事業承継では、後継者に自社株式を渡すことだけに目が向きがちです。しかし、株式の承継は、会社の支配権、相続人間の公平、そして税務という三つの問題と切り離せません。株式だけを先に動かした結果、後から遺留分(いりゅうぶん)の主張、想定外の税負担、株式の分散といった問題が生じることがあります。
この記事では、神戸市・兵庫県周辺の中小企業経営者、後継者、ご親族に向けて、事業承継で「株式」「相続」「税務」を同時に整理すべき理由と、相談前に確認しておきたい資料・論点を整理します。結論を急がず、まずは資料を確認して方針を整理するための材料としてご活用ください。
この記事で分かることは、次のとおりです。
- 事業承継で株式・相続・税務を切り離せない理由
- 相談前に確認しておきたい資料の一覧
- 株式承継の主な方法と、それぞれの注意点
- 遺留分・非上場株式評価・事業承継税制で確認すべき論点
- 弁護士・公認会計士・税理士に相談するタイミング
事業承継の進め方は、会社の株主構成、後継者、相続関係、税務によって結論が変わります。定款・株主名簿・決算書・相続関係資料などをお持ちのうえでご相談いただくと、確認すべき資料と進め方を整理できます。
Contents
事業承継でまず確認したい結論
事業承継で最初に押さえるべき結論は、「株式・相続・税務は別々の問題ではなく、同時に確認しなければ後で食い違いが生じる」という点です。具体的には、次の項目を早い段階で一覧化しておくことをおすすめします。
- 株式の所在:誰が何株を保有しているか(名義と実態の一致を含む)
- 議決権割合:後継者は将来、どの決議まで単独で通せるか
- 相続人:推定相続人は誰か、遺留分を有するのは誰か
- 後継者:誰に承継させるか、後継者に資力があるか
- 税務:非上場株式の評価水準、贈与税・相続税、納税資金の見込み
- 遺留分:後継者以外の相続人との不公平が生じないか
- 会社法上の手続:定款の現況、譲渡制限、種類株式、必要となる株主総会決議
これらは相互に影響します。たとえば、株式を後継者に集中させる方針は、遺留分や税負担に直結します。一つの論点だけを先に進めると、後から別の論点で行き詰まることがあるため、最初に全体像を確認することが重要です。なお、税務上の具体的な判断は、税理士等の確認が必要です。
事業承継で「株式」が重要になる理由
株式は会社の所有と支配に直結する
株式会社では、株式を持つ株主が会社の所有者です。誰が株式を持つかは、会社の議決権、すなわち経営の意思決定権に直結します。後継者に経営を任せたいのであれば、代表取締役の地位を引き継がせるだけでは足りず、議決権としての株式をどう承継させるかを併せて検討する必要があります。
代表取締役でも、株式が分散していると重要な決議で支障が出る
代表取締役は会社を代表して業務を執行しますが、会社の重要事項は株主総会の決議で決まります。普通決議(役員の選任など)は、原則として議決権の過半数で成立します。これに対し、定款変更、事業譲渡、組織再編といった重要事項は特別決議が必要で、原則として議決権を行使できる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した株主の議決権の3分の2以上の賛成を要します(会社法309条2項)。
つまり、後継者が代表取締役であっても、議決権の3分の2以上を確保できなければ、定款変更などの重要な決定を単独では行えません。株式が複数の親族や役員に分散している会社では、この点が後の支障になることがあります。
登記事項証明書だけでは株主構成は分からない
会社の登記事項証明書(履歴事項全部証明書)には、役員や資本金は記載されますが、誰が何株を保有しているかという株主の情報は記載されません。株主構成は、株主名簿や過去の株式の異動資料(譲渡契約書・贈与契約書・出資の記録など)で確認する必要があります。
長く続いた同族会社では、株主名簿が更新されていない、名義だけ他人になっている株式(名義株)がある、連絡の取れない株主(所在不明株主)がいる、といった状態が珍しくありません。これらは、いざ承継を進める段階で大きな障害になります。まずは現状を正確に把握することが出発点です。
「相続」で株式が問題になる場面
株式は相続財産になり、遺産分割の対象になる
経営者が保有する株式は、相続が発生すると相続財産になります。遺言がなければ、株式は相続人全員の共有(準共有)となり、遺産分割協議が成立するまで、誰が議決権を行使するかが定まりません。準共有の状態では、権利行使者を一人定めて会社に通知する必要があり、相続人間の意見が対立すると、株主としての権利行使に支障が出ることがあります。
