業務委託契約でフリーランスに発注する前の確認点|フリーランス保護法 |神戸市(須磨・垂水・西神・北神)の弁護士|初回相談無料|弁護士法人ひょうご支所神戸みらい法律会計事務所

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業務委託契約でフリーランスに発注する前の確認点|フリーランス保護法

デザイン、ライティング、システム開発、撮影、SNS運用、各種コンサルティングなど、フリーランスへ業務委託をする企業や個人事業主が増えています。一方で、「契約書のひな形さえ用意すれば足りるのか」「フリーランス保護法で発注側は何をしなければならないのか」と迷う場面も少なくありません。

業務委託契約では、契約書だけでなく、発注時の取引条件の明示、報酬の支払期日、検収、仕様変更、契約終了時の対応まで、発注側が確認すべきことが広がりました。本記事では、フリーランスに発注する企業・個人事業主・管理部門のご担当者に向けて、契約前・発注前に確認しておきたいポイントを整理します。なお、適用の有無や結論は個別事情により異なるため、具体的な対応は資料を確認したうえで判断する必要があります。

この記事で分かること

  • フリーランス保護法の対象となる取引と発注側の主な義務
  • 発注時に書面又は電磁的方法で明示すべき取引条件
  • 報酬の支払期日(原則60日以内)の考え方
  • 禁止行為として問題になりやすい発注側の運用
  • 業務委託契約書・発注書で確認すべき条項
  • 仕様変更・検収・中途解除で注意すべき点
  • 弁護士に相談するタイミングと準備しておくとよい資料

フリーランスとの契約書・発注書を確認したい事業者の方へ

契約前、発注前、仕様変更前、支払保留前、契約終了前に、契約書・発注書・メールの内容を整理しておくことが重要です。神戸みらい法律会計事務所では、企業法務・契約書確認に関するご相談を受け付けています。資料を確認したうえで、今後の対応方針を検討します。

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まず確認したい結論(発注側セルフチェック)

個別の検討に入る前に、発注側がまず見ておきたい項目を整理します。一つでも「確認できていない」がある場合は、契約書・発注書・社内運用の見直しを検討することをおすすめします。なお、各項目の該当性や具体的な対応は個別事情により異なります。

確認の視点 チェックポイント
相手方 取引相手が、保護法の対象となるフリーランス(特定受託事業者)に当たるか
委託内容 業務内容・成果物・納期・報酬が明確に特定されているか
条件明示 発注時に、書面又は電磁的方法(メール等を含む)で取引条件を明示しているか
支払期日 報酬の支払期日が、納品・役務提供から原則60日以内に収まっているか
検収・修正 検収、修正回数、仕様変更時の追加報酬のルールが明確か
継続案件 長期・継続案件で、禁止行為や中途解除・不更新の予告に注意しているか
就業環境 募集情報の表示、ハラスメント相談体制、育児介護等への配慮を確認しているか

フリーランス保護法とは

いわゆるフリーランス保護法の正式名称は「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」です。「フリーランス・事業者間取引適正化等法」とも呼ばれます。法律名が長いため、以下では「フリーランス保護法」といいます。令和6年(2024年)11月1日に施行されました。

この法律は、組織として発注する事業者と、個人として業務を受けるフリーランスとの間に交渉力や情報量の格差が生じやすいことを踏まえ、(1)取引の適正化(取引条件の明示、報酬支払期日の設定、一定の禁止行為など)と、(2)就業環境の整備(募集情報の的確表示、育児介護等への配慮、ハラスメント対策など)を、発注側の義務として定めるものです。

発注側が守るべき義務の内容は、発注側が「従業員を使用しているか」、また「業務委託の期間がどの程度継続するか」によって変わります。全体像は次のとおりです(適用の有無は個別事情により異なります)。

主な義務 誰に課されるか 期間の要件
取引条件の明示 業務委託をするすべての事業者 期間を問わない
報酬支払期日の設定・支払 従業員を使用する発注事業者(特定業務委託事業者) 期間を問わない
7つの禁止行為 特定業務委託事業者 1か月以上の業務委託
募集情報の的確表示 特定業務委託事業者 募集を行う場合
ハラスメント対策の体制整備 特定業務委託事業者 期間を問わない
育児介護等への配慮 特定業務委託事業者 6か月以上の業務委託(6か月未満は努力義務)
中途解除・不更新の予告・理由開示 特定業務委託事業者 6か月以上の継続的業務委託

