはできません。また、免責(債務の支払義務を免れること)が認められるかどうかは、破産手続とは別に判断されます。

事業を続けるか、廃業するかを最初に整理する

自己破産をしても、直ちに法律上すべての事業継続が一律に禁止されるわけではありません。もっとも、事業用財産や売掛金が破産財団に属する場合、従前どおりに事業資産を使えなくなる可能性があり、許認可・資格・信用取引・仕入先・決済方法・リース・店舗契約・保証人・従業員の有無によって、継続の可否や進め方は大きく変わります。事業継続と廃業のいずれを選ぶかは、次のような点を踏まえて検討します。

検討の軸 主な確認事項
収支・採算 現金取引で資金繰りが回るか、黒字化の見込みがあるか、固定費(家賃・リース料等)を負担できるか
事業用財産 在庫・設備・車両・店舗を引き続き使えるか、リース・所有権留保物件の扱いはどうなるか
取引・許認可 仕入先・取引先・顧客への影響、許認可や資格への影響の有無
従業員・保証人 従業員の給与・社会保険、保証人・経営者保証の有無とその影響
税務・公租公課 税金・社会保険料の滞納状況、納税相談の要否
手続の選択 自己破産のほか、任意整理・個人再生・経営者保証ガイドライン・廃業支援などの比較

廃業を選ぶ場合は、廃業の時期、取引先への通知、在庫の処分、売掛金の回収、買掛金、従業員、店舗の明渡し、税務上の届出などを整理する必要があります。いずれにせよ、結論は事案により異なります。

破産財団と自由財産の基本

破産手続では、破産管財人が管理・換価(金銭に換えること)・配当の対象とする財産を破産財団といいます。破産手続開始時点で破産者が有する財産は、原則として破産財団に属するとされています。

他方で、破産をしても破産者が手元に残して管理処分できる財産を自由財産といいます。一般に、一定額以下の現金(裁判実務上、原則として99万円以下とされています)、法律上差押えが禁止される財産、裁判所が認めた自由財産の拡張に係る財産、手続開始後に新たに取得した財産(新得財産)などが挙げられます。

ここで注意したいのは、手続開始前の原因に基づいて生じる将来の請求権は、破産財団に属する場合があるという点です。売掛金・報酬債権などは、いつの仕事に対するものか(発生原因や役務提供・納品の時期)によって扱いが変わります。自由財産の範囲や拡張の可否は、裁判所の運用や破産管財人の判断により異なり、具体的な金額・要件は事案ごとに確認が必要です。

在庫・商品・材料はどう扱われるか

商品在庫・仕入品・原材料・部品・完成品・店舗在庫・EC在庫・委託販売品などは、財産的価値がある限り、原則として換価の対象になる可能性があります。もっとも、腐敗しやすい商品、季節商品、返品不能品、換価が困難な在庫などは、個別に判断されます。

注意すべきは、仕入先の所有権留保が付いた商品、委託販売品、預かり在庫、レンタル・リース品などは、必ずしも本人の所有物とは限らない点です。これらを本人の財産として処分すると、後にトラブルになり得ます。

在庫を申立て前に安く売る、親族へ譲る、隠す、帳簿から外すといった対応は、後の手続で否認(一定の行為の効力を否定すること)や免責の判断、さらには刑事責任に関わる問題となる可能性があります。在庫一覧・仕入価格・帳簿価格・時価・保管場所・写真・販売履歴を整理し、処分は弁護士や破産管財人の確認のうえで進めることをおすすめします。

売掛金・未収金・報酬債権はどう扱われるか

売掛金は、取引先に対する代金・報酬の請求権であり、財産として扱われます。破産手続開始前に発生した売掛金は、破産財団に属する可能性があります。請求書を発行済みか、締日が到来しているか、納品・役務提供・検収が済んでいるか、出来高があるかなどによって、扱いが変わり得ます。

業務委託・請負・準委任の報酬、フリーランスの報酬、カード決済やプラットフォーム経由の入金などは、発生時期と契約内容によって整理が異なります。手続開始後に新たに行った仕事の報酬は自由財産になる可能性がありますが、開始前の原因に基づく債権との区別が必要です。

