相続放棄をしたいものの、「3か月の期限が迫っている」「戸籍がまだ揃っていない」「どこの家庭裁判所に出すのか分からない」と悩んでいる方は少なくありません。
相続放棄は、原則として「自己のために相続の開始があったことを知ったとき」から3か月以内に、家庭裁判所へ申述する手続です。ただし、死亡日から単純に3か月と決めつけられない場合もあります。先順位の相続人が相続放棄したことを後から知った場合、疎遠な親族の死亡を後日知った場合、債権者からの請求で初めて借金を知った場合など、起算点は資料を確認して判断する必要があります。
期限が迫っている場合は、まず「期限の起算点」「申述先の家庭裁判所」「必要書類」「相続財産に手を付けた行為の有無」を確認してください。戸籍がすべて揃っていない場合でも、裁判所の案内上、申述前に入手できない戸籍等は申述後に追加提出できる場合があります。もっとも、提出先家庭裁判所の運用や事案により対応は異なるため、自己判断で期限を過ぎる前に、提出先家庭裁判所又は弁護士へ確認することが重要です。
Contents
相続放棄の期限が迫っている方へ
神戸みらい法律会計事務所では、相続放棄を含む相続案件のご相談を受け付けています。期限、戸籍の状況、債権者からの請求書、相続財産に手を付けた行為の有無を確認したうえで、申述方針や期間伸長の要否を整理します。
この記事で分かること
- 相続放棄の3か月の期限がいつから始まるか
- 期限が迫っている場合に最初に確認すべきこと
- 相続放棄申述書と戸籍などの必要書類
- 戸籍が期限までに揃わない場合の考え方
- 期間伸長を検討すべき場面
- 期限直前に避けるべき行為
- 弁護士に相談するタイミングと準備資料
相続放棄の期限が迫っている場合の結論
相続放棄の期限が迫っている場合は、戸籍を1つずつ待つだけではなく、申述書の作成、提出先の確認、手元資料の整理を同時に進める必要があります。
| 最初に確認すること | 確認内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 期限の起算点 | 死亡を知った日、自分が相続人になったことを知った日、先順位相続人の相続放棄を知った日など | 死亡日から必ず3か月とは限りません。資料確認が必要です。 |
| 申述先 | 被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所 | 自分の住所地の家庭裁判所ではない点に注意してください。 |
| 必要書類 | 相続放棄申述書、申述人の戸籍、被相続人の住民票除票又は戸籍附票、相続関係に応じた戸籍 | 不足書類の追完が可能な場合がありますが、提出先家庭裁判所への確認が必要です。 |
| 法定単純承認に当たる行為 | 預貯金の使用、不動産や車の処分、遺産分割協議書への署名押印など | 相続放棄が認められるかに影響する可能性があります。 |
| 期間伸長の要否 | 財産や債務を調査しても判断できないか | 当然に期限が延びるわけではなく、家庭裁判所への申立てが必要です。 |
期限が数日後に迫っている場合でも、すぐに「もう間に合わない」と決めるべきではありません。一方で、「不足書類があっても必ず受理される」と考えるのも危険です。提出先家庭裁判所の案内、手元書類、相続財産に関する行為の有無を確認し、期限前に何を提出できるか整理しましょう。
相続放棄の3か月の期限はいつから始まるか
相続放棄の期限は、原則として「自己のために相続の開始があったことを知ったとき」から3か月以内です。これは、亡くなった日から機械的に3か月という意味ではありません。
| 場面 | 起算点として問題になりやすい日 | 確認すべき資料 |
|---|---|---|
| 同居の親が亡くなった場合 | 死亡を知った日が起算点になりやすい | 死亡診断書、火葬許可証、戸籍、葬儀資料 |
| 疎遠な親族が亡くなった場合 | 死亡を知った日や自分が相続人であることを知った日 | 親族からの連絡、役所・債権者からの通知、戸籍 |
| 先順位相続人が相続放棄した場合 | 先順位相続人の相続放棄により自分が相続人になったことを知った日 | 相続放棄申述受理通知書、親族からの連絡、戸籍 |
