遺贈寄付(公益法人等への遺贈)
遺言 相続遺贈寄付(公益法人等への遺贈)について淡路島の弁護士がご説明いたします。
1 「相続財産管理人・国庫帰属」
相続人がおらず、特別縁故者がいない場合、遺産は最終的には国庫に帰属することになり、最終的には国家予算として社会のために使用されることになります。
ただし、相続人のいない相続財産には、利害関係人や検察官の請求により相続財産管理人が選任されることになり、相続財産管理人による財産の調査・管理・清算等がなされ、相続財産管理人の業務に関する費用が支出されるなど、国庫に帰属する過程で財産が目減りするおそれがあります。
また、相続財産管理人の業務が全て完了するまでには相応の時間を要することになります。
このため、被相続人の中には、遺贈寄付(公益法人等への遺贈)を検討される方がいます。
2 「遺贈先(受遺者)の選定」
遺贈寄付にあたって、まず「遺贈先(受遺者)の選定」をどうするかが問題となります。
判例では、「遺産は一切の相続を廃除し」「全部を公共に寄与する」という条項を記載し、遺言執行者を指定した遺言について、遺言執行者に公共のために利用できる団体等の中から遺贈先(受遺者)を選定することを遺言執行者に委ねる趣旨として有効と判断しました(最判平成5年1月19日)。
このように、遺言執行者に遺贈寄付を委ねてしまう方法もありますが、遺言執行者が遺言者の意思に沿って行動するかは未知数であることから、遺贈寄付(公益財団法人への遺贈)の遺言に際しては、遺贈先を明確にしておくことが望ましいと考えられます。
なお、遺贈を受けた者(受遺者)は遺贈の放棄をすることができるため、遺言に遺贈先を明確に記載したとしても遺言者の希望が実現しないことも生じ得ます。
したがって、遺言者としては、遺言前に受贈者の意思を確認し、打合せ相等を行うことが望ましいと考えられます。
3 「遺贈の方法」
「遺贈の方法」としては、土地建物等を現物で遺贈するか、金銭化した上で遺贈するかを検討する必要があります。
この点、公益法人においては、土地建物等の現物での遺贈は活用方法や売却時の課税等の問題があることから、遺言執行者によって全てを現金化した上で遺贈することを求めていることがほとんどであり、前述した遺贈の放棄(遺贈の受諾)をするかどうかの判断もこの点を加味して行っている者と考えられるため、遺言執行者を指定した上で金銭化した上での遺贈を準備することが必要と考えられます。
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