交通事故の治療が一段落したころ、保険会社から「示談案」「示談金提示書」「免責証書」「承諾書」などが届くことがあります。
書面には示談金の額が記載されていますが、「この金額で示談してよいのか」「慰謝料や休業損害が低いのではないか」「後遺障害申請をしないまま署名してよいのか」と迷う方は少なくありません。
結論からいうと、示談案が届いたら、まず損害項目の内訳、計算根拠、後遺障害の可能性、休業損害、過失割合、既払金、示談書の文言を確認することが重要です。
示談が成立すると、原則として後から追加請求をすることは難しくなります。ただし、示談書の文言や個別事情により結論は変わります。疑問がある場合は、署名・押印をする前に資料を整理して確認しましょう。
この記事で分かること
- 保険会社から示談案が届いたときに最初に確認すべきこと
- 示談金提示書の「損害総額」と「最終支払額」の見方
- 慰謝料、休業損害、後遺障害、逸失利益、過失割合の注意点
- 示談書、免責証書、承諾書に署名する前の確認ポイント
- 弁護士費用特約の確認方法と相談前に準備したい資料
保険会社から示談案が届いた方へ
署名・押印をする前に、示談金提示書、免責証書、診断書、通院資料、休業損害資料、保険証券などを整理しておくと、今後の方針を検討しやすくなります。
神戸みらい法律会計事務所では、交通事故の慰謝料、休業損害、後遺障害申請、過失割合、保険会社との示談交渉についてご相談を受け付けています。資料を確認したうえで、示談前の対応方針を整理します。
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Contents
保険会社から示談案が届いたときにまず確認したい結論
保険会社から示談案が届いた場合、すぐに署名・押印するのではなく、まず書面の内容を確認しましょう。示談とは、交通事故の損害賠償について、当事者間で最終的な解決内容を合意することです。
民法上、和解は、当事者が互いに譲歩して争いをやめることを約することで効力を生じます。交通事故の示談も、損害賠償額や支払条件について最終的な合意をする手続です。
示談書や免責証書には、「本件事故に関して、今後一切請求しない」といった清算条項が入っていることがあります。このような文言に合意すると、原則として、後から慰謝料、休業損害、後遺障害関係の損害、将来治療費などを追加で請求することは難しくなります。
もっとも、すべての事案で追加請求が一切できないと断定できるわけではありません。後遺障害を留保する文言がある場合、示談時に予測できなかった事情がある場合、説明内容や合意過程に問題がある場合など、個別事情により結論は変わります。
示談案が届いたときの初動チェック
- 示談案の内訳が分かる資料を手元に置く
- 提示額が「損害総額」か「既払金控除後の支払額」かを確認する
- 症状が残っている場合は、後遺障害申請の要否を確認する
- 休業損害、通院交通費、文書料、物損が抜けていないか確認する
- 過失割合の根拠資料を確認する
- 免責証書、承諾書、示談書案の清算条項を読む
- 弁護士費用特約が使える可能性を確認する
「金額が思ったより低い」「症状がまだ残っている」「過失割合に納得できない」「休業損害が入っていない」「示談書の意味が分からない」という場合は、署名前に資料を確認することをおすすめします。
示談案・示談金提示書・免責証書とは
保険会社から届く書面の名称は、事案や保険会社により異なります。「示談案」「示談金提示書」「損害額計算書」「免責証書」「承諾書」などの名称が使われることがあります。
示談案や示談金提示書は、保険会社が損害項目と支払額を提示する書面です。免責証書や承諾書は、一定の金額を受け取る代わりに、相手方や保険会社に対する追加請求をしないことを確認する書面として使われることがあります。
重要なのは、書面の名称ではなく、記載されている内容です。特に、損害項目の内訳、過失割合、既払金、最終支払額、清算条項、後遺障害や将来治療費の扱いを確認しましょう。
示談案でまず確認する全体項目
示談案を見るときは、最終的に振り込まれる金額だけで判断しないことが重要です。提示額が大きく見えても、すでに支払われた治療費、休業損害、仮払金、自賠責保険からの支払などが含まれた「損害総額」であり、実際の振込額は既払金を控除した後の金額であることがあります。