売掛金を自分で回収し、生活費や特定の債権者への支払いに充てることは、手続上問題となる場合があります。売掛先・請求額・請求日・支払予定日・未回収の理由・契約書・請求書・納品書・検収書・入金履歴を整理したうえで、回収の前に弁護士に相談することをおすすめします。

売掛金や在庫をどう扱うべきか迷っている方へ

請求書、売掛金一覧、在庫一覧、通帳、確定申告書、帳簿を確認することで、自己破産・個人再生・任意整理・事業継続・廃業の選択肢を整理しやすくなります。動かす前に、一度確認することをおすすめします。

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買掛金・外注費・業務委託費・店舗家賃の確認

買掛金・仕入代金・外注費・業務委託費・リース料・店舗家賃・広告費などの事業上の未払債務も、原則として債権者一覧表に記載して整理する必要があります。

一部の取引先だけに先行して支払うこと(偏頗弁済)は、後の手続で否認や免責の判断に関わる問題となる可能性があります。取引先との関係を維持したい場合でも、自己判断で優先的に返済しないことが重要です。親族・知人・常連の取引先・外注先への支払いも、例外として扱われるわけではありません。事業の継続や再建を検討する場合は、支払計画と資金繰りを併せて整理します。

事業用口座・決済サービス・会計資料の整理

事業用口座・生活用口座・ネット銀行・決済アプリ・電子マネー・カード決済会社・ECモールの入金予定などを確認します。借入のある金融機関では、同一金融機関内での相殺が問題となる場合があります。

事業用と生活用の口座が混在している場合は、事業収支と家計収支を分けて整理することが重要です。申立て前の大きな出金、現金化、家族名義口座への移動、別口座への振替などは、後で説明を求められる可能性があります。通帳・入出金明細・決済管理画面・会計ソフトのデータ・売上台帳を保全しておくとよいでしょう。

工具・機械・車両・リース物件は残せるか

工具・機械・厨房設備・施術機器・建設機械・パソコン・什器・備品・営業車などは、用途や評価額によって扱いが異なります。事業に欠くことができない器具等については、差押禁止財産や自由財産の拡張が問題になる可能性があります。もっとも、高額な設備、換価価値のある機械、複数台の端末、リース物件、ローン残のある物件などは、個別の確認が必要です。

リース品・レンタル品・所有権留保の付いた物件は、必ずしも本人の所有物ではなく、契約の解除や引上げが問題になります。ローン中の自動車は、所有権留保により引き上げられる可能性があります。事業継続に必要であっても、必ず手元に残せるとは限りません。購入時期・取得価格・現在価値・所有者・ローン残高・リース契約・使用目的を整理し、自己判断で売却・譲渡・返却しないことをおすすめします。車両を残したい場合は、任意整理や個人再生も比較対象になります。

店舗・事務所・倉庫をどうするか

店舗・事務所・倉庫・作業場・駐車場などの賃貸借契約について、賃料の滞納、敷金・保証金、原状回復費、違約金、連帯保証人、家賃保証会社の有無を確認します。

店舗を閉める場合は、明渡しの時期、在庫の搬出、什器の撤去、原状回復、保証金・敷金の返還請求権を整理します。敷金・保証金の返還請求権は財産として扱われる可能性があります。事業を続ける場合は、賃料の支払いを継続できるか、賃貸人や保証会社にどのような影響が及ぶかを確認します。連帯保証人がいる場合は、保証人への請求の可能性も検討します。

従業員・外注先がいる場合の注意点

従業員がいる場合は、給与・退職金・解雇予告手当・未払残業代・社会保険・雇用保険・労災保険の状況を確認します。従業員を解雇・退職させる場合には、労働法上の手続、離職票、未払賃金などが問題となることがあります。企業の倒産に伴い賃金が支払われないまま退職した労働者については、国による未払賃金立替払制度を利用できる場合があります(最寄りの労働基準監督署または独立行政法人労働者健康安全機構へご確認ください)。