| 債権者から請求書が届いた場合 | 死亡や相続人であることをいつ知ったか、借金の存在をいつ知ったかが問題になることがあります | 請求書、督促状、訴状、支払督促、郵便封筒 |
| 兄弟姉妹・甥姪が相続人になる場合 | 先順位相続人がいないこと又は放棄したことを知った日 | 被相続人の出生から死亡までの戸籍、父母・祖父母・兄弟姉妹の戸籍 |
起算点は、相続放棄が認められるかに関わる重要な事情です。特に、兄弟姉妹、甥姪、疎遠な親族、債権者からの通知で初めて事情を知った方は、通知を受け取った日や親族から連絡を受けた日が分かる資料を残しておきましょう。
相続放棄はどこの家庭裁判所に申し立てるか
相続放棄の申述先は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。申述人本人の住所地ではありません。
たとえば、申述人が神戸市に住んでいても、亡くなった方の最後の住所地が大阪府であれば、大阪府内の管轄家庭裁判所を確認する必要があります。反対に、申述人が県外に住んでいても、亡くなった方の最後の住所地が神戸市内であれば、神戸家庭裁判所の管轄が問題になります。
| 確認事項 | 確認方法 | 注意点 |
|---|---|---|
| 被相続人の最後の住所 | 住民票除票、戸籍附票、死亡時の住所が分かる資料 | 本籍地や申述人の住所地とは異なる場合があります。 |
| 管轄家庭裁判所 | 裁判所の申立書提出先一覧、提出先家庭裁判所への確認 | 神戸市、明石市、淡路地域などでも管轄確認が必要です。 |
| 郵送提出の可否・方法 | 提出先家庭裁判所の案内 | 期限直前は到達日や不足書類の扱いも確認しましょう。 |
神戸家庭裁判所を利用する可能性がある場合は、裁判所公式サイトの神戸家庭裁判所案内、申立書提出先一覧、郵便料・予納金資料を確認してください。特に、神戸市西区、明石市、淡路地域などは支部管轄が問題になることがあります。
相続放棄に必要な費用
相続放棄では、家庭裁判所に納める費用と、弁護士へ依頼する場合の弁護士費用を分けて考える必要があります。
| 費用の種類 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 収入印紙 | 申述人1人につき800円分 | 家庭裁判所へ納める費用です。 |
| 連絡用郵便切手 | 提出先家庭裁判所が指定する額 | 裁判所ごとに異なります。神戸家庭裁判所では確認日現在、相続放棄申述について110円切手5枚、合計550円等の案内があります。 |
| 予納金 | 裁判所により利用できる場合があります | 神戸家庭裁判所では確認日現在、相続放棄申述について予納金1000円等の案内があります。 |
| 戸籍等の取得費用 | 戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍、住民票除票、戸籍附票等の取得費用 | 自治体ごとに手数料、郵送請求方法、本人確認書類が異なります。 |
| 弁護士費用 | 神戸みらい法律会計事務所の公式表示では、相続放棄は5万5000円~税込 | 期限切迫、期限経過、相続財産調査、相続人調査が必要な場合は加算される可能性があります。公開前に最新表示を確認してください。 |
弁護士費用は、裁判所へ納める費用とは別です。期限が迫っている場合、期限経過が問題になる場合、財産調査や相続人調査が必要な場合には、費用条件も含めて相談時に確認しましょう。
相続放棄の必要書類
相続放棄では、共通して必要になる書類と、申述人がどの立場の相続人かによって追加で必要になる書類があります。戸籍は「戸籍謄本」「戸籍全部事項証明書」「除籍謄本」「改製原戸籍」などの名称で呼ばれることがあります。
共通して必要になる書類
| 書類 | 内容 | 期限直前の注意点 |
|---|---|---|
| 相続放棄申述書 | 家庭裁判所に提出する申述書 | 裁判所書式・記載例を確認し、期限内提出を意識して作成します。 |
| 被相続人の住民票除票又は戸籍附票 | 亡くなった方の最後の住所地を確認する資料 | 申述先の確認に直結します。 |
| 申述人の戸籍謄本 | 申述人本人の戸籍 | 現在戸籍を取得します。 |
| 被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本 | 亡くなった事実を確認する戸籍 | 配偶者や子が申述する場合にも基本資料になります。 |
