用法遵守義務違反の対応 ~ 信頼関係破壊の法理
不動産問題用法遵守義務違反の対応について淡路島の弁護士がご説明いたします。
建物賃貸借においては、建物の使用目的が明示されており、借主が使用目的に違反した場合、借主は賃貸借契約を解除できるとの条項が併せて定められていることも多いと思われます。 しかしながら、借主の用法遵守義務違反があっても直ちに契約解除が認められるわけではなく、当事者の信頼関係を破壊したといえる程度の債務不履行(約束違反)がなければ契約を解除することが認められないことがあります。
裁判例では、賃貸建物を活版印刷工場兼事務所として使用する定めがなされていたところ、写真印刷の作業所兼事務所として使用した事案において、信頼関係は破壊されていないと認め、貸主からの明渡請求を認めませんでした(東京地判平成3年12月19日)。
一方で、マリンスポーツ店の事務所兼店舗に使用するという定めがなされていたところ、女性に接客させ飲食を提供するクラブとして使用した事案においては、信頼関係は破壊されていると認め、貸主からの明渡請求を認めました(東京地判平成3年7月9日)。
このように、用法遵守義務違反による解除、建物の明渡しが認められるかどうかは、貸主がどのような不利益を被るか、借主が違反に及んだ事情はどのようなものであるか等を考慮され、担当する弁護士の主張・立証や裁判官の判断によって結論が変わり得るということになりますので、弁護士に相談することをおすすめいたします。
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