外注先・業務委託先への未払金は、債権者として扱われる可能性があります。従業員と外注先では扱いが異なるため、契約書・勤務実態・支払状況を確認します。労務に関する具体的な取扱いは、社会保険労務士・労働基準監督署等への確認が必要になる場合があります。

税金・社会保険料・廃業届の注意点

所得税・消費税・住民税・個人事業税・国民健康保険料・国民年金保険料・源泉所得税・社会保険料・労働保険料などを確認します。税金や一定の公租公課は、自己破産をしても支払義務が免れない(非免責債権に当たる)可能性があります。とりわけ消費税や源泉所得税の滞納がある場合は注意が必要です。税務署・自治体・年金事務所等との分割納付・猶予の相談が必要になることがあります。

事業を廃止する場合には、税務上の届出も問題になります。具体的には、個人事業の開業・廃業等届出書、所得税の青色申告の取りやめ届出書、消費税の課税事業者に係る事業廃止届出書、適格請求書発行事業者(インボイス)の登録の取消しに関する手続などが挙げられます。廃業しても、その年の確定申告や消費税の申告が必要になる場合があります。破産手続と税務手続は別であり、届出の要否・期限・内容は税理士・税務署への確認が必要です。

保証人・経営者保証・信用保証協会付き融資

個人事業主の借入には、親族保証・第三者保証・信用保証協会の保証・経営者保証・物上保証が付いている場合があります。本人が自己破産をして免責を得たとしても、保証人に対する請求は残る可能性があります。保証人付きの債務だけを優先して返済することは、偏頗弁済などの問題になる可能性があります。

一定の要件のもとでは、経営者保証に関するガイドライン(個人事業主も対象に含まれ得ます)を用いて、法的整理によらず保証債務を整理することを検討できる場合があります。ただし、適用には要件があり、必ず利用できるわけではありません。信用保証協会付き融資では、代位弁済後の求償権が問題になります。保証契約書・保証人・担保・残債・金融機関や信用保証協会からの通知を確認し、保証人へ説明するタイミングは慎重に検討する必要があります。

取引先・顧客・前受金・預り金

取引先への未納品の商品、前受金・予約金・回数券・サブスクの前払い、顧客から預かった物品(修理預かり品・委託販売品・データ・鍵・機材など)を確認します。前受金や預り金がある場合、顧客が債権者となる可能性があります。顧客から預かった物は、本人の財産とは限りません。

未完了の仕事がある場合は、契約の解除・返金・損害賠償・引継ぎが問題になります。取引先や顧客へいつ・どのように説明するかは、事業継続か廃業かの方針や手続の進行により異なります。営業上の信用に配慮しつつ、事実と異なる説明は避けることが重要です。これらの預り金・顧客財産の扱いは、弁護士に確認することをおすすめします。

管財事件になりやすい場面

一般に、事業用財産がある、在庫・売掛金・機械・車両・店舗・リース物件がある、事業収支が複雑である、税金や従業員給与の未払がある、保証人や親族からの借入がある、財産の処分や一部の債権者への返済が問題となり得る、免責不許可事由の調査が必要である、といった事情があると、財産調査の必要から破産管財人が選任される管財事件となる場面が想定されます。

もっとも、同時廃止と管財事件のいずれになるかは裁判所が判断するため、本記事で断定はできません。神戸地方裁判所をはじめとする各裁判所の具体的な運用は、申立て時に確認する必要があります。

自己破産以外の選択肢

事業を続けたい場合や、残したい財産がある場合などには、自己破産以外の手続も比較対象になります。代表的な選択肢を整理すると次のとおりです(いずれも要件があり、利用できるかは事案により異なります)。詳しくは借金問題(債務整理)の取扱業務もご確認ください。