相続人の立場ごとの追加書類
| 申述人の立場 | 主な追加書類 | 注意点 |
|---|---|---|
| 配偶者 | 被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本 | 共通書類と重なる場合があります。 |
| 子 | 被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本 | 親子関係が戸籍で確認できるか確認します。 |
| 孫などの代襲相続人 | 被代襲者の死亡の記載のある戸籍謄本など | 誰の代わりに相続人になるのかを戸籍で示す必要があります。 |
| 父母・祖父母など直系尊属 | 被相続人の出生時から死亡時までの戸籍、子や孫が死亡している場合の戸籍など | 先順位相続人がいないことを確認するため、戸籍が多くなることがあります。 |
| 兄弟姉妹 | 被相続人の出生時から死亡時までの戸籍、父母・祖父母の死亡の記載のある戸籍など | 兄弟姉妹が相続人になるまでの相続関係を戸籍で確認します。 |
| 甥姪 | 兄弟姉妹に必要な戸籍に加え、被代襲者である兄弟姉妹の死亡の記載のある戸籍 | 戸籍収集に時間がかかりやすいため、期限前に対応方針を確認しましょう。 |
| 未成年者・成年被後見人 | 法定代理人関係を示す資料、特別代理人に関する資料が必要になる場合があります | 利益相反がある場合は、特別代理人が必要になる可能性があります。 |
同じ書類は1通で足りる場合があります。また、先に提出された相続放棄や期間伸長事件で提出済みの戸籍がある場合、重ねて提出しなくてよい場合があります。ただし、審理のために追加書類を求められることがあります。
法定相続情報一覧図の写しを利用できる場合もありますが、提出先の家庭裁判所がどの範囲で利用を認めるかは確認が必要です。期限が迫っている場合は、一覧図の取得を待つべきか、手元戸籍で申述を進めるべきかを個別に検討してください。
戸籍が期限までに揃わない場合
戸籍がすべて揃わないまま3か月の期限が過ぎると、相続放棄の可否に重大な影響が出る可能性があります。期限直前は、「戸籍が全部揃ってから提出する」と考えるのではなく、先に提出できる書類と後から追完できる可能性がある書類を整理することが重要です。
裁判所の公式案内では、申述前に入手が不可能な戸籍等は、申述後に追加提出することでも差し支えない旨が示されています。ただし、どの書類を先に出せるか、どの書類を後から追完できるか、不足書類のまま受け付けてもらえるかは、提出先家庭裁判所の運用と事案により異なる可能性があります。
| 期限直前に優先して整理する資料 | 理由 |
|---|---|
| 相続放棄申述書 | 家庭裁判所へ申述するための中心書類です。 |
| 被相続人の死亡日が分かる資料 | 相続開始と期限計算の基礎になります。 |
| 被相続人の最後の住所が分かる資料 | 申述先家庭裁判所を確認するために必要です。 |
| 申述人の戸籍謄本 | 申述人本人を確認する基本資料です。 |
| 手元にある戸籍、除籍、改製原戸籍 | 不足戸籍の範囲を判断する材料になります。 |
| 債権者からの請求書、督促状、訴状、支払督促 | 借金を知った時期、期限経過が問題になる場合の資料になります。 |
| 親族からの連絡、LINE、メール、書面 | 相続開始や先順位相続人の相続放棄を知った時期の資料になります。 |
戸籍収集では、令和6年3月1日から始まった戸籍証明書等の広域交付を利用できる場合があります。ただし、広域交付は本人、配偶者、父母・祖父母、子・孫など一定の範囲に限られ、窓口請求と顔写真付き本人確認書類が必要とされています。郵送請求や代理人請求では利用できないため、期限が迫っている場合は自治体窓口、郵送請求、弁護士への依頼のどれが適切かを検討してください。
期間伸長を検討すべき場合
相続財産や相続債務を調査しても、3か月以内に相続放棄、限定承認、単純承認の判断ができない場合には、「相続の承認又は放棄の期間の伸長」を検討します。
期間伸長は、家庭裁判所への申立てが必要です。何もしなくても当然に期限が延びるわけではありません。また、期間伸長の申立ては、原則として熟慮期間内に行う必要があります。