| 確認項目 | 見るポイント | 注意点 |
|---|---|---|
| 損害項目の内訳 | 慰謝料、治療費、休業損害、通院交通費、文書料、後遺障害慰謝料、逸失利益、物損などが分けて記載されているか。 | 内訳がない場合、何が認められ、何が抜けているのか判断しにくくなります。 |
| 提示額の種類 | 「損害総額」なのか、「既払金控除後の最終支払額」なのか。 | 総額だけを見ると、実際の入金額を誤解することがあります。 |
| 既払金 | 治療費、休業損害、仮払金、自賠責保険からの支払、人身傷害保険からの支払などが控除されているか。 | 控除の根拠が分からない場合は、支払履歴を確認する必要があります。 |
| 過失割合 | 「90対10」「80対20」などの割合が記載されているか。 | 過失割合により最終受取額が変わります。事故状況資料との照合が必要です。 |
| 後遺障害関係 | 後遺障害慰謝料、後遺障害逸失利益、後遺障害等級、非該当の扱いが記載されているか。 | 後遺障害申請前の場合は、示談してよいか慎重に確認します。 |
| 支払条件 | 署名・押印後、いつ、どの口座に支払われるのか。 | 支払予定日、振込先、返送書類、印鑑証明書の要否を確認します。 |
| 示談書の文言 | 清算条項、追加請求をしない旨、後遺障害や将来治療費の扱い。 | 意味が分からない文言がある場合は、署名前に確認しましょう。 |
慰謝料の金額と計算根拠を確認する
交通事故の慰謝料には、主に傷害慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料があります。示談案でよく問題になるのは、治療期間に対応する傷害慰謝料と、後遺障害等級が認定された場合の後遺障害慰謝料です。
傷害慰謝料は、入院・通院による精神的・肉体的苦痛に対する賠償です。実務上、入通院慰謝料と呼ばれることもあります。金額を確認する際は、通院期間、実通院日数、けがの内容、治療経過、通院頻度、画像所見の有無などを確認します。
| 基準 | 概要 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 自賠責基準 | 自賠責保険・共済で用いられる基本的な支払基準です。 | 現在公表されている資料では、令和2年4月1日以降の事故について、傷害部分には治療関係費、文書料、休業損害、慰謝料などが含まれ、限度額は被害者1人につき120万円とされています。慰謝料は1日4,300円、休業損害は原則1日6,100円とされています。ただし、適用される支払基準は事故日により異なることがあります。 |
| 任意保険会社基準 | 任意保険会社が示談交渉で用いる内部基準です。 | 詳細な金額表は一般に公開されていないことが多く、提示額の内訳と計算根拠を確認することが重要です。 |
| 裁判基準・弁護士基準 | 裁判例や裁判実務を踏まえて損害額を検討する際に参照される基準です。 | 赤い本・青本などは損害額算定の目安であり、実際の金額は事件ごとの事情により変わります。 |
保険会社の提示が自賠責基準に近い場合でも、直ちに不適切と決めつけることはできません。けがの内容、通院状況、過失割合、既払金、証拠の有無によって結論は変わります。もっとも、計算根拠が分からないまま署名するのは避けた方がよいでしょう。
後遺障害の可能性がある場合は示談前に確認する
痛み、しびれ、可動域制限、神経症状、めまい、頭痛、画像所見、MRI所見などが残っている場合は、後遺障害申請を検討すべき場合があります。
後遺障害とは、事故による傷害が治ったときに身体に残された障害をいいます。自動車損害賠償保障法施行令では、後遺障害の等級や保険金額が別表に定められています。
後遺障害等級が認定されると、傷害慰謝料とは別に、後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益が問題になることがあります。これらが示談案に入っていない場合、後遺障害申請前に示談してよいか慎重に確認する必要があります。
後遺障害の可能性を確認したい場面
