取締役の競業避止義務について |淡路島(南あわじ 洲本)の弁護士法人 あわじみらい法律会計事務所

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取締役の競業避止義務について

取締役の競業避止義務について淡路島の弁護士がご説明いたします。
 
取締役は、会社のノウハウや顧客情報等の内部情報に通じており、これらを入手しやすい立場にあります。
そこで、会社の内部情報を利用して、取締役自身等により競争的取引が行われると、会社の利益が損なわれるおそれがあるため、会社法においては取締役の競業取引規制が設けられています。
 
会社法上の競業取引規制においては、取締役は競業取引をしようとする場合、取引に関する重要な事実開示した上で、取締役会等の承認を得る必要があります。
承認を得ることなく競業取引を行った取締役は、会社が被った損害に対する損害賠償責任を負うことになります。
なお、取締役会等の承認を得た場合でも、取締役に任務懈怠がある場合、競業取引を行った取締役競業の承認決議に賛成した取締役等は、会社に対する損害賠償責任を負うことになります。
 
では、取締役退任後の競業避止義務を負うでしょうか。
取締役は在任中は会社のノウハウや顧客情報等の内部情報にアクセスできる状況でしたので、会社としては取締役が競業取引を行うことで、顧客を奪われるおそれもありますが、一方で退任後の取締役は職業選択の自由を有しており、生計の途を確保する必要があります。

したがって、退任後の取締役は、退任後の競業避止義務に関する合意書や誓約書を作成していない限り、原則として競業避止義務を負うことはありません。

 

では、退任後の競業避止義務に関して合意や誓約がある場合、退任後の取締役による競業取引は認められないのでしょうか。 
このような合意や誓約はその内容が合理的な制限と認められる限り、有効となり、これに違反した取締役に対して、行為の差し止めや損害賠償を請求することができることになります。
しかしながら、このような合意や誓約も無制限に認められるわけではなく、特段の代償措置のない場合、地域的な限定がない場合、禁止される期間が長期間にわたる場合、会社側に守られるべき正当な利益がない場合等では、公序良俗に反して、合意や誓約が無効となるおそれがあります。
 
したがって、取締役としては不当な競業避止義務を負わされることがないよう、合意書誓約書を作成する場合には、その内容に留意する必要があります。
一方で、会社側においても競業を禁止するために合意書や誓約書を作成する仕組作りを行うことや、作成した合意書や誓約書が公序良俗に反し無効にならないよう留意する必要があります。
なお、合意書や誓約書の内容が合理的で公序良俗に反しないかどうかの判断においては、これまでの裁判例等も対比して諸般の事情を総合考慮する必要があるため、弁護士に相談することをおすすめいたします。  
当事務所においては、些細なことでもご相談できるよう初回無料相談を実施しております。
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