なお、フリーランス保護法に違反する事実がある場合、行政機関は報告徴収・立入検査などの調査を行い、指導・助言、勧告、勧告に従わない場合の命令・公表をすることができます。命令違反や検査拒否に対しては罰則(50万円以下の罰金)が定められています。これは制度の実効性を担保するための仕組みであり、まずは発注側の運用を確認・整備しておくことが重要です。

対象となるフリーランスと発注事業者

特定受託事業者(フリーランス側)

保護の対象となるフリーランスは、法律上「特定受託事業者」と呼ばれます。おおまかには、従業員を使用せず個人として業務委託を受ける個人事業主や、代表者のみで従業員を使用しない法人(いわゆる一人会社)が想定されています。デザイナー、ライター、エンジニア、カメラマン、講師、コンサルタント、SNS運用者などへ発注する多くの場面が含まれ得ます。

業務委託事業者と特定業務委託事業者(発注側)

発注側は、「業務委託事業者」と、そのうち一定の要件を満たす「特定業務委託事業者」に区別されます。一般に、従業員を使用する個人事業主や、二以上の役員がいる又は従業員を使用する法人が「特定業務委託事業者」に当たると整理されています。ここでいう「従業員を使用」とは、おおむね、週の所定労働時間が一定以上で、かつ一定期間以上の雇用が見込まれる労働者を雇用している場合などとされており、同居の親族のみを使用している場合は含まれないと説明されています。具体的な判断基準は公式資料の確認が必要です。

発注側が特定業務委託事業者に当たると、取引条件の明示だけでなく、報酬支払期日、禁止行為、ハラスメント対策などの義務が加わります。自社がどの類型に当たるかをまず確認しておくと、対応の優先順位が立てやすくなります。

対象外・別の法律が問題となる場合

次のような場合は、フリーランス保護法の対象外となるか、別の法律の問題として整理される可能性があります。いずれも個別判断が必要です。

  • 一般消費者からの依頼(BtoC取引)や、単なる物の売買
  • 雇用契約に基づく労働(労働関係法令の問題)
  • 契約書の名称は業務委託でも、働き方の実態から労働者と判断される場合(労働基準関係法令が適用され得る)

発注時に明示すべき取引条件

発注側は、フリーランスに業務委託をした場合、直ちに、書面又は電磁的方法で取引条件を明示する必要があります。口頭で伝えるだけでは足りません。メールやチャット、クラウドサービス上の発注画面など、記録に残る方法であれば認められると整理されています(「あとで契約書を作る」という運用には、明示が遅れるリスクがあります)。明示すべき主な事項は次のとおりです。

明示する事項 実務上のポイント
発注者とフリーランスの名称 双方を識別できる表示(屋号・氏名・名称等)
業務委託をした日 発注日(合意日)を記録
給付の内容(業務内容・成果物) 成果物の範囲・仕様をできる限り具体的に
納品日又は役務提供日 納期・提供時期を明確に
納品場所又は役務提供場所 納品方法・提供場所を明記
検査を行う場合は検査完了日 検収の有無と完了予定日
報酬の額 具体的金額の明示が困難な場合は算定方法を示し、確定後すみやかに明示
支払期日 後述の原則60日以内の考え方を踏まえて設定
現金以外の方法で支払う場合の事項 支払方法に関する内容を明示

実務上は、業務委託契約書(基本契約)に加えて、個別の発注書・注文書やメールテンプレートを整え、案件ごとに上記事項を漏れなく残せる仕組みにしておくと、明示義務への対応がしやすくなります。

報酬の支払期日(原則60日以内)

発注した物品等を受け取った日、又は役務の提供を受けた日から起算して、原則として60日以内のできる限り短い期間内で支払期日を定め、その期日までに支払う必要があると整理されています。「月末締め翌々月末払い」のように、月の区切り方によっては受領日から60日を超えてしまう支払サイトには注意が必要です。

検収の遅れや社内承認の遅れを理由に支払を先延ばしにする運用は、問題となる可能性があります。発注前に、自社の支払サイトが原則60日以内に収まっているかを確認しておくことをおすすめします。