- 治療終了後も痛みやしびれが続いている
- 首、腰、肩、膝、手足の動かしにくさが残っている
- 骨折、脱臼、靱帯損傷、神経損傷などの診断を受けた
- MRI、CT、レントゲンなどの画像所見がある
- 医師から症状固定や後遺障害診断書について説明を受けた
- 後遺障害非該当の通知が届き、異議申立てを迷っている
症状が残っていれば必ず後遺障害等級が認定されるわけではありません。事故態様、治療経過、画像所見、神経学的検査、症状の一貫性、後遺障害診断書の内容などを確認したうえで判断する必要があります。
後遺障害申請前に示談してしまうと、後遺障害慰謝料や逸失利益を別途請求できるかが問題になります。示談書に後遺障害を留保する文言があるかどうかも重要です。書面の意味が分からない場合は、署名前に確認してください。
休業損害・逸失利益に漏れがないか確認する
休業損害は、事故によるけがで仕事や家事に支障が出たことにより発生した収入減少などを補償する項目です。示談案に休業損害が入っていない、金額が低い、休業日数が少ないという場合は、資料を確認する必要があります。
休業損害の検討に必要な資料は、職業や生活状況によって異なります。給与所得者、自営業者、個人事業主、会社役員、家事従事者、学生、高齢者では、同じ資料だけでは判断できないことがあります。
| 立場 | 確認資料の例 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 給与所得者 | 休業損害証明書、源泉徴収票、給与明細、勤怠記録、有給休暇取得記録 | 欠勤、遅刻早退、有給休暇、通院のための休業が反映されているか。 |
| 自営業者・個人事業主 | 確定申告書、青色申告決算書、帳簿、売上資料、請求書、入出金記録 | 事故前後の売上減少、経費、代替要員、休業と事故との関係を確認します。 |
| 会社役員 | 役員報酬資料、会社決算書、業務内容が分かる資料 | 労務提供の対価部分と利益配当的部分の区別が問題になることがあります。 |
| 家事従事者 | 家族構成、家事分担、通院状況、家事に支障が出た期間が分かる資料 | 家事労働への支障を具体的に説明できるかが重要です。 |
| 学生・高齢者 | アルバイト資料、就労予定資料、家事従事状況、通学・生活状況資料 | 収入減少や家事への支障、将来収入への影響を個別に検討します。 |
逸失利益は、後遺障害等級が認定された場合などに、将来の収入減少を検討する損害項目です。基礎収入、労働能力喪失率、労働能力喪失期間、中間利息控除などを前提に検討します。
逸失利益の計算は個別性が強く、事故日、年齢、職業、収入資料、後遺障害等級、労働能力への影響によって結論が変わります。示談案に逸失利益が入っていない場合や、計算根拠が分からない場合は、資料を確認したうえで判断する必要があります。
治療費・通院交通費・文書料・物損を確認する
示談案では、慰謝料だけでなく、治療費、通院交通費、文書料、物損も確認してください。治療費が保険会社から医療機関へ直接支払われている場合、その金額は既払金として処理されていることがあります。
治療費打ち切り後に自費で通院した場合、その治療費が示談案に反映されているかも確認が必要です。症状固定後の治療費は認められにくいことがありますが、治療の必要性、医師の意見、症状の経過などにより検討が必要です。
| 項目 | 確認資料 | 注意点 |
|---|---|---|
| 治療費 | 診断書、診療報酬明細書、領収書、保険会社の支払明細 | 一括対応分、自費通院分、健康保険利用分を区別します。 |
| 通院交通費 | 公共交通機関の記録、タクシー領収書、自家用車利用メモ | タクシー利用は必要性が問題になることがあります。 |
| 文書料 | 診断書、後遺障害診断書、交通事故証明書、印鑑証明書、住民票などの領収書 | 発行手数料が示談案に反映されているか確認します。 |
| 修理費・時価額 | 修理見積書、修理費領収書、車両時価資料、車検証、写真 | 修理費が時価額を上回る場合、全損評価が問題になることがあります。 |
| 評価損・代車費用 | 査定資料、修理内容、代車利用期間、代車費用領収書 | 認められるかどうかは車両、修理内容、利用状況により異なります。 |