手続 主な特徴 事業継続との関係 主な留意点
自己破産 免責により債務の支払義務を免れることを目指す。財産は原則として換価・配当の対象。 事業用財産が破産財団に属し得るため、従前どおりの継続は難しくなる場合がある。 管財事件の可能性、非免責債権、免責不許可事由の確認が必要。
任意整理 裁判所外で個々の債権者と返済方法を協議する。 対象とする債権者を選べる場合があり、続けながら検討する余地があるが支払原資が必要。 税金・社会保険料は対象にしにくく、原資の確保が前提。
個人再生 債務を圧縮し原則として分割弁済する。住宅資金特別条項の利用余地。 継続的な収入と収支の安定が前提で、続けながら検討する余地がある場合がある。 継続収入要件・再生計画の履行可能性の確認が必要。
経営者保証ガイドライン等 一定の要件のもと、保証債務を法的整理によらず整理する枠組み。 主たる債務者の整理と併せて検討する。 適用要件があり、必ず利用できるわけではない。早期相談が前提。

税金・社会保険料が大きい場合は、自己破産だけでは解決しないことがあります。事業の継続が難しい場合は、廃業と生活の再建を前提に検討します。「個人事業主なら必ず個人再生がよい」「自己破産しかない」と一律に決めることはできません。

自己判断で避けたい対応

次のような対応は、後の手続で否認・免責の判断・損害賠償・刑事責任に関わる問題となる可能性があります。いずれも、自己判断で動かす前に弁護士に相談することをおすすめします。

  • 在庫を安く売却する、親族・知人へ譲る、隠す
  • 売掛金を回収して生活費や特定の債権者への支払いに充てる
  • 親族・知人・重要な取引先だけに優先して返済する
  • 事業用口座から現金を引き出して隠す、家族名義・別事業名義へ財産を移す
  • 車両・機械を親族へ譲る、リース物件を無断で売却する
  • 帳簿・請求書を破棄する、売掛先や在庫を正確に申告しない
  • 事業継続の見込みがないのに、新たな借入や仕入れを続ける
  • クレジットカードで仕入れた商品を現金化する
  • 税金・社会保険料だけを自己判断で優先して支払う
  • 従業員や顧客へ事実と異なる説明をする

弁護士に相談するタイミング

次のような場面では、行動に移す前に弁護士へ相談することで、事業用財産・売掛金・在庫・取引先・従業員・税務・保証人・手続選択を整理しやすくなります。弁護士への相談は、結果を保証するものではなく、判断材料や対応方針を整理するためのものです。

  • 売掛金を回収する前、在庫を処分する前、店舗を閉める前
  • 従業員へ説明する前、取引先へ支払う前、親族や保証人へ返済する前
  • 税金や社会保険料の滞納が大きくなったとき
  • 金融機関・リース会社・保証協会・大家から督促を受けたとき
  • 支払督促・訴状・差押命令が届いたとき
  • 売上より返済・税金・固定費が大きくなり、資金繰りが苦しいとき
  • 事業を続けるか廃業するか迷っているとき、費用や法テラスの利用を確認したいとき

なお、給与の差押えの通知が届いた場合の確認事項は、給料差押えの通知が届いたら確認することの記事で詳しく扱っています。

相談前に準備したい資料

次の資料があると、相談がスムーズになります。すべてがそろっていなくても相談できる場合がありますので、まずは手元にあるものをご用意ください。

区分 資料の例
債務関係 借入先・債権者の一覧、買掛金・外注費・未払家賃・未払リース料・未払税金の一覧
売掛金・在庫 売掛金一覧、請求書・納品書・検収書・契約書、入金予定表、取引先別の未回収額、在庫一覧・棚卸表・写真、仕入価格・販売価格・帳簿価格
口座・会計 事業用・生活用の通帳と入出金明細、決済サービス・電子マネー・ECモール・カード決済の管理画面、確定申告書、青色申告決算書・収支内訳書、総勘定元帳・試算表、会計ソフトのデータ、家計収支表
資産・契約 賃貸借契約書、敷金・保証金の資料、リース・レンタル・ローン契約書、車検証・査定書、機械・工具・什器の一覧、保険証券・解約返戻金証明、保証契約書・信用保証協会関係書類
税金・社保 税金・国民健康保険料・国民年金保険料・社会保険料の滞納通知、各税目の申告・納付資料
従業員・顧客 従業員名簿・雇用契約書・給与台帳・未払賃金一覧、社会保険・労働保険関係資料、前受金・預り金・委託販売品・預かり品の一覧
その他 許認可証・登録証・資格証、支払督促・訴状・判決・差押命令、各関係先とのやり取り、本人確認資料