なお、他の事業者から受けた業務の全部又は一部をフリーランスに再委託する場合には、一定の事項(再委託である旨、元委託者の名称、元委託業務の対価の支払期日など)を明示することを条件に、支払期日について例外的な取扱いが認められる場合があります。ただし、適用の可否は取引の性質により異なり、誤解を招きやすい部分のため、個別に確認することをおすすめします。

また、消費税の取扱い、源泉徴収の要否、インボイス(適格請求書)対応などは、税務・社会保険の観点が関わります。これらは法律記事として断定できない部分があり、税理士・社会保険労務士の確認が必要な場合があります。

問題になりやすい7つの禁止行為

1か月以上の業務委託をする特定業務委託事業者には、次の7つの禁止行為が定められています。フリーランスの了解を得ていた場合や合意があった場合でも、また発注側に違法性の意識がなくても、問題となる可能性がある点に注意が必要です。以下は発注側で起こりやすい場面の例ですが、最終的な該当性は個別事情により異なります。

禁止行為 発注側で起こりやすい場面(例)
受領拒否 フリーランスに帰責事由がないのに、納期に成果物を受け取らない/一方的に発注を取り消す
報酬の減額 発注後に、名目を問わず一方的に報酬を差し引く
返品 帰責事由がないのに、受領後に返品する(返品できる旨の合意があっても対象となり得る)
買いたたき 通常支払われる対価に比べ著しく低い報酬を不当に定める
購入・利用強制 正当な理由なく、自社の指定する商品・サービスの購入や利用を強制する
不当な経済上の利益の提供要請 協賛金や無償作業など、金銭・役務その他の利益を不当に提供させる
不当な給付内容の変更・やり直し 帰責事由がないのに、費用を負担せず大幅な仕様変更ややり直しを求める

これらの運用に心当たりがある場合でも、ただちに違法と決まるわけではなく、帰責事由の有無や取引の経緯など個別事情によって判断が変わります。発注フローや報酬の控除ルールを一度確認し、必要に応じて契約書・発注書を見直すことが、トラブル予防につながります。

募集・継続取引・終了時に確認すべきこと

募集情報の的確表示

広告、求人媒体、SNS、クラウドソーシングなどでフリーランスを募集する場合、虚偽の表示や誤解を生じさせる表示を避け、内容を正確かつ最新に保つ必要があります。報酬、業務内容、就業場所、募集主の情報などについて、記載漏れや曖昧な表示がないかを確認することが求められます。

育児介護等への配慮

6か月以上継続して行う業務委託では、フリーランスが妊娠・出産・育児・介護と業務を両立できるよう、申出に応じて必要な配慮をすることが求められると整理されています(6か月未満の場合は努力義務とされています)。打合せ時間の調整、オンライン対応、納期の調整などが配慮の例として挙げられますが、申出どおりに必ず対応しなければならないという趣旨ではなく、可能な範囲での対応が想定されています。

ハラスメント対策の体制整備

特定業務委託事業者は、フリーランスに対するセクシュアルハラスメント、いわゆるマタニティハラスメント、パワーハラスメントなどを防止するため、相談に応じ適切に対応するための体制整備などの措置を講じる必要があると整理されています。相談窓口の設置、社内ルールの明確化、担当者への周知、事実確認と再発防止などが確認点となります。

中途解除・不更新の予告と理由開示

6か月以上の継続的業務委託を中途解除したり、契約を更新しない場合には、原則として、少なくとも30日前までに予告することが求められると整理されています。また、予告から契約終了までの間にフリーランスから理由の開示を求められた場合には、原則として遅滞なく理由を開示する必要があるとされています(一定の例外があります)。契約書に解除条項があっても、運用上の予告・説明・記録化が別途必要になる可能性がある点に注意が必要です。

業務委託契約書で確認すべき条項

発注側の視点で、業務委託契約書・発注書に盛り込むべき主な条項と確認ポイントを整理します。すべてを一度に整える必要はありませんが、トラブルになりやすい項目から優先的に確認することをおすすめします。