その結果、後継者を決めていても、株式の名義書換や議決権行使が進まず、会社の意思決定が停滞することがあります。後継者以外の相続人との調整が必要になる点も、相続が絡む事業承継の難しさです。
譲渡制限株式と相続人への売渡請求(会社法174条)
中小企業の多くは、好ましくない者が株主になることを防ぐため、株式に譲渡制限を付しています。ただし、譲渡制限は売買などの場合に会社の承認を要する仕組みであり、相続などの一般承継には及びません。そこで会社法は、定款に定めを置くことで、相続その他の一般承継により株式を取得した者に対し、その株式を会社に売り渡すよう請求できる制度を設けています(会社法174条)。
この相続人等に対する売渡請求は、譲渡制限株式であること、定款に定めがあること、会社に買い取る資金(分配可能額)があることが前提で、その都度、株主総会の特別決議で対象株式数と相手方を定める必要があります。会社が相続を知った日から1年以内に行う必要があり、売買価格が協議で定まらない場合は、請求から20日以内に裁判所へ価格決定を申し立てることになります。
注意したいのは、この決議では、売渡請求の対象となる相続人は議決権を行使できないという点です(会社法175条2項)。たとえば、創業者が議決権の多数を保有し、ごく一部を他の株主が保有している会社で創業者に相続が発生すると、少数株主の側が売渡請求の決議を主導し、創業家側が会社の支配権を失う可能性があります。定款にこの定めを置くかどうかは、想定される相続関係を踏まえて慎重に検討する必要があります。
「遺留分」を後回しにできない理由
遺留分侵害額請求は金銭請求として顕在化する
遺留分とは、一定の相続人(兄弟姉妹を除く相続人)に法律上保障された最低限の取り分です。後継者に株式を集中させると、後継者以外の相続人の取り分が遺留分を下回ることがあり、その場合、遺留分を侵害された相続人は、後継者に対して遺留分侵害額に相当する金銭の支払いを請求できます(遺留分侵害額請求)。
現在の制度では、この請求は金銭請求です。したがって、後継者は株式そのものを取り上げられるわけではありませんが、まとまった金銭の支払いを求められる可能性があります。会社の株価が高い場合、この金額は多額になり得ます。
代償金・生命保険・その他財産による調整
後継者に株式を集中させつつ、後継者以外の相続人との公平を図るには、株式以外の財産での調整を検討することがあります。たとえば、後継者から他の相続人へ支払う代償金、受取人を指定した生命保険、不動産や預貯金、退職金・死亡退職金の活用などです。
ここで注意すべきは、相続人に対する生前贈与は、原則として相続開始前の一定期間(相続人に対する贈与については原則として相続開始前10年間)にされたものが遺留分算定の基礎に算入され得る点です。「早く贈与すれば遺留分の問題を避けられる」と単純には言えません。さらに、遺留分の計算は相続開始時の価額を基準とするため、株式を承継した後に会社の業績が伸びて株価が上がると、遺留分の額も増える可能性があります。これらは個別事情により結論が異なるため、資料を確認したうえで判断する必要があります。
遺留分に関する民法の特例(除外合意・固定合意)
中小企業の事業承継については、経営承継円滑化法に「遺留分に関する民法の特例」が設けられています。一定の要件を満たす中小企業者で、推定相続人全員の合意のもと、先代経営者から後継者へ贈与等された自社株式について、次の合意をすることが検討できる場合があります。
- 除外合意:その株式を遺留分を算定するための財産の価額から除外する
- 固定合意:遺留分算定の基礎に算入する価額を、合意時の時価に固定する(固定合意は会社の自社株式の場合のみ利用でき、固定する時価については税理士・公認会計士・弁護士等による相当性の証明が必要です)
この特例を利用するには、推定相続人全員(兄弟姉妹等を除く遺留分権利者)と後継者の合意に加え、経済産業大臣の確認と家庭裁判所の許可を得る必要があります。合意から経済産業大臣の確認の申請まで、確認から家庭裁判所への申立てまで、それぞれ期間制限があるなど、手続と要件が定められています。制度を利用できるかどうか、どの合意を選ぶかは、会社・先代経営者・後継者それぞれの要件を確認したうえで判断する必要があります。なお、制度の要件・手続・期限は改正により変動し得るため、最新の情報を中小企業庁等の公式資料で確認してください。
「税務・非上場株式評価」を後回しにできない理由
非上場株式の評価