| 買替諸費用・携行品 | 買替資料、破損品の写真、購入資料、修理見積書 | 事故との関係、時価、修理可能性を確認します。 |
人身示談と物損示談が別に進むこともあります。物損だけ先に示談する場合は、物損示談書の文言が人身損害まで含めて清算する内容になっていないか、署名前に確認してください。
過失割合に納得できない場合の確認資料
過失割合は、最終的な受取額に大きく影響します。損害額が認められても、被害者側にも過失があると、その割合に応じて賠償額が調整されることがあります。
民法では、被害者に過失があったときは、裁判所がこれを考慮して損害賠償額を定めることができるとされています。保険会社から提示された過失割合が常に誤っているわけではありません。一方で、事故状況や証拠を十分に確認しないまま提示割合に応じると、納得できない結果になることがあります。
過失割合を確認するための資料
- 交通事故証明書
- 実況見分調書、物件事故報告書などの警察関係資料
- ドライブレコーダー映像
- 事故現場写真、信号、標識、停止線、道路状況の写真
- 車両損傷写真、修理見積書
- 相手方や目撃者の説明内容
- 事故直後のメモ、保険会社とのやり取り
過失割合の修正には、事故類型、道路状況、信号、速度、一時停止、進路変更、車両損傷、ドライブレコーダー映像などの資料が重要です。必ず変更できるとは限りませんが、納得できない場合は根拠資料を確認してから示談することが重要です。
既払金・自賠責・任意保険・人身傷害保険を確認する
示談案では、すでに支払われた金額が「既払金」として控除されていることがあります。既払金には、治療費、休業損害、仮払金、自賠責保険からの支払、人身傷害保険からの支払などが含まれることがあります。
特に人身傷害保険を利用している場合、相手方への請求、保険会社間の調整、過失割合、損益相殺などが問題になることがあります。示談案に「人身傷害」「自賠責回収」「代位」などの記載がある場合は、支払関係を整理する必要があります。
自賠責保険・共済は、人身損害について基本的な補償を確保する制度です。ただし、自賠責だけで交通事故の損害全体がまかなわれるとは限りません。任意保険、人身傷害保険、労災保険、健康保険などが関係する場合は、資料を確認したうえで判断する必要があります。
示談書・免責証書・承諾書で確認すべき文言
示談案の金額に目が行きがちですが、示談書、免責証書、承諾書の文言も重要です。特に清算条項、追加請求をしない旨、後遺障害や将来治療費の扱いは、署名前に確認してください。
| 文言 | 意味 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 清算条項 | 本件事故について、当事者間の債権債務がないことを確認する文言です。 | 人身、物損、後遺障害、将来治療費のどこまで含むのか確認します。 |
| 追加請求をしない旨 | 示談後に追加請求をしないことを確認する文言です。 | 症状が残っている場合、後遺障害申請前の場合は特に注意が必要です。 |
| 後遺障害の留保 | 後遺障害が後日認定された場合の扱いを残す文言です。 | 留保文言の有無と範囲を確認します。 |
| 将来治療費 | 将来の治療費を含めて解決するのか、別途協議するのかに関係します。 | 医師の見通し、症状固定、治療継続の必要性を確認します。 |
| 支払条件 | 支払時期、振込口座、必要書類を定める文言です。 | 署名後の入金時期と手続を確認します。 |
文言の意味が分からない場合は、「金額が悪くなさそうだから」という理由だけで署名しない方がよい場合があります。示談書の一部だけでなく、全体の文脈を確認する必要があります。
弁護士費用特約を確認する
弁護士に相談する費用が心配な場合は、弁護士費用特約の有無を確認しましょう。弁護士費用特約は、自動車保険などに付帯されていることがある特約で、交通事故の損害賠償請求に必要な弁護士費用を補償する内容です。
本人、配偶者、同居親族、別居の未婚の子などが対象に含まれる契約もありますが、対象者は契約により異なります。上限額、対象費用、利用時の手続も保険契約により異なるため、「自己負担が必ずない」とは断定できません。