条項 確認ポイント 注意点
当事者・業務内容・成果物 誰が誰に何を委託するか、成果物の範囲 抽象的だと検収・追加報酬で揉めやすい
納期・納品方法・検収 納期、納品形式、検収方法と期間 検収基準を後から厳格化しない
報酬・支払期日・支払方法 金額、原則60日以内の支払期日、支払手段 消費税・源泉徴収・インボイスは税務確認が必要な場合あり
修正回数・仕様変更・追加報酬 無償修正の範囲、仕様変更時の追加見積り 無償の大幅なやり直しは禁止行為となり得る
再委託 再委託の可否と条件 再委託時の支払期日の取扱いに注意
秘密保持・個人情報 秘密情報・個人情報の取扱い 取得・保管・廃棄のルールを明確に
著作権・知的財産権・利用範囲 権利の帰属、成果物の利用範囲 契約終了後の利用可否まで定める
損害賠償 賠償の範囲・上限 一方的に過大な負担を課さない
契約期間・更新・中途解除 期間、更新条件、解除事由 継続案件は予告・理由開示の運用も確認
反社会的勢力の排除・紛争解決 暴力団排除条項、協議・管轄 自社ひな形の整合性を確認

契約書だけでは足りない―社内で整える運用

フリーランス保護法への対応は、契約書のひな形を用意するだけでは完結しません。発注から支払、契約終了までの社内運用を整えておくことで、明示義務や禁止行為への対応がしやすくなります。次のような運用を点検することをおすすめします。

  • 発注前の確認フロー(相手方が対象フリーランスか、条件が明確か)
  • 契約書・発注書・メールテンプレートの整備と管理
  • 発注書・メール・チャットなど取引条件を明示した記録の保存
  • 検収記録、修正・仕様変更時の追加見積りの記録化
  • 支払予定日の管理(原則60日以内に収まっているかの確認)
  • 担当者への周知・教育、ハラスメント相談窓口の設置
  • 継続案件の解除・不更新の予告・理由開示の運用と記録化

労働者性・偽装請負への注意

契約書上は業務委託であっても、働き方の実態によっては「労働者」と判断され、労働基準関係法令が適用される可能性があります。一般に、業務遂行についての指揮命令の有無、勤務時間・場所の拘束、専属性、代替性(他人が代わりに行えるか)、報酬が労働の対価といえるかなどが、総合的に考慮されると整理されています。これらは個別判断が必要であり、形式だけで結論は出ません。継続的・固定的な発注で実態が雇用に近い場合は、契約前に確認しておくことをおすすめします。

取適法・独占禁止法・労働法との関係

本記事はフリーランス保護法を中心に整理していますが、委託取引の内容によっては、取適法(旧下請法。令和8年〔2026年〕1月1日施行の改正により名称が変更されています)、独占禁止法(優越的地位の濫用など)、労働関係法令が併せて問題となる可能性があります。これらの適用関係は複雑で、取引の規模や当事者の属性により結論が変わるため、本記事では概要にとどめます。自社の取引にどの法律が関係するかは、資料を確認したうえで個別に判断する必要があります。

契約書・発注書・社内運用を見直したい事業者の方へ

業務委託契約書のひな形整備、発注書・メールテンプレートの作成、支払サイトや検収・仕様変更ルールの見直しは、契約前・発注前に整えておくとトラブルを予防しやすくなります。神戸みらい法律会計事務所では、企業法務・契約書確認に関するご相談を受け付けています。

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弁護士に相談するタイミングと準備資料

次のような場面では、契約前・対応前に弁護士へ確認しておくことで、対応方針を整理しやすくなります。結果を保証するものではありませんが、資料を確認したうえで、想定されるリスクと取り得る対応を検討できます。

  • 初めてフリーランスへ継続的に発注する前
  • 契約書・発注書のひな形を作成・見直すとき
  • 報酬の支払サイトを見直すとき
  • 納品物の品質や修正範囲でトラブルになったとき
  • 報酬減額・支払保留・契約解除・不更新を検討しているとき
  • 募集情報やハラスメント対応のルールを整備するとき
  • 取適法・独占禁止法や労働者性も問題になりそうなとき