よくある質問

Q.個人事業主でも自己破産を検討できますか。

A.支払不能などの要件を満たす場合には、個人として自己破産を検討できます。ただし、事業用財産や売掛金などがあるため、会社員に比べて確認すべき資料が多くなる傾向があります。

Q.自己破産をすると事業は必ず廃業になりますか。

A.一律に廃業になるわけではありません。もっとも、事業用財産や売掛金が破産財団に属する場合、従前どおりの継続は難しくなることがあります。継続の可否は収支・財産・取引先・許認可・従業員・保証人などにより異なります。

Q.在庫や売掛金は、自分で処分・回収して使ってよいですか。

A.自己判断での処分・回収・使用はおすすめできません。開始前に発生した売掛金や在庫は破産財団に属する可能性があり、後の手続で問題となる場合があります。動かす前にご相談ください。

Q.破産手続開始後に新しく得た仕事の報酬はどうなりますか。

A.開始後に新たに行った仕事の報酬は自由財産になる可能性がありますが、開始前の原因に基づく債権との区別が必要です。発生時期や契約内容により扱いが変わるため、確認が必要です。

Q.リース中の機械や車は使い続けられますか。

A.リース物件や所有権留保の付いた物件は本人の所有物とは限らず、契約の解除や引上げが問題になります。残せるかどうかは契約内容・評価額・必要性・裁判所の運用などにより異なります。

Q.従業員の未払給与や税金・社会保険料はどうなりますか。

A.従業員の未払給与は、一定の場合に未払賃金立替払制度を利用できることがあります。税金や一定の社会保険料は、自己破産をしても支払義務が残る可能性があります。具体的な扱いは個別の確認が必要です。

Q.取引先や顧客に知られてしまいますか。

A.手続の内容や進め方によって、関係者への影響は異なります。「絶対に知られない」とはいえません。説明の時期・方法は方針に応じて検討します。事実と異なる説明は避ける必要があります。

Q.保証人がいる事業の借入はどうなりますか。

A.本人が免責を得ても、保証人への請求は残る可能性があります。保証人付きの債務だけを優先返済することにも注意が必要です。経営者保証ガイドラインの利用を検討できる場合もありますが、適用には要件があります。

まとめ

  • 個人事業主も自己破産を検討できるが、会社員より事業用財産・在庫・売掛金・取引先・従業員・税務の確認が重要です。
  • 在庫や売掛金は破産財団に属する可能性があり、自己判断で処分・回収・使用しないことが大切です。
  • 破産手続開始前に発生した売掛金と、開始後に新たに得る収入は区別が必要です。
  • 税金・社会保険料・従業員給与などは、通常の借入とは異なる扱いになる場合があります。
  • 管財事件となる可能性がありますが、事件類型は裁判所が判断します。
  • 自己破産・個人再生・任意整理・経営者保証ガイドライン・事業再生・廃業支援を比較すべき場合があります。
  • 事業資産を処分する前、取引先や親族へ返済する前に、資料を整理して相談することをおすすめします。

神戸市須磨区・垂水区・西区・北区・長田区・明石市周辺で、個人事業主の自己破産や事業債務に不安がある方へ

事業用財産、在庫、売掛金、買掛金、税金、従業員、保証人、取引先への影響を確認し、自己破産だけでなく個人再生・任意整理・事業整理の可能性も含めて検討できます。事案により結論は異なります。事業資産を処分する前、取引先や親族へ返済する前に、一度ご相談をご検討ください。

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監修:藤井 貴之 弁護士(兵庫県弁護士会)/公認会計士(日本公認会計士協会兵庫会)・通知税理士。取扱分野:借金問題(債務整理)、交通事故、相続、企業法務ほか。

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