取引相場のない株式(非上場株式)は、上場株式のような市場価格がないため、税務上は一定の方法で評価額を算定します。会社の規模、資産の構成、利益の状況などに応じて、類似業種比準方式、純資産価額方式、これらを組み合わせる方式などが用いられ、株主の区分によって評価方法が異なる場合もあります。
業績が良く、資産を多く保有する会社では、株式の評価額が高くなり、株式を渡すこと自体よりも、税負担と納税資金の準備が重要になることがあります。評価方法や評価額の具体的な判断は、税理士等の確認が必要です。
贈与・相続・売買で税務上の取扱いが異なる
同じ株式を承継させる場合でも、生前贈与、相続、売買のいずれを選ぶかによって、税務上の取扱いが異なります。贈与には贈与税、相続には相続税、売買には譲渡所得の課税などが関係し、低額での譲渡などはみなし贈与の問題が生じることもあります。どの方法を選ぶかは、税務上の影響を含めて総合的に検討する必要があり、税額の試算は税理士等と連携して確認することになります。
事業承継税制の概要と注意点
事業承継税制(法人版事業承継税制)は、一定の要件を満たす場合に、後継者が取得した非上場株式に係る贈与税・相続税の納税が猶予され、その後の要件を満たせば免除され得る制度です。要件を満たせば税負担を大きく軽減できる可能性がある一方、誰でも使える制度ではありません。
とくに利用しやすいとされる特例措置については、その前提として「特例承継計画」を都道府県へ提出する必要があります。提出期限は、令和8年度税制改正により令和9年(2027年)9月30日まで延長されています。また、特例措置による株式承継(贈与・相続)の実施期限は令和9年(2027年)12月31日とされています。制度には、認定、年次報告、継続届出、取消事由など、適用後にも確認すべき要件が多くあります。提出期限・適用期限・要件は改正により変動し得るため、適用を検討する場合は、必ず最新の情報を中小企業庁・国税庁等で確認し、税務上の具体的判断は税理士等の確認を受けてください。
株式承継の主な方法と注意点
株式を後継者に承継させる方法には、次のようなものがあります。いずれの方法にも長所と注意点があり、会社の状況、株主構成、後継者の資力、税務上の影響によって適否は異なります。特定の方法が常に最適とはいえません。
| 方法 | 概要 | 向いている場面 | 主な注意点 | 税務確認 |
|---|---|---|---|---|
| 生前贈与 | 経営者の生前に、後継者へ株式を贈与する | 早期に株式を集中させたい/後継者が確定している | 相続人への贈与は原則として相続開始前一定期間のものが遺留分算定の基礎に入り得る/議決権の移転時期に注意 | 贈与税。暦年課税・相続時精算課税の選択。事業承継税制(贈与)の適用可否(税理士等の確認) |
| 売買(譲渡) | 後継者や持株会社が、経営者から株式を買い取る | 対価を伴って移転したい/後継者に資力がある | 譲渡制限株式は会社の承認手続が必要/売買価格の妥当性(低額・高額譲渡) | 譲渡所得(売主側)。買主の資金。みなし贈与の有無(税理士等の確認) |
| 遺言 | 遺言により、特定の後継者に株式を相続させる | 生前の移転は避けたいが承継先を明確にしたい | 遺留分侵害額請求の対象になり得る/方式・有効性/執行者の定め | 相続税。納税資金。事業承継税制(相続)の適用可否(税理士等の確認) |
| 遺産分割 | 相続発生後、遺産分割協議で株式の取得者を定める | 生前に承継先を確定できなかった場合 | 相続人全員の合意が必要/成立まで株式が準共有となり権利行使に支障 | 相続税。代償分割を行う場合の課税関係(税理士等の確認) |
| 種類株式の活用 | 議決権制限株式・拒否権付株式などを設計する | 経済的価値と議決権を分けたい/段階的に承継したい | 定款変更(特別決議)が必要/設計を誤ると将来の支配関係に影響 | 種類株式の評価。発行・移転時の課税(税理士等の確認) |
| 持株会社・組織再編 | 持株会社を設立し株式を集約するなどの再編を行う | 株式が分散しており集約したい/グループ経営に移行したい | 手続が複雑で会社法・税務・金融の検討が必要/実行に時間を要する | 組織再編税制。株式評価への影響。借入を伴う場合の返済原資(税理士等の確認) |
なお、承継先の類型としては、子や親族へ承継する親族内承継、役員・従業員へ承継する従業員承継、第三者へ譲渡するM&A(第三者承継)があります。後継者の有無や資力、株主構成によって採り得る選択肢が変わるため、まずは現状を整理したうえで方向性を検討することが重要です。