ご相談の際は、次のような資料があると、状況を具体的に確認しやすくなります。

種類 具体例
契約・発注関係 業務委託契約書、個別発注書、注文書、見積書、請求書
支払関係 支払予定表、入出金の記録
成果物・仕様 納品物、仕様書、検収記録
やり取りの記録 メール、チャット、SNSメッセージ、クラウドサービス上の発注画面
募集・社内体制 募集ページ、クラウドソーシングの画面、社内規程、ハラスメント相談窓口の資料
判断理由 支払保留・減額・解除を検討している理由が分かる資料

よくある質問

フリーランスと契約するときは契約書が必須ですか。

契約書という形式は必須とまではいえませんが、発注時に書面又は電磁的方法(メール等を含む)で取引条件を明示することが求められます。口頭だけでは足りないため、記録に残る形で条件を明示しておくことをおすすめします。

メールやチャットで発注条件を伝えれば足りますか。

記録に残るメールやチャット、クラウドサービス上の発注画面などは、明示の方法として認められると整理されています。ただし、必要な事項(業務内容、報酬、支払期日、当事者など)を漏れなく含めることが重要です。テンプレートを整えておくと対応しやすくなります。

報酬は月末締め翌々月末払いでもよいですか。

納品・役務提供から原則として60日以内に支払うことが求められるため、月の区切り方によっては60日を超えるおそれがあります。支払サイトが原則60日以内に収まっているかを確認することをおすすめします。具体的な可否は個別事情により異なります。

成果物に不備がある場合でも支払う必要がありますか。

フリーランスに帰責事由がある場合の取扱いと、帰責事由がないのに受領拒否・減額・返品を行う場合とでは、考え方が異なります。帰責事由がないのに一方的に支払わない・減額することは、問題となる可能性があります。不備の内容や経緯など個別事情により判断が変わるため、資料を確認したうえで検討する必要があります。

発注後に仕様変更をしたい場合はどうすればよいですか。

フリーランスに帰責事由がないのに、費用を負担せず大幅な変更ややり直しを求めることは、問題となる可能性があります。仕様変更が生じる場合は、追加の業務内容と報酬を明示し、合意のうえで進めることが望ましいといえます。

契約期間中に業務を終了したい場合、何日前に伝える必要がありますか。

6か月以上の継続的業務委託を中途解除・不更新とする場合は、原則として少なくとも30日前までに予告することが求められると整理されています。理由の開示を求められた場合の対応も含め、契約書の解除条項とは別に運用を確認しておくことをおすすめします。

フリーランス保護法と取適法はどちらを確認すべきですか。

取引の内容によって、フリーランス保護法のほか、取適法(旧下請法)や独占禁止法が併せて関係する場合があります。どの法律が問題となるかは取引の規模や当事者の属性により異なるため、自社の取引について個別に確認することをおすすめします。

業務委託契約でも労働者と判断されることがありますか。

契約書上は業務委託でも、指揮命令の有無や時間・場所の拘束など実態によっては、労働者と判断され、労働基準関係法令が適用される可能性があります。個別判断が必要なため、実態が雇用に近い場合は契約前に確認することをおすすめします。

まとめ

業務委託契約でフリーランスと取引する際、発注側が契約前に確認しておきたい点は次のとおりです。

  • 取引相手が保護法の対象となるフリーランスに当たるかを確認する
  • 発注時に、書面又は電磁的方法で取引条件を漏れなく明示する
  • 報酬の支払期日が原則60日以内に収まっているかを確認する
  • 1か月以上の業務委託では7つの禁止行為に該当する運用がないか点検する
  • 募集情報、育児介護等への配慮、ハラスメント対策、中途解除の予告を確認する
  • 契約書だけでなく、発注・検収・支払・契約終了の社内運用を整える
  • 労働者性・偽装請負や、取適法・独占禁止法との関係にも注意する

適用の有無や具体的な対応は、個別事情により結論が変わります。契約前・発注前・仕様変更前・支払保留前・契約終了前に、資料を確認したうえで、企業法務を取り扱う弁護士に相談することで、対応方針を整理しやすくなります。

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監修・執筆

弁護士・公認会計士 藤井貴之(兵庫県弁護士会所属)

神戸みらい法律会計事務所 代表弁護士・公認会計士。企業法務、契約書の作成・レビュー、労働法務、M&A、事業承継、債権回収などに対応しています。

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参考資料

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