| 検討場面 | 相続放棄申述を優先しやすい場合 | 期間伸長を検討しやすい場合 |
|---|---|---|
| 借金が明らかに多い | 相続放棄の意思が固まっている場合 | 債務額や相続人関係に未確認部分が大きい場合 |
| 財産と借金のどちらが多いか分からない | 相続放棄の判断に必要な資料が既に揃っている場合 | 不動産、保証債務、会社関係資料などの調査が必要な場合 |
| 相続財産に手を付けた可能性がある | 法定単純承認の問題を確認したうえで申述する場合 | 行為の内容、時期、金額、資料の確認が必要な場合 |
| 相続人関係が複雑 | 相続人の立場が明確な場合 | 兄弟姉妹、甥姪、代襲相続、未成年者などが関係する場合 |
迷ったら必ず期間伸長を申し立てる、というものではありません。財産調査の状況、債務額、相続人関係、法定単純承認に当たる行為の有無により、相続放棄申述を急ぐべきか、期間伸長を申し立てるべきかは変わります。
申述か期間伸長か迷っている場合
期限が迫っている場合は、相続放棄申述と期間伸長申立てのどちらを優先するかを、資料に基づいて整理する必要があります。債権者からの請求書、戸籍、住民票除票、預貯金や不動産の資料を手元に用意し、早めに確認しましょう。
期限直前にやってはいけないこと
相続放棄を検討している間は、相続財産を処分したと評価される行為に注意が必要です。一定の行為をすると、法定単純承認に当たるとして、相続放棄が問題になる可能性があります。
- 亡くなった方の預貯金を自分の生活費や借金返済に使わない
- 不動産、車、株式、貴金属などを売却・名義変更しない
- 遺産分割協議書に安易に署名押印しない
- 賃貸借契約の解約書に安易に署名しない
- 債権者への支払いを相続財産からしない
- 高価な遺品を持ち帰ったり処分したりしない
- 他の相続人に言われるまま財産処分を進めない
預貯金の引出し、遺品整理、賃貸借解約、葬儀費用、生命保険などの詳しい注意点は、既存コラムで解説しています。
相続財産・相続債務の調査で確認する資料
相続放棄をするか判断するには、相続財産と相続債務の概要を把握する必要があります。ただし、調査と処分は別です。資料確認のために通帳や郵便物を見ることと、預金を使ったり財産を売却したりすることは区別してください。
| 分類 | 確認する資料 | 注意点 |
|---|---|---|
| 預貯金 | 通帳、キャッシュカード、取引明細、金融機関からの郵便物 | 引出しや使用は慎重に判断します。 |
| 借金 | 請求書、督促状、契約書、カード会社・消費者金融からの通知 | 支払う前に、誰の財産から支払うのか確認が必要です。 |
| 保証債務 | 保証契約書、金融機関からの通知、会社関係資料 | 表面上の借入れがなくても保証債務がある場合があります。 |
| 不動産 | 登記事項証明書、固定資産税納税通知書、名寄帳、権利証 | 相続登記や固定資産税の問題が関係する場合があります。 |
| 車 | 車検証、自動車税通知、ローン契約書 | 売却、廃車、名義変更は相続放棄との関係を確認してから進めます。 |
| 株式・投資信託 | 証券会社資料、配当通知、取引報告書 | 評価額や処分の有無を確認します。 |
| 税金・社会保険料 | 納税通知書、滞納通知、年金・健康保険関係書類 | 相続債務に当たるか、別途確認が必要です。 |
| 施設・病院・介護費用 | 請求書、領収書、契約書 | 支払済みの場合は、支払原資と時期を整理します。 |
| 保険金・死亡退職金 | 保険証券、支給規程、受取人欄、勤務先資料 | 相続財産と別に扱われる場合がありますが、契約内容や税務確認が必要です。 |
信用情報機関への照会を検討する場合は、各機関の公式手続を確認してください。照会には本人確認書類、手数料、手続方法の確認が必要です。
相続放棄申述後の流れ
相続放棄申述書を提出した後、家庭裁判所から照会書・回答書が届くことがあります。回答期限を過ぎると手続に影響する可能性があるため、郵便物を確認し、期限内に回答しましょう。
| 段階 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 申述書提出 | 相続放棄申述書、収入印紙、郵便切手、戸籍等を提出 | 不足書類がある場合は追完指示を確認します。 |