弁護士費用特約の確認方法
- 自分の自動車保険証券を確認する
- 家族の自動車保険証券を確認する
- 保険会社のアプリやマイページで特約欄を見る
- 保険代理店や保険会社に「弁護士費用特約を交通事故で使えるか」と確認する
- 対象者の範囲、上限額、対象費用、事前連絡の要否を確認する
- 利用できる場合は、相談時に保険証券や特約の案内を持参する
神戸みらい法律会計事務所の交通事故業務ページには、弁護士費用特約が利用可能な場合の費用の取扱いが掲載されています。詳しくは「弁護士費用を確認する」をご確認ください。
示談前に準備・確認すべき資料
相談時にすべての資料がそろっていなくても、相談できる場合があります。ただし、示談案の妥当性を検討するには、できる範囲で資料を整理しておくとスムーズです。
| 資料 | 確認できる内容 |
|---|---|
| 示談金提示書、損害額計算書 | 損害項目、計算根拠、既払金、最終支払額 |
| 免責証書、承諾書、示談書案 | 清算条項、追加請求、後遺障害や将来治療費の扱い |
| 交通事故証明書 | 事故日、当事者、事故類型、人身・物件の区別 |
| 診断書、診療報酬明細書、領収書 | けがの内容、治療期間、治療費、通院状況 |
| 通院日が分かる資料 | 実通院日数、治療経過、慰謝料の検討 |
| 休業損害証明書、源泉徴収票、給与明細 | 給与所得者の休業日数、収入減少、有給休暇 |
| 確定申告書、帳簿、売上資料 | 自営業者・個人事業主の収入減少 |
| 事故現場写真、車両写真、ドライブレコーダー | 事故状況、過失割合、車両損傷 |
| 後遺障害診断書、認定結果通知 | 後遺障害申請、等級、非該当、異議申立ての検討 |
| 保険証券、弁護士費用特約の有無が分かる資料 | 弁護士費用特約の利用可能性、対象者、上限額 |
| 相手方保険会社とのやり取り | 治療費打ち切り、示談提示、過失割合、説明内容 |
弁護士に相談するタイミング
交通事故の示談は、金額だけでなく、後遺障害、休業損害、過失割合、清算条項、既払金などを含めて確認する必要があります。次のような場合は、示談前に相談することを検討してください。
- 保険会社から示談案、示談金提示書、免責証書、承諾書が届いた
- 症状が残っている、又は後遺障害申請をするか迷っている
- 治療費打ち切りを打診された、又は打ち切り後に自費通院をしている
- 休業損害が低い、又は示談案に入っていない
- 家事従事者、自営業者、会社役員などで収入資料の説明が難しい
- 過失割合に納得できない
- 物損だけ先に示談してよいか分からない
- 示談書、免責証書、承諾書の文言が分からない
- 弁護士費用特約が使える可能性がある
弁護士に相談すれば必ず提示額が変わるわけではありません。事故状況、治療経過、証拠、過失割合、保険内容、後遺障害の有無により結論は変わります。
示談前に資料を確認したい方へ
示談案の確認では、提示額を見直す余地があるかだけでなく、後遺障害申請の要否、休業損害の資料、過失割合の根拠、清算条項の意味を整理することが重要です。
神戸みらい法律会計事務所では、交通事故の相談について公式ページで初回相談無料の案内をしています。電話受付は9:00〜20:00です。相談方法は事案・予約状況により異なるため、予約時にご確認ください。
交通事故の弁護士費用
弁護士費用が気になる場合は、弁護士費用特約の有無と、事務所の費用案内を確認しましょう。
神戸みらい法律会計事務所の交通事故業務ページでは、交通事故案件について、初回相談無料、着手金無料、成功報酬制との案内があります。また、弁護士費用特約が利用できる場合には、特約の支払基準に従って弁護士費用を請求する旨も案内されています。
ただし、弁護士費用特約を使えるか、自己負担が生じるか、どこまで保険でまかなわれるかは、保険契約の内容、上限額、保険会社の支払基準、事案の内容によって異なります。相談前に保険証券や保険会社の案内を確認しておくと、費用の見通しを整理しやすくなります。
最新の費用情報は、交通事故の取扱業務ページ又は弁護士費用ページをご確認ください。
よくある質問
保険会社から示談案が届いたら、すぐ署名してもよいですか?