相談前に確認したい資料チェックリスト
相談の前に次の資料を確認しておくと、株式・相続・税務の論点を一度に整理しやすくなります。すべてが揃っていなくても構いませんが、何が手元にあり、何が不足しているかを把握しておくことをおすすめします。
| 資料 | 確認する内容 | 相談時のポイント |
|---|---|---|
| 登記事項証明書(履歴事項全部証明書) | 役員・資本金・発行可能株式総数など | 直近のものを取得しているか |
| 定款 | 譲渡制限・相続人への売渡請求・種類株式・機関設計 | 変更が反映された最新版か |
| 株主名簿 | 株主・持株数・議決権割合 | 名義と実態が一致しているか、名義株がないか |
| 株式の異動資料(譲渡契約書・贈与契約書・出資資料) | 過去の株式の移転経緯 | 書面が残っているか、対価の有無 |
| 株主総会・取締役会議事録 | 過去の重要決議・役員選任 | 決議の有効性・定足数 |
| 決算書・税務申告書・勘定科目内訳書 | 会社の財政状態・株式評価の基礎 | 直近数期分があるか |
| 役員借入金・会社貸付金・保証債務の資料 | 経営者個人と会社の貸借・保証 | 承継後の整理が必要か |
| 家族関係図・相続人関係資料 | 推定相続人の範囲・遺留分権利者 | 戸籍で確認できるか |
| 遺言書(案)・過去の贈与・生命保険・不動産・退職金等の資料 | 相続財産全体・遺留分の基礎 | 株式以外の財産でどう調整するか |
| 事業承継税制の認定・申請関係資料(検討する場合) | 特例承継計画・認定の有無 | 提出期限・要件を満たすか(税理士等の確認) |
定款や株主名簿が古い、名義株がある、相続人間の調整に不安がある——こうした状況でも、資料を確認しながら論点を整理することができます。まずは手元の資料をお持ちのうえ、ご相談をご検討ください。
よく問題になるケース
事業承継のご相談では、次のような状況がよく問題になります。当てはまる場合は、早めに資料を確認して整理しておくことをおすすめします。
- 株式が複数の相続人に分散しそう:遺言や生前の対策がないと、株式が準共有となり、議決権行使や承継が滞る可能性があります。
- 後継者以外の兄弟姉妹が不公平感を持っている:株式を後継者に集中させると遺留分が問題になり得るため、株式以外の財産での調整を検討する必要があります。
- 株価が高く、納税資金が不安:非上場株式の評価が高いと税負担が大きくなることがあり、納税資金の準備や事業承継税制の検討が必要になる場合があります(税務は税理士等の確認)。
- 株主名簿が古い:実際の株主構成が不明確なまま承継を進めると、後で支配権の確認が難航することがあります。
- 名義株がある:名義人と実質的な所有者が異なる株式は、承継・相続の場面で争いの火種になりやすく、早期の整理が望まれます。
- 代表者は決まっているが株式が承継されていない:経営は引き継がれていても議決権が承継されていないと、重要な決議で支障が出ることがあります。
- 税理士には相談しているが、相続人間の調整や会社法手続が未整理:税務の検討と、遺留分・遺産分割・会社法上の手続は別の論点であり、併せて整理する必要があります。
- 親族外承継・従業員承継を検討している:後継者に株式を取得する資力があるか、種類株式や持株会社を検討すべきかなど、別の論点が生じます。
弁護士に相談するタイミング
弁護士への相談は、何かが起きてからではなく、方針を決める前の段階が適しています。相談により、確認すべき資料と進め方を整理でき、関係する専門家の役割分担も明確にできます。次のような場面では、早めの相談をおすすめします。
- 後継者を決める前、株式を贈与・売買する前、遺言を作成する前、親族に説明する前
- 事業承継税制を検討し始めたとき、株主名簿や定款が古いと分かったとき
- 後継者以外の相続人との不公平感が生じそうなとき
- 金融機関・税理士・司法書士・M&A仲介会社に相談する前後
- 株主総会・取締役会・定款変更を予定しているとき
事業承継では、税務(非上場株式評価・税額・申告)は税理士、登記は司法書士が担い、弁護士は遺留分・遺産分割・会社法上の手続・契約・紛争予防といった法的論点を担います。当事務所では、弁護士が公認会計士の資格も有しており、決算書や株主名簿などの会計資料と、会社法・相続・遺留分などの法的論点を一体的に確認することができます。税務申告などの税理士業務そのものを行うものではありませんが、必要に応じて税理士等と連携しながら進め方を整理します。
よくある質問
- 事業承継で最初に確認すべき資料は何ですか?