| 照会書・回答書 | 家庭裁判所から相続放棄の意思や事情を確認される場合があります | 回答期限を守り、事実と異なる記載をしないよう注意します。 |
| 受理通知書 | 相続放棄申述が受理されたことを知らせる通知 | 通常、債権者への説明資料として提示することがあります。 |
| 受理証明書 | 相続放棄申述が受理されたことを証明する書面 | 債権者、金融機関、関係者から求められる場合があります。 |
| 債権者対応 | 相続放棄した旨を伝える | 通知文、受理証明書、債権者の請求内容を確認して対応します。 |
相続放棄が受理されると、その相続については初めから相続人とならなかったものと扱われます。ただし、受理された後でも、現に相続財産を占有している場合などは、自由に処分してよいわけではありません。相続財産の管理、引渡し、次順位相続人への影響については、個別事情により対応が異なります。
相続放棄と次順位相続人・保険・税務・登記の注意点
相続放棄は、自分だけの問題で終わらない場合があります。たとえば、子が相続放棄すると、父母、祖父母、兄弟姉妹、甥姪など、次順位の相続人に影響することがあります。
誰が次に相続人になるかは、戸籍を確認しなければ判断できません。親族へ通知する義務の有無や通知方法についても、事案により異なります。親族間トラブルを避けるためには、相続関係、債務の内容、相続放棄の方針を整理してから説明することが重要です。
受取人指定の生命保険金は、相続財産とは別に扱われる場合があります。ただし、契約内容、受取人、保険金請求の時期、税務上の扱いにより確認が必要です。死亡退職金も、勤務先の支給規程や受取人の定めにより扱いが変わる場合があります。
相続税の申告、準確定申告、不動産登記、会社株式、事業承継が関係する場合は、税理士、司法書士、公認会計士的な確認が必要になることがあります。相続放棄をするかどうかだけでなく、周辺手続への影響も含めて整理しましょう。
弁護士に相談するタイミング
次のような場合は、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。相続放棄が受理されることや期間伸長が認められることを保証するものではありませんが、期限、資料、申述方針を整理しやすくなります。
- 3か月の期限が近い
- 期限まで2週間以内、1週間以内、数日以内に迫っている
- 戸籍が期限までに揃わない
- 債権者から請求書、督促状、訴状、支払督促が届いた
- 亡くなった方の預金を使ってしまった可能性がある
- 遺産分割協議書への署名押印を求められている
- 賃貸住宅の解約や遺品整理を急かされている
- 財産と借金のどちらが多いか分からない
- 相続人が複数いて意見が分かれている
- 未成年者や成年被後見人が相続人に含まれる
- 会社経営者、自営業者、不動産所有者の相続である
相談前に準備したい資料
相談時点ですべての資料が揃っていなくても、相談は可能です。ただし、期限が迫っている場合は、手元にある資料をできる限り整理しておくと、方針を検討しやすくなります。
| 資料 | 確認したい内容 |
|---|---|
| 死亡日が分かる資料 | 期限計算の出発点 |
| 被相続人の最後の住所が分かる資料 | 申述先家庭裁判所の確認 |
| 被相続人の戸籍、除籍、改製原戸籍 | 相続関係、相続順位 |
| 被相続人の住民票除票又は戸籍附票 | 最後の住所地 |
| 申述人の戸籍謄本 | 申述人本人と相続関係 |
| 債権者からの請求書、督促状、訴状、支払督促 | 債務の有無、請求時期、期限経過が問題になる場合の事情 |
| 通帳、取引履歴、キャッシュカード | 預貯金、引出し、支払の有無 |
| 不動産資料、固定資産税納税通知書、名寄帳 | 不動産の有無、評価、登記の問題 |
| 車検証、保険証券、証券会社資料 | 車、保険、株式、投資信託の有無 |
| 施設、病院、介護、葬儀の請求書・領収書 | 支払済み費用、相続財産からの支払の有無 |
| 預金引出し、支払、遺品整理、賃貸借解約などのメモ | 法定単純承認に当たる可能性の確認 |
| 他の相続人とのLINE、メール、書面 | 相続開始を知った時期、親族間のやり取り |
よくある質問
相続放棄の期限はいつから3か月ですか?