すぐに署名・押印する前に、損害項目、計算根拠、後遺障害の可能性、休業損害、過失割合、既払金、示談書の文言を確認しましょう。示談成立後は、原則として追加請求が難しくなります。
示談金が低いかどうかはどこを見れば分かりますか?
最終支払額だけでなく、慰謝料、休業損害、通院交通費、文書料、後遺障害関係、物損、過失割合、既払金の内訳を確認します。どの基準で計算されているかも重要です。
後遺障害申請をしていない場合でも示談してよいですか?
症状が残っていない場合と、痛みやしびれ、可動域制限などが残っている場合で判断が変わります。後遺障害申請を検討すべき場合は、示談前に確認することをおすすめします。
休業損害が提示されていない場合はどうすればよいですか?
休業損害証明書、源泉徴収票、給与明細、確定申告書、帳簿、家事従事状況などを確認します。職業や生活状況により必要資料が異なるため、資料を整理して確認しましょう。
過失割合に納得できない場合は示談を保留できますか?
署名・押印前であれば、事故状況資料を確認し、保険会社に説明を求めることができます。ドライブレコーダー、実況見分調書、現場写真、車両損傷などが重要になることがあります。
示談後に追加請求はできますか?
示談書に清算条項がある場合、原則として追加請求は難しくなります。ただし、示談書の文言、後遺障害の留保、合意時に予測できなかった事情などにより結論が変わることがあります。
弁護士費用特約は使えますか?
本人の保険だけでなく、家族の保険で使える場合があります。ただし、対象者、上限額、対象費用は契約により異なるため、保険証券や保険会社で確認してください。
相談時に何を持参すればよいですか?
示談金提示書、免責証書、交通事故証明書、診断書、通院資料、休業損害資料、事故写真、ドライブレコーダー、保険証券、保険会社とのやり取りを準備すると確認しやすくなります。
まとめ
保険会社から示談案が届いたときは、金額だけで判断せず、次の点を確認してください。
- 示談案が「損害総額」なのか「既払金控除後の最終支払額」なのか
- 慰謝料、治療費、休業損害、通院交通費、文書料、物損が漏れていないか
- 症状が残っている場合、後遺障害申請を検討すべきか
- 休業損害や逸失利益の資料が十分か
- 過失割合の根拠資料があるか
- 既払金、自賠責保険、人身傷害保険の調整が分かるか
- 示談書、免責証書、承諾書の清算条項を理解できているか
- 弁護士費用特約が使える可能性があるか
弁護士に相談すれば必ず提示額が変わるわけではありません。事故状況、治療経過、証拠、過失割合、保険内容、後遺障害の有無により結論は変わります。
それでも、署名・押印前に資料を確認することで、示談してよいか、追加資料を集めるべきか、後遺障害申請を検討すべきかを整理しやすくなります。疑問がある場合は、示談前に確認することをおすすめします。
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監修者・執筆者
弁護士・公認会計士 藤井 貴之
兵庫県弁護士会所属。神戸みらい法律会計事務所の代表弁護士・公認会計士として、相続、交通事故、企業法務、労働問題、損害賠償など、個人・法人双方の法律相談に対応しています。
詳細は、弁護士紹介ページをご確認ください。
参考資料
- 国土交通省「自賠責保険・共済の限度額と補償内容」
- 金融庁・国土交通省告示「自動車損害賠償責任保険の保険金等及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払基準」
- E-GOV法令検索「民法」
- E-GOV法令検索「自動車損害賠償保障法」
- E-GOV法令検索「自動車損害賠償保障法施行令」
- 公益財団法人日弁連交通事故相談センター「当センターの刊行物について(青本及び赤い本)」
- 神戸みらい法律会計事務所「交通事故」
- 神戸みらい法律会計事務所「事務所案内・アクセス」
本記事は、交通事故の示談案確認に関する一般的な解説です。実際の結論は、事故状況、治療経過、証拠、保険契約、後遺障害の有無、示談書の文言などにより異なります。具体的な事案については、資料を確認したうえで弁護士にご相談ください。

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