- 登記事項証明書、定款、株主名簿、決算書、家族関係図・相続関係資料が出発点です。まずは誰が何株を保有しているか(議決権割合)と、推定相続人が誰かを把握することをおすすめします。詳しくは本文の資料チェックリストをご確認ください。
- 後継者に株式を全部渡しても問題ありませんか?
- 支配権の確保という点では有効ですが、後継者以外の相続人の遺留分が問題になる可能性があります。代償金・生命保険・他の財産による調整や、遺留分に関する民法の特例の利用を検討できる場合があります。個別事情により結論は異なります。
- 遺言を書けば株式承継は完了しますか?
- 遺言で承継先を明確にすることは重要ですが、それだけで完了とはいえません。遺留分侵害額請求の可能性、納税資金、議決権割合、定款の手続などを併せて確認する必要があります。
- 遺留分対策として何を検討すべきですか?
- 株式以外の財産での調整(代償金・生命保険・不動産・退職金など)や、遺留分に関する民法の特例(除外合意・固定合意)の利用が考えられます。特例は推定相続人全員の合意、経済産業大臣の確認、家庭裁判所の許可などの要件があり、資料を確認したうえで判断する必要があります。
- 事業承継税制は誰でも使えますか?
- 誰でも使える制度ではありません。会社・先代経営者・後継者の要件、特例承継計画の提出、認定、適用後の継続要件などを満たす必要があります。提出期限や適用期限もあります。適用可否と税務上の判断は、税理士等の確認が必要です。
- 税理士に相談していれば弁護士相談は不要ですか?
- 税務(評価・税額・申告)は税理士の領域ですが、遺留分・遺産分割・会社法上の手続・紛争予防は法的論点であり、別に確認する必要があります。両者を併せて整理することが重要です。
- 株式が分散している場合、どう整理すべきですか?
- まず株主名簿と異動資料で現状を確認し、名義株や所在不明株主の有無を把握します。そのうえで、買い取り、種類株式、持株会社化などの方法を、税務・会社法の両面から検討します。事案により適切な方法は異なります。
- いつ弁護士に相談すべきですか?
- 後継者を決める前、株式を動かす前、遺言を作る前など、方針を決める前の段階が適しています。資料を確認し、進め方を整理する材料を得るために、早めにご相談ください。
まとめ
事業承継で株式を承継させる際の要点を整理します。
- 株式・相続・税務は別々の問題ではなく、同時に確認しないと後で食い違いが生じます。
- 株式は会社の支配権に直結し、代表者でも議決権が分散していると重要な決議で支障が出ます。
- 株式は相続財産になり、遺留分や相続人への売渡請求(会社法174条)が問題になることがあります。
- 非上場株式の評価、贈与・相続・売買の税務、事業承継税制は、税理士等と連携して確認する必要があります。
- まずは定款・株主名簿・決算書・相続関係資料を確認し、早い段階で論点を整理することが重要です。
- 個別事情により結論は異なります。方針を決める前に、資料を確認して進め方を整理することをおすすめします。
神戸市・兵庫県周辺で事業承継、株式承継、相続対策を検討している方へ
事業承継では、株式を誰にどのように承継させるかだけでなく、相続人間の調整、遺留分、非上場株式評価、税務、会社法上の手続をあわせて確認する必要があります。神戸みらい法律会計事務所では、資料を確認したうえで、株式・相続・税務の論点を整理し、今後の進め方を検討します。個別事情により結論は異なりますので、定款、株主名簿、決算書、相続関係資料などをお持ちのうえ、ご相談をご検討ください。
法律顧問の取扱業務を見る /
遺言相続の取扱業務を見る /
弁護士費用を確認する /
弁護士紹介を見る /
事務所案内・アクセスを見る
監修者・執筆者
弁護士・公認会計士 藤井貴之
兵庫県弁護士会所属。日本公認会計士協会兵庫会所属。神戸みらい法律会計事務所(弁護士法人ひょうご支所)の代表弁護士・公認会計士として、企業法務、M&A・事業承継、相続、株式・会計資料が関係する案件などに対応しています。
詳細は弁護士紹介ページをご確認ください。
神戸みらい法律会計事務所 兵庫県神戸市須磨区中落合2丁目2-5 名谷センタービル7階/電話 078-797-5227/受付時間 9:00〜20:00(営業時間外・土日祝のご相談など、対応の可否は事案・予約状況により異なる場合があります)
参考資料(公的機関・公式資料)

24時間365日受付