原則として「自己のために相続の開始があったことを知ったとき」から3か月以内です。死亡日から必ず3か月とは限りません。疎遠な親族、兄弟姉妹、甥姪、債権者からの請求で初めて事情を知った場合などは、資料を確認して起算点を検討します。
相続放棄の期限が数日後でも間に合いますか?
間に合うかどうかは、申述先、手元書類、提出方法、事案の内容により異なります。期限直前でも、自己判断であきらめず、提出先家庭裁判所又は弁護士へ確認してください。
戸籍が全部揃っていなくても相続放棄できますか?
裁判所の案内上、申述前に入手が不可能な戸籍等は申述後に追加提出できる場合があります。ただし、不足書類の扱いは提出先家庭裁判所や事案により異なる可能性があるため、必ず確認が必要です。
相続放棄の申述先はどこの家庭裁判所ですか?
被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。申述人本人の住所地ではありません。住民票除票や戸籍附票で最後の住所地を確認し、裁判所の申立書提出先一覧で管轄を確認します。
相続放棄の必要書類は何ですか?
相続放棄申述書、被相続人の住民票除票又は戸籍附票、申述人の戸籍謄本、被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本などが基本です。申述人が父母、兄弟姉妹、甥姪などの場合は、相続関係に応じて追加戸籍が必要になります。
期間伸長を申し立てれば必ず期限は延びますか?
必ず延びるわけではありません。期間伸長は家庭裁判所への申立てが必要で、財産調査の状況、債務の内容、相続人関係などを踏まえて判断されます。
期限を過ぎたら相続放棄はできませんか?
期限経過が問題になる場合でも、起算点や事情により見通しが変わることがあります。ただし、期限後の相続放棄は慎重な検討が必要です。請求書、通知書、死亡を知った時期が分かる資料を整理し、弁護士へ確認してください。
相続放棄を相談するとき何を持参すればよいですか?
死亡日が分かる資料、被相続人の最後の住所が分かる資料、戸籍、住民票除票又は戸籍附票、債権者からの請求書、通帳、不動産資料、既に行った支払や遺品整理のメモなどを持参すると、期限と方針を検討しやすくなります。
まとめ
相続放棄の期限が迫っている場合は、次の点を優先して確認してください。
- 3か月の期限は、死亡日ではなく「自己のために相続の開始があったことを知ったとき」から数える
- 申述先は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所である
- 戸籍収集と申述書作成は同時に進める
- 戸籍が不足する場合でも、自己判断で期限を過ぎず、提出先家庭裁判所又は弁護士へ確認する
- 財産や債務の調査が終わらない場合は、期間伸長を検討する
- 預貯金の使用、不動産や車の処分、遺産分割協議書への署名押印には注意する
- 請求書、督促状、訴状、支払督促が届いた場合は、封筒を含めて保管する
相続放棄は、期限、戸籍、財産調査、法定単純承認、次順位相続人への影響が重なりやすい手続です。特に期限が2週間以内、1週間以内、数日以内に迫っている場合は、手元資料を整理し、申述又は期間伸長の方針を早めに確認しましょう。
相続放棄の期限・必要書類でお困りの方へ
神戸みらい法律会計事務所では、相続放棄を含む相続案件について、期限、戸籍、債務資料、法定単純承認に当たる行為の有無を確認したうえで対応方針を整理します。相続放棄が受理されることを保証するものではありませんが、期限前に申述できるか、期間伸長を検討すべきか、資料に基づいて確認できます。
監修者・執筆者情報
監修者候補:藤井 貴之 弁護士
所属:兵庫県弁護士会、日本公認会計士協会兵庫会
資格:弁護士・公認会計士・通知税理士
事務所:弁護士法人ひょうご支所神戸みらい法律会計事務所
所在地:神戸市須磨区中落合2-2-5 名谷センタービル7階
参考資料
本記事は、相続放棄の期限と必要書類に関する一般的な解説です。実際の結論は、相続開始を知った時期、戸籍関係、相続財産への関与、債務資料、家庭裁判所の運用により異なります。公開前には、法令、裁判所資料、費用表示、相談条件、広告表現について弁護士の確認を受けてください。

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